| 【発明の名称】 |
ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の卵孵化防除法及びその使用薬剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】呉 徳忠
【氏名】陳 炳輝
【氏名】林 俊義
【氏名】余 志儒
【氏名】柯 文雄
|
| 【要約】 |
【課題】安全にジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)を防除できるジャンボタニシの卵孵化防除法及びその使用薬剤を提供する。
【解決手段】ジャンボタニシの卵孵化防除法は、エチレンオキシド(ethylene oxide)とアンモニアとの縮合によって得た溶剤を主成分とする薬剤を用い、卵塊に直接噴射することによって、薬剤が卵塊を覆い、卵塊内の各卵粒すべての気孔が塞がれ、窒息死する。ジャンボタニシ卵孵化防除薬剤は、エチレンオキシド(ethylene oxide)とアンモニア縮合作用によって得たモルヒネ(C4−H9−N−O)である。モルヒネは、重量比が60〜80%であり、重量比5%のベヘニルアルコール(Behenyl Alcohol)、15〜35%の蒸留水と混合する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の卵孵化防除法であって、 エチレンオキシド(ethylene oxide)とアンモニアとの縮合作用によって得た溶剤を主成分とする薬剤を用い、卵塊に直接噴射することによって、薬剤で卵塊を覆い、卵塊内の各卵粒すべての気孔を塞ぎ、窒息死させることを特徴とするジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の卵孵化防除法。 【請求項2】 ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)卵孵化防除薬剤であって、 エチレンオキシド(ethylene oxide)とアンモニアとの縮合によって得たモルヒネ(C4−H9−N−O)であることを特徴とするジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の卵孵化防除薬剤。 【請求項3】 前記モルヒネは、重量比が60〜80%であり、重量比5%のベヘニルアルコール(Behenyl Alcohol)および15〜35%の蒸留水と混合することを特徴とする請求項2記載のジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の卵孵化防除薬剤。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の卵孵化防除法及びその使用薬剤に関するものであり、非破壊性手段によって卵殻の気孔を塞ぎ、酸素不足から卵が壊死するもので、全面駆除の効果を具えるものである。 【背景技術】 【0002】 ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の被害は、水稲、エンサイ、マコモダケ、イモ、蓮の花及び菱の実等の水耕栽培に毎年巨額な損失を与えている。以前は、駆除薬剤としてトリフェニルティンアセテート(Triphenyl Tin Acetate)が主であったが、この種の劇薬は後遺症が出ることから、禁止となった。このため、駆除剤は、効果と同時に安全性が必要となっている。ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)は、雌雄同体で、異体受精する。その繁殖力は驚異的であり、孵化後70日から80日で交配できる。交配後2日から6日で産卵し、各卵の塊は数十粒から数百粒から成る。この卵は、10日から20日で完全に孵化する。これらがジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)を有効に防除できない主な原因であり、成体を駆除しても、卵を駆除しなければ、作物の被害はなくならない。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 解決しようとする問題点は、成体を駆除しても、卵の駆除をしなければ、すぐに被害がでる点である。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明は、エチレンオキシドとアンモニアとの縮合によって得た物質を主成分とする。この薬剤を卵塊に全面的に噴射することによって、卵塊内の各卵の気孔が塞がれ、卵は窒息死することを最も主要な特徴とする。 【0005】 本発明のジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の卵孵化防除法及びその使用薬剤は、薬剤塗布法が容易で、特別な操作は必要ない。更に、塗布者もしくは作物に悪影響を与えることがなく、更に薬剤成分が入手しやすく、廉価であるため、広めやすいという利点がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0006】 本発明の一実施例によるジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の卵孵化防除法では、エチレンオキシド(ethylene oxide)とアンモニアとの縮合作用によって得られる物質を主成分とする薬剤(モルヒネ)を用い、その薬剤を直接卵殻に噴射する。 【0007】 図1は、顕微鏡で観察した正常なジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)卵殻表面であり、本実施例の薬剤を噴射した後は、図2及び図3に示す。これらの図に示すとおり、卵殻表面の薬剤は、乾くと、ゲル状となって完全に卵殻上の気孔を封鎖する。これによって、卵塊内の各卵は酸素を取り入れることができなくなり、数日後、卵は窒息死する。 【0008】 本実施例の薬剤成分は、重量比の60〜80%がモルヒネ(C4−H9−N−O)であり、これを重量比の5%のベヘニルアルコール(Behenyl Alcohol)および重量比の15〜35%の蒸留水に混合する。この例では、ベヘニルアルコール(Behenyl Alcohol)を添加しており、卵殻の気孔を塞ぐ効果がより顕著になる。 【0009】 図4に示すのは、実験結果で、異なる重量比のモルヒネ含量をそれぞれのグループに分けた卵塊に噴射し、7日経過、14日経過及び20日経過の卵塊孵化状況を表にしたものである。水を噴射したもの、何もしなかったものは、明らかに14日目に卵塊孵化が100%となっている。比較によると、モルヒネ含量が重量比で60%及び80%のものは、どちらも完全に孵化せず、卵は完全に壊死している。 【0010】 図5に示すのは、別の実験で得た結果であり、数種の異なる処理剤を完全未処理と対照し、同時間観察したもので、明らかにAとBの両グループはモルヒネを主とする薬剤の噴射によって完全に孵化していない。 【0011】 ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の卵塊は色が鮮やかで識別しやすいので、卵塊だけに薬剤を噴射しやすく、薬剤の無駄が少ない。本実施例の防除法を地区で集中して行えば、ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の繁殖を完全に防除できる。 【0012】 図6に示すのは、モルヒネの含量が重量比80%の薬剤を魚で実験したものである。100ppm、150ppm、200ppm、250ppm及び300ppm毒性含量を鯉(Carp)でテストした結果を表に表している。その死亡率(mortality)曲線図は図7に示すもので、本実施例の薬剤が低毒性(LC50(96hr)>100mg/l)であることを示し、薬水は水生物に危害を与えない。 【図面の簡単な説明】 【0013】 【図1】顕微鏡で観察した正常なジャンボタニシの卵殻の表面を示す図である。 【図2】顕微鏡で観察したジャンボタニシ卵殻の表面が本発明の一実施例による薬剤の噴射により、すべての気孔が封鎖された状態を示す図である。 【図3】顕微鏡で観察したジャンボタニシ卵殻の表面が本発明の一実施例による薬剤の噴射により、すべての気孔が封鎖された状態を示す図である。 【図4】本発明の一実施例による薬剤の異なる重量比のモルヒネの含量条件下による卵孵化率の対照表を示す図である。 【図5】本発明の一実施例による薬剤と各種異なる処理剤及び完全未処理の卵塊孵化の対照を示す図である。 【図6】本発明の一実施例によるモルヒネの含量が重量比80%の薬剤を魚で実験した数値表を示す図である。 【図7】図6の結果より作成した死亡率(mortality)を示す図である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】504418109 【氏名又は名称】行政院農業委員会農業試験所
|
| 【出願日】 |
平成16年11月11日(2004.11.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093779 【弁理士】 【氏名又は名称】服部 雅紀
|
| 【公開番号】 |
特開2006−137692(P2006−137692A) |
| 【公開日】 |
平成18年6月1日(2006.6.1) |
| 【出願番号】 |
特願2004−328137(P2004−328137) |
|