| 【発明の名称】 |
防腐・防かび用一液水性製剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】梅川 治
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| 【要約】 |
【課題】有効成分として、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩およびジデシルジメチルアンモニウムクロリドを含有し、媒体が水のみからなる、環境に優しい防腐・防かび用一液水性製剤を提供することを課題とする。
【解決手段】有効成分として、(A)式(I)で表されるポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩と、(B)式(II)で表されるジデシルジメチルアンモニウムクロリドとを含有し、媒体が水のみからなり、成分(A)と成分(B)の合計含有量が製剤中の6重量%以下であり、かつ成分(A)と成分(B)とが相分離を起こさない割合で配合されてなることを特徴とする防腐・防かび用一液水性製剤により、上記の課題を解決する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 有効成分として、 (A)式(I): 【化1】
(式中、nは3〜15までの数であり、化合物の重量平均分子量は700〜3300である)で表されるポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩と、 (B)式(II): 【化2】
(式中、Rはデシル基である)で表されるジデシルジメチルアンモニウムクロリドとを含有し、 媒体が水のみからなり、成分(A)と成分(B)の合計含有量が製剤中の6重量%以下であり、かつ成分(A)と成分(B)とが相分離を起こさない割合で配合されてなることを特徴とする防腐・防かび用一液水性製剤。 【請求項2】 成分(A)と成分(B)とが相分離を起こさない割合が、 成分(A)と成分(B)の合計含有量に対する成分(A)の重量割合を横軸に、製剤中の成分(A)と成分(B)の合計含有量を縦軸に表したときに、 成分(A)の重量割合が10重量%である直線と、 成分(A)の重量割合が30重量%である直線と、 合計含有量が0重量%である直線と、 成分(A)の重量割合が10重量%で合計含有量が6重量%である点と成分(A)の重量割合が30重量%で合計含有量が3重量%である点とを結ぶ直線と に囲まれた範囲(但し、合計含有量が0重量%である直線上を含まない)にある請求項1に記載の防腐・防かび用一液水性製剤。 【請求項3】 成分(A)と成分(B)とが相分離を起こさない割合が、 成分(A)の重量割合が10重量%である直線と、 成分(A)の重量割合が30重量%である直線と、 合計含有量が1重量%である直線と、 成分(A)の重量割合が10重量%で合計含有量が5重量%である点と成分(A)の重量割合が30重量%で合計含有量が1重量%である点とを結ぶ直線と に囲まれた範囲にある請求項2に記載の防腐・防かび用一液水性製剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、有効成分として、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩およびジデシルジメチルアンモニウムクロリドを含有し、媒体が水のみからなる防腐・防かび用一液水性製剤に関する。 【背景技術】 【0002】 本発明に使用する有効成分は、それぞれ防腐・防かび剤として公知であり、特開2001−354505号公報(特許文献1)には、これらの2種の薬剤を組合わせた防腐防かび防藻剤が開示されている。 また、上記の公報には、製剤例として、有機溶剤や界面活性剤を含む製剤や配合量が35重量%という高濃度の製剤が記載されている。 【0003】 他方、様々な分野において環境問題が取り上げられる中で、当該分野でも、人体に悪影響を与えず安全で、かつ環境対応の薬剤が求められている。具体的には、有機溶剤や界面活性剤を含まない薬剤、さらにはホルムアルデヒドのようなシックハウス症候群を引き起こす化合物、環境ホルモン(内分泌攪乱化学物質)、発ガン物質、揮発性有機化合物(VOC)、有毒ガスの発生原因となる化合物を含まない薬剤が求められている。 しかしながら、上記の公報に記載の有機溶剤や界面活性剤を含む製剤は、上記のニーズを満足しないという問題がある。 【0004】 また、上記の公報に記載の高濃度の製剤は、2種の薬剤が相分離を起こして相溶せず、一液製剤とはならない。したがって、この製剤を水系に添加する際には製剤中の薬剤を分散させるための撹拌操作を必要とし、作業効率が悪いという問題がある。また、撹拌操作により製剤中の薬剤を分散させたとしても、均一に分散できるとは限らず、製剤の添加濃度を正確に設定することができないという問題がある。 【0005】 最近は、環境への規制から市場のニーズは、界面活性剤や有機溶剤の使用を避け、環境に優しい薬剤の使用が望まれている。 【0006】 【特許文献1】特開2001−354505号公報 【発明の開示】 【課題を解決するための手段】 【0007】 ところが、本発明での有効成分は、水中で、特に高い濃度では相分離を生じ、界面活性剤や有機溶剤の使用が必須であることが判明した。そこで、鋭意研究した結果、特定の割合で有効成分を配合することにより、相分離を生ずることなく、安定な一液水性製剤化が可能であること、さらに低濃度においてもある割合で有効成分を配合すると相乗効果が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。 【0008】 かくして、本発明によれば、有効成分として、 【0009】 (A)式(I): 【化1】
(式中、nは3〜15までの数であり、化合物の重量平均分子量は700〜3300である)で表されるポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩と、 【0010】 (B)式(II): 【化2】
(式中、Rはデシル基である)で表されるジデシルジメチルアンモニウムクロリドとを含有し、 【0011】 媒体が水のみからなり、成分(A)と成分(B)の合計含有量が製剤中の6重量%以下であり、かつ成分(A)と成分(B)とが相分離を起こさない割合で配合されてなることを特徴とする防腐・防かび用一液水性製剤が提供される。 式(II)における置換基Rは、デシル基と定義したが、原料から由来して、デシル基を主にして類似の高級アルキル基を含んでいてもよい。 【発明の効果】 【0012】 本発明によれば、有効成分として、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩およびジデシルジメチルアンモニウムクロリドを含有し、媒体が水のみからなる、環境に優しい防腐・防かび用一液水性製剤を提供することができる。 本発明の防腐・防かび用一液水性製剤は、相分離のない均一な製剤なので、撹拌操作を必要とせず簡便に、添加濃度を正確に設定して、水系に添加することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 本発明の防腐・防かび用一液水性製剤は、有効成分として、(A)式(I)で表されるポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩と、(B)式(II)で表されるジデシルジメチルアンモニウムクロリドとを含有し、媒体が水のみからなり、成分(A)と成分(B)の合計含有量が製剤中の6重量%以下であり、かつ成分(A)と成分(B)とが相分離を起こさない割合で配合されてなることを特徴とする。 【0014】 本発明で用いられる成分(A)のポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩は、公知の防腐・防かび剤であり、市販のものを用いることができる。例えば、三洋化成工業株式会社製のBG−1(製品名:約20%ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩+約80%水)が挙げられる。 【0015】 本発明で用いられる成分(B)のジデシルジメチルアンモニウムクロリドは、公知の防腐・防かび剤であり、市販のものを用いることができる。また、市販の製剤は有機溶剤を含むので、蒸留などの公知の方法により有機溶剤を除去して用いればよい。例えば、三洋化成工業株式会社製のカチオンDDC−50(製品名:約50%ジデシルジメチルアンモニウムクロリド+約10%エタノール+約40%水)、花王株式会社製のコータミンD−10P(製品名:約75%ジデシルジメチルアンモニウムクロリド+約15%イソプロパノール+約10%水)が挙げられる。 【0016】 本発明の防腐・防かび用一液水性製剤は、媒体が水のみからなり、成分(A)と成分(B)の合計含有量が製剤中の6重量%以下であり、かつ成分(A)と成分(B)とが相分離を起こさない割合で配合されてなる。 成分(A)の重量割合と、成分(A)と成分(B)の合計含有量とが上記のような配合のとき、有機溶剤や界面活性剤を含まず、媒体が水のみからなる系でも相分離を起こさず、相溶した防腐・防かび用一液水性製剤が得られる。 【0017】 本発明において、成分(A)と成分(B)とが相分離を起こさない割合は、図1で表される範囲にあるのが必要であることを見出している。 図1は、本発明の防腐・防かび用一液水性製剤における成分(A)と成分(B)の合計含有量に対する成分(A)の重量割合と、製剤中の成分(A)と成分(B)の合計含有量の範囲を示す図である。図中、前者を横軸に、後者を縦軸に表している。 【0018】 具体的には、成分(A)と成分(B)とが相分離を起こさない割合は、図1において、 成分(A)の重量割合が10重量%である直線と、 成分(A)の重量割合が30重量%である直線と、 合計含有量が0重量%である直線と、 成分(A)の重量割合が10重量%で合計含有量が6重量%である点と成分(A)の重量割合が30重量%で合計含有量が3重量%である点とを結ぶ直線と に囲まれた範囲(但し、合計含有量が0重量%である直線上を含まない)にある。 【0019】 製剤中の成分(A)と成分(B)の合計含有量は、実用的には0.1重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。 具体的には、製剤中の成分(A)と成分(B)の合計含有量は、例えば、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%が挙げられる。 【0020】 したがって、成分(A)と成分(B)とが相分離を起こさない割合は、図1で表される範囲において、 成分(A)の重量割合が10重量%である直線と、 成分(A)の重量割合が30重量%である直線と、 合計含有量が1重量%である直線と、 成分(A)の重量割合が10重量%で合計含有量が5重量%である点と成分(A)の重量割合が30重量%で合計含有量が1重量%である点とを結ぶ直線と に囲まれた範囲にあるのが好ましい。 【0021】 より具体的には、例えば、 合計含有量が1重量%で成分(A)の重量割合が10重量%、20重量%または30重量%、 合計含有量が2重量%で成分(A)の重量割合が10重量%、20重量%または30重量%、 合計含有量が3重量%で成分(A)の重量割合が10重量%、20重量%または30重量%、 合計含有量が4重量%で成分(A)の重量割合が10重量%または20重量%、 合計含有量が5重量%で成分(A)の重量割合が10重量、 合計含有量が6重量%で成分(A)の重量割合が10重量 の配合が挙げられる。 【0022】 これらの配合の中でも、 合計含有量が1重量%で成分(A)の重量割合が10重量%、20重量%または30重量%、 合計含有量が2重量%で成分(A)の重量割合が10重量%または20重量%、 合計含有量が3重量%で成分(A)の重量割合が10重量%または20重量%、 合計含有量が4重量%で成分(A)の重量割合が10重量%%、 合計含有量が5重量%で成分(A)の重量割合が10重量 の配合が特に好ましい。 【0023】 本発明の防腐・防かび用一液水性製剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で、公知の防腐・防かび剤と併用することができる。 併用可能な公知の防腐・防かび剤としては、例えば、式(III): 【0024】 【化3】
@0005 で表される2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどのイソチアゾリン系化合物が挙げられる。 【0025】 上記の2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンは、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩とジデシルジメチルアンモニウムクロリド防腐・防かび効果を補完し、併用により抗菌スペクトルを広げることができる。 併用時の2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの配合量は、製剤中、1〜50重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲である。 【0026】 本発明の防腐・防かび用一液水性製剤は、各種工業用水やそれらの排水系、各種貯水系などの各種水系の防腐・防かびに適用できる。 その添加濃度は、添加する水系の種類、細菌やかびの汚染状況に応じて適宜設定すればよい。 【0027】 (実施例) 本発明を製剤例および試験例により詳細に説明するが、これらの製剤例および試験例により本発明が限定されるものではない。 【0028】 製剤例 成分(A)のポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩として、三洋化成工業株式会社製のBG−1(製品名:約20%ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩+約80%水)、成分(B)のジデシルジメチルアンモニウムクロリドとして、三洋化成工業株式会社製のカチオンDDC−50(製品名:約50%ジデシルジメチルアンモニウムクロリド+約10%エタノール+約40%水)を用いた。成分(B)については、予め蒸留によりエタノールを除去した。 表1に示す成分(A)と成分(B)の合計含有量に対する成分(A)の重量割合および製剤中の成分(A)と成分(B)の合計含有量で、成分(A)と成分(B)からなる製剤50gを調製した。ポイントミキサーで1分間混合して製剤を得た後、3日間静置し、目視により相溶性を評価した。 外観に変化がなく、成分(A)と成分(B)とが相溶したものを「○」、成分(A)と成分(B)とが分離(白濁)し、相溶しなかったものを「×」とした。 得られた結果を、各成分の重量割合および合計含有量と共に表1に示す。 【0029】 【表1】
【0030】 表1の結果から、成分(A)の重量割合と、製剤中の成分(A)と成分(B)の合計含有量が図1に示す特定の範囲にある製剤は、成分(A)と成分(B)とが相分離を起こさず、相溶した一液水性製剤であることがわかる。 【0031】 試験例 製剤例において、相溶性「○」と評価された製剤(相溶品)と「×」と評価された製剤(不相溶品)について、殺菌効力の比較試験を行った。 某工場にて採取した、細菌で汚染されたポリアクリルアマイド水溶液(固形分20%)に所定濃度の製剤を添加し、1日後の生菌数(個/ml)を測定した。 製剤には、表1に示す相溶品(No.1、No.5)および不相溶品(No.9、No.12)を用い、相溶品および不相溶品が同一の合計含有量となるように添加濃度を設定した。また、添加に際して所定濃度になるように水で希釈し、不相溶品を添加前に撹拌し、分離した成分を分散させた。 なお、ブランクとして、製剤無添加についても同様に試験した。 得られた結果を、各成分の重量割合、合計含有量量および添加濃度と共に表2に示す。 【0032】 【表2】
【0033】 表2の結果から、相溶品は、同等の添加濃度の不相溶品と比較して高い殺菌効力を有することがわかる。 【図面の簡単な説明】 【0034】 【図1】本発明の防腐・防かび用一液水性製剤における成分(A)と成分(B)の合計含有量に対する成分(A)の重量割合と、製剤中の成分(A)と成分(B)の合計含有量の範囲を示す図である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】395005723 【氏名又は名称】昌栄化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年1月5日(2005.1.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065248 【弁理士】 【氏名又は名称】野河 信太郎
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| 【公開番号】 |
特開2006−188451(P2006−188451A) |
| 【公開日】 |
平成18年7月20日(2006.7.20) |
| 【出願番号】 |
特願2005−793(P2005−793) |
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