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【発明の名称】 脱臭抗菌材およびそれを用いた脱臭抗菌方法
【発明者】 【氏名】広田 正宣
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】中野 幸一
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】恩田 雅一
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】臭気の放散や雑菌の繁殖を根本から対策し、その際に使用する脱臭抗菌材量は必要最小量でよく、また、この効果は気相中でも、液相中でも継続的に得ることができる脱臭抗菌材及びそれを用いた脱臭抗菌方法を提供する。

【解決手段】本発明の脱臭抗菌材1を再粉化させて吸着剤粒子2及び無機抗菌剤粒子3を、集塵室9内の塵埃に投入することで、吸着効果、抗菌効果により、塵埃中の臭気及び雑菌が除去され、電気掃除機の運転時における排気の衛生レベルを大幅に高めることができる。また脱臭抗菌材1は、固形化状態により、周囲環境の影響を受けないため、再粉化時には、常に最大限の脱臭抗菌性能を発揮できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸着剤粒子と無機抗菌剤粒子の混合物に結合助剤を配合して混練した後、任意の形に成形固化し、さらに前記結合助剤の配合量を調整して固形化強度を弱めることにより、成形後に再度一部を粒子状に戻すことができるようにした脱臭抗菌材。
【請求項2】
前記無機抗菌剤粒子は、銀系や銅系、または亜鉛系の抗菌金属の内少なくとも1種を配合した抗菌材である請求項1に記載の脱臭抗菌材。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の脱臭抗菌材を部分的に粒子状態に戻して、前記粒子を、臭気発生源および雑菌汚染源に直接接触させる脱臭抗菌方法。
【請求項4】
低湿、常湿及び高湿の雰囲気の限定された空間内で、静置した状態の臭気発生源および雑菌汚染源に対して、脱臭抗菌材を部分的に粒子状に戻して接触させる請求項3に記載の脱臭抗菌方法。
【請求項5】
低湿、常湿及び高湿の雰囲気の限定された空間内で、動的な状態の臭気発生源および雑菌汚染源に対して、脱臭抗菌材を部分的に粒子状に戻して接触させる請求項3に記載の脱臭抗菌方法。
【請求項6】
限定された空間の静置した状態の水中内における臭気発生源および雑菌汚染源に対して、脱臭抗菌材を部分的に粒子状に戻して接触させる請求項3に記載の脱臭抗菌方法。
【請求項7】
限定された空間の動的な状態の水中内における臭気発生源および雑菌汚染源に対して、脱臭抗菌材を部分的に粒子状に戻して接触させる請求項3に記載の脱臭抗菌方法。
【請求項8】
電気掃除機の集塵室内に貯留する塵埃の臭気と雑菌を除去する請求項4に記載の脱臭抗菌方法。
【請求項9】
生ゴミ処理機の処理容器内に貯留する生ゴミの臭気を除去する請求項5に記載の脱臭抗菌方法。
【請求項10】
水洗便器の貯水部内における排泄物の臭気と雑菌を除去する請求項6に記載の脱臭抗菌方法。
【請求項11】
電気衣類洗濯機の洗濯衣類中及び洗濯水中の雑菌を除去し、さらに乾燥後も衣類の脱臭抗菌効果を維持させる請求項7に記載の脱臭抗菌方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、悪臭や雑菌を効果的に除去できる脱臭抗菌材およびそれを用いた脱臭抗菌方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、居住空間において発生する様々な悪臭の除去に関しては、様々な対策商品が出されており、悪臭を別のニオイでマスキングする芳香剤、活性炭等多孔質な表面を有して臭気を吸着させる吸着剤等が一般に用いられている。また、これらの脱臭技術は、家庭電化製品にも応用されており、電気掃除機、生ゴミ処理機、温水洗浄便座等、使用時に悪臭の発生を伴う商品には、標準的に脱臭機能が搭載されている。また近年においては、臭気に加えて、様々な空間及び表面における雑菌の除去への関心も非常に高くなっており、脱臭機能にさらに抗菌機能も付与した技術、商品が増加している。
【0003】
従来の脱臭と抗菌機能を備えた材料として、活性炭及び抗菌材として銀を集合塊としたものをコア部とし、その表面を多孔質セラミックでコートし、球状に成形した脱臭抗菌材とし、前記球状の脱臭抗菌材を複数個、メッシュの袋、または通水(気)孔を開設した樹脂製の容器内に収容し、気相、液相における脱臭及び抗菌用途に使用するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−211428号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、複数の脱臭抗菌材を通気性の容器に収容して、臭気発生源の近傍に設置した場合、発生する臭気が拡散した際に、脱臭抗菌材と接触し、前記脱臭抗菌材中の活性炭の吸着作用により、臭気物質は吸着除去され、さらに脱臭抗菌材の容器に吸気手段等を組み込んで、強制的に空気を脱臭抗菌材と接触させるようにすると、より脱臭効果が高まるが、この方法では、通気性容器内の脱臭抗菌材の全てが臭気と均一に接触するため、脱臭性能は経時的に減少し、また、活性炭等の吸着剤では、活性炭中の臭気ガス濃度と、気相中の臭気濃度間の分圧が平衡に達した時点で、活性炭に吸着サイトが残存している場合でも、吸着効果が無くなるため、脱臭抗菌材が有している吸着容量を全て活かすことができず、結果として新しい脱臭抗菌材に入れ換える必要があるという課題を有していた。
【0005】
また、前記従来の構成では、脱臭抗菌材を通気性の容器収容して、汚水中に設置し、脱臭や除菌に用いた場合には、水中の臭気物質は、脱臭抗菌材中の活性炭により吸着され、さらに脱臭抗菌材中の銀が水中に溶出することにより、溶出した銀成分は、水中の菌に作用して菌の活性を低下させて、菌数を低減させることができるが、脱臭抗菌材は、全て水中に浸漬させて使用することになるため、脱臭抗菌材中の活性炭は、臭気物質だけでなく水分も吸着して吸着性能が低下し、また抗菌成分の銀も水中での連続的な浸漬により常に溶出するため、脱臭、抗菌性能とも短期間で低下してしまうという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、脱臭効果と抗菌効果の長期に渡って高いレベルで実現できる脱臭抗菌材及びそれを用いた脱臭抗菌方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の脱臭抗菌材は、吸着剤粒子と無機抗菌剤粒子の混合物に結合助剤を配合して混練した後、任意の形に成形固化し、さらに前記結合助剤の配合量を調整して固形化強度を弱めることにより、成形後に再度一部を粒子状に戻すことができるようにしたものである。
【0008】
これによって、固形化した吸着剤粒子と無機抗菌剤粒子は、成分の大部分を大気と遮断することで、未使用時における温度、湿度、コンタミによる両材料の性能劣化を抑制でき、さらに必要に応じて、固形化物を部分的に再粉化させて、吸着剤粒子と抗菌剤粒子の粉体を取り出し、臭気発生源や、雑菌汚染源に散布及び接触させ、吸着剤の吸着効果と、抗菌剤の抗菌効果により、直接的に臭気の除去や、雑菌の増殖抑制、菌の不活化等が行え、臭気や雑菌に対して根本から対策することができる。
【0009】
また、固形体の一部のみを使用することで、全ての材料が一度に臭気や、雑菌に接触しないため、最小限の材料の使用量で、最大限の効果を継続的に得ることができる。
【0010】
また、さらに、微細な粉体に戻して使用するため、粉体が持つ静電気的な作用で、気相中においては臭気源、雑菌源に散布された際に、接触的に付着し脱臭、抗菌効果を最大限に発揮でき、また液相中においても、表面積の大きい微細粉体として投入されることで、有機物や、雑菌との接触率が高まり、処理後の液体を排水処理する場合でも、配管が詰まることもなく、簡単に処分することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の脱臭抗菌材及びそれを用いた脱臭抗菌方法は、固形化した脱臭抗菌材を部分的に再粉化させて、臭気発生源および雑菌汚染源に積極的に接触させることにより、臭気の発生や、雑菌の繁殖を根本で対策し、その際に使用する脱臭抗菌材量は必要最小量でよく、また、再粉化した脱臭抗菌材は、常に新品の状態で使用できるため、長期に渡って高いレベルの脱臭、抗菌効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1の発明は、吸着剤粒子と無機抗菌剤粒子の混合物に結合助剤を配合して混練した後、任意の形に成形固化し、さらに前記結合助剤の配合量を調整して固形化強度を弱めることにより、成形後に再度一部を粒子状に戻すことができるようにすることにより、固形化状態から部分的に粉体状態に戻して、必要な量の吸着剤粒子と無機抗菌剤粒子を、脱臭、抗菌の用途に活用でき、固形化状態においては、温度、湿度、コンタミなどの周囲環境の影響も受けないため、臭気源、雑菌汚染源の近傍に設置しても、脱臭、抗菌性能が低下することはないため、これらの性能を長期に渡って保持することができる。
【0013】
第2の発明は、特に、第1の発明の無機抗菌剤粒子を銀系や銅系、または亜鉛系の抗菌金属の内少なくとも1種を配合した抗菌材とすることにより、雑菌汚染源が特に菌の繁殖が活発になる高湿雰囲気の状態になった場合でも、前記抗菌金属は、雑菌汚染源に接触した際に、汚染源の水分中にイオン化して溶出し、イオン化した抗菌金属が菌の核に作用して遺伝子を破壊し、菌を不活化するため、容易に菌の繁殖抑制や、不活化を行うことができる。
【0014】
第3の発明は、特に、第1の発明または第2の発明の脱臭抗菌材を部分的に粒子状態に戻して、前記粒子を、臭気発生源および雑菌汚染源に直接接触させるようにした脱臭抗菌方法であり、粉体状態に戻した脱臭抗菌材を臭気発生源や雑菌汚染源に直接付着するように任意の方法で散布することにより、粉体状態の脱臭抗菌材は静電気を帯びやすい為、臭気発生源などに積極的に付着し、臭気や雑菌を直接的に吸着または殺菌するため、例えば、臭気に対しては、気相中に放散してから除去する場合に比べ、臭気発生源をコーティングする形となるため、臭気の拡散も防げ、非常に効率よく脱臭効果を得ることができ、従来方式のように、臭気や雑菌が材料に接触するのを待つ方式と異なり、抜本的に効率よく臭気や雑菌の除去を行うことができる。
【0015】
第4の発明は、特に、第3の発明の脱臭抗菌方法において、低湿、常湿及び高湿の雰囲気の限定された空間内で、静置した状態の臭気発生源および雑菌汚染源に対して、脱臭抗菌材を部分的に粒子状に戻して接触させることにより、空間内に投入された脱臭抗菌材の粒子は、空間中の臭気を吸着しながら、臭気発生源、雑菌汚染源に静電的に付着し、臭気発生の抑制、雑菌の不活化を行い、早期に空間内の浄化することができ、また、空間の広さに応じて、脱臭抗菌材の粒子の投入量を調節することにより、最適な脱臭抗菌効果を得ることができる。
【0016】
第5の発明は、特に、第3の発明の脱臭抗菌方法において、低湿、常湿及び高湿の雰囲気の限定された空間内で、動的な状態の臭気発生源および雑菌汚染源に対して、脱臭抗菌材を部分的に粒子状に戻して接触させることにより、空間内に投入された脱臭抗菌材の粒子は、空間中の臭気を吸着しながら、臭気発生源、雑菌汚染源に静電的に付着し、さらに前記臭気発生源、雑菌汚染源は、外部からの作用により攪拌等の動的な状態にあるため、臭気発生源、雑菌汚染源の内部まで前記粒子が入り込み、脱臭抗菌材の粒子との接触が促進されることにより、脱臭抗菌効果をより効率よくすることができる。
【0017】
第6の発明は、特に、第3の発明の脱臭抗菌方法において、限定された空間の静置した状態の水中内における臭気発生源および雑菌汚染源に対して、脱臭抗菌材を部分的に粒子状に戻して接触させることにより、空間内に投入された脱臭抗菌材の粒子は、水面に到達するまでの空間の臭気を吸着しながら、水中に到達、分散し、水中内に滞留または沈殿する臭気発生源、雑菌汚染源と接触して脱臭、抗菌効果を発揮するのに加え、さらに脱臭抗菌材の抗菌成分が水中にイオン化して溶出することにより、脱臭抗菌材に直接接触しない菌も不活化することとなり、水中全体が脱臭抗菌されて浄化することができる。
【0018】
第7の発明は、特に、第3の発明の脱臭抗菌方法において、限定された空間の動的な状態の水中内における臭気発生源および雑菌汚染源に対して、脱臭抗菌材を部分的に粒子状に戻して接触させることにより、空間内に投入された脱臭抗菌材の粒子は、水面に到達するまでの空間の臭気を吸着しながら、水中に到達、分散し、さらに外部からの作用により、攪拌や振動された水中では、前記臭気発生源、雑菌汚染源も水中内を動き回っているため、より粒子との接触が促進され、脱臭抗菌作用がより効率よく行われ、水の浄化性能が高めることができる。
【0019】
第8の発明は、特に、第4の発明の脱臭抗菌方法を用い、電気掃除機の集塵室内に貯留する塵埃の臭気と雑菌を除去するようにしたものであり、任意の方法で脱臭抗菌材の再粉化物を集塵室内に散布し、塵埃に付着させることにより、塵埃由来の臭気は再粉化物中の吸着剤粒子により除去され、また、無機抗菌剤粒子が塵埃と接触することにより塵埃中の雑菌が低減され、この結果電気掃除機の運転中の排気空気の衛生レベルが向上し、さらに集塵室の塵埃を廃棄する際でも臭気や雑菌が除去されているため衛生的に処理を行うことができる。
【0020】
第9の発明は、特に、第5の発明の脱臭抗菌方法を用い、生ゴミ処理機の処理容器内に貯留する生ゴミの臭気を除去するようにしたものであり、生ゴミ処理機の処理容器内に脱臭抗菌材の再粉化物を投入し、処理操作を行うことで、処理物と脱臭抗菌材の粒子との接触が促進され、処理過程で発生する臭気を効率よく吸着除去できる。
【0021】
第10の発明は、特に、第6の発明の脱臭抗菌方法を用い、水洗便器の貯水部内における排泄物の臭気と雑菌を除去するようにしたものであり、特に大便排泄時において、貯水部に排泄後、脱臭抗菌材の再粉化物を散布することにより、便器内に拡散及び貯水部に落下した吸着剤粒子が大便排泄物由来の臭気の拡散を抑え、さらに大便を排水後の貯水部に対しても改めて脱臭抗菌材を散布することにより、無機抗菌剤粒子が、貯水中の雑菌を低減し、異臭の発生や、陶器内壁の菌由来の汚れ付着を防止することができ、便器内を常に衛生的に保つことができる。
【0022】
第11の発明は、特に、第7の発明の脱臭抗菌方法を用い、電気洗濯機の洗濯槽内の洗濯水中及び衣類表面の雑菌を除去するようにしたものであり、洗濯工程の洗い時や、すすぎ時の洗濯槽内に、脱臭抗菌材の再粉化物を散布することにより、無機抗菌剤粒子が洗濯水中に分散するとともに、衣類表面にも付着し、抗菌成分により水中および衣類表面の雑菌を低減することにより、洗濯槽の汚れ付着と洗濯後の衣類の生乾き臭発生が抑制されることに加え、衣類表面に残留する吸着剤粒子が、衣類着用時の体臭を吸着する脱臭効果も得られる。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における脱臭抗菌材の斜視図である。図2は、同実施の形態における脱臭抗菌材の再粉化方法を示した斜視図である。図3は、同実施の形態における脱臭抗菌材を設置した電気掃除機の断面図である。
【0025】
図1において脱臭抗菌材1は、吸着剤粒子2と、無機抗菌剤粒子3と、これらを固形化するための結合助剤4から構成されている。
【0026】
前記吸着剤粒子2としては、物理吸着作用を持つ活性炭、ゼオライト等、また化学吸着作用を持つ二酸化マンガン、酸化銅、酸化コバルト、無機酸化物等を用い、脱臭対象の臭気の種類に応じて選択することで最良の脱臭効果を得ることができる。
【0027】
また、吸着剤粒子2として用いる原料の一次粒子径に関しては、30ミクロン未満のものを用いるのが好ましく、特に脱臭特性、固形化時の寸法、臭気を発生する物質に対する付着性等に影響する、比表面積、嵩密度、帯電性等の物性を考慮すると、10ミクロン未満の粒子径の粉体を原料として、用いると尚好ましい。
【0028】
前記無機抗菌剤粒子3としては、銀系、亜鉛系または銅系の金属酸化物の内いずれか一種類以上の抗菌成分を含む材料を用いると、種々の菌に対して効果的に不活化できる点で好ましい。また、前記金属酸化物の化学的安定性の保持の点より、所定の担体物質に一定量の金属酸化物を担持して用いるとより好ましく、コストの面でも有利となる。
【0029】
尚、前記担体としては、金属酸化物微粒子を均一に担持でき、かつ菌との接触率も高くなる多孔質粒子の用いるのが良く、ゼオライトや活性炭等がその用途に適しており、また前記多孔質粒子担体の一次粒子径としては、前記吸着剤粒子2と同様に10ミクロン未満の粉体を用いるのが好ましい。また、多孔質粒子担体への金属酸化物の担持量は、多孔質粒子担体に対し、1から20wt%の範囲内であれば、十分な抗菌効果を得ることができる。
【0030】
前記結合助剤4としては、水ガラス、コロイダルシリカ、リン酸アルミニウム等を用い、各種結合助剤4を組み合わせて使用し、原料への配合比を増減させて吸着剤粒子2、無機抗菌剤粒子3の混合原料を固形化し、脱臭抗菌材1を作製することで、固形後の脱臭抗菌材1に一定の切削応力を加えた際の再粉化量及び、脱臭材1の耐衝撃強度を最適化することができる。
【0031】
本実施の形態では、吸着剤粒子2として疎水性ゼオライト、無機抗菌剤粒子3として、銀成分担持ゼオライト、結合助剤4として、コロイダルシリカを使用し、疎水性ゼオライトと銀成分担持ゼオライトを9:1で混合した原料100重量部に対して、コロイダルシリカ20重量部を加水しながら添加し、混練後、角型状に成形し、150℃で乾燥後、続けて600℃で焼成し、質量20g、容積35ccの脱臭抗菌材1を得た。
【0032】
尚前記疎水性ゼオライト及び銀成分担持ゼオライトは、一次粒子径が5ミクロンのものを使用した。
【0033】
以上のように結合助剤4により固形化した脱臭抗菌材1は、結合助剤4が保護層の役目も果たすため、吸着剤粒子2、無機抗菌剤粒子3が、周囲の温度、湿度、各種ガスなどのコンタミの影響を受け、性能劣化することも防止でき、脱臭、抗菌性能を長期に渡って保持することが可能となる。
【0034】
さらに、前記作製方法により得られた脱臭抗菌材1は、図2に示すような方法で簡単に元の粒子形態に必要な量だけ戻すことができる。
【0035】
図2に示すように、再粉化手段5は、脱臭抗菌材1に対して切削板6が四角枠内に複数枚均等に組み込まれた構成であり、並んだ切削板6の上に脱臭抗菌材1を置き、再粉化手段5を脱臭抗菌材1に対して、剪断的に動かすことで、切削板6の脱臭抗菌材1との線接触部7において、脱臭抗菌材1の表面層が一定幅削られ、削られた脱臭抗菌材1は、構造中の結合助剤4の結合を崩壊し、吸着剤粒子2および無機抗菌剤粒子3の状態に戻りながら、切削板6間の隙間を通過して落下することとなる。
【0036】
図2の再粉化手段5は、脱臭抗菌材1に対して切削板6が四角枠内に複数枚均等に組み込まれた構成であり、前記構成により切削板6の端面が脱臭抗菌材1に対する線接触部7となり、並んだ切削板6の上に脱臭抗菌材1を置き、例えば、図2に示すように、再粉化手段5を脱臭抗菌材1に対して、剪断的に動かすことで、切削板6の線接触部7が脱臭抗菌材1の表面層を一定幅削り、削られた脱臭抗菌材1は、構造中の結合助剤4の結合を崩壊し、吸着剤粒子2および無機抗菌剤粒子3の状態に戻りながら、切削板6間の隙間を通過して落下することとなる。
【0037】
尚、前記切削板6の材質に関しては、金属、樹脂、セラミック等を用いることができ、耐久性の点より金属を用いるのがより好ましい。
【0038】
さらに、脱臭抗菌材1を再粉化する方法は前記方法のみに限定されず、摩擦係数の高い表面との振幅接触による粉化や、超音波等の空気振動による間接的な粉化等様々な方法を用いても良い。
【0039】
図3は、本発明の前記脱臭抗菌材1及び再粉化手段5を搭載した電気掃除機の略構造断面図である。
【0040】
電気掃除機の本体8内には、集塵室9、および電動送風機10が配置されており、また、本体8前部には、集塵室9と連通して、吸引口11が開口しており、床面などから塵埃を吸引、導入するための吸引管12が接続されている。また集塵室9の下流側には、集塵フィルター13が設置されており、さらに電動送風機10の前後にも同様に集塵フィルター13が設置されている。
【0041】
掃除作業は、電動送風機10の作動により吸引風を発生させて、塵埃を吸引することにより、吸引管12を経て、塵埃が集塵室9に貯留し、吸引気流のみが、各集塵フィルター13を通過して細塵が除去された状態で本体8外へ排出されることとなる。
【0042】
前記脱臭抗菌材1及び再粉化手段5は、集塵室9より上流側に設置するのが、効率よく塵埃と脱臭抗菌材1の再粉化物と接触するので好ましく、本実施の形態では、吸引管12の連通上部に、収納室14を設置し、収納室14内に本発明の脱臭抗菌材1が装填されている。尚、脱臭抗菌材1の装填作業は、固形体であるため、粉体のまま装填するのに比べ、使用者の手や衣服が汚れることなく、容易に装填作業が可能なのは言うまでもない。
【0043】
吸引管12内に面した収納室14の底部には、前記再粉化手段5が組み込まれており、図2と同様の剪断動作を、ソレノイド等による電気的に再粉化手段5を振幅させる振動手段15を用いて実行し、脱臭抗菌材1を定量的に再粉化することができる。以上の構成により、吸引された塵埃に、脱臭抗菌材1の再粉化物である吸着剤粒子2と無機抗菌剤粒子3を、混合させることができる。
【0044】
以上のように構成された実施の形態1の脱臭抗菌材を備えた電気掃除機を用いて、本発明の効果を実験により検証した。
【0045】
(実験例1)
上記の電気掃除機を用いて、実部屋の掃除を15分間行った。掃除完了後、電動送風機10を運転させたまま、振動手段15を10秒間作動させて、脱臭抗菌材1を再粉化させて、吸着剤粒子2及び無機抗菌剤粒子3を集塵室9に投入し、塵埃に混合させた。対照実験として脱臭抗菌材1無しの条件の通常の電気掃除機を用いての実部屋の掃除も15分間行い、この実部屋掃除を、30日間続けた。排気臭気に対して官能的に意識しながら、掃除作業を継続した結果、脱臭抗菌材1投入無しの対象実験の電気掃除機は、7日目くらいから運転開始直後の排気の臭気が気になったが、本実施の形態の電気掃除機は、実験開始30日目の試験終了時点でも、運転開始時、運転中とも排気の臭気が気になることはなかった。
【0046】
次に前記30日経過後の電気掃除機を、1mの密閉チャンバー内にセットし、1日静置したのち30秒間運転させた。チャンバー内の空気を男女混成の官能評価パネラー6名で、におい嗅ぎ官能評価を行った。結果は、本実施の形態は、平均の臭気強度が0.6であったのに対して、対照実験の脱臭抗菌材1なしの条件は、平均の臭気強度は3.0であり、定量的にも臭気強度が大幅に低減されていることを確認した。
【0047】
臭気強度1がにおいの検知閾値であることを考慮に入れると、本実施の形態は、臭気のない排気を実現している。
【0048】
(実験例2)
実験例1の脱臭抗菌材1を搭載した電気掃除機及び脱臭抗菌材1無しの電気掃除機を、塵埃が集塵室9内に入った状態で、温度35℃、湿度90%の雰囲気に24時間放置した後、集塵室9内よりそれぞれの塵埃を1gづつ採取し、界面活性剤を含む滅菌水に分散させ、分散後の水溶液を、標準寒天培地上に0.2ml塗布し、35℃のインキュベーター内で40時間培養し、塵埃内の菌数を測定した。尚、塵埃の初期菌数を測定するため、高湿雰囲気に放置する前の塵埃についても、前記と同様の操作により培養を行った。
【0049】
結果は、対照実験が初期に対して100倍以上菌数が増殖していたのに対して、本実施の形態は、初期に対して菌数が10分の1に低減しているのが確認された。
【0050】
以上の各実験例の結果より、本実施の形態のように、低湿、常湿及び高湿の雰囲気の限定された空間内で、静置した状態の臭気発生源および雑菌汚染源に対して、脱臭抗菌材1を部分的に粒子状に戻して接触させ、空間内に投入された脱臭抗菌材1の粒子が、空間中の臭気を吸着しながら、臭気発生源および雑菌汚染源に静電的に付着し、臭気発生の抑制、菌の不活化を行い、早期に空間内の浄化することができる。従って、この脱臭抗菌方法を電気掃除機に用いた場合、脱臭抗菌材1を再粉化させて吸着剤粒子2及び無機抗菌剤粒子3を、集塵室9内の塵埃に投入することで、電気掃除機の運転時における排気の臭いを大幅に低減することができ、さらに塵埃が高湿度雰囲気に置かれて、塵埃中の雑菌が増殖しやすい状態になった場合でも、無機抗菌剤粒子3中の銀成分が水分中にイオン化して溶出し、菌の遺伝子を破壊し不活化できるため、掃除機の排気の衛生レベルを大幅に高めることができる。また前記脱臭抗菌材1は、固形化状態から部分的に粉化させて、臭気発生源等に接触させるため、効率よく最大限の脱臭抗菌効果を得ることができる。また、脱臭抗菌材1は、固形化状態で搭載されることにより、周囲環境の影響を受けず、長期に渡って性能を維持することも可能となる。
【0051】
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態の脱臭抗菌材1を設置した生ゴミ処理機の断面図である。尚、第1の実施の形態と同様の構成においては同一番号を付し、その詳細な説明は省略するものである。
【0052】
図4において、生ゴミ処理機の本体16内には、生ゴミ処理用の処理容器17が設置されており、処理容器17の底部には、生ゴミを攪拌破砕する攪拌手段18が組み込まれており、開閉蓋19を空けて、処理容器17内に食べ物屑等の生ゴミを投入し、開閉蓋19を閉じた後、攪拌手段18を回転させ、ヒーター等の加熱手段(図示せず)を用いて加温、除湿しながら、生ゴミを乾燥、破砕し、減容化する。
【0053】
前記開閉蓋19内には、処理容器17に連通する形で実施の形態1と同様の脱臭抗菌材1を再粉化して投入する機構が組み込まれており、任意に振動手段15を作動させて、処理容器17内の処理中の生ゴミに脱臭抗菌材1の再粉化物である吸着剤粒子2、無機抗菌剤粒子3を投入することができる。
【0054】
以上のように構成された実施の形態2の脱臭抗菌材を備えた生ゴミ処理機を用いて、本発明の効果を実験により検証した。
【0055】
(実験例1)
上記の生ゴミ処理機を用いて、生ゴミ処理を行った。実験には、野菜、果物、魚等の食べ物の破片を合計200g投入し、8時間処理運転を行った。その間、脱臭抗菌材1を2時間に1回振動手段15を20秒間運転して、再粉化物を生ゴミ中に投入した。
【0056】
対照実験として、脱臭抗菌材1投入無しの条件による同様の生ゴミ処理作業も実施した。
【0057】
生ゴミ処理機を設置している空間の空気を男女混成の官能評価パネラー6名で、におい嗅ぎ官能評価を行った。結果は、本実施の形態は、平均の臭気強度が1.5であったのに対して、対照実験の脱臭抗菌材1なしの条件は、平均の臭気強度は3.8であり、生ゴミ処理時に発生する臭気が大幅に減少することを確認した。
【0058】
また、さらに前記脱臭抗菌材1を継続的に使用して、合計10回の生ゴミ処理を実施し、同様に、におい嗅ぎ官能評価を行った結果、10回目の生ゴミ処理時における本実施の形態の平均の臭気強度は1.7であり、開閉蓋19に設置されている脱臭抗菌材1が生ゴミ処理時に大量に発生する湿気や高濃度の臭気ガスに曝されても、固形化状態であれば性能低下は、起きないことも確認できた。
【0059】
以上の結果より、本実施の形態のように、低湿、常湿及び高湿の雰囲気の限定された空間内で、動的な状態の臭気発生源および雑菌汚染源に対して、脱臭抗菌材1を部分的に粒子状に戻して接触させることにより、空間内に投入された脱臭抗菌材1の粒子は、空間中の臭気を吸着しながら、臭気発生源、雑菌汚染源に静電的に付着し、脱臭抗菌が行われる。
【0060】
さらに前記臭気発生源、雑菌汚染源は、外部からの作用により攪拌等の動的な状態にあるため、臭気発生源、雑菌汚染源の内部まで前記粒子が入り込み、脱臭抗菌材の粒子との接触が促進さることにより、脱臭抗菌効果がより効率よく行うことができるため、この脱臭抗菌方法を生ゴミ処理機に用いることにより、生ゴミ処理機の処理容器17に脱臭抗菌材1の再粉化物を投入し、処理操作を行うことで、処理物と脱臭抗菌材の粒子との接触が促進され、処理過程で発生する臭気を効率よく吸着除去できる。その結果、室内で生ゴミ処理機を設置しても臭気を気にすることなく使用することができる。また脱臭抗菌材1を適量だけ再粉化して臭気発生源に直接投入するため、効率よく最大限の脱臭効果が得ることができる。
【0061】
(実施の形態3)
図5は、本発明の第3の実施の形態の脱臭抗菌材1を設置した水洗便器の断面図である。尚、第1の実施の形態と同様の構成においては同一番号を付し、その詳細な説明は省略するものである。
【0062】
図5において、便器本体20内の底部には、所定の水位を確保した貯水部21を備えており、排泄物の一時保持空間となる。前記便器本体20の上部には、便座22が設置されており、排泄物の排泄時に使用する。便器本体20の後部には、貯水タンク23が設置されており、排泄後の便器本体20内の排泄物の廃棄及び便器本体20内の洗浄用の水を貯水してあり、貯水タンク23内の水を一気に流出させる際の水圧を利用して、排泄物の下水への廃棄と便器洗浄を実施できる。
【0063】
また便座22の後部には、便器本体20内に連通する形で、実施の形態1と同様の脱臭抗菌材1を再粉化して投入する機構が組み込まれており、任意に振動手段15を作動させて、処理容器17内の生ゴミに脱臭抗菌材1の再粉化物である吸着剤粒子2、無機抗菌剤粒子3を便器本体20内空間、及び貯水部21に散布投入することができる。
【0064】
以上のように構成された実施の形態3の脱臭抗菌材を備えた水洗便器を用いて、本発明の効果を実験により検証した。
【0065】
(実験例1)
上記の水洗便器を用いて大便の排泄行為を実施した。排泄行為時において、排泄直前または直後に、振動手段15を作動させて、脱臭抗菌材1を10秒間動作させて、所定量を再粉化させ、吸着剤粒子2及び無機抗菌剤粒子3を便器本体20内および貯水部21に散布した。対照実験として、脱臭抗菌材1を散布しない大便の排泄行為も行った。
【0066】
排泄中のトイレ空間の空気を男性6名からなる排泄行為者兼官能評価パネラーで、におい嗅ぎ官能評価を行った。結果は、本実施の形態は、平均の臭気強度が0.8であったのに対して、対照実験の脱臭抗菌材1なしの条件は、平均の臭気強度は3.0であり、脱臭抗菌材1の再粉化物を投入することで、処理時に発生する臭気が大幅に低減されていることを確認した。
【0067】
これは、発生した臭気が便器本体20内に散布されて一定時間滞留している吸着剤粒子2と効率よく接触、吸着されたのに加え、貯水部21中にも吸着剤粒子2が分散し、大便に付着することで、臭気の発生を抑えたことによる効果である。
【0068】
さらに前記脱臭抗菌材1を継続的に使用して、合計30日間大便排泄毎に、におい嗅ぎ官能評価を行った結果、30日間の本実施の形態の平均の臭気強度は0.9であり、便器本体20近傍に設置されている脱臭抗菌材1が便器内の水分や排泄臭に曝されても、固形化状態であれば性能低下は、起きないことも確認できた。
【0069】
(実験例2)
前記実験例1の検証作業の際、便器本体20内の水洗後、再度振動手段15を作動させて脱臭抗菌材1を再粉化させ、貯水部21に再粉化物を分散させた。
【0070】
翌日の排泄行為前に、本実施の形態および脱臭抗菌材1を投入しない対照実験の貯水部21の水を10ml採取し、採取した水の内0.2mlを標準寒天培地上に塗布し、35℃のインキュベーター内で40時間培養した。
【0071】
その結果、本実施の形態は、対照実験と比較して、菌数が99%以上減少しており、貯水部21に散布された無機抗菌剤粒子3中の銀成分がイオン化して水分中に溶出し、貯水部21中の菌を効果的に殺菌していることを確認した。
【0072】
また、30日間継続して、便器本体20内の水洗後、脱臭抗菌材1の貯水部21への散布を行った結果、対照実験の貯水部21の内壁に黄色に変色したのに対して、本実施の形態は、変色がまったく起きていないことも確認され、無機抗菌剤粒子が貯水部の抗菌を継続的に行うことにより、菌由来による貯水部内壁の汚れ防止に対しても効果もあることが確認できた。
【0073】
以上の各実験例の結果より、本実施の形態のように、限定された空間の静置した状態の水中内における臭気発生源および雑菌汚染源に対して、脱臭抗菌材1を部分的に粒子状に戻して接触させることにより、空間内に投入された脱臭抗菌材1の粒子は、水面に到達するまでの空間の臭気を吸着しながら、水中に到達、分散し、水中内に滞留または沈殿する臭気発生源、雑菌汚染源と接触して脱臭、抗菌効果を発揮するのに加え、さらに脱臭抗菌材の抗菌成分が水中にイオン化して溶出することにより、脱臭抗菌材に直接接触しない菌も不活化することとなり、水中全体が脱臭抗菌されて浄化することができる。
【0074】
従って、この脱臭抗菌方法を水洗便器に用いた場合、特に大便排泄時において、排泄後、貯水部21に脱臭抗菌材1の再粉化物を散布することにより、便器本体20内に拡散及び貯水部21に落下した吸着剤粒子2が大便排泄物由来の臭気の拡散を抑え、さらに大便を排水後の貯水部21に対しても改めて脱臭抗菌材1を散布することにより、無機抗菌剤粒子3が、貯水中21の雑菌を低減し、異臭の発生や、陶器内壁の菌由来の汚れ付着を防止することができ、便器内を常に衛生的に保つことができる。
【0075】
また、脱臭抗菌材1は、固形化状態であるため、高湿雰囲気の近傍に設置した場合でも、脱臭抗菌材1内部に水分が含浸することはなく、長期に渡って脱臭抗菌性能を維持することができる。
【0076】
(実施の形態4)
図6は、本発明の第4の実施の形態の脱臭抗菌材1を設置した電気洗濯機の略構造断面図である。尚、第1の実施の形態と同様の構成においては同一番号を付し、その詳細な説明は省略するものである。
【0077】
図6において、電気洗濯機の本体24内には、洗濯槽25が設置されており、開閉蓋26を開けて、衣類、洗剤を投入し、洗濯槽25内に水を張ったのち、洗濯槽25の底部に設置した攪拌手段27を電動モータ28により回転させて、洗濯槽25内に水流を発生させて、投入した洗剤を溶解させてながら、衣類を洗浄する。洗濯槽25は複数回注入、排水を繰り返し、衣類に残留する洗剤の残留分を除去するすすぎ工程を行い、最後に衣類の余分な水分を除去する脱水工程を実施し、一連の洗濯操作を完了する。
【0078】
また本体1内の上部には、衣類の投入を妨げない位置に、実施の形態1に記載のものと同様の脱臭抗菌材1を再粉化して投入する機構が組み込まれており、任意に振動手段15を作動させて、洗濯槽25内に脱臭抗菌材1の再粉化物である吸着剤粒子2、無機抗菌剤粒子3を散布投入することができる。尚、脱臭抗菌材1の投入装置と、洗濯槽25の間には、脱臭抗菌材1の再粉化物が確実に洗濯槽25内に導入されるように、導入ガイド29または、同等手段を設置するのが好ましい。
【0079】
以上のように構成された実施の形態4の脱臭抗菌材を備えた電気洗濯機を用いて、本発明の効果を実験により検証した。
【0080】
(実験例1)
上記の電気洗濯機を用いて、衣類としてパネラーが1日着用した5名分のTシャツの洗濯を行った。洗濯工程において、最終のすすぎ工程において、振動手段15を10秒間作動させて、所定量の脱臭抗菌材1を再粉化させ、吸着剤粒子2及び無機抗菌剤粒子3を洗濯槽25内の水流の中に分散させた。対照実験として、脱臭抗菌材1を投入しない衣類の洗濯も同時に実施した。
【0081】
脱水が完了した衣類を、すぐにチャックシール付のビニル袋に入れて密封し、35℃の雰囲気で24時間放置したサンプルを、男女混成の官能評価パネラー6名で、におい嗅ぎ官能評価を行った。官能評価の結果、本実施の形態は、洗剤由来の芳香臭しか認知されなかったのに対して、対照実験の脱臭抗菌材1投入なしの条件は、菌の増殖由来と考えられる吉草酸系の腐敗臭が認められた。これは、すすぎ工程で脱臭抗菌材1の再粉化物が投入されたことにより、すすぎ水中に無機抗菌剤粒子中の銀成分がイオン化して溶出し、水流中で効率よく菌と接触して不活化させただけでなく、さらに無機抗菌剤3粒子は、衣類表面にも均一に付着し、一定量が衣類表面に残留したまま脱水されることにより、生乾き条件の様に衣類上の菌が繁殖しやすい状態でも、衣類表面の脱臭抗菌材1の再粉化物が菌の増殖を抑制したため、腐敗臭の発生が抑えられたためである。このことから、本実施の形態の電気洗濯機は、洗濯後の衣類の衛生レベルを向上させることができる。
【0082】
さらに前記脱臭抗菌材1を継続的に使用して、合計30日間洗濯作業を行い、1週間毎に前記と同様の衣類のにおい嗅ぎ官能評価を行った結果、30日経過時点でも本実施の形態による洗濯後の衣類の生乾き臭において、腐敗臭は確認されず、高湿雰囲気となる洗濯槽25近傍に設置されていても、固形化状態の脱臭抗菌材1は性能低下が起きないことを確認できた。
【0083】
また、さらに、30日経過時点の洗濯槽25の裏面を目視観察した結果、対照実験の洗濯槽25の裏面は、黒カビが多数付着しているのに対して、本実施の形態の洗濯槽においては黒カビの付着がほとんどなく、脱臭抗菌材1の粉化物を投入することで、洗濯槽25のカビ付着も防止できる効果があることも確認できた。
【0084】
(実験例2)
実験例1で洗濯した本実施の形態と対照実験の衣類において天日干し乾燥したものを、6名づつの男性パネラーに試着してもらい、ランニング等の運動を含めた日常動作を半日行ったのち、実験例1の男女混成の官能評価パネラー6名により、試着パネラーの腋臭に対するにおい嗅ぎ官能評価を実施した。6段階臭気強度において、本実施の形態の衣類を試着したパネラーの腋臭は、平均の臭気強度が1.3であるのに対して、対照実験は、平均の臭気強度が3.5となり、本実施の形態が体臭を大幅に消臭できることを確認した。これは、衣類表面に付着している無機抗菌剤3が、身体の表面の菌の増殖を抑えるのに加え、同時に付着している吸着剤粒子2も身体から発生する体臭を吸着し、総合的に体臭の発生を抑制しているためである。
【0085】
以上の各実験例の結果より、本実施の形態のように、限定された空間の動的な状態の水中内における臭気発生源および雑菌汚染源に対して、脱臭抗菌材1を部分的に粒子状に戻して接触させることにより、空間内に投入された脱臭抗菌材1の粒子は、水面に到達するまでの空間の臭気を吸着しながら、水中に到達、分散し、さらに外部からの作用により、攪拌や振頭された水中では、前記臭気発生源、雑菌汚染源も水中内を動き回っているため、より粒子との接触が促進され、脱臭抗菌作用がより効率よく行われ、水の浄化性能が高めることができる。従って、この脱臭抗菌方法を電気洗濯機に用いた場合、洗濯工程の洗い時や、すすぎ時の洗濯槽25内に、脱臭抗菌材1の再粉化物を散布すると、無機抗菌剤粒子3が洗濯水中に分散するとともに、衣類表面にも付着し、抗菌成分により水中および衣類表面の雑菌を低減することにより、洗濯槽の汚れ付着を抑制するとともに、洗濯後の衣類の生乾き臭発生の抑制に加え、衣類表面に残留する吸着剤粒子2が、衣類着用時の体臭を吸着する脱臭効果も得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上のように、本発明にかかる脱臭抗菌材およびそれを用いた脱臭抗菌方法は、臭気や雑菌を根本的に除去し、その際に使用する脱臭抗菌材量は必要最小量でよく、また、脱臭抗菌材は、周囲環境の影響による性能低下を起こさないため、再粉化時には常に最大限の脱臭抗菌効果を得ることができ、この効果は気相中でも、液相中でも継続的に得ることができるため、さまざまな空間における脱臭抗菌用途に活用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施の形態1における脱臭抗菌材の斜視図
【図2】同実施の形態における脱臭抗菌材の再粉化方法の斜視図
【図3】同実施の形態における脱臭抗菌材を設置した電気掃除機の断面図
【図4】本発明の実施の形態2における脱臭抗菌材を設置した生ゴミ処理機の断面図
【図5】本発明の実施の形態3の脱臭抗菌材を設置した水洗便器の断面図
【図6】本発明の実施の形態4の脱臭抗菌材を設置した電気洗濯機の断面図
【符号の説明】
【0088】
1 脱臭抗菌材
2 吸着剤粒子
3 無機抗菌剤粒子
4 結合助剤
9 集塵室
17 処理容器
21 貯水部
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成17年1月5日(2005.1.5)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100103355
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 智康

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【公開番号】 特開2006−188447(P2006−188447A)
【公開日】 平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願番号】 特願2005−359(P2005−359)