| 【発明の名称】 |
薬剤拡散装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】福田 民郎
【氏名】阿部 壮一郎
【氏名】岩崎 智則
【氏名】岡田 賢哉
【氏名】原田 哲男
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| 【要約】 |
【課題】防虫剤等を拡散させる用途に使用されるものであり、取り付けの自由度が高い薬剤拡散装置の開発を課題とする。
【解決手段】本体ケース(ケース部材)2と、クリップ片部材3及びつるまきばね5によって構成されている。本体ケース(ケース部材)2内に電池6と送風機30が固定され、さらに送風機30の上に薬剤保持部材41がある。薬剤拡散装置1は、あたかも全体が一つの大型クリップの様な構造であり、本体ケース2とクリップ片部材3は、その投影形状が同一である。また本体ケース2とクリップ片部材3は、いずれも細長い形状をしている。そして両者は、一端の近傍にヒンジ63によって結合されていて他端側が開閉する。薬剤拡散装置1は、害虫の侵入経路や、集合場所の近傍にある物に対して、これを挟む様にして取り付ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 送風手段と薬剤保持部材を収納するケース部材とを備えた薬剤拡散装置において、クリップ片部材と、弾性部材を備え、前記クリップ片部材は、ケース部材に揺動可能に取り付けられ、さらに前記クリップ片部材は、前記弾性部材によって一端側がケース部材に対して近接する様に付勢されていることを特徴とする薬剤拡散装置。 【請求項2】 送風手段と薬剤保持部材を収納するケース部材とを備えた薬剤拡散装置において、クリップ片部材と、弾性部材を備え、前記クリップ片部材の投影面積は、前記ケース部材の投影面積と略等しく、前記クリップ片部材は、ケース部材に揺動可能に取り付けられ、さらに前記クリップ片部材は、前記弾性部材によって一端側がケース部材に対して近接する様に付勢されていることを特徴とする薬剤拡散装置。 【請求項3】 送風手段と薬剤保持部材を収納するケース部材とを備えた薬剤拡散装置において、クリップ片部材と、弾性部材を備え、前記クリップ片部材の投影形状は、前記ケース部材の投影形状と略等しく、前記クリップ片部材は、ケース部材に揺動可能に取り付けられ、さらに前記クリップ片部材は、前記弾性部材によって一端側がケース部材に対して近接する様に付勢されていることを特徴とする薬剤拡散装置。 【請求項4】 送風手段と薬剤保持部材を収納するケース部材とを備えた薬剤拡散装置において、クリップ片部材と、弾性部材を備え、前記クリップ片部材は、前記弾性部材によって一端側がケース部材に対して近接する様に付勢されていてクリップ片部材とケース部材との間に他の物品の一部を挟むことが可能であり、クリップ片部材とケース部材との間に平板を挟んだ状態を仮定したとき、クリップ片部材及びケース部材の前記平板に対して垂直方向の投影形状及び投影面積の少なくともいずれかが略等しいことを特徴とする薬剤拡散装置。 【請求項5】 送風手段はモータによって回転される送風機であり、送風機に電力を供給する長円柱形状の電池を備え、当該電池は、送風手段と同一のケース部材内に収納され、送風手段は、電池の軸線上に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の薬剤拡散装置。 【請求項6】 クリップ片部材は、ヒンジによってケース部材に取り付けられており、当該ヒンジは、送風手段の裏面側の位置にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の薬剤拡散装置。 【請求項7】 クリップ片部材の裏面側に磁石が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の薬剤拡散装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は薬剤拡散装置に関するものである。本発明の薬剤拡散装置は防虫剤等を拡散させる用途に適するものであり、任意の位置に設置することができる薬剤拡散装置である。 【背景技術】 【0002】 防虫剤を拡散させる薬剤拡散装置が知られている。薬剤拡散装置には、主として室内で使用するものと、主として屋外で使用するものがある。前者の屋内用薬剤拡散装置は、床や机上の様な平面的な場所に設置して使用される。 一方、後者の屋外用薬剤拡散装置は、使用者が携行して使用されるものであり、使用者のベルト等の他部材から吊り下げて使用するものがある。 他部材から吊り下げて使用する薬剤拡散装置は、特許文献1,2に開示されている。 【特許文献1】特開2001−197856号公報 【特許文献2】登録実用新案第3071760号公報 【0003】 特許文献1,2に開示された薬剤拡散装置は、送風機と薬剤保持部材を備え、送風機によって薬剤保持部材に通気し、薬剤を拡散させるものである。特許文献1,2に開示された薬剤拡散装置は、いずれも電池と送風機と薬剤保持部材が一つのケースに内蔵されており、当該ケースの背面にフックが設けられた構造である。 【0004】 特許文献1,2に開示された薬剤拡散装置は、主として屋外で使用することを目的とする屋外用のものであり、フックをズボンのベルト等に引っかけ、ケースを吊り下げて使用する。 特許文献1,2に開示された薬剤拡散装置で採用するフックは、ベルト等にケースを吊り下げる機能を有するだけであり、ケースの姿勢を一定に維持する機能を持たない。また特許文献1,2に開示された薬剤拡散装置で採用するフックは、ケースのフック取付け面の面積に対して相当に小さい。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 前記した様に屋内で使用される薬剤拡散装置は、一般に床面や机上に置いて使用される。そして薬剤拡散装置から薬剤を拡散し、室内全域の薬剤濃度を所定の濃度とすることによって防虫等を行う。 従来技術の屋内用薬剤拡散装置は、室内全体の薬剤濃度を所定の濃度以上に保って防虫を行うという思想のもとに設計されており、置き場所や設置姿勢については考慮する必要が無かった。即ち従来の思想は、部屋全体を一定の薬剤濃度とするものであるから、薬剤拡散装置は部屋の片隅に設置しておけば良く、時間の経過と共に薬剤が拡散され、部屋中に隈なく薬剤を行き渡らせる。従来技術の屋内用薬剤拡散装置は、この様に室内の隅々まで一定濃度の薬剤を行き渡らせ、蚊等の侵入を阻止するという技術思想のもとで設計されている。 【0006】 しかしながら本発明者らが調査を行ったところ、需要者の中には上記した設計思想とは異なり、局部的に薬剤を拡散させたいという要求があった。 例えば、家屋によっては蚊等の侵入経路が特定される場合があり、その様な侵入経路に害虫忌避性の薬剤を拡散させたいという要求がある。より詳細に説明すると、台所はコンロ等を使用するので、足元の位置に空気採り入れ口が設けられている場合が多く、この空気採り入れ口は常時開いている。そのため空気採り入れ口から蚊が侵入する。同様に台所の換気扇の隙間が蚊の侵入経路となっている場合もある。また窓を少しだけ開いて涼を取る場合が多いが、この少し開いた窓からも蚊が侵入する。 この様に害虫の侵入経路が特定される場合には、室内全体に薬剤を拡散させるまでもなく、特定の箇所だけに薬剤を拡散すれば害虫に悩まされることはない。 【0007】 また室内に設置された生ゴミ入れの周辺や、炊事場のコーナに設置されたザル等には、ショウジョウバエが集まる。ショウジョウバエは、有機物に近づこうとして外から侵入するので、生ゴミ入れ等の周辺にだけ薬剤が拡散されれば、室内にショウジョウバエは侵入しない。 しかしながら、従来の屋内用薬剤拡散装置は、床面に設置して使用するものであり、設置条件が限られ、特定の箇所に重点的に薬剤を拡散させることはできない。 一方、屋外用の薬剤拡散装置はフックを備えており、吊り下げて使用することはできるが、ベルトや紐の様な吊り下げられる部材が存在しない場所には設置することができない。また従来技術の屋外用の薬剤拡散装置は、フックによって吊り下げるものに過ぎないので、姿勢を維持することができない。即ち特定の害虫侵入路や、特定の場所に重点的に薬剤を拡散させるには、単に特定の場所に薬剤拡散装置を設置するだけでは足りず、特定の設置姿勢に取り付ける必要がある。従来技術の屋外用の薬剤拡散装置は、この要求に応えることができない。 【0008】 そこで本発明は、従来技術の上記した欠点に注目し、取り付けの自由度が高い薬剤拡散装置の開発を課題とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 そして上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、送風手段と薬剤保持部材を収納するケース部材とを備えた薬剤拡散装置において、クリップ片部材と、弾性部材を備え、前記クリップ片部材は、ケース部材に揺動可能に取り付けられ、さらに前記クリップ片部材は、前記弾性部材によって一端側がケース部材に対して近接する様に付勢されていることを特徴とする薬剤拡散装置である。 【0010】 本発明の薬剤拡散装置は、クリップ片部材を有し、クリップ片部材は、弾性部材によって一端側がケース部材に対して近接する様に付勢されている。そのため他の固定物等をクリップ片部材とケース部材の間で挟み、薬剤拡散装置を他の固定物等に取り付けることができる。またクリップ片部材は、弾性部材によって付勢されているので、クリップ片部材とケース部材の間における挟み力は強固であり、薬剤拡散装置の姿勢を維持することもできる。 【0011】 請求項2に記載の発明は、送風手段と薬剤保持部材を収納するケース部材とを備えた薬剤拡散装置において、クリップ片部材と、弾性部材を備え、前記クリップ片部材の投影面積は、前記ケース部材の投影面積と略等しく、前記クリップ片部材は、ケース部材に揺動可能に取り付けられ、さらに前記クリップ片部材は、前記弾性部材によって一端側がケース部材に対して近接する様に付勢されていることを特徴とする薬剤拡散装置である。 ここでクリップ片部材の投影面積とは、クリップ片部材の接合側の平面(接合側に凹凸がある場合は実質的に他の物品と接する仮想平面)に対して垂直方向から平行光線を当て、光に対して垂直な平面に出来る影の面積である。同様にケース部材の投影面積とは、ケース部材の接合側の平面(接合側に凹凸がある場合は実質的に他の物品と接する仮想平面)に対して垂直方向から平行光線を当て、光に対して垂直な平面に出来る影の面積である。 また「略等しい」とは、大きい方を基準にして面積比で20%以内程度の差異を許容する趣旨である。 【0012】 本発明の薬剤拡散装置についても、クリップ片部材を有し、クリップ片部材は、弾性部材によって一端側がケース部材に対して近接する様に付勢されているので、他の固定物等をクリップ片部材とケース部材の間で挟み、薬剤拡散装置を取り付けることができる。加えて本発明の薬剤拡散装置では、クリップ片部材の投影面積が、ケース部材の投影面積と略等しい。そのため本発明の薬剤拡散装置では、クリップ片部材によってケース部材を全体的に保持することができ、薬剤拡散装置の姿勢を維持することができる。 【0013】 請求項3に記載の発明は、送風手段と薬剤保持部材を収納するケース部材とを備えた薬剤拡散装置において、クリップ片部材と、弾性部材を備え、前記クリップ片部材の投影形状は、前記ケース部材の投影形状と略等しく、前記クリップ片部材は、ケース部材に揺動可能に取り付けられ、さらに前記クリップ片部材は、前記弾性部材によって一端側がケース部材に対して近接する様に付勢されていることを特徴とする薬剤拡散装置である。 ここでクリップ片部材の投影形状とは、接合側の平面(接合側に凹凸がある場合は実質的に他の物品と接する仮想平面)に対して垂直方向から平行光線を当て、光に対して垂直な平面に出来る影の形状である。同様にケース部材の投影形状とは、ケース部材の接合側の平面(接合側に凹凸がある場合は実質的に他の物品と接する仮想平面)に対して垂直方向から平行光線を当て、光に対して垂直な平面に出来る影の形状である。 また「略等しい」とは、両者を重ね合わせた時に、両者の重なり部分を基準にして面積比で20%以内程度のはみ出し部分があることを許容する趣旨である。 【0014】 本発明の薬剤拡散装置についても、クリップ片部材を有し、クリップ片部材は、弾性部材によって一端側がケース部材に対して近接する様に付勢されているので、他の固定物等をクリップ片部材とケース部材の間で挟み、薬剤拡散装置を取り付けることができる。加えて本発明の薬剤拡散装置では、クリップ片部材の投影形状が、ケース部材の投影形状と略等しい。そのため本発明の薬剤拡散装置では、クリップ片部材によってケース部材を全体的に保持することができ、薬剤拡散装置の姿勢を維持することができる。 【0015】 請求項4に記載の発明は、送風手段と薬剤保持部材を収納するケース部材とを備えた薬剤拡散装置において、クリップ片部材と、弾性部材を備え、前記クリップ片部材は、前記弾性部材によって一端側がケース部材に対して近接する様に付勢されていてクリップ片部材とケース部材との間に他の物品の一部を挟むことが可能であり、クリップ片部材とケース部材との間に平板を挟んだ状態を仮定したとき、クリップ片部材及びケース部材の前記平板に対して垂直方向の投影形状及び投影面積の少なくともいずれかが略等しいことを特徴とする薬剤拡散装置である。なお厳密には、平板の厚さによって投影面積等は変化するが、挟むことができる厚さは、自ずと限られるので、平板の厚さに基づく投影面積等の相違は誤差の範囲である。 【0016】 本発明の薬剤拡散装置についても、クリップ片部材を有し、クリップ片部材は、弾性部材によって一端側がケース部材に対して近接する様に付勢されているので、他の固定物等をクリップ片部材とケース部材の間で挟み、薬剤拡散装置を取り付けることができる。加えて本発明の薬剤拡散装置では、クリップ片部材の投影形状等が、ケース部材の投影形状等と略等しい。そのため本発明の薬剤拡散装置では、クリップ片部材によってケース部材を全体的に保持することができ、薬剤拡散装置の姿勢を維持することができる。 【0017】 請求項5に記載の発明は、送風手段はモータによって回転される送風機であり、送風機に電力を供給する長円柱形状の電池を備え、当該電池は、送風手段と同一のケース部材内に収納され、送風手段は、電池の軸線上に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の薬剤拡散装置である。 【0018】 本発明の薬剤拡散装置は、単3型や単4型の様な、直径に対して全長が長い長円柱形状の電池を備える。そして同じケース内に電池と送風手段が内蔵されており、送風手段は、電池の軸線上に設けられている。そのためケースは細長いものとなり、他の部材に取り付けられた時の接触面積が大きくなる。また他の部材を挟んだ時の深さが深いものとなる。 【0019】 請求項6に記載の発明は、クリップ片部材は、ヒンジによってケース部材に取り付けられており、当該ヒンジは、送風手段の裏面側の位置にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の薬剤拡散装置である。 【0020】 送風機は、駆動する部材であり、振動が生じる。そのため薬剤拡散装置には、振動によってヒンジを中心とするモーメントが生じ、薬剤拡散装置の位置ずれの原因となる。 これに対して、本発明の薬剤拡散装置では、振動源たる送風機と、モーメントの中心たるヒンジの位置が近接しているから、薬剤拡散装置に発生するモーメントが小さい。そのため薬剤拡散装置の取り付けが強固となる。 【0021】 請求項7に記載の発明は、クリップ片部材の裏面側に磁石が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の薬剤拡散装置である。 【0022】 本発明の薬剤拡散装置は、クリップ片部材の裏面側に磁石が設けられているから、冷蔵庫や洗濯機等の家庭用電化製品の表面壁にも固定することができ、取付けの自由度がさらに高い。 【発明の効果】 【0023】 本発明の薬剤拡散装置は、取り付けの自由度が高く、さらに取付け姿勢を保つこともできる。そのため本発明の薬剤拡散装置は、特定の場所に重点的に薬剤を拡散することができる効果がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 以下さらに本発明の実施形態について説明する。 図1は、本発明の実施形態の薬剤拡散装置の正面図、左右側面図及び平面図である。図2は、図1の薬剤拡散装置の分解斜視図である。図3は、薬剤保持部材の分解斜視図である。図4は、図1の薬剤拡散装置のスイッチ部分の断面図である。 本発明の実施形態の薬剤拡散装置1は、本体ケース(ケース部材)2と、クリップ片部材3及びつるまきばね5によって構成されている。また本体ケース(ケース部材)2内に電池6と送風機30が固定され、さらに送風機30の上に薬剤保持部材41がある。 以下順次説明する。 【0025】 本体ケース2は、図2に示す様に、ベース板8と、蓋部材10によって構成されている。 ベース板8は、図2の様に、ややテーパーがかった長形の板である。ベース板8の両端の辺は、いずれも円弧状である。ベース板8の一方の辺の円弧径は、他方のそれよりも大きい。 【0026】 ベース板8には、送風機30と電池6が取り付けられている。 送風機30は、ハウジング31に羽根部材32とモータ33が配置されて構成されている。 本実施形態で採用する送風機30は、図2を基準として天面側から吸気し、側面側に排気するものである。本実施形態では、ハウジング31は円弧状の仕切り壁35と仕切り壁35によって支持された当接環36によって構成されている。当接環36は円環状であり中央に大きな開口37がある。 従ってハウジング31は上面に吸気口たる開口37を持ち、仕切り壁35,35によった囲まれた領域の開口部分が排気口39として機能する。なおハウジング31の排気口39の開口方向は、後記する蓋部材10の排気口と一致する。 【0027】 羽根部材32は、シロッコファンやターボファンの様な回転軸を中心とする円周上に多数の小羽根38が配されたものである。モータ33は、羽根部材32の小羽根38に囲まれた位置に配置されている。 送風機30は、前記したベース板8の一方側(大径の円弧側)に設けられている。そして送風機30の羽根部材32の中心は、ベース板8の大径側の円弧の中心と略一致する。 【0028】 またベース板8には、電池ボックス15が取り付けられており、電池ボックス15には、単3型の電池が装着されている。電池ボックス15は、二本の電池を並列的に装着するものであり、単3型の電池は、二本並列に並べて配されている。 ここで電池の配置と、前記した送風機30との位置関係に注目すると、両者は、同一のベース板8上に配置されており、同一の平面上にあると言える。また電池は、長円柱形状であるが、この軸腺を延長すると、送風機30の一部と交わる。従って電池6と送風機30は、長手方向に配置されている。 【0029】 ベース板8の裏面側には、図1の様にヒンジ片17が設けられている。ヒンジ片17については後記する。 【0030】 蓋部材10は、ベース板8に被さり、両者の間に機器収納空間を形成するものである。即ち蓋部材10は、殻状であり、一方の面が全面的に開口している。開口端の形状は、ベース板8と同一である。蓋部材10は、図示しない係合構造によってベース板8に取り付けられている。 蓋部材10は、図1の様に、一端側に円形部分21があり、他端側はやや幅が狭くなっている。 蓋部材10の外表面側には、図1の様に、複数のスリット22,23が設けられている。即ち蓋部材10の天面側(図1を基準)には、円形部分21の中心から放射状に延びるスリット22が設けられている。当該スリット22は、本体ケース2内に空気を導入する吸気口として機能する。 また円形部分21の側面部分(図1を基準)には、ベース板8と平行に延びるスリット23が複数段に渡って設けられている。スリット23は、排気口として機能する。 【0031】 蓋部材10の内面側に目を移すと、前記した円形部分21の天面の裏面側(吸気口たるるスリット22の位置)に、円形の枠25が設けられており、当該枠25に、薬剤保持部材41が装着されている。 図3のように薬剤保持部材41は、薬剤含浸網46とこれを保持する枠体50によって構成されている。 本実施形態では、枠体50は外側枠47と内側枠48によって構成され、両者の間で薬剤含浸網46を挟み込む構造となっている。即ち外側枠47は、円環状の外周壁51を持ち、外周壁51の一方の端面に保持桟53が形成されたものである。保持桟53は、中心部に円部55を持ち、当該円部55から複数の保持桟53が放射状に延びている。 内側枠48は、前記した外側枠47と相似形であり、外側枠47よりも僅かに小さく、外側枠47の外周壁51内に内側枠48の外周壁56が嵌まり込む。即ち内側枠48は、外側枠47と同様に円環状の外周壁56を持ち、外周壁56の一方の端面に保持桟57が形成されたものであり、内側枠48の外周壁56の外径は外側枠47の外周壁51の内径に相当し、外側枠47の外周壁51内に内側枠48の外周壁56が嵌まり込む。そして外側枠47の保持桟53と内側枠48の保持桟57の間で薬剤含浸網46を挟む。 【0032】 薬剤含浸網46には防虫薬剤が含浸されている。ここで防虫薬剤とは殺虫剤と忌避剤との両方を含む概念である。本発明において防虫薬剤とは、常温で揮散性を有する有効成分を含有するものであり、該有効成分としてはピレスロイド系化合物、並びにその他の殺虫性化合物及び忌避性化合物を挙げることができる。 【0033】 ピレスロイド系化合物としては例えば、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル(1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(一般名:トランスフルスリン)、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル(1R)−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル(1R)−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル(1R)−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル3−(2−クロロ−2−フルオロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル3−(2−クロロ−2−フルオロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル(1R)−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(一般名:エンペントリン)、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートを挙げることができる。 【0034】 その他の殺虫性化合物及び忌避性化合物としては、例えば2,2−ジクロロビニルジメチルホスフェート等の有機リン化合物、N,N−ジエチル−m−トルアミド、カラン−3,4−ジオール等を挙げることができる。 【0035】 防除できる害虫の例としては、具体的には各種の有害昆虫を挙げることができ、特に有害飛翔性害虫、例えばアカイエカ、ネッタイイエカ、チカイエカ、コダカアカイエカ等のイエカ類、ヒトスジシマカ、ネッタイシマカ、オオクロヤブカ等のヤブカ類、シナハマダラカ、コガタハマダラカ、ガンビアハマダラカ等のハマダラカ類、サシバエ類、ヌカカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、タネバエ、ヒメイエバエ、タマネギバエ等のハナバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、ブユ類、アブ類等の双翅目害虫、スズメバチ類、アリガタバチ類、カブラハバチ等のハバチ類等の膜翅目害虫が挙げられる。 【0036】 なお、薬剤含浸網46には、防虫薬剤と共に、常温で揮散性を有する有効成分を含有する芳香剤を保持させてもよい。芳香剤の含有量は任意であるが、芳香剤が有効に揮散し得る期間を防虫薬剤の有効成分が有効に揮散し得る期間に合わせると、芳香剤の芳香の強さを指標として防虫薬剤の有効成分の残量を確認することができる。 【0037】 なお本発明の薬剤保持部材は、上記した実施形態に限定されるものではなく、薬剤含浸網46に代わってハニカム構造や、線状、格子状構造を採用してもよい。さらに薬剤保持部材は、液溜部と芯を有して液溜部に溜められた薬液を毛細管現象によって吸い上げて空気と触れさせる構成や、薬剤を固形化してその表面から薬剤を昇華させるものであってもよい。 【0038】 蓋部材10をベース板8に装着した時、送風機30は、蓋部材10の円形部分21に位置し、送風機30の吸気口たる開口37に、薬剤保持部材41が密着する。 送風機30の羽根部材32は、前記した様に回転軸を中心とする円周上に多数の小羽根38が配されたものであるため、空気は羽根部材32の中心側から吸い込まれ、周方向に排出される。本実施形態では、羽根部材32の上部に薬剤保持部材41が重なっているため、吸入の際に空気が薬剤保持部材41を通過する。 【0039】 また蓋部材10には、スイッチ27と発光ダイオード29が取り付けられている。 【0040】 蓋部材10は、図示しない係合構造によってベース板8に取り付けられている。 本体ケース2の外観を投影的に観察すると、その形状は、ベース板8の形状と等しい。即ち本体ケース2は、送風機30と電池6が内蔵されており、こんもりと盛り上がった立体形状をしているが、盛り上がり部を形成している蓋部材10は、ベース板8に装着されるものである。そして蓋部材10は、殻状であり、その開口端の形状は、ベース板8と同一である。従って本体ケース2に垂直方向から平行光線を当て、光に対して垂直な平面に出来る影を想定すると、その形状は、ベース板8のそれと一致する。 【0041】 クリップ片部材3は、図2に示すように、前記したベース板8と略同一形状の板体である。即ちクリップ片部材3と本体ケース2のベース板8とは、形状が同一であり、且つ面積も等しい。 従ってクリップ片部材3の投影面積及び投影形状は、ともに本体ケース2のそれと等しい。 【0042】 クリップ片部材3の一方の面には、ヒンジ片60が設けられており、クリップ片部材3は当該ヒンジ片60を介して本体ケース2に取り付けられている。 以下、クリップ片部材3と本体ケース2との関係について説明する。 前記した様に、本体ケース2のベース板8と、クリップ片部材3にはいずれもヒンジ片17,60が設けられている。ここでヒンジ片17は、ベース板8の裏面側(送風機30等が無い側)に設けられたものであり、平行に立設された二片の板である。ヒンジ片17を構成する二片の板は、所定の間隔をあけて立設されている。二片の板同士は平行である。またヒンジ片17を構成する二片の板には、貫通孔61が設けられている。 ヒンジ片17が設けられた位置は、送風機30の裏面側に相当する位置である。 【0043】 一方、クリップ片部材3に設けられたヒンジ片60も、平行に立設された二片の板であり、当該二片の板は、所定の間隔をあけて立設され、二片の板同士は平行である。 ヒンジ片60が設けられた位置は、前記した本体ケース2側のヒンジ片17に相当する位置である。ただしクリップ片部材3に設けられたヒンジ片60の間隔は、本体ケース2側のヒンジ片17の間隔よりも広い。またヒンジ片60を構成する二片の板には、貫通孔62が設けられている。 【0044】 そして前記した本体ケース2側のヒンジ片17とクリップ片部材3側のヒンジ片60によってヒンジ63が形成されている。即ち本体ケース2側のヒンジ片17の外側にクリップ片部材3側のヒンジ片60が位置し、これらの貫通孔61,62に一本のピン65が挿通されている。そのためクリップ片部材3は、ヒンジ63の作用により、ピン65を中心として揺動する。 またピン65にはつるまきばね5が取り付けられている。つるまきばね5は、圧縮状態であり、一端が本体ケース2に当接し、他端側はクリップ片部材3側に当接している。つるまきばね5の一端側と他端側は、共にピン65を基準として本体ケース2及びクリップ片部材3の一方側と当接している。従ってピン65に対して他端側は、つるまきばね5によって、閉じる方向に付勢されている。 具体的には、図の様に、クリップ片部材3の先細側が本体ケース2の先細側に近接する方向に付勢されている。 【0045】 本実施形態の薬剤拡散装置1の全体形状を観察すると、あたかも全体が一つの大型クリップの様である。即ち本体ケース2とクリップ片部材3は、その投影形状が同一である。また本体ケース2とクリップ片部材3は、いずれも細長い形状をしている。そして両者は、一方の端部の近傍同士がヒンジ63によって結合されていて他端側(他辺側)が開閉する。またヒンジ63は、本体ケース2及びクリップ片部材3の幅広い側の端部近傍にあり、本体ケース2及びクリップ片部材3の開閉側は、幅が狭く作られている。そして先端側(幅が狭く作られた側)がつるまきばね5によって閉じる方向に付勢されている。 【0046】 図5は、図1の薬剤拡散装置1を他の部材に取り付けた状態を示す斜視図である。 本実施形態の薬剤拡散装置1は、室内の椅子の背もたれや、カーテンレール、机の縁や足その他のいたる所に取り付けることができる。また薬剤拡散装置1は、カーテンの生地の部分の様な軟質の部材に対しても取り付けることができる。 本実施形態の薬剤拡散装置1は、害虫の侵入経路や、集合場所の近傍にある物を利用して取り付けられるものであり、害虫の侵入経路等の近傍にある机等の「物」挟むことによって取り付けられる。 【0047】 即ち図5に示す様に、二点鎖腺で示した家具の一部67に対して、この縁を本体ケース2とクリップ片部材3の間で挟むようにして薬剤拡散装置1自身を取り付けることができる。 本実施形態の薬剤拡散装置1は、電池6と送風機30が直線的な配列されており、全体形状が長いので、家具の縁等を深く挟むことができる。さらに本体ケース2のベース板8の形状と、対するクリップ片部材3の形状が同一であるから、挟む力に不均衡が生じにくく、取付けは強固であり、取付け姿勢の自由度も高い。 【0048】 なお図5では、二点鎖線で表した家具の一部67は、平板であり、図5は、クリップ片部材3と本体ケース2との間に平板を挟んだ状態を想定して図示している。本実施形態では、クリップ片部材3及び本体ケース2の平板に対して垂直方向(矢印A方向)の投影形状及び投影面積は共に等しい。 【0049】 そしてスイッチ27を操作してオン状態とすると、送風機30のモータ33と、発光ダイオード29に通電される。 モータ33に通電されて送風機30が回転すると、外部の空気が蓋部材10に設けられたスリット22から、蓋部材10の内部に吸入される。この空気は、送風機30に吸い込まれる際に薬剤保持部材41と接し、当該空気に気化した薬剤が混合される。そして薬剤を含む空気が本体ケース2の側面側に開口するスリット23から排出され、所望の空間に重点的に薬剤を拡散させる。 薬剤拡散装置1の起動中は、発光ダイオード29が発光する。 【0050】 また送風機30が回転すると、多少の振動が生じるが、送風機30の近傍にヒンジ63が設けられているので、送風機30の振動によって発生するモーメントは小さい。そのため、使用中の振動によって薬剤拡散装置1の取付け位置がずれたり、外れてしまうといった不具合は少ない。 【0051】 次に本発明の他の実施形態について説明する。図6は、本発明の他の実施形態の薬剤拡散装置の正面図、左右側面図及び平面図である。図7は、図6の薬剤拡散装置を他の部材に取り付けた状態を示す斜視図である。図8は、本発明のさらに他の実施形態の薬剤拡散装置を他の部材に取り付けた状態を示す断面図である。 図6に示す薬剤拡散装置70は、クリップ片部材3の裏面側に磁石71,72を設けたものである。本実施形態の薬剤拡散装置70は、先の実施形態の薬剤拡散装置1に磁石71,72を付加したものであり、他の構成は、先の実施形態と同一であるから、同一の部材は、同一の番号を付すことにより、詳細な説明を省略する。 【0052】 本実施形態の薬剤拡散装置70は、前記した様にクリップ片部材3の裏面側に磁石71,72が設けられているから、図7に示すように、冷蔵庫等の鉄製の壁面73に直接的に取り付けることもできる。そのため本実施形態の薬剤拡散装置70は、より使い勝手がよい。 【0053】 以上説明した実施形態は、いずれも全体形状が、細長いものであったが、図8に示す薬剤拡散装置80の様に、全体形状が球形のものであってもよい。本実施形態の薬剤拡散装置80は、半球形状の送風機収納ケース(ケース部材)81と、同じく半球形状のクリップ片部材82を持ち、両者は、ヒンジ83で接合されている。また図示しないばねによって両者が閉じる方向に付勢されている。本実施形態の薬剤拡散装置80では、クリップ片部材82内に電池85が内蔵されている。 本実施形態の薬剤拡散装置80についても、送風機収納ケース81とクリップ片部材82は、その投影形状及び投影面積が同一である。 【図面の簡単な説明】 【0054】 【図1】本発明の実施形態の薬剤拡散装置の正面図、左右側面図及び平面図である。 【図2】図1の薬剤拡散装置の分解斜視図である。 【図3】薬剤保持部材の分解斜視図である。 【図4】図1の薬剤拡散装置のスイッチ部分の断面図である。 【図5】図1の薬剤拡散装置を他の部材に取り付けた状態を示す斜視図である。 【図6】本発明の他の実施形態の薬剤拡散装置の正面図、左右側面図及び平面図である。 【図7】図6の薬剤拡散装置を他の部材に取り付けた状態を示す斜視図である。 【図8】本発明のさらに他の実施形態の薬剤拡散装置を他の部材に取り付けた状態を示す断面図である。 【符号の説明】 【0055】 1,70,80 薬剤拡散装置 2 本体ケース(ケース部材) 3 クリップ片部材 5 つるまきばね(弾性部材) 6 電池 8 ベース板 10 蓋部材 17 ヒンジ片 30 送風機 41 薬剤保持部材 60 ヒンジ片 63 ヒンジ 65 ピン 71,72 磁石 81 送風機収納ケース(ケース部材) 82 クリップ片部材 83 ヒンジ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002093 【氏名又は名称】住友化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年5月13日(2005.5.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100480 【弁理士】 【氏名又は名称】藤田 隆
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| 【公開番号】 |
特開2006−314268(P2006−314268A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月24日(2006.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願2005−140807(P2005−140807) |
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