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【発明の名称】 短筒形状の成形品を成形するためのダイス
【発明者】 【氏名】中島 路行
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町1丁目13番6号 水澤化学工業株式会社内

【氏名】五十嵐 宏
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町1丁目13番6号 水澤化学工業株式会社内

【氏名】近藤 正巳
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町1丁目13番6号 水澤化学工業株式会社内

【氏名】小松 善伸
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町1丁目13番6号 水澤化学工業株式会社内

【氏名】齋藤 傑
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町1丁目13番6号 水澤化学工業株式会社内

【要約】 【課題】ペット用トイレ砂として好適である短筒形状の成形品を高能率で製造することを可能するダイス(6)を提供する。

【解決手段】ダイスは横断面形状が弧形状である多数のスリット(36)が形成された第一のダイス板(28)と多数の孔(42)が形成された第二のダイス板(30)とから構成されてる。孔の各々は内周面が逆錐台筒形状の上流部と内周面が筒形状である下流部とを有し、スリットの各々に孔の各々を整合せしめて第一のダイス板と第二のダイス板とが積層せしめられて、孔の上流端の内周面はスリットの外周縁に実質上合致乃至これより幾分外側に位置せしめられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿潤材料を押し出すために使用されるダイスにして、
横断面形状が弧形状である多数のスリットが形成された第一のダイス板と、多数の孔が形成された第二のダイス板とから構成され、
該孔の各々は内周面が逆錐台筒形状の上流部と内周面が筒形状である下流部とを有し、
該スリットの各々に該孔の各々を整合せしめて該第一のダイス板と該第二のダイス板とが積層せしめられて、該孔の該上流端の内周面は該スリットの外周縁に実質上合致乃至これより幾分外側に位置せしめられ、
湿潤材料は該スリットを通過することによって横断面形状が弧形状にせしめられ、次いで該孔を通過することによって横断面形状が筒形状にせしめられる、
ことを特徴とするダイス。
【請求項2】
該スリットは250乃至350度の角度範囲に渡って延在する円弧形状であり、該孔の該上流部の内周面は逆円錐台筒形状であり、該下流部は円筒形状であり、湿潤材料は該スリットを通過することによって横断面形状が円弧形状にせしめられ、次いで該孔を通過することによって横断面形状が円筒形状にせしめられる、請求項1記載のダイス。
【請求項3】
該第一のダイス板及び該第二のダイス板は共に円環状板であり、該スリット及び該孔は半径方向及び周方向に整列せしめて配設されている、請求項1又は2記載のダイス。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、湿潤材料を押し出して短筒形状の成形品を製造するために使用されるダイス、殊に、それに限定されるものではないが、ペット用トイレ砂として使用される短筒形状の成形品を製造するのに好適に使用されるダイスに関する。
【背景技術】
【0002】
周知の如く、ネコ等の主として室内で飼育するペットのためのトイレ用砂として、短円柱形状の成形品が広く実用に供されている。かような成形品は、例えば下記特許文献1及び特許文献2に開示されている如く、ダイスに配設された多数の孔を通して湿潤材料を押し出し、押し出された細長円柱形状の湿潤材料を適宜の長さに切断することによって形成される。
【特許文献1】特公昭61−11663号公報
【特許文献2】特開2001−293353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した製造様式によれば、短円筒形状の成形品を高能率で製造することができる。しかしながら、ダイスに配設された孔は横断面形状が円形のものであり、従って孔を通して押し出される湿潤材料は中実な円柱形状であり、製造される成形品は中実な短円柱形状である。一方、ペットが排泄する尿を吸収するのは成形品の表層部であること、特に湿潤材料がベントナイト等の粘土鉱物である場合、中実な短円柱形状の成形品は比較的高重量であり、所要嵩の粒状成形品の搬送は特に女性或いは子供にとって容易ではない、等の見地から、近時においては、中実な短円柱形状の成形品に代えて、短円筒形状の如き短筒形状の成形品が要求されている。然るに、板状部材から構成されたダイスに横断面形状が円筒形状である孔を形成することができない等の理由により、円筒形状の如き短筒形状の成形品を高能率で製造する様式は未だ確立されていない。
【0004】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、ペット用トイレ砂として好適である短筒形状の成形品を高能率で製造することを可能することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、鋭意研究の結果、上記特許文献1及び2に開示されている如き製造様式において、使用するダイスを独特な形態に改良する、即ち横断面形状が弧形状である多数のスリットが形成された第一のダイス板と多数の孔が形成された第二のダイス板とから構成され、孔の各々は内周面が逆錐台筒形状の上流部と内周面が筒形状である下流部とを有し、スリットの各々に孔の各々を整合せしめて第一のダイス板と第二のダイス板とが積層せしめられて、孔の上流端の内周面はスリットの外周縁に実質上合致乃至これより幾分外側に位置せしめられる形態に改良することによって、上記主たる技術的課題を達成することができることを見出した。
【0006】
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成するダイスとして、湿潤材料を押し出すために使用されるダイスにして、
横断面形状が弧形状である多数のスリットが形成された第一のダイス板と、多数の孔が形成された第二のダイス板とから構成され、
該孔の各々は内周面が逆錐台筒形状の上流部と内周面が筒形状である下流部とを有し、
該スリットの各々に該孔の各々を整合せしめて該第一のダイス板と該第二のダイス板とが積層せしめられて、該孔の該上流端の内周面は該スリットの外周縁に実質上合致乃至これより幾分外側に位置せしめられ、
湿潤材料は該スリットを通過することによって横断面形状が弧形状にせしめられ、次いで該孔を通過することによって横断面形状が筒形状にせしめられる、
ことを特徴とするダイスが提供される。
【0007】
好ましくは、該スリットは250乃至350度の角度範囲に渡って延在する円弧形状であり、該孔の該上流部の内周面は逆円錐台筒形状であり、該下流部は円筒形状であり、湿潤材料は該スリットを通過することによって横断面形状が円弧形状にせしめられ、次いで該孔を通過することによって横断面形状が円筒形状にせしめられる。該第一のダイス板及び該第二のダイス板は共に円環状板であり、該スリット及び該孔は半径方向及び周方向に整列せしめて配設されているのが好適である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のダイスを使用すれば、短円柱形状の成形品を製造する場合と実質上同一の高能率で短筒形状、好ましくは短円筒形状である成形品を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適実施形態について更に詳述する。
【0010】
図1には、本発明に従って構成されたダイスが使用されている成形機が図示されている。図示の成形機は静止基台2を含んでおり、この基台2上には全体として直立円筒形状のハウジング4が固定されている。ハウジング4内には全体を番号6で示すダイスが固定されている。ダイス6は全体として実質上水平に配設された円板形態であり、その外径はハウジング4の内径と実質上同一であり、ハウジング4内はダイス6よりも上方に位置する上部空間8とダイス6よりも下方に位置する下部空間10とに区画されている。本発明に従って改良されたダイス6自体の構成については後に更に詳述する。ハウジング4の上端面には環状天面壁12が配設されており、上端面中央部には円形開口14が形成されている。環状天面壁12の内周縁部は半径方向内方に向って下方に傾斜する逆円錐台形状であり、内周縁部以外は実質上水平に延在せしめられている。ハウジング4の下部には下部空間10を半径方向外方に開放せしめる開口16が形成されており、かかる開口16には排出シュート18が付設されている。
【0011】
図1を参照して説明を続けると、基台2には鉛直に延びる回転軸20が回転自在に装着されている。そして、この回転軸20には電動モータでよい回転駆動源(図示していない)が接続されている。回転軸20はダイス6の中心部に形成されている貫通穴を通って上部空間8に延出せしめられている。回転軸20の上部の外径は下部の外径よりも幾分大きくせしめられており、かかる上部には回転軸20に対して垂直に延びる4本の支持軸22が等角度間隔をおいて固定され、かかる支持軸22の各々には押出ローラ24が回転自在に装着されている(図1には2本の支持軸22と2個の押出ローラ24が図示されている)が回転自在に装着されている。押出ローラ24はダイス6の表面に当接せしめられている。回転軸20の下部には等角度間隔をおいて放射状に突出する4本の切断手段26(図1にはそのうちの2本を図示している)が装着されている。かかる切断手段26は、半径方向両端部に支持片を有するアーム部材とこのアーム部材の支持片間に張設されたピアノ線から構成することができる。回転軸20には、更に、下部空間10の下端に位置する回転板27も固定されている。
【0012】
上述したとおりに成形機においては、ハウジング4の上端面に形成されている円形開口14を通してハウジング4内に、例えばベントナイト等の粘土鉱物を主成分とする湿潤材料が投入される。そして、回転軸20が回転駆動される。ハウジング4の上部空間8内においては、回転軸20の回転に応じて押出ローラ24が回転軸20に付随して公転されると共に支持軸22を中心として自転され、これによって湿潤材料が捏和混錬されダイス6を通して下部空間10に押し出される(ダイス6を通した押出については後に更に詳述する)。そして、所要断面形状で押し出された湿潤材料が、回転軸20に付随して回転せしめられる切断手段26によって所要長さに切断され、排出シュート18を通して排出される。回転軸20に付随して回転せしめられる回転板27は排出シュート18を通した湿潤材料の排出を助長する。
【0013】
図示の成形機におけるダイス6の以外の構成及び作用は、当業者には周知の形態でよく、例えば上記特許文献1に開示されている形態と実質上同一でよく、従ってこれらの構成及び作用の詳細については本明細書においては省略する。
【0014】
本発明に従って構成されたダイスの好適実施形態であるダイス6について、図2乃至図5を参照して説明すると、図示のダイス6は第一のダイス板28(図2、図3及び図5)と第二のダイス板30(図4及び図5)とから構成されている。
【0015】
ステンレス鋼の如き適宜の金属材料から形成することができる第一のダイス板28は円環状板であり、その中央部には上記回転軸20が挿通せしめられる貫通穴32が形成されている。この貫通穴32に隣接せしめて第一のダイス板28の内周縁部には等角度間隔をおいて4個の貫通連結孔34が形成されている。第一ダイス板28の外周面部にも等角度間隔をおいて4個の貫通連結穴34が形成されている。これらの連結穴34の各々の上部内周面は下方に向って漸次内径が減少する逆円錐台筒形状であり、かかる上部以外の内周面は円筒形状である。連結穴34が配置されている内周縁部と外周縁部との間において、第一のダイス板28には多数のスリット36が形成されている。図2を参照することによって明確に理解される如く、多数のスリット36は半径方向に整列せしめて、そしてまた周方向にも整列せしめて配設されている。スリット36の各々は、図3に明確に図示する如く、略円弧形状であり、横断面形状はその上端からその下端まで実質上同一である。スリット36の周方向延在角度αは250乃至350度程度であるのが好都合である。延在角度αが過小になると、後に説明から明確に理解される如く、スリット36を通して押し出される湿潤材料の横断面形状が延在角度が比較的小さい円弧形状になり、ダイス6を通して押し出される湿潤材料の最終横断面形状を閉じた円環形状にせしめるのが困難になる。一方、延在角度αが過大になると、スリット36の両端間に残留せしめられる材料の幅が過小になり、かかる部分が損傷されてしまう傾向が発生する。
【0016】
同様にステンレス鋼の如き適宜の金属材料から形成することができる第二のダイス板30も円環状板であり、その中央部には上記回転軸20が挿通せしめられる貫通穴38が形成されている。図示の実施形態においては、第一のダイス板28と第二のダイス板30とは、平面図において実質上同一の外形に設定されており、実質上同一の内径及び外径を有する。第二のダイス板30の内周縁部には等角度間隔をおいて4個の貫通雌ねじ穴40が形成され、外周縁部にも等角度間隔をおいて4個の貫通雌ねじ穴40が形成されている。これらの雌ねじ穴40の配設位置は第一のダイス板28の連結穴34の配設位置に対応せしめられている。雌ねじ穴40が配置されている内周縁部と外周縁部との間において、第二のダイス板30には多数の孔42が形成されている。かかる多数の孔42は第一のダイス板282形成されている多数のスリット36に対応せしめて形成されており、第一のダイス板28のスリット36と同様に、半径方向に整列せしめて、そしてまた周方向に整列せしめて配設されている。図4と共に図5を参照することによって明確に理解される如く、孔42の上流部即ち上部の内周面は下方に向って内径が漸次低減する逆円錐台形状であり、下流部即ち下部の内周面は円筒形状であり、下部の内径は上部の最小内径と実質上同一である。孔42の上流端即ち上端の内径は、第一のダイス板28に形成されているスリット36の外径と実質上同一乃至これより幾分大きく、従って孔42の上流端即ち上端の内径はスリット36の外周縁と実質上合致乃至これより幾分外側に位置せしめられるのが好都合である。
【0017】
図5に明確に図示する如く、上記第一のダイス板28の下流側即ち下面側に第二のダイス板30が積層され、連結穴34に雌ねじ穴40が整合せしめられ、そしてまたスリット36に孔42が整合せしめられる。そして、連結穴34を通して雌ねじ穴40に締結ねじ44を螺着せしめることによって第一のダイス板28と第二のダイス板30とが連結され、そしてハウジング4(図1)内の所定部位に固定される。
【0018】
本発明に従って構成された上述したとおりのダイス6を備えた成形機においては、ハウジング4内の上部空間8からダイス6を通して下部空間に押し出される湿潤材料は、最初に第一のダイス板28に形成されているスリット36を通ることによって横断面形状が略円弧形状にせしめられる。次いで、孔42の逆円錐台形状である上流部を通ることによって円弧形状の両端部が漸次接近せしめられて円環状に変形され、孔42の下流部を通して下部空間10に横断面形状が円環状である細長円筒形状物として押し出される。そして、下部空間10において切断手段26によって所要長さに切断せしめられて短円筒形状の成形品にせしめられる。
【0019】
以上添付図面を参照して本発明に従って構成されたダイスの好適実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能であることが理解されるべきである。
【0020】
例えば、図示の実施形態においては、第一のダイス板に配設されているスリットの横断面形状は略円弧形状であり、第二のダイス板に配設されている孔の横断面形状は円であるが、これらに代えて、第一のダイス板には楕円の周縁部形状或いは多角形の周縁部形状に対応した横断面形状を有するスリットを配設し、これに対応して第二のダイス板には楕円或いは多角形である横断面形状を有する孔を配設することもできる。本明細書において使用する語句「弧形状」は、楕円の周縁部形状或いは多角形の周縁部形状に対応した形状を含む。第二のダイス板に形成された孔の横断面形状が楕円或いは多角形である場合には、最終的に形成される成形品は短楕円筒或いは短多角筒形状になる。また、図示の実施形態においては、多数のスリット及び孔は実質上同一の形状及び寸法を有するが、種々の寸法及び/又は寸法のスリット及び孔を配設し、種々の横断面形状及び/又は寸法を有する短筒形状の成形品が同時に成形されるようになすこともできる。
【0021】
更に、図示の実施形態におけるダイスは円環状形態であるが、上記特許文献2に開示されている如き円筒形状のダイスに本発明を適用し、円筒形状の第一のダイス部材と円筒形状の第二のダイス部材とを同心状に積層せしめてダイスを構成し、内側(又は外側)に位置する第一のダイス部材に多数の弧状スリットを形成し、外側(又は内側)に位置する第二のダイス部材に多数の孔を形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に従って構成されたダイスが使用されている成形機を簡略に図示する簡略断面図。
【図2】図1の成形機に使用されているダイスにおける第一のダイス板を示す平面図。
【図3】図2の第一のダイス板に形成されているスリットを示す拡大平面図。
【図4】図1の成形機に使用されているダイスにおける第二のダイス板を示す平面図。
【図5】図1の成形機に使用されているダイスの部分拡大断面図。
【符号の説明】
【0023】
6:ダイス
28:第一のダイス板
30:第二のダイス板
36:スリット
42:孔
【出願人】 【識別番号】000193601
【氏名又は名称】水澤化学工業株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町一丁目13番6号
【出願日】 平成17年5月18日(2005.5.18)
【代理人】 【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純

【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子

【公開番号】 特開2006−320239(P2006−320239A)
【公開日】 平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願番号】 特願2005−145709(P2005−145709)