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【発明の名称】 殺鼠材
【発明者】 【氏名】橋本 道明

【氏名】山根 正大

【要約】 【課題】設置場所が限定されず且つ鼠が咥えて住処に持ち帰る確率を高め、それにより喫食率を高めることができる殺鼠材を提供する。

【解決手段】殺鼠材1は、殺鼠剤11と、鼠が破損可能な材質よりなり該殺鼠剤11を内部に収容する包材21と、を備え、鼠をして住処に咥えて持ち帰る気にさせる行動誘起部25を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺鼠剤と、鼠が破損可能な材質よりなり該殺鼠剤を内部に収容する包材と、を備え、
鼠をして住処に咥えて持ち帰る気にさせる行動誘起部を有することを特徴とする殺鼠材。
【請求項2】
設置時に、前記行動誘起部が、設置面に対して上方に向いており、
該行動誘起部の少なくとも一部が、前記包材の内部に収容された殺鼠剤の高さより高い位置にあることを特徴とする請求項1に記載の殺鼠材。
【請求項3】
前記行動誘起部が、前記包材の一部に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の殺鼠材。
【請求項4】
前記包材が、立体的形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の殺鼠材。
【請求項5】
前記包材が、誘引物質を保持していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の殺鼠材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、鼠を効果的に駆除するための殺鼠材の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
鼠を効果的に駆除するための殺鼠材は従来から知られている。例えば、特許文献1には、図12に示すように、上部に開口部103を有する皿状の容器本体101内に顆粒状の多数の殺鼠剤102を収容し、該容器本体101の開口部103を鼠が破損可能な透明な合成樹脂製のシート104で密封してなる殺鼠剤収容器100が開示されている。
【0003】
この殺鼠剤収容器100は、使用時に該殺鼠剤収容器100を鼠の通路に配置し、シート104を破って容器本体101内に収容された殺鼠剤102を食した鼠を死に至らしめるものであって、殺鼠剤102を容器に移し替える手間を省き、さらに、シート104が破られるまでの間、殺鼠剤102が吸湿することを防止して、品質を維持するようにしたものである。
【0004】
また、特許文献2には、図13に示すように、粉末状の殺鼠剤201を封入した扁平な四角型の薬袋202を底板203と枠204とを備えた容器205に収容してなる殺鼠用具200が開示されている。
【0005】
この殺鼠用具200は、使用時に粉末状の殺鼠剤201が封入されている扁平な薬袋202の上面にスリットまたは小孔を適当に穿設し、薬袋202の上を鼠が通行した際に薬袋202中の殺鼠剤201が前記スリットまたは小孔から少量ずつ飛び立って鼠の体毛に付着し、その体毛に付着した粉末殺鼠剤201を鼠が嘗めて取ることにより、鼠を死に至らしめるものであって、粉末状の殺鼠剤201が風によって飛ばされて散逸したり、食品等に混入して人畜に危害を与えたりすることを防止するようにしたものである。
【特許文献1】実公平2−6793号公報
【特許文献2】実開平2−3273号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された殺鼠剤収容器100は、容器本体101を用いるトレイタイプであるため、狭い隙間などには設置することができずその設置場所が限定されてしまい、そして、殺鼠剤収容器100を発見した鼠のみが容器本体101内に収容された殺鼠剤102を食すこととなり、喫食率が十分に高いものとはいえなかった。
【0007】
また、特許文献2に開示された殺鼠用具200は、特許文献1に開示された殺鼠剤収容器100と同様に容器205を用いるトレイタイプであるため、その設置場所が限定されてしまい、そして、薬袋202の上を通過した鼠のみが粉末状の殺鼠剤201を食すこととなるため、喫食率が十分に高いものとはいえず、さらに、薬袋202の上を鼠が通行した際に薬袋202中の粉末殺鼠剤201をスリット等から少量ずつ飛び立たせて鼠の体毛に付着させ、付着した粉末殺鼠剤201を嘗め取った鼠を死に至らしめるというものであるので、喫食率は非常に低いものであった。
【0008】
そこで、喫食率を高めるためには、例えば上記特許文献2に開示された殺鼠用具200において、鼠が薬袋202を咥えて住処に持ち帰ることが望まれる。これにより、該鼠は住処で殺鼠剤を継続して食すこととなり、殺鼠剤の喫食率を高めることができ、さらに、住処を中心として群を形成している他の鼠が殺鼠剤を食することとなり、これら複数の鼠を効率良く駆除することができる。しかしながら、この薬袋202は扁平であり且つ薬袋202を容器205の底面に沿って置いただけであるので、鼠が薬袋202を持ち帰ろうとしても薬袋202を咥える部分がなく、住処への持ち帰りを期待することはできなかった。
【0009】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、設置場所が限定されず且つ鼠が住処に持ち帰る確率を高め、それにより、内部に収容された殺鼠剤の喫食率を高めることができる殺鼠材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するため、本発明に係る殺鼠材は、下記の(1)〜(5)を特徴としている。
【0011】
(1) 殺鼠剤と、鼠が破損可能な材質よりなり該殺鼠剤を内部に収容する包材と、を備え、鼠をして住処に咥えて持ち帰る気にさせる行動誘起部を有すること。
(2) 上記(1)に記載の殺鼠材において、
設置時に、前記行動誘起部が、設置面に対して上方に向いており、該行動誘起部の少なくとも一部が、前記包材の内部に収容された殺鼠剤の高さより高い位置にあること。
(3) 上記(1)または(2)に記載の殺鼠材において、
前記行動誘起部が、前記包材の一部に設けられていること。
(4) 上記(1)〜(3)に記載の殺鼠材において、
前記包材が、立体的形状であること。
(5) 上記(1)〜(4)に記載の殺鼠材において、
前記包材が、誘引物質を保持していること。
【0012】
上記(1)に記載の殺鼠材は、殺鼠剤を内部に収容する包材が、鼠が破損可能な材質よりなり、また、鼠をして住処に咥えて持ち帰る気にさせる行動誘起部を設けている。このような構成により、鼠に殺鼠材を咥えて住処に持ち帰らせることができ、該鼠は住処で殺鼠剤を継続して食すこととなり、殺鼠剤の喫食率を高めて駆除効率を向上させることができる。さらに、同一の住処に居住する他の鼠も殺鼠剤を食すことができるので、殺鼠剤の喫食率を高めて駆除効率を向上させることができる。また、容器を用いることなく手軽に設置可能であるため、狭い隙間などにも設置可能であり設置場所が限定されないので、殺鼠剤の喫食率を高めて駆除効率を向上させることが可能である。
【0013】
上記(2)に記載の殺鼠材によれば、行動誘起部が設置面に対して上方に向き、設置の際に行動誘起部の少なくとも一部が前記包材の内部に収容された殺鼠剤の高さより高い位置となるので、行動誘起部が、鼠が咥えて住処に持ち帰る行動を起こしやすい位置となり、鼠が行動誘起部を咥えて殺鼠剤を住処へ持ち帰る確率を高めることができる。
【0014】
上記(3)に記載の殺鼠材によれば、行動誘起部が前記包材の一部に設けられているので、鼠が行動誘起部を咥えて殺鼠材を住処へ確実に持ち帰る確率をさらに高めることができる。
【0015】
上記(4)に記載の殺鼠材によれば、包材が立体的形状であるので、より目立やすいものとなり、鼠が殺鼠材に誘引される確率が高くなり、殺鼠剤の喫食率を高めることができる。
【0016】
上記(5)に記載の殺鼠材によれば、包材に誘引物質を保持しているので、鼠が殺鼠材に誘引される確率が高くなり、殺鼠剤の喫食率をさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る殺鼠材によれば、設置場所が限定されず且つ、鼠に住処に持ち帰らせることができ、それにより殺鼠剤の喫食率を高めて効率良く鼠を駆除することができる。
【0018】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る複数の好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態である殺鼠材を示す図である。
【0021】
図1に示すように、第1実施形態の殺鼠材1は、包材21の内部に、殺鼠剤11が収容されて構成されている。
【0022】
包材21は、鼠が破損(引き裂き)可能で、通気性を有し、内部が透けて見えるように透明もしくは半透明な材質の、例えば略矩形状の不織布を用い、一対の側縁部を接合してなる縁部24が外方に突出するように略筒形状に形成し、次いで、上側および下側の開口を封止するように、該開口を画成している不織布の周縁部をそれぞれ接合してなる縁部22,23を互いに直交する方向に伸びる直線状に形成することにより、全体として略三角錐状に形成されている(以下、テトラポット(登録商標)型と呼ぶ。)。
【0023】
このように形成されたテトラポット型の包材21において、縁部22,23は、捩れの位置にあって対向する一組の辺上にそれぞれ起立して設けられており、そして、縁部24は、1つの面上において縁部22の一端と縁部23の中央とを結ぶように伸び、前記面上において起立して設けられている。
【0024】
包材21には、例えばキャラメルフレーバー、コンブフレーバー、ピーナツフレーバー、などの鼠を誘引する臭いを発生する誘引物質が、含浸もしくは塗布されるなど適宜の手段により保持されている。
【0025】
包材21の内部には、殺鼠成分を含有した多数のタブレット型の殺鼠剤11が8〜12g収容されている(但し、8〜12gに限定されるものではない。)。殺鼠成分としては、特に制限はないが、ワルファリン,クマリン,クマテトラリル等のクマリン系化合物や、クロロファシノン(Chlorophacinone),ジファシノン(Diphacinone),ピンドン(Pindone),バロン(Valone)等のインダンジオン系化合物や、ジフェチアロン,ジフェナコン,ブロジファコン,ブロマジオロン,フロクマフェン等のトリアリール置換クマリン系化合物や、シリロシドなどを例示することができる。尚、殺鼠剤11のうちジフェチアロンを含有したものは、従来のものより同一の量でおよそ3倍の殺鼠効力を有している。そして、これらの殺鼠剤11は、鼠が赤い色に対して敏感でこれを好むとのことから、赤系色に着色されており、透明もしくは半透明の包剤21を透して外部より視認可能となっている(但し、殺鼠剤11の色は、赤系色に限定されるものではなく、任意である。)。
【0026】
上述のように構成された殺鼠材1は、包材21のいずれの面を底面として設置した場合にも安定して設置され、縁部22,23,24のいずれかが設置面に対して上方に向いて且つ、設置面に対して上方を向く縁部の少なくとも一部(図1において符号25で示される部分)が包材21に包容された殺鼠剤11の高さより高い位置にあり、鼠が殺鼠材を住処に持ち帰る行動を起こしやすい位置(換言すれば、鼠が咥えやすい位置であって、設置面から鼠の口あたりまでの高さ)に配置されて行動誘起部となっている。
【0027】
上述のように、第1実施形態の殺鼠材1は、殺鼠剤11を包容するテトラポット型をした包材21に、設置面に対して上方を向き且つ該包材21の内部に収容された殺鼠剤11の高さより高い位置に配置された行動誘起部25が設けられている。このような構成により、鼠に行動誘起部25を咥えて殺鼠材1を住処へ確実に持ち帰らせることができ、住処で殺鼠剤11を継続して食すこととなる。これにより、殺鼠剤11の喫食率を高めて殺鼠剤11に含有される有効成分を蓄積させ、鼠を確実に死に至らしめることができ、駆除効率を向上させることができる。さらに、同一の住処に居住する他の鼠も殺鼠剤11を食すことができるので、殺鼠剤11の喫食率を高めて駆除効率を向上させることができる。また、容器を用いることなく手軽に設置可能であるため、狭い隙間などにも設置可能であり設置場所が限定されないので、殺鼠剤11の喫食率を高めて駆除効率を向上させることが可能である。
【0028】
そして、包材21がテトラポット型をした立体的形状(換言すれば、設置面からの高さ(即ち、厚み)を有する形状)に形成されているので目立ちやすく、しかも、透明もしくは半透明の包材21を透かして視認可能とされた殺鼠剤11が鼠が好む赤系色に着色されており且つ、包材21が鼠を誘引する臭いを発生する誘引物質を保持しているので、鼠が殺鼠材1に誘引される確率が高くなり、殺鼠剤11の喫食率をさらに高めることが可能である。
【0029】
(第2実施形態)
図2は本発明の第2実施形態である殺鼠材を示す斜視図である。尚、上述した第1実施形態の殺鼠材1と共通する部材については、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0030】
図2に示すように、第2実施形態における殺鼠材2は、包材31の内部に殺鼠剤11が収容されてなる。
【0031】
包材31は、鼠が破損可能で、通気性を有し、内部が透けて見えるように透明もしくは半透明な材質の、例えば略矩形状の不織布を用い、一対の側縁部を接合してなる縁部34が外方に突出するように略筒形状に形成し、次いで、上側および下側の開口を封止するように、該開口を画成している不織布の周縁部をそれぞれ略H字形状に接合した後に扁平とされた縁部32,33を形成することにより、全体として上部および下部が扁平とされ且つ両側部に襠(まち)を設けられて上下方向の中央部が膨張した形状に形成されている(以下、ガセット型と呼ぶ。)。
【0032】
このように形成されたガゼット型の包材31において、上側縁部32および下側縁部33は、それぞれ包材31の上部もしくは下部に起立して設けられており、そして、縁部34は、襠の設けられていない1つの側面上において上側縁部32の中央と下側縁部33の中央とを結ぶように伸びて、前記側面上に起立して設けられている。
【0033】
この包材31には、第1実施形態と同様に、鼠を殺鼠材2に誘引する臭いを発生する誘引物質が保持されている。
【0034】
殺鼠剤11は、上述した第1実施形態と同様のものであり、包材31内に8〜12g収容されている。
【0035】
上述のように構成された殺鼠材2は、包材31の上側縁部32または下側縁部33のいずれか一方を設置面に当接させて包材31の上部または下部を変形させることにより、起立した状態に安定して設置され得る。この場合、設置面に接触していない上側縁部32または下側縁部33の他方が、設置面に対して上方に向いて且つ、包材31に包容された殺鼠剤11の高さより高い位置にあり、鼠が殺鼠材を住処に持ち帰る行動を起こしやすい位置に配置されて行動誘起部となっている。
【0036】
本実施形態の殺鼠材2による作用・効果は、上述した第1実施形態の殺鼠材1と同様であるので、説明を省略する。
【0037】
(第3実施形態)
図3は本発明の第3実施形態である殺鼠材の斜視図である。尚、上述した各実施形態の殺鼠材と共通する部材については、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0038】
図3に示すように、第3実施形態の殺鼠材3は、包材41の内部に殺鼠剤11が収容されてなる。
【0039】
包材41は、鼠が破損可能で、通気性を有し、内部が透けて見えるように透明もしくは半透明な材質の、例えば略矩形状の不織布を用いて、該不織布の略中央部に載置された殺鼠剤11を包容するように該不織布の周縁部を窄め、該不織布の余剰部分を紐などで縛るなどして結び目43および該結び目43により一つに纏められた縁部44を形成することにより、全体として殺鼠剤11を包容する略巾着形状に形成されている(以下、巾着A型と呼ぶ。)。
【0040】
このように形成された巾着A型の包材41において、結び目43により一つに纏められた縁部44は、殺鼠剤11を包容する本体42の上方に設けられる。
【0041】
この包材41には、第1実施形態と同様に、鼠を殺鼠材3に誘引する臭いを発生する誘引物質が保持されている。
【0042】
殺鼠剤11は、上述した第1実施形態と同様のものであり、包材41内に8〜12g収容されている。
【0043】
上述のように構成された殺鼠材3は、包材41の本体42を設置面に当接させて下部を変形させることにより、設置面に対して起立した状態に安定して設置され得る。この場合、結び目43により一つに纏められた縁部44が設置面に対して上方に向いており、包材31に包容された殺鼠剤11の高さより高い位置となり、鼠が殺鼠材を住処に持ち帰る行動を起こしやすい位置に配置されて行動誘起部となっている。
【0044】
本実施形態の殺鼠材3による作用・効果は、上述した各実施形態の殺鼠材と同様であるので、説明を省略する。
【0045】
(第4実施形態)
図4は本発明の第4実施形態である殺鼠材の斜視図である。尚、上述した各実施形態の殺鼠材と共通する部材については、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0046】
図4に示すように、第4実施形態の殺鼠材4は、包材51の内部に殺鼠剤11が収容されてなる。
【0047】
包材41は、鼠が破損可能で、通気性を有し、内部が透けて見えるように透明もしくは半透明な材質の、例えば略矩形状の不織布を用いて、不織布の四隅の角部を互いに近接する方向に折り返して一つに接合し、次いで、不織布の各辺により画成されている開口を封止するように、該開口を画成している不織布の各辺をそれぞれ接合してなる縁部52〜55を外部に突出するように形成することにより、全体として殺鼠剤11を包容する略巾着形状に形成されている(以下、巾着B型と呼ぶ。)。
【0048】
このように形成された巾着B型の包材51において、上面中央部が上方に向かって膨出しており、縁部52〜55は、この上面中央から四隅に向けて伸びて且つ、上面に起立して設けられている。
【0049】
この包材51には、第1実施形態と同様に、鼠を殺鼠材4に誘引する臭いを発生する誘引物質が保持されている。
【0050】
殺鼠剤11は、上述した第1実施形態と同様のものであり、包材51内に8〜12g収容されている。
【0051】
上述のように構成された殺鼠材4は、包材51の下面を設置面に接触させて安定して設置され得る。この場合、包材51の各縁部52〜55が設置面に対して上方に向いており、縁部52〜55が合わさった最上端部56が包材51内部に収容された殺鼠剤11の高さより高い位置にあり、鼠が殺鼠材を住処に持ち帰る行動を起こしやすい位置に配置されて行動誘起部となっている。
【0052】
本実施形態の殺鼠材4による作用・効果は、上述した各実施形態の殺鼠材と同様であるので、説明を省略する。
【0053】
(第5実施形態)
図5は本発明の第5実施形態である殺鼠材の斜視図である。尚、上述した各実施形態の殺鼠材と共通する部材については、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0054】
図5に示すように、第5実施形態の殺鼠材5は、包材61の内部に殺鼠剤11が収容されてなる。
【0055】
包材61は、鼠が破損可能で、通気性を有し、内部が透けて見えるように透明もしくは半透明な材質の、例えば略矩形状の不織布を用い、一対の側縁部を接合してなる縁部62が外方に突出するように略筒形状に形成し、次いで、両端の開口を封止するように、該開口を画成している不織布の周縁部をそれぞれ略Y字形状に接合してなる縁部63,64を形成することにより、全体として該縁部63,64を結ぶ中間部が上方に膨出した形状に形成されている(以下、俵型と呼ぶ。)。
【0056】
このように形成された俵型の包材61において、縁部62は、包材61の上面に起立して設けられている。
【0057】
この包材61には、第1実施形態と同様に、鼠を殺鼠材5に誘引する臭いを発生する誘引物質が保持されている。
【0058】
殺鼠剤11は、上述した第1実施形態と同様のものであり、包材61内に8〜12g収容されている。
【0059】
上述のように構成された殺鼠材5は、包材61の下面を設置面に接触させて安定して設置され得る。この場合、包材61の縁部62が設置面に対して上方に向いており且つ、包材61内部に収容された殺鼠剤11の高さより高い位置にあり、鼠が殺鼠材を住処に持ち帰る行動を起こしやすい位置に配置されて行動誘起部となっている。
【0060】
本実施形態の殺鼠材5による作用・効果は、上述した各実施形態の殺鼠材と同様であるので、説明を省略する。
【0061】
(第6実施形態)
図6は本発明の第6実施形態である殺鼠材の斜視図である。尚、上述した各実施形態の殺鼠材と共通する部材については、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0062】
図6に示すように、第6実施形態の殺鼠材6は、包材71の内部に殺鼠剤11が収容されてなる。
【0063】
包材71は、鼠が破損可能で、通気性を有し、内部が透けて見えるように透明もしくは半透明な材質の、例えば略矩形状の不織布を用い、一対の側縁部を接合してなる縁部72が外方に突出するように略筒形状に形成し、次いで、両端の開口を封止するように、該開口を画成している不織布の周縁部をそれぞれ直線状に接合してなる縁部73,74を形成することにより、全体として該縁部73,74を設けられた両端が扁平で、該縁部73,74結ぶ中間部が前記両端よりも厚みをもった断面略楕円形状に形成されている(以下、スティック型と呼ぶ。)。
【0064】
このように形成されたスティック型の包材71において、縁部72は、包材71の上面に起立して設けられている。
【0065】
この包材71には、第1実施形態と同様に、鼠を殺鼠材6に誘引する臭いを発生する誘引物質が保持されている。
【0066】
殺鼠剤11は、上述した第1実施形態と同様のものであり、包材71内に8〜12g収容されている。
【0067】
上述のように構成された殺鼠材6は、包材71の下面を設置面に接触させて安定して設置され得る。この場合、包材71の縁部72が設置面に対して上方に向いており且つ、包材71内部に収容された殺鼠剤11の高さより高い位置にあり、鼠が殺鼠材を住処に持ち帰る行動を起こしやすい位置に配置されて行動誘起部となっている。
【0068】
本実施形態の殺鼠材6による作用・効果は、上述した各実施形態の殺鼠材と同様であるので、説明を省略する。
【0069】
(第7実施形態)
図7は本発明の第7実施形態である殺鼠材の斜視図である。尚、上述した各実施形態の殺鼠材と共通する部材については、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0070】
図7に示すように、第7実施形態の殺鼠材7は、包材81の内部に殺鼠剤11が収容されてなる。そして、この包材81は、上述した第6実施形態のスティック型の包材71において両端の縁部73,74に相当する縁部83,84を包材81の長手方向に延長して包材71の縁部73,74よりも長く形成したものである。
【0071】
そして、このように構成された殺鼠材7は、縁部83,84のうち例えば図7において左側の縁部84をL字形に屈曲して設置面に対して上方に向け、包材81内部に収容された殺鼠剤11の高さより高い位置に配置して行動誘起部とすることができる。また、他端側の縁部83を同様に屈曲して、両端の縁部83,84を行動誘起部としてもよい。
【0072】
本実施形態の殺鼠材7による作用・効果は、上述した第6実施形態の殺鼠材6と同様であるので、説明を省略する。
【0073】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態や変形例における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0074】
例えば、包材の形状は上述した各実施形態に限られるものではなく、球型、ドーム型、たまご型、筒型、ドーナツ型、等を挙げることができる。そして、いずれの型においても、上述した各実施形態と同様に、鼠が破損可能な材質(例えば不織布)よりなり、設置時に鼠が住処に持ち帰る確率を高めることができる行動誘起部を有する。
【0075】
また、上述した各実施形態において、行動誘起部は包材の一部(縁部)に設けられていたが、包材と分離しない限り包材とは別部材であってもよく、例えばシールなどを包材に固着して設けてもよい。
【実施例】
【0076】
以下、本発明に係る殺鼠材の効果を確認するために行った種々の実験について説明する。
【0077】
まず、トレイタイプの殺鼠材(図12に示す殺鼠剤収容器100参照)と、上述した第1実施形態のテトラパック型の殺鼠材とを用いて、鼠による持ち帰り(持ち去り)を確認する実験を行った。
【0078】
この実験は、図8に示すように、鼠のケージ92をボックス91の中に入れ、ボックス91の後ろ側半分に暗幕をかけ、そして、ケージ92の鼠の出入り口93近傍のボックス91の底面に、トレイタイプの殺鼠材94と、包材がテトラパック型の殺鼠材1とをそれぞれ1個ずつ置いた状態で行った。尚、図8において、符号95は内部に水が満たされた容器である。また、ケージ92内には1匹のドブ鼠が入られている。
【0079】
上記のボックスを4個用意して実験を行った結果、どのボックスにおいても鼠は最初に殺鼠材1に興味を持った。そして4匹中2匹はこの殺鼠材1を持ち帰り、1匹はその場で殺鼠材1の包材をかじった。残りの1匹は殺鼠材1を咥えて設置場所から移動させた。トレイタイプの殺鼠材に関しては、顆粒状の殺鼠剤を持ち帰るという行動はなく、安全であると気付くと、数秒間餌を食べた後、ボックスの陰に隠れ、しばしば餌を食べに来るという行動を繰り返した。
【0080】
これにより、本発明に係る殺鼠材によれば、鼠が咥えて住処に持ち帰ることが確認された。
【0081】
次に、扁平な四角型の殺鼠材(図13に示す薬袋202参照)と、上述した各実施形態の殺鼠材を用いて、鼠による持ち帰り(持ち去り)回数を確認する実験を行った。
【0082】
図8に示したような方法に準じて、包材が扁平な四角型をした殺鼠材および上述した第1〜第6実施形態の殺鼠材のうち、任意の一組の殺鼠材を用いて、これら殺鼠材の鼠による持ち帰りについて複数回の実験を行った。尚、上記四角型の殺鼠材の内部には本発明に係る第1実施形態の殺鼠材と同様のタブレット型の殺鼠剤11が収容されている。図9に、殺鼠材(包材の形状)の組合せ、該組合せによる実験回数、および、該組合せにおいて各型の殺鼠材の持ち帰り回数を示す。
【0083】
図9に示されるように、四角型とテトラパック型との殺鼠材の組合せの場合、6回の実験のうち、テトラパック型の殺鼠材1が5回ボックス内に持ち去られ、四角型の殺鼠材が1回持ち去られた。また、四角型とスティック型との殺鼠材の組合せの場合は、6回すべてにおいてスティック型の殺鼠材がボックス内に持ち去られた。
【0084】
これにより、テトラパック型及びスティック型の本発明に係る殺鼠材は、立体的形状をしており、鼠の目線から見て目立ちやすく、且つ、包材の縁部の一部が行動誘起部となり、四角型の殺鼠材に比べてはるかに持ち去られやすいことが確認された。
【0085】
そして、図9に示されるように、スティック型とテトラパック型との殺鼠材の組合せの場合、10回の実験のうち、スティック型の殺鼠材が3回ボックス内に持ち去られ、テトラパック型の殺鼠材が7回持ち去られた。
【0086】
上記の実験結果より、テトラパック型の殺鼠材は、スティック型の殺鼠材よりも持ち去られやすいことが分かった。これは、テトラパック型の殺鼠材の方が立体的形状として遠くから目立ちやすいためと考えられる。
【0087】
さらに、図9に示されるように、テトラパック型とガゼット型との殺鼠材の組合せの場合、6回の実験のうち、テトラパック型の殺鼠材が5回ボックス内に持ち去られ、ガゼッタ型の殺鼠材が1回持ち去られた。また、テトラパック型と巾着A型との殺鼠材の組合せの場合、9回の実験のうち、テトラパック型の殺鼠材が5回ボックス内に持ち去られ、巾着A型の殺鼠材が4回持ち去られた。また、テトラパック型と巾着B型との殺鼠材の組合せの場合、6回の実験のうち、テトラパック型の殺鼠材が5回ボックス内に持ち去られ、巾着B型の殺鼠材が1回持ち去られた。また、テトラパック型と俵型との殺鼠材の組合せの場合、9回の実験のうち、テトラパック型の殺鼠材が4回ボックス内に持ち去られ、俵型の殺鼠材が5回持ち去られた。
【0088】
上記の実験結果より、テトラパック型の殺鼠材は、ガゼット型の殺鼠材よりも持ち去られやすいことがわかった。これは、ガゼット型の殺鼠材よりもテトラパック型の殺鼠材は安定して設置されるためと考えられる。
【0089】
また、テトラパック型の殺鼠材は、巾着B型の殺鼠材よりも持ち去られやすいことがわかった。これは、巾着B型の殺鼠材よりもテトラパック型の殺鼠材は行動誘起部が適切なサイズであるためと考えられる。
【0090】
一方、巾着A型の殺鼠材および俵型の殺鼠材は、テトラパック型の殺鼠材と同等の持ち帰り効果を確認することができた。これは、巾着A型の殺鼠材に関しては、行動誘起部が大きく且つ高さのある立体的形状であるので、鼠にとって住処に持ち帰る行動を起こしやすいものであり、持ち帰り効果に関して有効な形状であるためと考えられる。また、俵型の殺鼠材に関しては、膨らみがあり、横長ということもあって、鼠が住処に持ち帰る行動を起こす際に邪魔にならない(真中を咥えるので、首や地面に包材が当たらない)ので、鼠が持ち帰りやすいためと考えられる。
【0091】
次に、テトラパック型の殺鼠材の包材に、上述した種々の誘引物質を保持させた際の誘引効果を確認する実験を行った。
【0092】
図10に示すように、鼠のケージ92をボックス91の中に入れ、該ボックス91の後ろ側半分に暗幕をかけ、そして、ケージ92の鼠の出入り口93近傍のボックス91の底面に、それぞれ異なる誘引物質を包材に塗布されたテトラパック型の殺鼠材1を整列して並べた状態で行った。尚、包材内には殺鼠成分なしの薬剤10gを入れている。また、ケージ92内には1匹のドブ鼠が入れられている。包材に塗布する誘引物質として、キャラメルフレーバーを発する物質、コンブフレーバーを発する物質、ピーナツフレーバーを発する物質、シーズニングオイル、フレッシュミルクオイル、および糖蜜を用いている。 そして、一番先に持ち去れたものはどれか(咥えてケージ92内に持ち帰ったものはどれか)で、その誘引効果を判定した。
【0093】
1回目の実験では、誘引物質としてキャラメルフレーバーを発する物質、コンブフレーバーを発する物質、およびシーズニングオイルをそれぞれ包材に塗布された3個の殺鼠材1を整列して並べたボックスを5個用意して行った。結果を図11(A)に示す。
【0094】
図11(A)に示されるように、鼠の誘引効果が高い順に、キャラメルフレーバー(2個)、コンブフレーバー(1個)、シーズニングオイル(0個)であることがわかる。尚、包材の匂いを嗅ぐ動作を示さず、包材を直ちに持ち帰ったものは判定不能としている。
【0095】
2回目の実験では、誘引物質としてキャラメルフレーバーを発する物質、コンブフレーバーを発する物質、フレッシュミルクオイル(小川香料)、および糖蜜(台糖)をそれぞれ包材に塗布された4個の殺鼠材1を整列して並べたボックスを7個用意して行った。結果を図11(B)に示す。
【0096】
図11(B)に示されるように、鼠の誘引効果が高い順に、キャラメルフレーバー(5個)、コンブフレーバー(2個)、フレッシュミルクオイルおよび糖蜜(それぞれ0個)であることがわかる。
【0097】
3回目の実験では、誘引物質としてキャラメルフレーバーを発する物質、コンブフレーバーを発する物質、およびピーナツフレーバーを発する物質をそれぞれ包材に塗布された3個の殺鼠材1を整列して並べたボックスを7個用意して行った。結果を図11(C)に示す。
【0098】
図11(C)に示されるように、鼠の誘引効果が高い順に、キャラメルフレーバー(5個)、コンブフレーバー(2個)、ピーナツフレーバー(0個)であることがわかる。
【0099】
上記の実験結果より、鼠はキャラメルフレーバーの包材を好んで先に持ち帰るということがわかった。また、シーズニングオイル、フレッシュミルクオイル、および糖蜜を包材に塗布された殺鼠材に関しては持ち帰るという行動をとらなかったことから、不織布に味がついているよりも、匂いが誘引に重要であると考えられる。結果として、包材に塗布される誘引物質としてはキャラメルフレーバーを発する物質が最も好ましく、次にコンブフレーバーが好ましいことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の第1実施形態である殺鼠材の斜視図である。
【図2】本発明の第2実施形態である殺鼠材の斜視図である。
【図3】本発明の第3実施形態である殺鼠材の斜視図である。
【図4】本発明の第4実施形態である殺鼠材の斜視図である。
【図5】本発明の第5実施形態である殺鼠材の斜視図である。
【図6】本発明の第6実施形態である殺鼠材の斜視図である。
【図7】本発明の第7実施形態である殺鼠材の斜視図である。
【図8】鼠による殺鼠材の住処への持ち帰りを確認する実験に用いた実験装置の概略図である。
【図9】鼠による殺鼠材の住処への持ち帰りを確認する実験において、殺鼠材の包材の形状を夫々異ならしめた場合の実験結果を示す表である。
【図10】鼠による殺鼠材の住処への持ち帰りを確認する実験に用いた実験装置の概略図である。
【図11】鼠による殺鼠材の住処への持ち帰りを確認する実験において、殺鼠材に保持された誘引物質を夫々異ならしめた場合の実験結果を示すグラフ図である。
【図12】従来の殺鼠材を示す分解斜視図である。
【図13】(A)は従来の他の殺鼠材を示す平面図、(B)は同図(A)に示す殺鼠材の縦断面図である。
【符号の説明】
【0101】
1 殺鼠材
11 殺鼠剤
21 包材
22、23、24 縁部
25 行動誘起部
【出願人】 【識別番号】000100539
【氏名又は名称】アース製薬株式会社
【出願日】 平成16年11月10日(2004.11.10)
【代理人】 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平

【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳

【識別番号】100108589
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 利光

【識別番号】100115107
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 猛

【識別番号】100093573
【弁理士】
【氏名又は名称】添田 全一

【公開番号】 特開2006−136210(P2006−136210A)
【公開日】 平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願番号】 特願2004−326315(P2004−326315)