| 【発明の名称】 |
抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 敦 【住所又は居所】福岡県北九州市若松区北湊町13−2 触媒化成工業株式会社若松工場内
【氏名】小柳 嗣雄 【住所又は居所】福岡県北九州市若松区北湊町13−2 触媒化成工業株式会社若松工場内
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| 【要約】 |
【課題】優れた抗菌・消臭性効果と共に強い光触媒作用を有する酸化チタンコロイド溶液を製造する。
【解決手段】(1)抗菌・消臭性金属成分含有水溶液とチタン塩水溶液とを混合した水溶液にアルカリを添加して含水酸化物を生成し、(2)得られた含水酸化物を洗浄し、(3)洗浄した含水酸化物を水に懸濁し、(4)該懸濁液にシリカコロイド溶液および/または珪酸液を加えて混合し、(5)さらにアルカリを加えて該懸濁液のpHを7〜13の範囲に調整し、(6)次いで、pH調整した懸濁液をオートクレーブで温度110〜250℃の範囲で加熱処理して、抗菌・消臭性酸化チタン微粒子が分散したコロイド溶液を得る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (1)抗菌・消臭性金属成分含有水溶液とチタン塩水溶液とを混合した水溶液にアルカリを添加して含水酸化物を生成し、 (2)得られた含水酸化物を洗浄し、 (3)洗浄した含水酸化物を水に懸濁し、 (4)該懸濁液にシリカコロイド溶液および/または珪酸液を加えて混合し、 (5)さらにアルカリを加えて該懸濁液のpHを7〜13の範囲に調整し、 (6)次いで、pH調整した懸濁液をオートクレーブで温度110〜250℃の範囲で加熱処理して、抗菌・消臭性酸化チタン微粒子が分散したコロイド溶液を得る ことを特徴とする抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液の製造方法。 【請求項2】 前記抗菌・消臭性金属成分が、銀、銅、亜鉛、錫、ビスマス、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、白金、マンガン、モリブデン、タングステン、バナジウム、ジルコニウムから選ばれた1種以上であることを特徴とする請求項1記載の抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液の製造方法。 【請求項3】 前記抗菌・消臭性酸化チタン微粒子がアナターゼ型酸化チタンであることを特徴とする請求項1または2記載の抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液の製造方法。 【請求項4】 前記抗菌・消臭性酸化チタン微粒子が、結晶子径100Å以上であるアナターゼ型酸化チタンであることを特徴とする請求項1、2または3記載の抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液の製造方法に関し、さらに詳しくは、樹脂、塗料、繊維、紙、不織布、皮革、化粧品やガラス、タイル、コンクリートなどに添加または塗布して優れた抗菌性、消臭性などの効果を発揮する、長期間安定したコロイド溶液を維持する抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液の製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、高温多湿のわが国に於いては、細菌による食中毒等が多発しており、またマンション等の乱立による居住環境の変化に伴い細菌、黴、悪臭、汚れなどの生活環境の悪化が社会問題となっていることから、これらの環境の清浄化が強く求められている。そしてこのような生活環境を清浄化するために、光触媒作用を有する酸化チタンを含む種々の抗菌剤や消臭剤およびそれらの製造方法が提案されている。 【0003】 例えば、本出願人の出願にかかる特開平7−33616号公報(特許文献1)には、抗菌性金属成分と該抗菌性金属成分以外の無機酸化物とから構成される微粒子が分散してなる抗菌性無機酸化物コロイド溶液であって、当該コロイド溶液中の抗菌性金属成分の重量をA、該コロイド溶液を超遠心分離処理して遊離した抗菌性金属成分の重量をBとしたとき、B/Aで表される抗菌性金属の結合力指数Iの値が1.0×10-3以下であることを特徴とする抗菌剤が提案されており、その製造方法の一例として、含水チタン酸のゲルまたはゾルに過酸化水素を加えて得られるチタン酸水溶液と抗菌性金属成分の水溶液とを、ケイ素化合物および/またはジルコニウム化合物の存在下で加熱処理して調製する方法が記載されている。しかし、該方法で得られる抗菌剤の酸化チタンは光触媒作用の点で更なる改良が望まれていた。 【0004】 また、特開2004−91263号公報(特許文献2)には、TiX4(Xはハロゲン化物イオンまたはアルコキシ基を示す。)で表されるチタン化合物の水性溶媒溶液と塩基性物質とを混合して水酸化チタンを生成させ、前記水酸化チタンと酸とを混合し、20〜90℃に加熱することを特徴とするアナターゼ型チタニアゾルの製造方法が提案されている。そして、アナターゼ型チタニアは、抗菌性、防汚性、消臭性などの光触媒作用を有することが記載されている。しかし、前記アナターゼ型チタニアゾルは抗菌・消臭性金属成分を含有していないため抗菌性、消臭性効果が小さいという問題があった。 【0005】 【特許文献1】特開平7−33616号公報 【特許文献2】特開2004−91263号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明の目的は、前述の問題を解決し、抗菌性、消臭性などの優れた効果を発揮し、しかも強い光触媒作用を有する、長期間安定したコロイド溶液を維持する抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液の製造方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明の第1は、(1)抗菌・消臭性金属成分含有水溶液とチタン塩水溶液とを混合した水溶液にアルカリを添加して含水酸化物を生成し、(2)得られた含水酸化物を洗浄し、(3)洗浄した含水酸化物を水に懸濁し、(4)該懸濁液にシリカコロイド溶液および/または珪酸液を加えて混合し、(5)さらにアルカリを加えて該懸濁液のpHを7〜13の範囲に調整し、(6)次いで、pH調整した懸濁液をオートクレーブで温度110〜250℃の範囲で加熱処理して、抗菌・消臭性酸化チタン微粒子が分散したコロイド溶液を得ることを特徴とする抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液の製造方法に関する。 【0008】 本発明の第2は、前記抗菌・消臭性金属成分が、銀、銅、亜鉛、錫、ビスマス、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、白金、マンガン、モリブデン、タングステン、バナジウム、ジルコニウムから選ばれた1種以上であることを特徴とする請求項1記載の抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液の製造方法に関する。 本発明の第3は、前記抗菌・消臭性酸化チタン微粒子がアナターゼ型酸化チタンであることを特徴とする請求項1または2記載の抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液の製造方法に関する。 本発明の第4は、前記抗菌・消臭性酸化チタン微粒子が、結晶子径100Å以上であるアナターゼ型酸化チタンであることを特徴とする請求項1、2または3記載の抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液の製造方法に関する。 【発明の効果】 【0009】 本発明方法によれば、抗菌・消臭性に優れた酸化チタンコロイド溶液を簡易な操作によって得ることができる。即ち、本発明の方法で得られる抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液は、分散質である抗菌・消臭性酸化チタン微粒子がアナターゼ型酸化チタンの結晶形を有し、しかも、アナターゼ型酸化チタンの結晶子径が大きいので抗菌作用と共に光触媒作用に優れている。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 以下、本発明方法を工程順に詳しく説明する。 工程(1) 本発明における抗菌・消臭性金属成分としては、一般に抗菌作用および/または消臭作用を有する金属成分が使用可能であり、具体的には、銀、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、錫、鉛、ビスマス、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、白金、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ジルコニウムなどの金属成分が例示される。特に、銀、銅、亜鉛、錫、ビスマス、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、白金、マンガン、モリブデン、タングステン、バナジウム、ジルコニウムは、抗菌・消臭作用に優れているので好ましい。さらに好ましくは、銀、銅、亜鉛、白金、パラジウムから選択される1種以上の抗菌・消臭性金属成分は、抗菌・消臭作用、変色および人体に対する安全性などの観点から望ましい。 本発明において抗菌・消臭性金属成分含有水溶液としては、前記金属成分の硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩など、水や酸性水溶液に溶解可能な化合物の水溶液が使用される。該水溶液の金属成分の濃度は、酸化物として0.1〜50重量%の範囲であることが望ましい。 【0011】 本発明におけるチタン塩水溶液としては、硫酸チタン、硫酸チタニル、塩化チタンなどの水溶液が例示される。該チタン塩水溶液の濃度は、TiO2として5〜50重量%の範囲であることが望ましい。 本発明では、前述の抗菌・消臭性金属成分含有水溶液と前記チタン塩水溶液とを混合した水溶液を調製する。該抗菌・消臭性金属成分含有水溶液と該チタン塩水溶液の混合割合は、抗菌・消臭性金属成分の酸化物(MOX)/TiO2の重量比で0.1/100〜50/100の範囲にあることが好ましい。該MOX/TiO2の重量比が0.1/100より小さい場合には、抗菌・消臭性効果が小さくなることがあり、また、該MOX/TiO2の重量比が50/100より大きい場合には光触媒作用が弱くなることがある。該MOX/TiO2の重量比は、さらに好ましくは1/100〜20/100の範囲にあることが望ましい。 前記混合した水溶液を撹拌しながら、これにアンモニア水や水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリを添加して中和し、抗菌・消臭性金属とチタンの含水酸化物を生成する。アルカリの添加は、前記抗菌・消臭性金属成分含有水溶液と前記チタン塩水溶液とを混合した水溶液のpHが6.5〜7.5の範囲になるように調節するのが望ましい。 【0012】 工程(2) 工程(1)で得られた含水酸化物は、通常の方法で洗浄して副生塩を除去する。含水酸化物の洗浄は、好ましくは含水酸化物中の副生塩の量が乾量基準で1重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下にすることが望ましい。含水酸化物中の副生塩の量が1重量%より多い場合にはコロイド溶液が得られないことがある。 【0013】 工程(3) 次いで、工程(2)で洗浄した含水酸化物を水に懸濁して懸濁液(スラリー)にする。該懸濁液の濃度は、酸化物として1〜20重量%の範囲に調整するのが望ましい。 【0014】 工程(4) 次に、前記懸濁液にシリカコロイド溶液および/または珪酸液を加えて混合する。シリカコロイド溶液を使用する場合には、シリカコロイド粒子の平均粒子径が30nm以下、好ましくは15nm以下であることが望ましい。前記懸濁液に該シリカコロイド溶液および/または珪酸液を加えることにより、耐光性に優れた、高濃度の長期間にわたって安定な抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液が得られる。また、添加するシリカコロイド溶液および/または珪酸液のシリカ(SiO2)量により、得られる抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液の酸化チタンコロイド粒子の粒子径を制御することが可能である。該シリカの添加量が増すと該酸化チタンコロイド粒子の粒子径は小さくなり、添加量が少なくなると該酸化チタンコロイド粒子の粒子径は大きくなる。 本発明では、好ましくは前記シリカコロイド溶液および/または珪酸液のシリカ量は、SiO2/(MOX+TiO2)の重量比で0.5/100〜30/100の範囲、さらに好ましくは1/100〜20/100の範囲にあることが望ましい。 【0015】 工程(5) 工程(4)の混合懸濁液に、さらにアルカリを加えて該懸濁液のpHを7〜13の範囲に調整する。該懸濁液のpHが7〜13の範囲を外れると抗菌・消臭性酸化チタン微粒子が分散したコロイド溶液の生成が起こらないことがある。該懸濁液のpHは好ましくは8〜12の範囲、さらに好ましくは8〜10の範囲である。 【0016】 工程(6) 次いで、前記pH調整した懸濁液をオートクレーブで温度110〜250℃の範囲で加熱処理する。加熱処理温度が110℃より低い場合には、抗菌・消臭性酸化チタン微粒子が生成しないことがあり、また、該温度が250℃より高い場合には、オートクレーブ処理の設備費が高くなり経済的でない。 また、加熱処理は抗菌・消臭性酸化チタン微粒子が分散したコロイド溶液の生成が起こるまで行い、通常前記温度範囲で1〜24時間、好ましくは10〜20時間行うのが望ましい。 なお、前述の方法で得られる抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液はアルカリ性であるが、抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液の用途によってアルカリ性が好ましくない場合には、さらに、該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液を限外濾過膜装置などで洗浄してアルカリ分を除去することもできる。 【0017】 前述の方法で得られる抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液の抗菌・消臭性酸化チタン微粒子はアナターゼ型酸化チタンの結晶形であることが好ましい。アナターゼ型酸化チタンは、光触媒作用が強いので好適である。なお、結晶形の測定は、該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液を110℃で16時間乾燥させた試料についてX線回折することにより行われる。 【0018】 前述のアナターゼ型酸化チタンは、結晶子の大きさが100Å以上であることが好ましい。該アナターゼ型酸化チタンの結晶子の大きさが100Åより小さい場合には酸化チタンに基づく光触媒作用が弱いことがある。該アナターゼ型酸化チタンの結晶子の大きさは、さらに好ましくは110〜350Åの範囲にあることが望ましい。なお、該酸化チタンの結晶子の大きさは、X線回折による(101)面の面間隔d=3.52Å(2θ=25.3°)(CuKα)の半値幅からデバイ−シエラー(Debye−Sherrer)の式により求めた値である。 以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明する。 【実施例1】 【0019】 硫酸チタニル2水塩結晶(テイカ(株)製:TM結晶)2.5kgに水2.5kgを加え、攪拌溶解して硫酸チタニル水溶液を調製した。次いで、直ちに該硫酸チタニル水溶液の5438gに硫酸亜鉛(関東化学(株)鹿1級ZnSO4・7H2O)354.6gを加え、さらに水14kgを加えて硫酸チタニルと硫酸亜鉛の混合水溶液を調製した。さらに、該混合水溶液に15重量%アンモニア水を添加して、混合水溶液のpHを7.0にして含水酸化物を生成させた。 該含水酸化物を平板フィルターにて濾過し、100kgの純水で掛水洗浄して副生塩を除去した含水酸化物を得た。なお、該含水酸化物中のSO4の量は0.1重量%(乾量基準)であった。 次いで、洗浄した含水酸化物を水で希釈して固形分濃度5重量%の懸濁液20.1kgを調製した。該懸濁液にシリカ濃度16重量%のシリカゾル(触媒化成工業(株)製:Cataloid−SN350)940gを加え、さらに3重量%カセイソーダ水を加えて該懸濁液のpHを10.5に調整し、該pH調整した懸濁液をオートクレーブにて160℃で16時間加熱処理を行って、亜鉛含有酸化チタンコロイド粒子が分散した抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(A)を得た。 【0020】 該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(A)は、pHが10.2で、固形分濃度が4.9重量%で、固形分中のZnOの含有量は、9.0重量%であった。また、該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(A)の亜鉛含有酸化チタンコロイド粒子の平均粒子径(Dp)を、超遠心式自動粒度分布測定装置(堀場製作所製:CAPA―700)で測定)したところ、20.0nmであった。 該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(A)の一部を110℃で16時間乾燥させた試料をX線回折装置 (リガク(株)製:RINT−1400)によりX線回折測定した結果、アナターゼ型酸化チタンのX線回折図を示し、結晶子径の大きさは150Åであった。なお、該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(A)は1ケ月間放置しても安定なコロイド状態を維持していた。 【実施例2】 【0021】 実施例1において、オートクレーブでの処理を120℃で16時間加熱処理したこと以外は実施例1と同様にして、亜鉛含有酸化チタンコロイド粒子が分散した抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(B)を調製した。 該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(B)は、pHが10.0で、固形分濃度が4.8重量%で、固形分中のZnOの含有量は、9.1重量%であった。 また、該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(A)の亜鉛含有酸化チタンコロイド粒子の平均粒子径(Dp)は、21.0nmで、アナターゼ型酸化チタンのX線回折図を示し、結晶子径の大きさは105Åであった。なお、該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(B)は1ケ月間放置しても安定なコロイド状態を維持していた。 【実施例3】 【0022】 実施例1において、硫酸亜鉛の代わりに、硫酸銅(関東化学(株)鹿1級、CuSO4・5H2O)312.5gを加えたこと以外は実施例1と同様にして、銅含有酸化チタンコロイド粒子が分散した抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(C)を調製した。 該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(C)は、pHが10.2で、固形分濃度が5.0重量%で、固形分中のCuOの含有量は、9.0重量%であった。 また、該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(C)の銅含有酸化チタンコロイド粒子の平均粒子径(Dp)は、22.0nmで、アナターゼ型酸化チタンのX線回折図を示し、結晶子径の大きさは148Åであった。なお、該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(C)は1ケ月間放置しても安定なコロイド状態を維持していた。 【実施例4】 【0023】 実施例1において、硫酸亜鉛の代わりに、硝酸銀(関東化学(株)製、鹿1級AgNO3)73.5gを加えたこと以外は実施例1と同様にして銀含有酸化チタンコロイド粒子が分散した抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(D)を調製した。該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(D)は、pHが10.0で、固形分濃度が4.8重量%で、固形分中のAg2Oの含有量は、4.5重量%であった。 該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(d)を限外濾過膜装置で固形分に対して200倍の純水で洗浄後、濃縮して銀含有酸化チタンコロイド粒子が分散した抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(D)を得た。 【0024】 該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(D)は、pHが9.3で、固形分濃度が4.9重量%であった。 また、該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(D)の銀含有酸化チタンコロイド粒子の平均粒子径(Dp)は、18.5nmで、アナターゼ型酸化チタンのX線回折図を示し、結晶子径の大きさは152Åであった。なお、該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(D)は1ケ月間放置しても安定なコロイド状態を維持していた。 【比較例1】 【0025】 硫酸チタニル2水塩結晶(テイカ(株)製:TM結晶)2.5kgに水2.5kgを加え、攪拌溶解して硫酸チタニル水溶液を調製した。次いで、該硫酸チタニル水溶液の2.5kgに、さらに水5.5kgを加えて希釈した後、この水溶液に15重量%アンモニア水を添加して、水溶液のpHを7.0にして含水酸化物を生成させた。 該含水酸化物を平板フィルターにて濾過し、40kgの純水で掛水洗浄して副生塩を除去した含水酸化物を得た。なお、該含水酸化物中のSO4の量は0.2重量%(乾量基準)であった。 次いで、洗浄した含水酸化物を水で希釈して固形分濃度1重量%の懸濁液100kgを調製した。 該懸濁液の40kgに、濃度35重量%の過酸化水素2.8kgを添加し、90℃で2時間加熱して固形分濃度1重量%の酸化チタンコロイド溶液を得た。 【0026】 一方、硝酸銅(関東化学(株)試薬鹿1級、(Cu(NO3)2・3H2O)12.33gに水3648gを加えて、濃度0.5重量%の硝酸銅水溶液を調整した。 前記酸化チタンコロイド溶液4.0kgをビーカーに採取し、これを攪拌しながら50℃に加温した。この時の酸化チタンコロイド溶液のpHは7.9であった。該チタンコロイド溶液に前記硝酸銅水溶液をペリスターポンプにて10g/minの速度で添加した。硝酸銅水溶液の添加でコロイド溶液のpHが低下し始めたところで、陰イオン交換樹脂(三菱化学製)を最初のpH7.9を維持するように少量ずつ添加し、全硝酸銅水溶液の添加が終了するまで、この操作を継続した。 陰イオン交換樹脂の全使用量は310gであり、また、コロイド溶液の最終pHは8.1であった。 【0027】 該コロイド水溶液を限外濾過膜装置でTiO2重量に対して200倍の純水で洗浄した後、濃縮して、銅含有酸化チタンコロイド粒子が分散した固形分濃度10重量%の安定な抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(E)を調製した。該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(E)の固形分中のCuOの含有量は、9.8重量%であった。 また、該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(E)の銅含有酸化チタンコロイド粒子の平均粒子径(Dp)は12.0nmで、無定形のX線回折図を示した。なお、該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(E)は1ケ月間放置しても安定なコロイド状態を維持していた。 【比較例2】 【0028】 比較例1において、硝酸銅の代わりに硝酸亜鉛(関東化学(株)試薬鹿1級、(Zn(NO3)2・6H2O))14.6gを用いた他は比較例1と同様にして、亜鉛含有酸化チタンコロイド粒子が分散した固形分濃度10重量%の安定な抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(F)を調製した。該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(F)の固形分中のZnOの含有量は、9.1重量%であった。 また、該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(F)の亜鉛含有酸化チタンコロイド粒子の平均粒子径(Dp)は15.0nmで、無定形のX線回折図を示した。なお、該抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(F)は1ケ月間放置しても安定なコロイド状態を維持していた。 【実施例5】 【0029】 実施例1〜4で得られた抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(A)〜(D)の各々の一部を採取し、それぞれ固形分濃度3000ppmの溶液に調整して、それぞれの溶液にポリエステル繊維を室温にて5分間浸漬、ピックアップ100%になるように絞り、80℃で乾燥して、抗菌・消臭性酸化チタンコロイド粒子を担持したポリエステル繊維の試料(AF)〜(DF)を調製した。 【比較例3】 【0030】 比較例1および2で得られた抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(E)および(F)の各々の一部を採取し、それぞれ固形分濃度3000ppmの溶液に調整して、それぞれの溶液にポリエステル繊維を室温にて5分間浸漬、ピックアップ100%になるように絞り、80℃で乾燥して、抗菌・消臭性酸化チタンコロイド粒子を担持したポリエステル繊維の試料(EF)および(FF)を調製した。 【0031】 抗菌性の評価試験1 実施例1〜4および比較例1〜2で得られた抗菌・消臭性酸化チタンコロイド溶液(A)〜(D)および(E)、(F)の一部を110℃で3時間乾燥して、それぞれの抗菌・消臭性酸化チタン粉末試料(AP)〜(DP)および(EP)、(FP)を調製した。 これらの抗菌・消臭性酸化チタン粉末試料について、次の抗菌性の評価試験を行った。即ち、試験菌には、大腸菌(Escherichia coli NBRC 3972)と、黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureuse NBRC 12732)とを用い、50mlのリン酸緩衝液に試験菌を懸濁させ、前記粉末試料(AP)〜(DP)および(EP)、(FP)を0.1g添加して、室温で1時間、330rpmで攪拌した後、生菌数を測定した。空試験の1時間後の生菌数(A)と、抗菌剤添加試験の1時間後の生菌数(B)とを測定し、増減値差(Log.A−Log.B)により評価を行った。評価結果を表1に示す。 【0032】 [表1] 抗菌性評価結果1 粉末試料 増 減 値 差 大腸菌 黄色ぶどう球菌 AP 3.3 4.0 BP 2.9 3.0 CP >5 4.5 DP >5 >5 EP 0.5 0.6 FP 0.9 0.8 【0033】 前記リン酸緩衝液とは、リン酸2水素カリウム34gを1000mlの精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpHを7.2に調整した後、これを0.85%塩化ナトリウム溶液で800倍に希釈したものである。 表1から、ベースがアナターゼ型結晶の酸化チタン粉末試料は、無定形酸化チタン粉末試料より高い抗菌性を示し、中でも、アナターゼ型結晶子径の大きいものがさらに高い抗菌性を示すことが分かる。 【0034】 抗菌性の評価試験2 実施例5および比較例3で調製したポリエステル繊維の試料(AF)〜(DF)および(EF)、(FF)について抗菌性の評価試験を行った。評価試験は“繊維製品の定量的抗菌性試験方法 JIS L 1902”に従って行った。 ・試験菌 :肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae NBRC13277) 黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureuse NBRC12732) ・栄養 :1/20濃度のニュートリエントブロス*1) (*1)150mg/Lの肉エキス+250mg/Lのペプトン ・測定方法:バイアル瓶に試料0.4g入れて、菌懸濁液(界面活性剤Tween80を0.05%添加)0.2mlを滴下し、37℃で18時間培養後、洗い出し、生菌数を測定した。評価結果を表2に示す。 表2から、ベースがアナターゼ型結晶の酸化チタンコロイド粒子を担持した繊維試料は、無定形酸化チタンコロイド粒子を担持した繊維試料より高い抗菌性を示すことが分かる。 【0035】 [表2] 抗菌性評価結果2 繊維試料 増 減 値 差 肺炎桿菌 黄色ぶどう球菌 AF 4.5 4.5 BF 3.0 2.9 CF 5.0 >5 DF >5 >5 EF −0.2 0.0 FF −0.3 0.3 【0036】 光触媒効果試験 抗菌性の評価試験1で使用した抗菌・消臭性酸化チタン粉末試料(AP)〜(EP)および(EP)、(FP)を用いて光による消臭試験を行った。 それぞれ1Lパックに抗菌・消臭性酸化チタン粉末試料2gとアセトアルデヒド濃度400ppmの溶液1Lを入れたものを、ブラックライト(20W×2本)にて25℃で3時間照射した後、検知管でアセトアルデヒドとCO2の濃度を測定した。測定結果を表3に示す。 表3から、ベースがアナターゼ型結晶の酸化チタン粉末試料は、無定形酸化チタン粉末試料より高い光触媒効果を示し、中でも、アナターゼ型結晶子径の大きいものがさらに高い光触媒効果を示すことが分かる。 【0037】 [表3] 光触媒効果試験結果 粉末試料 CO2(ppm) AP 600 BP 300 CP 650 DP 400 EP 100 FP 50 【0038】 消臭性評価試験1 抗菌性の評価試験1で使用した抗菌・消臭性酸化チタン粉末試料(AP)〜(EP)および(EP)、(FP)を用いて消臭性評価試験を行った。 それぞれ、5Lテトラバックに抗菌・消臭性酸化チタン粉末試料1gと、初期濃度100ppmのアンモニア試験臭3Lおよび初期濃度4ppmの硫化水素試験臭3Lを封入して2時間放置した後、検知管にて試験臭濃度を測定した。測定結果を表4に示す。 表4から、ベースがアナターゼ型結晶の酸化チタン粉末試料は、無定形酸化チタン粉末試料より高い消臭効果を示し、中でも、アナターゼ型結晶子径の大きいものがさらに高い消臭効果を示すことが分かる。 【0039】 [表4] 消臭性評価試験結果1 粉末試料 消 臭 率(%) アンモニア 硫化水素 AP 100 100 BP 98 95 CP 100 100 DP 95 85 EP 70 50 FP 60 40 【0040】 消臭性評価試験2 実施例5および比較例3で調製したポリエステル繊維の試料(AF)〜(DF)および(EF)(FF)について消臭性評価試験を行った。 それぞれ、5Lテトラバックにポリエステル繊維の試料試験布10×10cmと、初期濃度100ppmのアンモニア試験臭3Lおよび初期濃度4ppmの硫化水素試験臭3Lを封入して2時間放置した後、検知管にて試験臭濃度を測定した。結果を表5に示す。 繊維に加工しても表4の場合と同様に、ベースがアナターゼ型結晶の酸化チタンコロイド粒子を担持した繊維試料は、無定形酸化チタンコロイド粒子を担持した繊維試料より高い消臭効果を示した。 【0041】 [表5] 消臭性評価試験結果2 繊維試料 消 臭 率(%) アンモニア 硫化水素 AF 100 100 BF 85 80 CF 100 100 DF 80 70 EF 60 30 FF 40 20
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| 【出願人】 |
【識別番号】000190024 【氏名又は名称】触媒化成工業株式会社 【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区堀川町580番地
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| 【出願日】 |
平成16年9月21日(2004.9.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094341 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 政久
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| 【公開番号】 |
特開2006−89380(P2006−89380A) |
| 【公開日】 |
平成18年4月6日(2006.4.6) |
| 【出願番号】 |
特願2004−272776(P2004−272776) |
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