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【発明の名称】 魚釣用スピニングリール
【発明者】 【氏名】山口 信之
【住所又は居所】東京都東久留米市前沢3丁目14番16号 ダイワ精工株式会社内

【要約】 【課題】ベールレスタイプの魚釣用スピニングリールにおいて、釣糸案内部からの釣糸の脱落を防止でき、かつ釣糸の出し入れを安定して行なえる魚釣用スピニングリールを提供する。

【解決手段】本発明の魚釣用スピニングリールは、リール本体2に設けたハンドル7の回転操作で連動回転するロータ3に設けた釣糸案内部10を介してスプールに釣糸を巻回するよう構成されており、釣糸案内部10を支持する支持部材3cに釣糸の釣糸案内部10からの脱落を防止する脱落防止部材20が設けられている。そして、この脱落防止部材20は、釣糸Sの釣糸案内部10からの脱落防止及び開放をすべく、支持部材3cに切換え可能に構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール本体に設けたハンドルの回転操作で釣糸が巻回されるスプールと、
前記リール本体に設けたハンドルの回転操作で連動回転するロータと、
前記ロータに設けられ、釣糸を前記スプールに巻回案内する釣糸案内部を備えた支持部材と、
釣糸の前記釣糸案内部からの脱落を防止するように設けられた脱落防止部材と、
前記脱落防止部材を、釣糸の脱落防止位置と釣糸の開放位置との間で移動可能に保持する保持手段と、
を有することを特徴とする魚釣用スピニングリール。
【請求項2】
前記保持手段は、前記脱落防止部材を、前記脱落防止位置と開放位置で夫々位置決めする位置決め機能を有することを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
【請求項3】
リール本体に設けたハンドルの回転操作で連動回転するロータに設けた釣糸案内部を介してスプールに釣糸を巻回する魚釣用スピニングリールにおいて、
前記釣糸案内部を支持する支持部材に釣糸の前記釣糸案内部からの脱落を防止する脱落防止部材を設け、
前記脱落防止部材は、釣糸の前記釣糸案内部からの脱落防止及び開放をすべく、前記支持部材に切換え可能に構成されていることを特徴とする魚釣用スピニングリール。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドルに連動回転するロータに、スプールに釣糸を案内する釣糸案内部を具備した支持部材を設けてなる魚釣用スピニングリールに関する。
【背景技術】
【0002】
魚釣用スピニングリールは、一般的に知られているように、ハンドルの回転操作で、釣糸案内部を有するロータを回転させ、前後動するスプールに釣糸を巻回する構成である。前記ロータには、一対の支持アームが設けられており、この支持アームの先端には、一方に釣糸案内部を具備した支持部材が、釣糸放出位置と釣糸巻取り位置との間で回動可能に支持されている。そして、前記支持部材には、スプールから放出された釣糸がハンドルの回転操作で自動的にスプールに案内巻回できるように、放出状態にある釣糸をピックアップする半環状のベールが装着されている。
【0003】
通常、魚釣用スピニングリールは、上記したように構成されているが、釣り用途によっては(特に軽量化及び釣糸放出抵抗軽減によって飛距離向上を狙う投げ釣り等)、構成を簡略化することが行なわれており、例えば、特許文献1に開示されているように、上記したベールを無くしたもの(ベールレス)が知られている。この特許文献1に開示されているスピニングリールでは、ベールを無くした釣糸案内部の軸に突起を設け、この突起を、ロータの支持アームに設けた弾性部材に、釣糸の出し入れが可能となるように当接させた構成となっている。
【特許文献1】実開昭62−187580号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した構成の魚釣用スピニングリールでは、釣人は、突起が当接する弾性部材の付勢力に抗して釣糸を釣糸案内部に対して出し入れ操作するため、釣糸の太さの大小や、弾性部材の使用経過による劣化、及び損傷等により、釣糸案内部からの釣糸の脱落を確実に防止できなくなるという問題がある。すなわち、実釣時における糸ふけや釣糸の張力変化、或いは風の影響等によって、釣糸が釣糸案内部から容易に脱落してしまう。
【0005】
また、これに伴い、突起と弾性部材の当接力が安定せず、釣糸の釣糸案内部に対する出し入れが容易かつスムーズに行なえなくなるという問題がある。特に、海水、水、ゴミ、異物等を多く含んだ釣糸が釣糸案内部との接触によってスプールに案内されることになるので、突起が常時当接する支持アーム部分にこれらが付着して溜まり易く、固化したり腐食したりして、釣糸の釣糸案内部に対する出し入れが容易に行なえなくなる、という問題がある。
【0006】
本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、ベールレスタイプの魚釣用スピニングリールにおいて、釣糸案内部からの釣糸の脱落を防止でき、かつ釣糸の出し入れを安定して行なえる魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用スピニングリールは、リール本体に設けたハンドルの回転操作で釣糸が巻回されるスプールと、前記リール本体に設けたハンドルの回転操作で連動回転するロータと、前記ロータに設けられ、釣糸を前記スプールに巻回案内する釣糸案内部を備えた支持部材と、釣糸の前記釣糸案内部からの脱落を防止するように設けられた脱落防止部材と、前記脱落防止部材を、釣糸の脱落防止位置と釣糸の開放位置との間で移動可能に保持する保持手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用スピニングリールは、リール本体に設けたハンドルの回転操作で連動回転するロータに設けた釣糸案内部を介してスプールに釣糸を巻回する構成において、前記釣糸案内部を支持する支持部材に釣糸の前記釣糸案内部からの脱落を防止する脱落防止部材を設け、前記脱落防止部材は、釣糸の前記釣糸案内部からの脱落防止及び開放をすべく、前記支持部材に切換え可能に構成されていることを特徴とする。
【0009】
上記した構成によれば、釣糸案内部に係合する釣糸は、脱落防止部材を脱落防止状態から開放状態に移動することで釣糸案内部から外れて仕掛けを投擲することが可能となり、また、仕掛けを投擲した後は、釣糸を摘んで釣糸案内部に係合させ、脱落防止部材を開放状態から脱落防止状態に移動する(切換える)ことで、釣糸は、釣糸案内部からの脱落が防止される。このように、脱落防止部材は、釣糸の脱落防止状態と開放状態との間で移動可能に構成されていることから、釣糸の釣糸案内部に対する出し入れが容易かつスムーズに行なえるようになる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、釣糸案内部からの釣糸の脱落を防止でき、かつ釣糸の出し入れを安定して行なえるベールレスタイプの魚釣用スピニングリールが得られるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1乃至図5は、本発明の第1の実施形態を示す図であり、図1は、魚釣用スピニングリールの一構成例を示す図、図2は、図1を矢印A方向から見た図、図3は、図2のB−B線に沿った断面図、図4は、図3のC−C線に沿った断面図、そして、図5は、釣糸案内部領域の分解図である。
【0012】
魚釣用スピニングリール1のリール本体2には、釣竿に装着されるリール脚2aが一体形成されており、その前方には回転可能に支持されたロータ3と、ロータ3の回転運動と同期して前後動可能に支持されたスプール5が配設されている。
【0013】
リール本体2には、ハンドル7が回転可能に装着されており、リール本体2内には、ハンドル7を回転操作することで、前記ロータ3を回転駆動させると共に、スプール5を往復動させる公知の動力伝達機構が配設されている。
【0014】
前記ロータ3は、前記スプール5のスカート部5aに覆われる円筒部3aと、この円筒部に対して略180°間隔で設けられる一対の支持アーム3bとを有しており、一対の支持アーム3bは、ロータ3が回転駆動された際、前後往復動されるスプール5の回りを回転する。また、前記支持アーム3bの先端側には、釣糸案内部(ラインローラ)10を支持した支持部材3cが回動可能に設けられている。
【0015】
この場合、前記支持アーム3bは、ロータ3の回転バランスが低下しないように一対設けられているが、単体であっても良い。また、前記支持部材3cは、釣糸の開放操作が行ない易いように回動可能となっているが、支持アーム3bと一体化されて、回動しないように構成されていても良い。
【0016】
前記支持部材3cには、先端部にビス12が挿通される通孔13が形成されており、ビス12の先端部に形成された雄ネジ部12aが、支持部材3cの先端部と対向して一体化される保持部材15の雌ネジ部15aに螺入されるようになっている。前記釣糸案内部10は、支持部材3cと保持部材15の間に介在されており、ビス12との間に配設される軸受17a、及び保持部材15との間に配設される軸受17bによって回転可能に支持されている。
【0017】
そして、保持部材15には、釣糸Sの脱落を防止する状態と釣糸Sの開放を可能にする状態との間で切換え可能な脱落防止部材20が設けられている。すなわち、保持部材15は、脱落防止部材20を保持する保持手段としての機能を備えており、本実施形態における保持部材15は、前記雌ネジ部15aと反対側に形成された雌ネジ部15bを備え、ここに螺入される抜け止めネジ22によって、保持部材15の支持筒15cに回動可能に支持された脱落防止部材20を抜け止め保持している。
【0018】
脱落防止部材20には、径方向外方に突出するように脱落防止片20aが一体形成されており、この脱落防止片20aは、図2に示す脱落防止位置(実線で示す位置)となったとき、その先端が支持部材3cの内側面3dに当接する程度の長さを有しており、釣糸Sの下方への脱落を防止するようにしている。この場合、脱落防止部材20aは、釣糸の脱落を防止できれば、内側面3dとの間に多少の隙間が存在していても良い。また、脱落防止片20aは、釣糸を開放可能な状態では、開放位置(2点鎖線で示す位置)に移動され、スプール5の前鍔部5bと干渉しない位置に回動されるようになっている。
【0019】
また、前記保持部材15は、上記したように回動される脱落防止部材20を、脱落防止位置と開放位置で位置決めできるような位置決め機能(位置決め手段)を備えている。
【0020】
この位置決め手段は、図4及び図5に示すように、前記保持部材15に径方向に延出するように形成される筒状の保持部30と、保持部30内に配設される付勢バネ31と、付勢バネ31の両端に配設される位置保持部材32とを備えている。そして、脱落防止部材20には、支持部材3c側に向けて略円状の凹所20bが形成されており、その内周面には、前記付勢バネ31によって径方向外方に付勢される位置保持部材32が、脱落防止位置及び開放位置で係止されるように、位置決め凹部20c,20dが形成されている。
【0021】
すなわち、脱落防止部材20を脱落防止位置に回動すると、両位置保持部材32が位置決め凹部20cに係合して位置決めされ、開放止位置に回動すると、両位置保持部材32が位置決め凹部20dに係合して位置決めされるようになり、脱落防止状態と開放状態が安定して維持されるようになっている。
【0022】
以上のように構成される魚釣用スピニングリールでは、釣糸案内部10に係合する釣糸Sは、脱落防止部材20を指で摘んで図2に示す実線位置(脱落防止状態)から2点鎖線位置(開放状態)に回動することで、釣糸案内部10の下方から外れ、仕掛けを投擲することが可能な状態となる。この場合、支持部材3cは、支持アーム3bに対して回動可能に構成されていることから、支持部材3cを図2の奥側に向けて回動することで、開放領域が広がり、よりスムーズに釣糸を開放することが可能となる。
【0023】
また、仕掛けを投擲した後は、上記した状態において、釣糸Sを摘んで釣糸案内部10に係合させ、脱落防止部材20を開放状態から脱落防止状態に回動、保持することで、釣糸Sは、釣糸案内部10からの脱落が防止される。このため、実釣時に糸ふけや釣糸の張力変化、或いは風の影響等があっても、釣糸Sが釣糸案内部10から容易に脱落するようなことはない。なお、脱落防止状態は、上記した位置決め手段によって位置決めされていることから、脱落防止部材20が不用意に開放状態に移行するようなことも無く、釣糸が釣糸案内部10から容易に脱落するようなこともない。
【0024】
さらに、上記した脱落防止部材20は、移動(回動)可能となっており、その操作で脱落防止状態と開放状態が切換わることから、開放時には、釣糸Sを容易に釣糸案内部10から取り外したり、係合させることができる。すなわち、脱落防止部材20は、支持部材3c(支持アーム3b)に常時当接して釣糸Sの脱落を防止するような構成でないことから、海水、水、ゴミ、異物等を多く含んだ釣糸が付着するようなこともなく、常に、釣糸案内部10に対する出し入れが容易に行なえるようになり、また、釣糸案内部10の周囲の清掃も容易に行なえるようになる。
【0025】
図6及び図7は、本発明の第2の実施形態における釣糸案内部の領域を示した図であり図6は、その中央断面図、図7は、図6を矢印D方向から見た図である。
【0026】
上記した実施形態では、脱落防止部材20の保持手段として、脱落防止部材を釣糸案内部10を支持する保持部材15の支持筒15c内に螺入するビス22を中心にして回動する(支軸に対して直交する方向に回動する)ように構成したが、この実施形態に示すように、保持部材15の支持筒15c内に螺入するビス22の延出方向に沿った面内で回動するように、保持部材15に保持しても良い。具体的には、脱落防止部材20Aをピン40によって保持部材15に回動可能に支持すると共に、両者の間に付勢バネ42を配置しておき、脱落防止部材20Aを常時、実線で示す脱落防止位置に向けて回動付勢しておく。
【0027】
このように、脱落防止部材は、釣糸案内部10から釣糸が脱落することが防止できるような位置と、釣糸を摘んで釣糸案内部10から容易に開放することができるような位置との間で移動できる(切換えが行なえる)ように保持されたものであれば良く、脱落防止部材の保持方法や移動方向、及びそれに伴う具体的な形状等については、適宜変形することが可能である。
【0028】
また、上記した実施形態では、脱落防止部材は、回動するように構成されていたが、軸方向に沿ってスライド移動したり、或いは、スライド移動すると共に回動するように保持されていても良い。さらに、脱落防止部材については、保持部材15に対して振分け保持バネによって、脱落防止位置と開放位置との間で振分け保持されるような構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図であり、魚釣用スピニングリールの一構成例を示す図。
【図2】図1を矢印A方向から見た図。
【図3】図2のB−B線に沿った断面図。
【図4】図3のC−C線に沿った断面図。
【図5】釣糸案内部領域の分解図。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す図であり、釣糸案内部の領域を示した中央断面図。
【図7】図6を矢印D方向から見た図。
【符号の説明】
【0030】
1 魚釣用スピニングリール
2 リール本体
3 ロータ
3c 支持部材
5 スプール
7 ハンドル
10 釣糸案内部
15 保持部材
20,20A 脱落防止部材
S 釣糸
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【住所又は居所】東京都東久留米市前沢3丁目14番16号
【出願日】 平成17年3月9日(2005.3.9)
【代理人】 【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司

【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章

【識別番号】100101889
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 俊郎

【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義

【公開番号】 特開2006−246751(P2006−246751A)
【公開日】 平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願番号】 特願2005−66006(P2005−66006)