| 【発明の名称】 |
濾過食性二枚貝の飼育方法、濾過食性二枚貝の飼育システム、濾過食性二枚貝を用いた汽水の浄化方法、および、濾過食性二枚貝を用いた汽水の浄化システム |
| 【発明者】 |
【氏名】相▲崎▼ 守弘
【氏名】山口 啓子
【氏名】川端 豊喜
【氏名】柳川 敏治
【氏名】小村 洋司
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| 【要約】 |
【課題】濾過食性二枚貝の飼育システムを用いて、効率よく濾過食性二枚貝を飼育する方法を提供し、特に、濾過食性二枚貝の夏やせを防止するための飼育方法を提供すること。さらに、濾過食性二枚貝が有する水質浄化機能を効果的に発揮し得る汽水の浄化システムを用いて、効率よく汽水を浄化する方法を提供すること。
【解決手段】コンクリートで作製されているか、または、遮水シートで覆われた水路に汽水を流し、ヤマトシジミを飼育する。水路の底質として砂を敷かず、水路に堆積する堆積物の深さを数cm以下にし、水路の水の深さを浅くすることが好ましい。この方法を汽水の浄化システムに応用することにより、効率よく汽水を浄化することが可能になる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 濾過食性二枚貝の夏やせを防止するための飼育方法であって、 水路に汽水を流入しながら、該濾過食性二枚貝を飼育する工程を含むことを特徴とする飼育方法。 【請求項2】 前記水路に堆積する堆積物を数cm以下にすることを特徴とする、請求項1に記載の飼育方法。 【請求項3】 前記水路の水の深さを浅くすることを特徴とする、請求項1または2に記載の飼育方法。 【請求項4】 前記水路に底質として砂を敷かないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の飼育方法。 【請求項5】 前記水路がコンクリートからなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の飼育方法。 【請求項6】 前記水路が遮水シートで覆われていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の飼育方法。 【請求項7】 前記濾過食性二枚貝がヤマトシジミであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の飼育方法。 【請求項8】 濾過食性二枚貝の飼育方法であって、 水路に汽水を流入しながら該濾過食性二枚貝を飼育する工程を含むことを特徴とする飼育方法。 【請求項9】 前記水路に堆積する堆積物を数cm以下にすることを特徴とする、請求項8に記載の飼育方法。 【請求項10】 前記水路の水の深さを浅くすることを特徴とする、請求項8または9に記載の飼育方法。 【請求項11】 前記水路に底質として砂を敷かないことを特徴とする、請求項8〜10のいずれかに記載の飼育方法。 【請求項12】 前記水路がコンクリートからなることを特徴とする、請求項8〜11のいずれかに記載の飼育方法。 【請求項13】 前記水路が遮水シートで覆われていることを特徴とする、請求項8〜11のいずれかに記載の飼育方法。 【請求項14】 前記濾過食性二枚貝がヤマトシジミであることを特徴とする、請求項8〜13のいずれかに記載の飼育方法。 【請求項15】 濾過食性二枚貝を飼育する水路に汽水を通過させる工程を含むことを特徴とする汽水の浄化方法。 【請求項16】 前記水路に堆積する堆積物を数cm以下にすることを特徴とする、請求項15に記載の浄化方法。 【請求項17】 前記水路の水の深さを浅くすることを特徴とする、請求項15または16に記載の飼育方法。 【請求項18】 前記水路に底質として砂を敷かないことを特徴とする、請求項15〜17のいずれかに記載の浄化方法。 【請求項19】 前記水路がコンクリートからなることを特徴とする、請求項15〜18のいずれかに記載の浄化方法。 【請求項20】 前記水路が遮水シートで覆われていることを特徴とする、請求項15〜18のいずれかに記載の浄化方法。 【請求項21】 前記濾過食性二枚貝がヤマトシジミであることを特徴とする、請求項15〜20のいずれかに記載の浄化方法。 【請求項22】 濾過食性二枚貝を飼育するためのシステムであって、 汽水が流入するための入口と排出するための出口を備えた、該濾過食性二枚貝を飼育するための水路と、 該入口より該汽水を該水路に供給するための供給手段とを備え、 該供給手段は、該水路に供給する汽水の流量を調節するための調節手段を有するシステム。 【請求項23】 前記調節手段は前記水路の水の深さを浅くすることを特徴とする、請求項22に記載のシステム。 【請求項24】 前記水路は底質として砂が敷かれていないことを特徴とする、請求項22または23に記載のシステム。 【請求項25】 前記水路がコンクリートからなることを特徴とする、請求項22〜24のいずれかに記載のシステム。 【請求項26】 前記水路が遮水シートで覆われていることを特徴とする、請求項22〜24のいずれかに記載のシステム。 【請求項27】 前記濾過食性二枚貝がヤマトシジミであることを特徴とする、請求項22〜26のいずれかに記載のシステム。 【請求項28】 汽水を浄化するためのシステムであって、 汽水が流入するための入口と排出するための出口を備えた、該濾過食性二枚貝を飼育するための水路と、 該入口より該汽水を該水路に供給するための供給手段とを備え、 該供給手段は、該水路に供給する汽水の流量を調節するための調節手段を有するシステム。 【請求項29】 前記調節手段は前記水路の水の深さを浅くすることを特徴とする、請求項28に記載のシステム。 【請求項30】 前記水路は底質として砂が敷かれていないことを特徴とする、請求項28または29に記載のシステム。 【請求項31】 前記水路がコンクリートからなることを特徴とする、請求項28〜30のいずれかに記載のシステム。 【請求項32】 前記水路が遮水シートで覆われていることを特徴とする、請求項28〜30のいずれかに記載のシステム。 【請求項33】 前記濾過食性二枚貝がヤマトシジミであることを特徴とする、請求項28〜32のいずれかに記載のシステム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、濾過食性二枚貝の飼育方法、および、濾過食性二枚貝の飼育システムに関し、特に、濾過食性二枚貝の夏やせを防止するための飼育方法に関する。さらに、本発明は、濾過食性二枚貝を用いた汽水の浄化方法、および、濾過食性二枚貝を用いた汽水の浄化システムに関する。 【背景技術】 【0002】 ヤマトシジミなどの濾過食性二枚貝は、濾過摂食を行い、水中の植物プランクトンなどの懸濁物を餌として体内に取り込んで消化し、殻や軟体部に栄養塩を固定すると同時に、その一部を糞や擬糞として堆積させる性質を有することが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。このような濾過食性二枚貝が有する水質浄化機能を利用して、汽水域の水質浄化が行われてきた(例えば、非特許文献2参照。)。 【非特許文献1】Dame R.F.(1996)Ecology of Marine Bivalves; An Ecosystem approach, 254pp, CRC Press, Florida 【非特許文献2】相崎守弘,森岡美津子,木幡邦夫;ヤマトシジミを利用した汽水域の水質浄化に関する基礎的研究,用水と排水,vol40,NO.2 (1998) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかし、濾過食性二枚貝が排泄する糞や擬糞などの堆積物は、底質環境を悪化させ、濾過食性二枚貝自身の生育に悪影響を及ぼしていた。この底質環境の悪化は、特に、夏期において顕著に認められていた。このことにより、濾過食性二枚貝が有する水質浄化機能は、夏期の間、うまく発揮されていなかった。また、濾過食性二枚貝は、一般的に、砂中に潜って生活するという習性を有しているため、堆積物と砂とを分別したり、堆積物を砂から除去したりするのが困難であった。 【0004】 そこで、本発明は、効率よく濾過食性二枚貝を飼育する方法及びそのためのシステムを提供することを目的とする。さらに、その方法を通じて、効率よく汽水を浄化する方法及びそのためのシステムを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明に係る濾過食性二枚貝の夏やせを防止するための飼育方法は、水路に汽水を流入しながら、該濾過食性二枚貝を飼育する工程を含むことを特徴とする。ここで、前記水路に堆積する堆積物は、数cm以下にすることが好ましく、例えば、3cm以下にすることが好ましい。また、前記水路の水の深さは、浅くすることが好ましい。この水の深さは、例えば、10cm以下が好ましく、5cm以下がより好ましい。 【0006】 なお、前記水路は、例えば、コンクリートからなるか、または、遮水シートで覆われていることを特徴とし、さらに、底質として砂を敷かないことを特徴とする。 【0007】 また、前記濾過食性二枚貝は、例えば、ヤマトシジミであることを特徴とする。 【0008】 さらに、本発明に係る濾過食性二枚貝の飼育方法は、水路に汽水を流入しながら該濾過食性二枚貝を飼育する工程を含むことを特徴とする。ここで、前記水路に堆積する堆積物は、数cm以下にすることが好ましく、例えば、3cm以下にすることが好ましい。また、前記水路の水の深さは、浅くすることが好ましい。この水の深さは、例えば、10cm以下が好ましく、5cm以下がより好ましい。 【0009】 なお、前記水路は、底質として砂を敷かないことを特徴とし、さらに、例えば、コンクリートからなるか、または、遮水シートで覆われていることを特徴とする。 【0010】 また、前記濾過食性二枚貝は、例えば、ヤマトシジミであることを特徴とする。 【0011】 さらに、本発明に係る汽水の浄化方法は、濾過食性二枚貝を飼育する水路に汽水を通過させる工程を含むことを特徴とする。ここで、前記水路に堆積する堆積物は、数cm以下にすることが好ましく、例えば、3cm以下にすることが好ましい。また、前記水路の水の深さは、浅くすることが好ましい。この水の深さは、例えば、10cm以下が好ましく、5cm以下がより好ましい。 【0012】 なお、前記水路は、例えば、コンクリートからなるか、または、遮水シートで覆われていることを特徴とし、さらに、底質として砂を敷かないことを特徴とする。 【0013】 また、前記濾過食性二枚貝は、例えば、ヤマトシジミであることを特徴とする。 【0014】 さらに、本発明に係る濾過食性二枚貝を飼育するためのシステムは、汽水が流入するための入口と排出するための出口を備えた、該濾過食性二枚貝を飼育するための水路と、該入口より該汽水を該水路に供給するための供給手段とを備え、該供給手段は、該水路に供給する汽水の流量を調節するための調節手段を有することを特徴とする。ここで、前記調節手段は、前記水路の水の深さを浅くすることを特徴とする。この時、水の深さは、10cm以下が好ましく、5cm以下がより好ましい。 【0015】 なお、前記水路は、例えば、コンクリートからなるか、または、遮水シートで覆われていることを特徴とし、さらに、底質として砂が敷かれていないことを特徴とする。 【0016】 また、前記濾過食性二枚貝は、例えば、ヤマトシジミであることを特徴とする。 【0017】 さらに、本発明に係る汽水を浄化するためのシステムは、汽水が流入するための入口と排出するための出口を備えた、該濾過食性二枚貝を飼育するための水路と、該入口より該汽水を該水路に供給するための供給手段とを備え、該供給手段は、該水路に供給する汽水の流量を調節するための調節手段を有することを特徴とする。ここで、前記調節手段は、前記水路の水の深さを浅くすることを特徴とする。この時、水の深さは、10cm以下が好ましく、5cm以下がより好ましい。 【0018】 なお、前記水路は、例えば、コンクリートからなるか、または、遮水シートで覆われていることを特徴とし、さらに、底質として砂が敷かれていないことを特徴とする。 【0019】 また、前記濾過食性二枚貝は、ヤマトシジミであることを特徴とする。 【発明の効果】 【0020】 本発明によれば、効率よく濾過食性二枚貝を飼育することができる。さらに、本発明によれば、濾過食性二枚貝が有する水質浄化機能を利用し、効率よく汽水を浄化することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0021】 底質環境を改善するために、濾過食性二枚貝が排泄した堆積物を除去することが試みられたが、濾過食性二枚貝であるヤマトシジミは、一般的に、砂中に潜って生活するという習性を有しているため、堆積物と砂とを分別したり、堆積物を砂から除去したりすることはとても困難であった。そこで、本発明者らは、堆積物を容易に除去することができ、底質環境を改善し得る水路を備えた濾過食性二枚貝の飼育システムを開発し、このシステムを用いて、特に夏期において、濾過食性二枚貝が痩せることなく生育し得る濾過食性二枚貝の飼育方法を発明した。さらに、本発明者らは、水路において生育し得る濾過食性二枚貝の水質浄化機能を利用した汽水の浄化システムを開発し、このシステムを用いて、汽水を浄化する方法も発明した。 【0022】 以下、好ましい実施形態につき、添付図面を用いて詳細に説明する。 【0023】 ==濾過食性二枚貝飼育システムの構成== 図1に、本発明の一実施形態として説明する濾過食性二枚貝飼育システム100の概略図を示す。この飼育システムを用いて飼育しうる濾過食性二枚貝2は、例えば、ヤマトシジミ、カキ、ホタテ貝、ハマグリ、アサリなどが挙げられるが、これらに限定されない。 【0024】 この濾過食性二枚貝飼育システム100は、汽水4中で濾過食性二枚貝を飼育するための水路10と、水路10に汽水を供給する供給手段としてのポンプ20などを備えている。 【0025】 水路10は、汽水を流入するための入口6と該汽水を排出するための出口8を備えている。この水路10は、容易に清掃ができ、濾過食性二枚貝の生育環境を容易に最適にすることができるように、コンクリートで作製するか、または、遮水シートで覆うのが好ましい。 【0026】 また、水路には、底質として砂を敷かない。このことによって、水路に蓄積する擬糞または付着珪藻などの堆積物を、容易に除去できるし、堆積物の量を容易に調節できるようになる。 【0027】 本実施形態では、ポンプ20は、汽水を水路10の入口に供給するための供給手段の一例として設けられている。水路10の入口に供給する汽水の流量は、例えば、ポンプ20から水路10までの間の流路に弁14を設け、その弁の開閉によって調節することができる。 【0028】 また、汽水中または堆積物中の溶存酸素が低下する場合には、この水路10に曝気装置(図示せず)を設け、曝気装置を稼動させることによって、これらの溶存酸素量を増加させてもよい。 【0029】 ==濾過食性二枚貝の飼育方法== 以下、上述した飼育システムを用いて、濾過食性二枚貝を飼育する方法について説明する。 【0030】 まず、濾過食性二枚貝を飼育する前に、ポンプ20を用いて汽水を水路10へ供給し、水路10内を汽水で馴化させる。この時、水路10の入口に供給する汽水の流量は、弁を用いて調節する。この際、水路10中の汽水の水深が浅くなるように、例えば5cm以下になるように調節することが好ましく、これにより、ポンプ20から供給される汽水は、空気を巻き込むことができ、汽水中または堆積物中の溶存酸素量を増加させることが可能になる。 【0031】 次に、水路10に飼育する濾過食性二枚貝を置き、飼育を開始する。この時、飼育する濾過食性二枚貝は、初期重量密度が1kg/m2〜2kg/m2になるように均等に水路10へ放流することが望ましい。なお、濾過食性二枚貝の収穫量をさらに増やすために、カキ殻などの土壌改良剤を水路10内に散布してもよい(特許第3254277号)。 【0032】 しばらく濾過食性二枚貝を飼育すると、水路に擬糞または付着珪藻などの堆積物が堆積するようになる。この堆積物の深さは、濾過食性二枚貝の水管が堆積物の上を流水する汽水中へ容易に届くことができるように、3cm以下にすることが好ましい。これによって、堆積物内が嫌気条件になり堆積物中の濾過食性二枚貝の生育が阻害されることを防止することができる。堆積物が3cmより深く堆積した場合は、除去するか、流速を上げて洗い流すようにする。 【0033】 また、しばしば堆積物を汽水中に懸濁させることができる流速にすることが好ましく、それにより、濾過食性二枚貝が餌として利用できる有機物が増加し、結果として、堆積物が減少することになる。 【0034】 以上のような本発明の濾過食性二枚貝の飼育システムを用いれば、濾過食性二枚貝を効率よく飼育することが可能になり、特に夏期に生じる濾過食性二枚貝の肥満度の低下を防止することも可能になる。 【0035】 また、天然の汽水環境、または、人工湿地において、濾過食性二枚貝の斃死が大量に起こった場合、多くの場合その原因は濾過食性二枚貝の肥満度の低下によることが多いので、本発明の濾過食性二枚貝の飼育システムを用いて、濾過食性二枚貝の肥満度の低下を防ぐことにより、これらの斃死を防ぐことが可能になる。 【0036】 ==汽水の浄化システムへの応用== 従来、濾過食性二枚貝が有する水質浄化機能を利用して、汽水域の水質浄化が行われてきた(相崎守弘,森岡美津子,木幡邦夫;ヤマトシジミを利用した汽水域の水質浄化に関する基礎的研究,用水と排水,vol40,NO.2 (1998))。しかし、濾過食性二枚貝が排泄する糞や擬糞などの堆積物は、底質環境を悪化させ、濾過食性二枚貝自身の生育に悪影響を及ぼし、濾過食性二枚貝の肥満度の低下をもたらした。特に、濾過食性二枚貝の夏やせの原因となって、夏期に濾過食性二枚貝が有する水質浄化機能が低下する原因となっていた。 【0037】 そこで、肥満度の低下、特に夏やせを防止できる、上述の濾過食性二枚貝の飼育システムにおいて、濾過性二枚貝が飼育されている水路に、汽水を通過させることにより、濾過食性二枚貝の肥満度の低下によって妨げられずに、効率よく汽水を浄化することができる。 【実施例】 【0038】 以下に、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、これらの実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。 【0039】 本実施例においては、前述の濾過食性二枚貝の飼育システムを用いてヤマトシジミを飼育し、ヤマトシジミの肥満度を月ごとに測定することによって、ヤマトシジミの生育状況を評価した。また、ヤマトシジミの生育状況と共に、ヤマトシジミが有する水質浄化機能についても考察した。 【0040】 ==試験装置== 図2に示すように、本試験で用いたヤマトシジミの飼育システムは、水路40,41、ポンプ50,51を備えており、水路40,41は、神西湖畔に造った人工湿地30(相崎守弘、山口啓子、藤岡克己(編);人工湿地を用いたヤマトシジミの成長解析と炭素収支に関する研究,pp117,島根大学水圏生態工学研究室,2004)の側に設けた。水路40,41は、長さ3.2m、幅50cmで、各々の水路を遮水シートで覆った。 【0041】 ==試験方法== 本試験は、表1に記載する通り6つの群を作製した。 【表1】
【0042】 表1に記載したように、本試験において、水路40,41にはヤマトシジミを放流し、水路41には水路内の水温を低下させるためにさらにヨシを入れた(6群)。対照とし神西湖内の1地点(4群)、及び人工湿地内の3地点でヤマトシジミを飼育した(1〜3群)。 【0043】 1〜3群および5,6群には汽水を流入し、次いで、全ての群に、ヤマトシジミを1kg/m2の密度で放流し、飼育を開始した。なお、各対照群の水温は、12.7℃〜35.0℃の範囲であった。 【0044】 ヤマトシジミの軟体部重量の変化を調査するために、毎月一回、各群に存在する標準的サイズのヤマトシジミを20個体ずつ採取した。そして、以下の「濾過食性二枚貝の肥満度の判定方法」を用いて肥満度を算出し、20個体の平均を算出した。 【0045】 なお、5,6群において、9月に軟体部重量の変化を調査後、ポンプのスイッチを切り、汽水の出入りを無くした場合の肥満度の変化を測定した。 【0046】 ==濾過食性二枚貝の肥満度の判定方法== 濾過食性二枚貝の肥満度を判定するために、濾過食性二枚貝を採取し、その個体の殻長、殻高、殻幅、湿重量を測定した。次いで、濾過食性二枚貝の軟体部を取り出し、軟体部重量を測定した。その後、軟体部を3日間乾燥させ、軟体部乾燥重量を測定した。なお、肥満度は、以下の式を用いて算出した。 肥満度(%)=軟体部乾燥重量(g)/殻長(cm)×殻高(cm)×殻幅(cm) 算出した肥満度が大きければ大きいほど、濾過食性二枚貝は肥満していると判断した。 【0047】 ==結果== 図3に示す通り、本発明による水路で飼育したヤマトシジミは、2004年8月〜9月において肥満度の低下が認められず(肥満度は、0.025〜0.03%程度に維持)、横ばいである(水路ヨシ群)か、または、わずかな増加傾向(水路対照群)が認められた。しかし、ポンプのスイッチを切って汽水の流入を無くした9月から10月にかけては、肥満度が大きく低下した。このことは、水路で肥満度の低下を妨げるには、汽水の流入出が必要であることを示唆する。 【0048】 以上の結果より、本発明の濾過食性二枚貝の飼育方法を用いることによって、ヤマトシジミの夏やせは防止されることが明らかになった。 【0049】 従って、本発明の濾過食性二枚貝の飼育システムは、底質環境が悪化すると懸念されている夏期においても、底質環境を良好に維持することが可能になるので、濾過食性二枚貝の夏やせを防止することが可能になり、効率よく濾過食性二枚貝を飼育することができ、夏期に発生しやすい濾過食性二枚貝の斃死も防止することが可能になる。ひいては、濾過食性二枚貝が有する水質浄化機能を効果的に発揮させ、効率よく汽水を浄化することが可能になる。 【図面の簡単な説明】 【0050】 【図1】本発明の一実施形態における濾過食性二枚貝の飼育システムの概略を示す模式図である。 【図2】本発明の実施例における濾過食性二枚貝の飼育システムの構成を示す摸式図である。 【図3】ヤマトシジミの肥満度を月毎に算出し、その結果を示したグラフである。 【符号の説明】 【0051】 2 濾過食性二枚貝 4 汽水 6 入口 8 出口 10 水路 12 堆積物 14 弁 20 ポンプ 100 濾過食性二枚貝の飼育システム 30 人工湿地 40,41 水路 50,51 ポンプ
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| 【出願人】 |
【識別番号】504155293 【氏名又は名称】国立大学法人島根大学 【識別番号】000211307 【氏名又は名称】中国電力株式会社 【識別番号】000177704 【氏名又は名称】山陰建設工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年6月16日(2005.6.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000176 【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
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| 【公開番号】 |
特開2006−345784(P2006−345784A) |
| 【公開日】 |
平成18年12月28日(2006.12.28) |
| 【出願番号】 |
特願2005−177007(P2005−177007) |
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