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【発明の名称】 吸血蚊の捕獲方法及び該捕獲方法に用いる捕虫器
【発明者】 【氏名】辻本 正人
【住所又は居所】名古屋市熱田区一番三丁目3番1号 朝日産業株式会社内

【要約】 【課題】誘虫ランプを有する既存の捕虫器を利用して、吸血蚊を好適に捕獲する方法を提供する。

【解決手段】紫外線を発する誘虫ランプ3と、誘引された飛翔虫を捕獲する粘着シート4が取付枠体2に配設された捕虫器1に、光触媒を取付枠体2に保持させる。そして、誘虫ランプ3の紫外線を該光触媒に照射することにより、光触媒を光励起させて、その酸化作用により空気中の有機化合物を炭酸ガスに分解し、該炭酸ガスによって吸血蚊を誘引して粘着シート4に捕獲するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付枠体に、紫外線を発する誘虫ランプと、誘引された飛翔虫を捕獲する粘着シートが配設された捕虫器を用いるものであって、
光触媒を取付枠体に保持させ、誘虫ランプの紫外線を該光触媒に照射することにより、光触媒の酸化作用によって空気中の有機化合物を酸化し、これにより発生した炭酸ガスによって吸血蚊を誘引して粘着シートに捕獲することを特徴とする吸血蚊の捕獲方法。
【請求項2】
取付枠体の、誘虫ランプと対向する面に、光触媒を塗布することを特徴とする請求項1記載の吸血蚊の捕獲方法。
【請求項3】
粒状基材の表面に光触媒を担持させてなる光触媒粒体を、誘虫ランプと対向するように取付枠体に無数保持させることを特徴とする請求項1記載の吸血蚊の捕獲方法。
【請求項4】
取付枠体に、空気中に有機化合物を放出する有機化合物供給剤を設けることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の吸血蚊の捕獲方法。
【請求項5】
取付枠体に、紫外線を発する誘虫ランプを設けると共に、誘引された飛翔虫を捕獲する粘着シートを張設してなる捕虫器において、
取付枠体の、誘虫ランプと対向する位置に、光触媒が保持されていることを特徴とする捕虫器。
【請求項6】
光触媒は、取付枠体の、誘虫ランプと対向する面に塗付されていることを特徴とする請求項5記載の捕虫器。
【請求項7】
取付枠体の、誘虫ランプの下部対向位置に、上方に開放する光触媒収容部が設けられ、該光触媒収容部に、光触媒を表面に担持した光触媒粒体が収容されることを特徴とする請求項5記載の捕虫器。
【請求項8】
取付枠体の、誘虫ランプと対向する位置に、ウール状の金属基材の表面に光触媒を担持してなる光触媒金属ウールが設けられていることを特徴とする請求項5記載の捕虫器。
【請求項9】
取付枠体が、空気中に有機化合物を放出する有機化合物供給剤を収容する供給剤収容部を備えることを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれかに記載の捕虫器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線では誘引され難い吸血蚊の捕獲方法、及び該捕獲方法に用いる捕虫器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハエや蛾などの飛翔虫の好む紫外線を発する誘虫ランプと粘着シートとが取付枠体に設けられ、誘虫ランプに誘引された飛翔虫を粘着シートで捕獲する捕虫器は広く知られている(例えば特許文献1)。かかる捕虫器にあっては、誘引源である紫外線が広範囲に照射されるため、多くの飛翔虫を誘引可能である。また、誘引した飛翔虫を感電死させるのではなく、粘着シートに付着させて捕獲するため、電気代が安く、安全性も高いといったメリットもある。
【0003】
【特許文献1】特公平11−46657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、誘虫ランプの発する紫外線は、多くの飛翔虫を効果的に誘引することができるが、ヤブ蚊(ヒトスジシマカ)等の有害な吸血蚊は、紫外線にはそれほど誘引されないことが知られており、上記の捕虫器では吸血蚊を十分に捕獲できていない。
【0005】
ここで、こうした吸血蚊は炭酸ガスに強く誘引されるため、上記捕虫器によって吸血蚊も捕獲しようとする場合、炭酸ガス発生装置を捕虫器に付加的に設け、炭酸ガスで吸血蚊を誘引することが考えられる。しかし、炭酸ガス発生装置としては、炭酸ガスボンベから炭酸ガスを放出するものや、燃料を燃やして炭酸ガスを発生させるものが知られているが、上記捕虫器に併設するには大型で不経済であり、危険性も高い。
【0006】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、誘虫ランプを有する既存の捕虫器を利用して、吸血蚊を好適に捕獲する吸血蚊の捕獲方法、及び該捕獲方法を実現するための捕虫器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、取付枠体に、紫外線を発する誘虫ランプと、誘引された飛翔虫を捕獲する粘着シートが配設された捕虫器を用いるものであって、光触媒を取付枠体に保持させ、誘虫ランプの紫外線を該光触媒に照射することにより、光触媒の酸化作用によって空気中の有機化合物を酸化し、これにより発生した炭酸ガスによって吸血蚊を誘引して粘着シートに捕獲することを特徴とする吸血蚊の捕獲方法である。
【0008】
ここで、誘虫ランプは、一般的に多くの飛翔虫が好む300〜400nmの紫外線を強く発するものであり、この波長の紫外線は、光触媒として最も普及している二酸化チタンをはじめ、殆どの光触媒を光励起させることができる。すなわち、本発明は、取付枠体に光触媒を保持させることにより、誘虫ランプの紫外線を利用して該光触媒を光励起させ、空気中の有機化合物を酸化して炭酸ガスを発生させるものである。従って、かかる方法によれば、誘虫ランプの点灯時に、捕虫器周辺の炭酸ガス濃度が上昇することとなり、紫外線に誘引され難い吸血蚊を捕虫器に誘引し、粘着シートに捕獲することができる。また、炭酸ガスを発生するだけでなく、光触媒の酸化作用によって、空気中の臭気物質を分解したり、浮遊細菌を殺菌できるというメリットもある。
【0009】
光触媒を取付枠体に保持する方法の一つとして、取付枠体の、誘虫ランプと対向する面に、光触媒を塗布することが提案される。かかる方法にあっては、事前に光触媒が分散した既存のコーティング液等を取付枠体に塗付することにより、取付枠体の表面に層状の光触媒を保持させるものであり、光触媒を保持するための機構を設けることなく、取付枠体に光触媒を好適に保持させることが可能となる。
【0010】
また、粒状基材の表面に光触媒を担持させてなる光触媒粒体を、誘虫ランプと対向するように取付枠体に無数保持させることも提案される。ここで、光触媒粒体は、ガラスや金属等の粒状基材に光触媒をコーティングしてなる既存のものであり、取付枠体に、直接載置したり、容器に充填したものを取り付けたりすることにより、取付枠体に塗付するよりも、光触媒を容易に取付枠体に保持可能となる。また、光触媒を粒状基材表面に担持させることにより、層状の光触媒を密集した状態で保持可能となる。
【0011】
ここで、炭酸ガスは、光触媒により、空気中の有機化合物、すなわち浮遊する塵埃や細菌、油等が酸化分解することにより発生する。従って、炭酸ガスの発生量は光触媒近くの有機化合物の濃度に左右される。このため、上記捕獲方法にあっては、取付枠体に、空気中に有機化合物を放出する有機化合物供給剤を設けることが提案される。かかる方法によれば、有機化合物供給剤から有機化合物が空気中に放出されることにより、光触媒付近の有機化合物の濃度を上昇させることができ、光触媒の酸化作用によって、より多くの炭酸ガスを発生させることができる。ここで、有機化合物供給剤は、光触媒の近傍位置に直接、または容器に入れた状態で配設するものであり、固形剤や溶剤など形状は限定されない。また、放出する揮発性ガスや微粒子等の有機化合物は、光触媒の酸化作用により炭酸ガスに分解され易いものが望ましい。さらには、芳香性ガスや飛翔虫の誘引性を有する有機化合物を放出するものであれば、付加的な効果も得ることができる。
【0012】
また、上記吸血蚊の捕獲方法は、従来構成の捕虫器に付加的に光触媒や、有機化合物供給剤を設けることにより実行可能であるが、予め光触媒を組み込んだ捕虫器を用いることもできる。すなわち、本発明は、取付枠体に、紫外線を発する誘虫ランプを設けると共に、誘引された飛翔虫を捕獲する粘着シートを張設してなる捕虫器において、誘虫ランプの紫外線が当たる位置に、光触媒が保持されていることを特徴とする捕虫器でもある。かかる構成にあっては、誘虫ランプを点灯すると、上述の捕獲方法と同様に、光触媒の酸化作用よって、炭酸ガスが発生することとなり、誘引ランプの紫外線を利用することで、既存の炭酸ガス発生装置よりも簡単な構成によって炭酸ガスを発生させて、捕虫器周りの吸血蚊を誘引し、粘着シートに捕獲することが可能となる。
【0013】
ここで、上記捕虫器にあっては、取付枠体の、誘虫ランプと対向する面に光触媒が塗付されている構成が好ましい。かかる構成では、光触媒が取付枠体の表面に層状に保持されるのみであり、既存の捕虫器の取付枠体の構造を変化させることなく、光触媒を取付枠体に担持させることができる。
【0014】
また、取付枠体の、誘虫ランプの下部対向位置に、上方に開放する光触媒収容部が設けられ、該光触媒収容部に、光触媒を表面に担持した光触媒粒体が収容される構成も提案される。かかる構成にあっては、光触媒が粒体表面に保持されるため、広い光触媒の層を密集して配設可能であり、また、光触媒収容部に収容する光触媒粒体の数量を調節することにより、使用条件に応じて光触媒量を簡単に増減させることができる。なお、光触媒収容部は、光触媒粒体を直に収容するものに限らず、光触媒粒体が充填された容器を収容するものであっても構わない。
【0015】
また、取付枠体の、誘虫ランプと対向する位置に、ウール状の金属基材の表面に光触媒を担持してなる光触媒金属ウールが設けられている構成も提案される。かかる構成にあっては、光触媒粒体と同様に、光触媒の層を密集して形成することができると共に、ウール状であるため、光触媒粒体に比べて一体性があり、取付枠体の形状に合わせて自由に成形し、取付枠体に保持させることが可能である。また、ウール状であるため影になる部分が少なく、紫外線に対する反応効率が高いという利点もある。
【0016】
さらに、取付枠体が、空気中に有機化合物を放出する有機化合物供給剤を収容する供給剤収容部を備える捕虫器も提案される。かかる構成にあっては、必要に応じて供給剤収容部に有機化合物供給剤を収容させることにより、光触媒の周囲の有機化合物濃度を上昇させて、炭酸ガスの発生量を増加させることが可能となる。なお、供給剤収容部は、液状や固形の供給剤を直に収容するものに限らず、供給剤を収容したカートリッジを着脱可能に取り付けるものであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
以上に述べたように、本発明は、光触媒を取付枠体に保持させ、誘虫ランプの紫外線を該光触媒に照射することにより、光触媒の酸化作用によって空気中の有機化合物を酸化し、これにより発生した炭酸ガスによって吸血蚊を誘引して粘着シートに捕獲することを特徴とする吸血蚊の捕獲方法であるから、紫外線に誘引され難い有害な吸血蚊を炭酸ガスで誘引して好適に捕獲することができ、既存構成の捕虫器を用いて、より多くの飛翔虫を捕獲することができる。特に、かかる方法は、誘引ランプの紫外線を利用して、光触媒の酸化作用より炭酸ガスを発生させるため、炭酸ガスボンベや燃料を燃やす方法と比べて、極めて容易に炭酸ガスを発生させることができる。また、捕虫器は、飛翔虫を捕獲するのにファンなどの送風装置を用いないため、発生した炭酸ガスを滞留させ易く、捕虫器周りに炭酸ガスの濃度勾配を好適に形成することができる。さらには、光触媒の酸化作用によって、炭酸ガスが発生するだけでなく、周囲の空気が殺菌、脱臭されるといった利点もある。
【0018】
また、上記方法において、取付枠体の、誘虫ランプと対向する面に、光触媒を塗布する場合には、取付枠体に光触媒を保持するための機構を要せず、多様な形状の取付枠体に光触媒を好適に保持させることができる。
【0019】
また、粒状基材の表面に光触媒を担持させてなる光触媒粒体を、誘虫ランプと対向するように取付枠体に無数保持させる場合には、取付枠体に光触媒を塗付するよりも、光触媒を容易に、且つ高密度に保持させることができる。
【0020】
さらに、取付枠体に、空気中に有機化合物を放出する有機化合物供給剤を設ける場合には、酸化作用によって発生する炭酸ガスを増加させて、吸血蚊を強く誘引することができる。
【0021】
また、誘虫ランプの紫外線が当たる位置に、光触媒が保持されていることを特徴とする捕虫器によれば、飛翔虫を誘引するための紫外線を利用して、簡単に炭酸ガスを発生させることができ、捕虫器を複雑化や大型化することなく、紫外線に誘引され難い吸血蚊を好適に捕獲可能となる。
【0022】
ここで、かかる捕虫器にあって、光触媒を、取付枠体の、誘虫ランプと対向する面に塗付した場合には、従来の取付枠体の形状を変更することなく、光触媒を好適に保持させることができる。
【0023】
また、取付枠体の、誘虫ランプの下部対向位置に、上方に開放する光触媒収容部が設けられ、該光触媒収容部に、光触媒を表面に担持した光触媒粒体が収容される場合には、光触媒の層を密集状に保持可能となると共に、光触媒量を自由に増減させることができる。特に、捕虫器に有機化合物供給剤を設ける場合には、有機化合物供給剤と混在させることにより、有機化合物供給剤から放出される有機化合物を効率的に炭酸ガスに分解することができる。
【0024】
さらに、取付枠体の、誘虫ランプと対向する位置に、ウール状の金属基材の表面に光触媒を担持してなる光触媒金属ウールが設けられている場合には、高密度で反応効率の高い光触媒を、取付枠体の各所に保持させることができる。
【0025】
また、上記捕虫器にあって、取付枠体に、空気中に有機化合物を放出する有機化合物供給剤を収容する供給剤収容部を設けた場合には、必要に応じて、有機化合物供給剤を適宜収容することにより、炭酸ガスの発生量を増加させ、吸血蚊の捕獲効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
図1〜3は、本発明に係る捕虫器1を示したものである。捕虫器1は、誘虫ランプ3と粘着シート4を取付枠体2に配設してなる。取付枠体2は、ステンレス板を左右に長尺な箱型に組み付けてなり、前後方向に開口する誘引領域11の内部に、誘虫ランプ3と粘着シート4とが設けられる。また、取付枠体2の上部両側には鎖連結部7,7が設けられ、この鎖連結部7を介して、捕虫器1を天井から吊り下げるようになっている。
【0027】
誘虫ランプ3は、直管状蛍光灯により構成されており、誘引領域11の両側上部に設けられたソケット8,8に着脱可能に取り付けられる。この誘虫ランプ3は、波長300〜400nmの紫外線を発するものであり、該紫外線により多くの飛翔虫を誘引する。
【0028】
粘着シート4は、一面に粘着剤を配した帯状シートで構成され、両端に取り付けられた結合部材9,9を、誘引領域11の両側に形成されたシート取付溝(図示省略)に係合することにより左右方向に張設される。
【0029】
そして、取付枠体2の、誘虫ランプ3の下部対向位置には、誘虫ランプ3に沿って上方に開放する収容皿部10が設けられる。この収容皿部10は、本発明に係る光触媒収容部と有機化合物供給剤収容部とを兼用するものであり、図3に示すように、光触媒粒体5と粒状の有機化合物供給剤6とが混合されて収容皿部10に載置される。
【0030】
光触媒粒体5は、ガラスビーズに二酸化チタンからなる光触媒を焼き付けコートしたものであり、既存品を好適に用いることができる。この二酸化チタンは、誘虫ランプ3が発する波長300〜400nmの紫外線に対して光励起し、酸化作用を生じるものである。なお、光触媒の構成材料としては、低廉で光触媒活性の高い二酸化チタンが最も好ましいが、二酸化チタン以外の金属酸化物やその他の材料も使用可能である。ここで、本実施例では、収容皿部10に光触媒を直接塗布するのではなく、光触媒粒体5を載置することにより、保持する光触媒の表面積を大きくとることができ、また、保持する光触媒の量を自由に調節可能となっている。
【0031】
有機化合物供給剤6は、芳香性の有機化合物を空気中に数十日間放出するものであり、発生した有機化合物が、光触媒の酸化作用によって水と炭酸ガスに分解される。特に、本実施例では、光触媒粒体5と有機化合物供給剤6とが収容皿部10内に混在しているため、放出された有機化合物が、光触媒粒体5の光触媒に効率的に供給される。また、分解されなかった有機化合物や誘虫ランプ3の非点灯時に放出された有機化合物は、周囲に拡散して、芳香作用を発揮することとなる。なお、有機化合物供給剤は、芳香性物質を放出するものに替えて、吸血蚊の誘引物質(例えばオクテノール)などを放出するものを用いてもよい。また、光触媒粒体5は消耗することなく使用可能であるが、有機化合物供給剤は消耗品であり、補充を要するものであるから、本実施例のように光触媒粒体5と混合する場合には、有機化合物を放出し終えた後に、残留物が残らないものを用いることが望ましい。
【0032】
上記捕虫器1の作用を説明する。まず、捕虫器1の誘虫ランプ3を点灯させると、誘虫ランプ3から紫外線が照射される。紫外線に誘引されるハエや蛾、一部の蚊などは、この紫外線に誘引されて、粘着シート4に捕獲されることとなる。一方、照射された紫外線は下方の光触媒粒体5にも当たり、粒体表面の光触媒を光励起させ、励起した光触媒はその酸化作用によって、周囲にある有機物化合物、すなわち埃や油、そして有機化合物供給剤6から放出された芳香性化合物を酸化して炭酸ガスを発生させる。そして、この炭酸ガスは徐々に拡散して、捕虫器1周囲の炭酸ガスの濃度が上昇し、紫外線には誘引され難い吸血蚊が捕虫器1へと誘引されて、粘着シート4に捕獲されることとなる。ここで、捕虫器1に誘引された飛翔虫の多くは、粘着シート4に付着して捕獲されるが、中には、誘虫ランプ3の熱や紫外線によって力尽きて収容皿部10に落下するものもあり、かかる飛翔虫の構成物質も、光触媒の酸化作用による炭酸ガスの発生源となる。
【0033】
このように、捕虫器1によれば、飛翔虫を紫外線で誘引して捕獲するだけでなく、紫外線に誘引され難い吸血蚊も炭酸ガスで誘引し、捕獲することができる。特に、本実施例の捕虫器1は、誘虫ランプ3の紫外線を利用して炭酸ガスを発生させるため、新たなエネルギーを要せず、また、光触媒粒体5や有機化合物供給剤6は、通常の炭酸ガス発生装置と比べて小さく、誘虫ランプを備えた既存の捕虫器のレイアウトを変更することなく、簡単かつ低廉に配設可能である。さらに言えば、捕虫器1では、光触媒の酸化作用によって、周囲の空気を殺菌、脱臭もできるといった利点もある。なお、本実施例の捕虫器1を使用したところ、捕虫器1周囲の炭酸ガス濃度の上昇が確認された。また、実施例の捕虫器1と、該捕虫器1から光触媒粒体5を除いた構成の捕虫器(比較品)とを実際に使用して、粘着シートに捕獲される吸血蚊の数量を比較したところ、実施例の捕虫器1の粘着シートには、比較品の粘着シートよりも、多数の吸血蚊が捕獲された。
【0034】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、捕虫器1は、吊り下げるものに限らず、据置きタイプや壁掛けタイプでも可能であり、各タイプに合わせて取付枠体2の形状も多様に変更可能である。また、取付枠体2は複数の部材により構成されていてもよい。また、誘虫ランプ3は、円管状蛍光ランプや発光ダイオードで構成してもよいし、粘着シート4の形状や取付態様も適宜変更可能である。
【0035】
また、上記実施例では、捕虫器1の収容皿部10に光触媒粒体5を載置することにより、取付枠体2に光触媒を保持させているが、光触媒粒体5以外にも、ウール状やハニカム、パネル形状の基材に光触媒をコーティングしたものを取付枠体2に保持させても構わない。また、かかる場合には、光触媒を収容皿部10に載置せず、取付枠体2の他の部分に固定することも可能である。さらには、取付枠体2の、誘虫ランプ3と対向する面に、光触媒のコーティング液を直接塗付することにより、光触媒を保持させることも可能である。
【0036】
また、有機化合物供給剤に関しても、粒状のものに限らず、固形状や粉状、液状など種々の材料を用いることができる。また、収容皿部10に載置する構成に限らず、カートリッジに充填したものを取付枠体2に着脱可能に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る捕虫器1の斜視図である。
【図2】捕虫器1の正面図である。
【図3】捕虫器1の縦断側面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 捕虫器
2 取付枠体
3 誘虫ランプ
4 粘着シート
5 光触媒粒体
6 有機化合物供給剤
7 鎖結合部
8 ソケット
9 結合部材
10 収容皿部
11 誘引領域
【出願人】 【識別番号】599169667
【氏名又は名称】朝日産業株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市熱田区一番三丁目3番1号
【出願日】 平成16年9月24日(2004.9.24)
【代理人】 【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男

【公開番号】 特開2006−87371(P2006−87371A)
【公開日】 平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願番号】 特願2004−278010(P2004−278010)