| 【発明の名称】 |
生け簀枠及びそれを用いた養殖生け簀 |
| 【発明者】 |
【氏名】木原 俊則 【住所又は居所】広島県広島市西区横川新町1番8号 株式会社モルテン内
【氏名】河野 博 【住所又は居所】広島県広島市西区横川新町1番8号 株式会社モルテン内
【氏名】山下 英樹 【住所又は居所】広島県広島市西区横川新町1番8号 株式会社モルテン内
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| 【要約】 |
【課題】耐久性が高く、かつ剛性を有すると共に、高価な素材の使用を極力減らすことができて養殖家に安価に提供できる生け簀枠及びそれを用いた養殖生け簀を得る。
【解決手段】生け簀網やフロートが取り付けられる複数のメインフレーム5と、これらのメインフレーム5間を連結して各メインフレーム5間の位置関係を拘束するためテーパー形状を用いた締め付け手段(ガイドフレーム6のパイプ部7,インナー9,キャップ10)により発生する締め付け力でメインフレーム5に固定される連結材(ガイドフレーム6)とから成る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 生け簀網やフロートが取り付けられる複数のメインフレームと、これらのメインフレーム間を連結して各メインフレーム間の位置関係を拘束するためテーパー形状を用いた締め付け手段により発生する締め付け力で前記メインフレームに固定される連結材とから成ることを特徴とする生け簀枠。 【請求項2】 前記締め付け手段は、前記メインフレームが貫通する貫通孔の内周面をテーパー形状に形成すると共に、前記メインフレームと貫通孔との間に挿入する挿入部材の外周面を前記貫通孔内周面のテーパー形状に対応させ、この挿入部材において前記貫通孔から露出する小径部側にネジ加工を施し、このネジ加工部に螺合する締め付け具を備えて成ることを特徴とする請求項1記載の生け簀枠。 【請求項3】 前記連結材は、FRP等の熱硬化性樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂等の熱可塑性樹脂、アルミ合金鋳造品、鋳鉄鋳造品のいずれかを用いて、前記貫通孔が設けられる複数のパイプ部とこれらを繋ぐ板状部とが一体成形により形成されて成ることを特徴とする請求項2記載の生け簀枠。 【請求項4】 前記メインフレームの端部間を連結する端部連結材を有すると共に、この端部連結材の脱落防止又はメインフレーム間の連結を成すため前記メインフレーム端部にネジ加工を施し、このネジ加工部に螺合するエンドキャップ又はソケットを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の生け簀枠。 【請求項5】 前記請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の生け簀枠に生け簀網とフロートを取り付けたことを特徴とする養殖生け簀。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本願発明は、海面養殖を行うための小割生け簀等の養殖生け簀に係わり、特にその生け簀枠に関するものである。 【背景技術】 【0002】 海面養殖用小割生け簀には角形や円形があり、養魚を囲うための養殖網と、この養殖網の形状を保持するための角形や円形の生け簀枠及び、養殖網が取り付けられた生け簀枠を海面上に浮かすためのフロート等から構成される。 【0003】 一般に、海面養殖で用いられる生け簀枠は、鋼管、若しくはI型や溝型等の型鋼を、必要とする大きさに配置し、溶接により各部材を接合することで形状を保持している。 【0004】 生け簀枠は、海面上で常時波浪を受けながら使用するため鋼材の腐食による劣化が激しく、これを抑制するために溶融亜鉛メッキや塗装等による防食を行っているが、耐久年数は3年から6年程度で養殖家には重い設備投資負担となっている。 【0005】 耐久性を増すため、近年、鋼管に亜鉛・アルミ合金メッキやポリエチレン被覆を施したものが採用されるケースがあるが、生産上の都合からフレームを溶接した後にメッキや被覆を施すことができないため、溶接部には塗装やライニングを施しており、本来の耐食性能を発揮できていない。 【0006】 耐久性を向上すべく、例えば特許文献1や特許文献2では耐食性に優れたFRP(繊維強化プラスチック)で製造されたものが、特許文献3では同じく耐食性に優れたアルミ合金で製造されたものが提案されている。 【特許文献1】特開2001−218538号公報 【特許文献2】特開平11−127723号公報 【特許文献3】特開2001−352857号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかしながら、上述した特許文献1〜特許文献3に記載のものは、従来の鋼製生け簀枠に比べ剛性がないこと、素材が高価であるため価格が高いことなどから試験運用に留まり一般に普及していない。 【0008】 そこで、本願発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、耐久性が高く、かつ剛性を有すると共に、高価な素材の使用を極力減らすことができて養殖家に安価に提供できる生け簀枠及びそれを用いた養殖生け簀を得ることを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 上記のような目的を達成するために、本願発明による生け簀枠は、生け簀網やフロートが取り付けられる複数のメインフレームと、これらのメインフレーム間を連結して各メインフレーム間の位置関係を拘束するためテーパー形状を用いた締め付け手段により発生する締め付け力で前記メインフレームに固定される連結材とから成ることを特徴とするものである。 【0010】 具体例として、前記締め付け手段は、前記メインフレームが貫通する貫通孔の内周面をテーパー形状に形成すると共に、前記メインフレームと貫通孔との間に挿入する挿入部材の外周面を前記貫通孔内周面のテーパー形状に対応させ、この挿入部材において前記貫通孔から露出する小径部側にネジ加工を施し、このネジ加工部に螺合する締め付け具を備えて成ることを特徴とするものである。 【0011】 また、前記連結材は、FRP等の熱硬化性樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂等の熱可塑性樹脂、アルミ合金鋳造品、鋳鉄鋳造品のいずれかを用いて、前記貫通孔が設けられる複数のパイプ部とこれらを繋ぐ板状部とが一体成形により形成されて成ることを特徴とするものである。 【0012】 また、前記メインフレームの端部間を連結する端部連結材を有すると共に、この端部連結材の脱落防止又はメインフレーム間の連結を成すため前記メインフレーム端部にネジ加工を施し、このネジ加工部に螺合するエンドキャップ又はソケットを備えたことを特徴とするものである。 【0013】 また、本願発明による養殖生け簀は、前記のいずれかに記載の生け簀枠に生け簀網とフロートを取り付けたことを特徴とするものである。 【発明の効果】 【0014】 本願発明によれば、メインフレーム間を連結する連結材が溶接によらずテーパー形状による締め付け力を利用しているので、メインフレームに亜鉛・アルミ合金メッキやポリエチレン被覆鋼管などの安価な素材で本来耐食性の高い材料を用いても、溶接による防食層破損がなく、従ってメインフレームの素材が従来と同様であっても従来の生け簀枠よりも長期間使用できる。このように、メインフレームの素材をユーザーが選択可能にすることで、使用条件とコストのバランスをユーザーが選択可能になる。また、溶接を廃したことで、溶接工賃をなくことができる。さらに、使用地近傍での組立が可能なため、部材運搬費を大幅に低減できる。 【0015】 また、連結材の材料に成形可能な素材を使用することで複雑な形状であっても大量に生産可能であり、また耐食性に優れた材料を選択することで長寿命化が可能になる。 【0016】 また、メインフレーム端部にネジ加工部を設けることで、端部連結材の脱落防止や強固な接合が可能になる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 以下、本願発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。 【0018】 本願発明では、従来の生け簀枠と同様に、角形や円形生け簀を必要な大きさで提供できるものであるが、ここでは角形生け簀について具体的に説明する。図1は、角形生け簀の全体構成を示す斜視図、図2は図1の要部拡大図である。 【0019】 図1に示すように、角形生け簀1は、養魚を囲うための養殖網2と、この養殖網2の形状を角形に保持するための生け簀枠3及び、養殖網2が取り付けられた生け簀枠3を海面上に浮かすためのフロート4等から構成される。 【0020】 上記生け簀枠3は、図2等に示すように断面三角形の各頂点にメインフレーム5として上枠5a,内枠5b,外枠5cが配置されており、養殖網2を上枠5aに取り付けても内枠5bと干渉しないように内枠5bは上枠5aよりも外側に位置している。本願発明ではメインフレーム5に使用する素材を限定しない構造としたが、メインフレーム5の素材は剛性,価格,耐食性能を総合的に考慮すると、鋼管に亜鉛・アルミ合金メッキを施したものが望ましく、2インチまたは2インチ半の口径のものを採用する。なお、ポリエチレン被覆鋼管でも良い。 【0021】 上記生け簀枠3の3本のメインフレーム5a〜5c間を連結する連結材(以下ガイドフレームと称す)6を図3に示す。ガイドフレーム6は各メインフレーム5と図4に示すような形態で組み立てられ、テーパー形状による締め付け力で各メインフレーム5を固定するものである。これにより溶接を行うことなく生け簀枠3の形状を保持することができるようになっている。 【0022】 具体的に説明すると、メインフレーム5間を連結するガイドフレーム(連結材)6は、各メインフレーム5を通すテーパー形状の孔7aが貫通したパイプ部7と、これら3頂点のパイプ部7を繋ぐ板状部8から構成されている。ガイドフレーム6の素材は強度,耐久性が要求されるため、熱可塑性樹脂であるポリフェニレンオキサイド樹脂やPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂のインジェクション成形品又はアルミ合金(AC7A−T5等)の鋳造品で製造される。なお、FRP等の熱硬化性樹脂や鋳鉄鋳造品を用いることもできる。 【0023】 上記ガイドフレーム6とメインフレーム5間の固定は図4に示す形態の締め付け手段で行われる。すなわち、ガイドフレーム6においてテーパー形状の孔7aが形成されたパイプ部7にメインフレーム5を通し、図5(b)に示すテーパー形状のインナー(挿入部材)9をメインフレーム5の外周に沿わせて、ガイドフレーム6におけるパイプ部7の孔7aの大径部側から小径部側へ、ネジ加工がされた先端部(ネジ加工部)9aが突き出る状態に挿入する。その後、図5(c)に示す如く内周にネジ加工されたキャップ10をインナー9のネジ加工部9aに締め付けることで、インナー9はより深くガイドフレーム6のパイプ部7に引き込まれ、テーパーの効果により力学的にメインフレーム5を圧縮する力が作用するので、インナー9とメインフレーム5の間には摩擦力により固定する力が発生する。 【0024】 上述のインナー9は施工性向上のため図5(b)に示す如く2分割とされている。また強い圧縮力や引張力が作用するためPOM(ポリオキシメチレン)樹脂のインジェクション成形品が望ましく、キャップ10についても同等の材料を使用することが望ましい。 【0025】 上記ガイドフレーム6は、メインフレーム5上に1200mmから1500mmのピッチで固定され、この間に必要に応じて、浮力を発生させるフロート4が内枠5bと外枠5cの下側に取り付けられる。 【0026】 角形生け簀枠3の場合、辺と辺を繋ぐコーナー部は、図6のコーナーフレーム11を介して接続する方法と、図7,図8に示す如くメインフレーム5(5a〜5c)同士をソケット12で、端部ガイドフレーム13,13間をボルト接合で接続する二重接合方法が用いられる。 【0027】 図6では、コーナーフレーム11がメインフレーム5端部に位置するため、端部への抜け防止対策としてメインフレーム5端部に加工されたネジ加工部5dにエンドキャップ14を締結している。 【0028】 図8では、メインフレーム5端部のネジ加工部5d同士を、部材の右半分が順ネジ,左半分が逆ネジに加工されたソケット12で連結し、同時に端部ガイドフレーム13の板状部8に7箇所設けられた貫通孔8aをボルトとナットで締結することで、より強固な接合を行っている。 【0029】 上記コーナーフレーム11,端部ガイドフレーム13ともに、前述したガイドフレーム6と同様の工法でパイプ部7と板状部8が一体成形により製作される。また、エンドキャップ14,ソケット12については、前述したインナー9と同様にPOMのインジェクション成型品で製作される。 【0030】 上述してきたように構成された生け簀枠3では、メインフレーム5間を連結するガイドフレーム6やコーナーフレーム11や端部ガイドフレーム13が溶接によらずテーパー形状による締め付け力を利用しているので、メインフレーム5に亜鉛・アルミ合金メッキやポリエチレン被覆鋼管などの安価な素材で本来耐食性の高い材料を用いても、溶接による防食層破損がなく、従ってメインフレーム5の素材が従来と同様であっても従来の生け簀枠よりも長期間使用できる。 【0031】 このように、メインフレーム5の素材をユーザーが選択可能にすることで、使用条件とコストのバランスをユーザーが選択可能になる。すなわち、高価な素材の使用を極力減らすことができて、養殖家に安価に提供できる生け簀枠3やそれを用いた生け簀1が実現できる。また、溶接を廃したことで、溶接工賃をなくすことができる。また、使用地近傍での組立が可能なため、部材運搬費を大幅に低減できる。 【0032】 また、ガイドフレーム6やコーナーフレーム11や端部ガイドフレーム13の材料に成形可能な素材を使用することで複雑な形状であっても大量に生産可能であり、また耐食性に優れた材料を選択することで長寿命化が可能になっている。 【0033】 また、メインフレーム5端部にネジ加工部5dを設けることで、コーナーフレーム11の脱落防止やメインフレーム5間の強固な接合が可能になった。 【0034】 図9は円形生け簀の全体構成を示す斜視図であり、円形生け簀21も、養魚を囲うための養殖網22と、この養殖網22の形状を円形に保持するための生け簀枠23及び、養殖網22が取り付けられた生け簀枠23を海面上に浮かすためのフロート24等から構成される。 【0035】 円形生け簀21の場合、円形生け簀枠23が直径に応じて6分割以上に適宜分割され、分割したメインフレーム25(25a〜25c)間を前述したと同様のガイドフレーム26で連結し、その両端部に前述したと同様の端部ガイドフレーム33を設置し、これをボルト接合することで円形生け簀枠23を構成する。 【0036】 このような円形生け簀21の場合も、前述した角形生け簀1と同様な作用効果が得られる。 【図面の簡単な説明】 【0037】 【図1】本願発明の一実施形態に係る角形生け簀の全体構成を示す斜視図。 【図2】図1の要部拡大図。 【図3】生け簀枠の直線部のガイドフレーム構成を示す斜視図。 【図4】その一部断面図。 【図5】締め付け手段の構成要素を示す斜視図で、(a)はガイドフレームのパイプ部、(b)はインナー、(c)はキャップ。 【図6】コーナー部のコーナーフレーム構成を示す斜視図。 【図7】コーナー部の端部ガイドフレーム構成を示す斜視図。 【図8】その連結状態の断面図。 【図9】本願発明の他の実施形態に係る円形生け簀の全体構成を示す斜視図。 【符号の説明】 【0038】 1 角形生け簀 2 養殖網 3 生け簀枠 4 フロート 5 メインフレーム 5a 上枠 5b 内枠 5c 外枠 5d ネジ加工部 6 ガイドフレーム 7 パイプ部 7a 孔 8 板状部 9 インナー 9a ネジ加工部 10 キャップ 11 コーナーフレーム 12 ソケット 13 端部ガイドフレーム 14 エンドキャップ 21 円形生け簀 22 養殖網 23 生け簀枠 24 フロート 25 メインフレーム 25a 上枠 25b 内枠 25c 外枠 26 ガイドフレーム 33 端部ガイドフレーム
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| 【出願人】 |
【識別番号】000138244 【氏名又は名称】株式会社モルテン 【住所又は居所】広島県広島市西区横川新町1番8号
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| 【出願日】 |
平成17年6月17日(2005.6.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083231 【弁理士】 【氏名又は名称】紋田 誠
【識別番号】100112287 【弁理士】 【氏名又は名称】逸見 輝雄
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| 【公開番号】 |
特開2006−345792(P2006−345792A) |
| 【公開日】 |
平成18年12月28日(2006.12.28) |
| 【出願番号】 |
特願2005−177291(P2005−177291) |
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