| 【発明の名称】 |
両軸受リールのワンウェイクラッチ |
| 【発明者】 |
【氏名】川▲崎▼ 憲一 【住所又は居所】大阪府堺市老松町3丁77番地 株式会社シマノ内
【氏名】生田 剛 【住所又は居所】大阪府堺市老松町3丁77番地 株式会社シマノ内
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| 【要約】 |
【課題】両軸受リールのワンウェイクラッチの付勢部材がラチェットホイールと相対移動することによる変形を抑える。
【解決手段】第2ワンウェイクラッチ63のラチェットホイール65は、外周部に周方向に間隔を隔てて複数の歯部65aが形成され、ラチェット爪66は、ラチェットホイールの歯部に先端が接触しハンドル軸31の糸繰り出し方向の回転を禁止する接触姿勢と、歯部から離反する離反姿勢とに揺動自在である。付勢部材67は、ラチェットホイールが糸巻取方向に回転したときラチェット爪を離反姿勢側に付勢し、糸繰り出し方向に回転したとき接触姿勢側に付勢する。爪支持部68は、ラチェットホイールを挟んで第2側カバー13bに着脱自在に装着された固定ブラケット75と、そこに装着されラチェット爪をラチェットホイール側から抜き差し自在かつ揺動自在に支持する揺動支持ピン76とを有している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 両軸受リールのリール本体に回転自在に装着されメインギアが装着されたハンドル軸の逆転を禁止する両軸受リールのワンウェイクラッチであって、 前記ハンドル軸の軸端部に前記メインギアと隙間を開けて並べて配置され外周部に周方向に間隔を隔てて複数の歯部が形成されたラチェットホイールと、 前記ラチェットホイールの外周側に配置され前記歯部に先端が接触する接触姿勢と前記歯部から離反する離反姿勢とに揺動自在であり、前記接触姿勢に配置されると前記ハンドル軸の糸繰り出し方向の回転を禁止するラチェット爪と、 前記ラチェット爪に設けられ、前記ラチェットホイールの両側面を弾性的に挟持し、摩擦により前記ラチェットホイールが糸巻取方向に回転したとき前記ラチェット爪を前記離反姿勢側に付勢し、糸繰り出し方向に回転したとき前記接触姿勢側に付勢する付勢部材と、 前記ラチェットホイールを挟んで前記リール本体に着脱自在に装着された固定ブラケットと、前記固定ブラケットに装着され前記ラチェット爪を前記ラチェットホイール側から抜き差し自在かつ揺動自在に支持する揺動支持ピンとを有する爪支持部と、 を備えた両軸受リールのワンウェイクラッチ。 【請求項2】 前記ハンドル軸の軸端にねじ込まれ前記ラチェットホイールを固定する固定ボルトをさらに備え、 前記固定ブラケットは、前記固定ボルトが露出するように形成されている、請求項1に記載の両軸受リールのワンウェイクラッチ。 【請求項3】 前記リール本体は、リング状の第1及び第2側板を有するフレームと、前記両側板の外方をそれぞれ覆う第1及び第2カバー部材とを有し、 前記ハンドル軸は、前記第2カバー部材に回転自在に片持ち支持され、前記固定ブラケットは、前記第2カバー部材の内側面に固定されている、請求項1又は2に記載の両軸受リールのワンウェイクラッチ。 【請求項4】 前記ラチェットホイールは、前記メインギアと周方向の複数箇所で連結手段により相対回転不能に連結されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のワンウェイクラッチ。 【請求項5】 前記固定ブラケットに装着され、前記ラチェット爪が前記離反姿勢側に揺動したときに前記ラチェット爪に接触して前記ラチェット爪をその位置に規制する規制ピンをさらに備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の両軸受リールのワンウェイクラッチ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ワンウェイクラッチ、特に、両軸受リールのリール本体に回転自在に装着されメインギアが装着されたハンドル軸の逆転を禁止するワンウェイクラッチに関する。 【背景技術】 【0002】 両軸受リールのドラグ装置には、一般に、ドラグ作動の際にスプールに連動可能な連動部材の糸繰り出し方向の回転を禁止するためのワンウェイクラッチが装着されている。たとえば、ハンドル軸の周りに設けられたスタードラグ形のドラグ装置の場合、ハンドル軸にワンウェイクラッチが装着されている。また、スプール軸の周りに設けられたレバードラグ形のドラグ装置の場合、スプール軸、ハンドル軸又はドラグディスクにワンウェイクラッチが設けられている。 【0003】 この種のレバードラグリールのドラグ装置に使用されるワンウェイクラッチには、一般に爪式のワンウェイクラッチが使用されている。爪式のワンウェイクラッチは、外周部に周方向に間隔を隔てて歯部が形成され、連動部材に回転不能に装着されたラチェットホイールと、ラチェットホイールの歯部に接触する接触姿勢と離反する離反姿勢との間で揺動自在にリール本体に装着されたラチェット爪と、ラチェット爪を接触姿勢側に付勢する付勢部材とを有している。ラチェット爪は、先端が揺動中心より糸巻取方向下流側に配置されている。 【0004】 このように構成された爪式のワンウェイクラッチでは、スプールの糸巻取方向の回転に連動してラチェットホイールが糸巻取方向に回転すると、ラチェット爪が歯部によって離反姿勢側に押圧される。しかし、歯部がラチェット爪を通過すると、付勢部材により接触姿勢側に付勢されラチェットホイールに接触する。このため、糸巻取方向にスプールが回転すると、ラチェット爪が振動した状態でラチェットホイールに接触し、断続したクリック音が発生する。このようなクリック音が発生すると、たとえば頻繁に巻取動作を繰り返すジギングなどの釣りを行うと、騒音が連続して不快なものになる。しかも、ラチェット爪がラチェットホイールに接触するために巻取時の回転抵抗も増加し、巻取効率も低下する。 【0005】 そこで、糸巻取時におけるクリック音をなくすために、ばねによる付勢に代えて摩擦によってラチェット爪を付勢する付勢部材を備えたものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。付勢部材は、C字状に折り曲げられた薄板部材で構成され、ラチェット爪にはめ込み固定されている。付勢部材の1対の先端は、ラチェットホイールの両側面に弾性的に接触してラチェットホイールを挟持している。このような摩擦による付勢部材を備えたワンウェイクラッチでは、ラチェットホイールが糸巻取方向に回転すると、摩擦によりラチェット爪は離反姿勢側に付勢され、糸繰り出し方向に回転すると摩擦により接触姿勢側に付勢される。このため、糸巻取時にクリック音が発生しなくなる。 【特許文献1】特開2001−207322号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 前記従来のワンウェイクラッチでは、ワンウェイクラッチの組立時やメンテナンスや部品の交換等のために分解する際などに、ハンドル軸に対してラチェット爪を軸方向に相対移動させるとき、ラチェットホイールがハンドル軸とともにラチェット爪に対して相対移動しようとすることがある。ラチェットホイールがハンドル軸とともにラチェット爪に対して相対移動してしまうと、ラチェットホイールを挟持している付勢部材が変形するおそれがある。 【0007】 付勢部材が変形すると、付勢部材とラチェットホイールとの間で摩擦力が発生しなくなり、ラチェット爪を正常に付勢できなくなる。この結果、ワンウェイクラッチが正常に動作しなくなる。 【0008】 本発明の課題は、ラチェットホイールとの摩擦によりラチェット爪を付勢する付勢部材を備えたワンウェイクラッチにおいて、付勢部材がラチェットホイールと相対移動することによる付勢部材の変形を抑えることにある。 【課題を解決するための手段】 【0009】 発明1に係る両軸受リールのワンウェイクラッチは、リール本体に回転自在に装着されメインギアが装着されたハンドル軸の逆転を禁止するワンウェイクラッチであって、ラチェットホイールと、ラチェット爪と、付勢部材と、爪支持部とを備えている。ラチェットホイールは、ハンドル軸の軸端部にメインギアと連動するように隙間を開けて並べて配置され外周部に周方向に間隔を隔てて複数の歯部が形成されたホイールである。ラチェット爪は、ラチェットホイールの外周側に配置され歯部に先端が接触する接触姿勢と歯部から離反する離反姿勢とに揺動自在であり、接触姿勢に配置されるとハンドル軸の糸繰り出し方向の回転を禁止するものである。付勢部材は、ラチェット爪に設けられ、ラチェットホイールの両側面を弾性的に挟持し、ラチェットホイールが糸巻取方向に回転したときラチェット爪を離反姿勢側に付勢し、糸繰り出し方向に回転したとき接触姿勢側に付勢する部材である。爪支持部は、ラチェットホイールを挟んでリール本体に着脱自在に装着された固定ブラケットと、固定ブラケットに装着されラチェット爪をラチェットホイール側から抜き差し自在かつ揺動自在に支持する揺動支持ピンとを有している。 【0010】 このワンウェイクラッチでは、ラチェット爪及びラチェットホイールの組立の際には、ラチェットホイールの両側面を付勢部材で挟持した状態でラチェット爪を糸繰り出し方向の逆転を阻止できる姿勢でラチェットホイールに取り付け、ラチェットホイールをメインギアと並べてハンドル軸に装着する。ラチェットホイールをハンドル軸に装着すると、揺動支持ピンが装着された固定ブラケットをラチェットホイール側に接近させてリール本体に装着する。このとき、揺動支持ピンがラチェット爪を支持できるようにする。揺動支持ピンは、ラチェットホイール側から抜き差し自在であるため、ラチェット爪をラチェットホイールに装着した状態で固定ブラケットをリール本体に接近させても付勢部材とラチェットホイールとが軸方向に移動しない。このため、付勢部材の変形を抑えることができる。ここでは、揺動支持ピンがラチェットホイールを挟んで配置される固定ブラケットに装着されかつラチェットホイール側から抜き差し自在にラチェット爪を支持しているので、組立時にラチェット爪に装着された付勢部材がラチェットホイールを挟持している状態で揺動支持ピンをラチェットホイールに接近する方向に移動させ、ラチェット爪がラチェットホイールに対して相対移動しようとしても、付勢部材が装着されたラチェット爪はラチェットホイールともに静止した状態になる。このため、付勢部材がラチェットホイールにより変形されなくなり、付勢部材の変形を抑えることができる。 【0011】 発明2に係る両軸受リールのワンウェイクラッチは、発明1に記載のクラッチにおいて、ハンドル軸の軸端にねじ込まれラチェットホイールを固定する固定ボルトをさらに備え、固定ブラケットは、固定ボルトが露出するように形成されている。この場合には、固定ボルトが露出するように固定ブラケットが形成されているので、固定ブラケットを装着した後に固定ボルトを締めることができる。このため、固定ブラケットをリール本体に固定してから固定ボルトでラチェットホイールをハンドル軸に固定できる。したがって、組立時に付勢部材とともにラチェットホイールのハンドル軸方向の移動が許容され、付勢部材の変形をさらに抑えることができる。 【0012】 発明3に係る両軸受リールのワンウェイクラッチは、発明1又は2に記載のクラッチにおいて、リール本体は、リング状の第1及び第2側板を有するリールフレームと、両側板の外方をそれぞれ覆う第1及び第2カバー部材とを有し、ハンドル軸は、第2カバー部材に回転自在に片持ち支持され、固定ブラケットは、第2カバー部材の内側面に固定されている。この場合には、ハンドル軸が第2カバー部材に片持ち支持され、支持されていない軸端側に固定ブラケットが配置されるので、軸端側にラチェットホイールを配置してもラチェット爪を固定ブラケットにより容易に支持できる。 【0013】 発明4に係る両軸受リールのワンウェイクラッチは、発明1から3のいずれかに記載のクラッチにおいて、ラチェットホイールは、メインギアと周方向の複数箇所で連結手段により相対回転不能に連結されている。この場合には、ラチェットホイールを介してハンドル軸の回転をメインギアに伝達できるので、メインギアをハンドル軸に対して回転不能に連結する必要がなくなり、メインギア及びハンドル軸の加工が容易になる。 【0014】 発明5に係る両軸受リールのワンウェイクラッチは、発明1から4のいずれかに記載のクラッチにおいて、固定ブラケットに装着され、ラチェット爪が離反姿勢側に揺動したときにラチェット爪に接触してラチェット爪をその位置に規制する規制ピンをさらに備える。この場合には、ラチェット爪の離反位置を規制ピンで規制することにより、ラチェットホイールから付勢部材が外れなくなる。 【発明の効果】 【0015】 本発明によれば、揺動支持ピンがラチェットホイールを挟んで配置される固定ブラケットに装着されかつラチェットホイール側から抜き差し自在にラチェット爪を支持しているので、組立時にラチェット爪に装着された付勢部材がラチェットホイールを挟持している状態で揺動支持ピンをラチェットホイールに接近する方向に移動させ、ラチェット爪がラチェットホイールに対して相対移動しようとしても、付勢部材が装着されたラチェット爪はラチェットホイールに対して静止した状態になる。このため、付勢部材がラチェットホイールにより変形されなくなり、付勢部材の変形を抑えることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 本発明の一実施形態による両軸受リールは、図1及び図2に示すように、中型のレバードラグ型のものであり、リール本体1と、リール本体1の側方に揺動自在に配置されたドラグ操作部材2と、ドラグ操作部材2の下方でリール本体1に回転自在に支持されたハンドル3と、リール本体1の内部に配置されたスプール4とを備えている。 【0017】 <リール本体の構成> リール本体1は、フレーム10と、フレーム10を両側方を覆う第1及び第2側カバー13a,13bとを有している。フレーム10は、左右1対の第1及び第2側板11a,11bと、第1及び第2側板11a,11bを連結する複数の連結部12とを有している。第1及び第2側板11a,11bは側面視略円形の部材であり、第2側板11bの径は第1側板11aの径より大径になるように形成されている。たとえば第2側板11bの径は、第1側板11aの径の110%以上140%以下の範囲であり、この実施形態では第1側板11aの径の110%〜120%となっている。複数の連結部12は、第1及び第2側板11a,11bと一体成形されており、下側の連結部12は、図1及び図2に示すように、リールを釣り竿RDに装着するための前後に長い金属製の竿装着脚部7が固定されている。 【0018】 竿装着脚部7には、釣り竿RDを挟むロッドクランプ8が対向して配置されている。ロッドクランプ8は、円弧部8aと円弧部8aの両側から延びる1対の取付部8b,8bとを有する金属製のものである。ロッドクランプ8は、釣り竿RDを挟んだ状態で、第1及び第2締結具9a,9bにより下側の連結部12に固定されている第1及び第2締結部9a,9bは、取付部8b,8bに装着される第1及び第2締結ボルト9c,9eと、第1及び第2締結ボルト9c,9eがそれぞれ螺合し連結部12にねじ込まれる第1及び第2締結ナット9d,9fとを有している。この実施形態では、第2側板11bが第1側板11aに比べて大径であるので、その分連結部12の第2側板11bとの連結部分が第1側板11aとの連結部分より釣り竿RD側に下がっており、連結部12からロッドクランプ9の取付部8bまでの距離が第2側板11b側が短い。このため、第1側板11a側の第1締結部9aに比べて第2側板11b側の第2締結部9bの長さが短くなっている。具体的には、締結ボルト9c,9eの長さを同じであるが、締結ナット9d,9fの長さが、第2側板11bの締結ナット9fが第1側板11a側の締結ナット9dより短い。 【0019】 第1側カバー13aは、図1及び図2に示すように、第1側板11aの側方に装着される側面視略円形の部材である。第2側カバー13bは、第2側板11bの側方に装着される円筒部14と、円筒部14の軸方向外方(図2右側)に突出する膨出部15とを有している。第1側カバー13a及び円筒部14は、それぞれ第1及び第2側板11a,11bと略同径の側面視略円形の部材であり、第2側カバー13bの径は第1側カバー13aの径より大径になるように形成されている。たとえば円筒部14の径は、第1側カバー13aの径の110%以上140%以下の範囲であり、本実施形態では第1側カバー13aの径の110%〜120%となっている。 【0020】 円筒部14は、図1及び図2に示すように、第2側板11bの側方に装着される側面視略円形の筒状部材である。膨出部15は、円筒部14と一体成形され、内部に円筒部14と連通する空間を有するように軸方向外方(図2右側)に突出して形成されている。膨出部15は、小円弧部と大円弧部とを有する側面視略雨滴形状の部材であり、下部の大円弧部が円筒部14より下方に突出するように形成されている。膨出部15には、ドラグ操作部材2及びハンドル3が外方に露出するように装着されている。 【0021】 膨出部15のドラグ操作部材2の下方には、図1及び図2に示すように、ハンドル3装着用の突出筒16が外方に突出して形成されている。突出筒16の内部には、図2に示すように、スプール4の回転軸であるスプール軸5に平行に筒状のハンドル軸31が配置されている。ハンドル軸31は、図2に示すように、突出筒16の両端に配置された2つの軸受32、33により突出筒16に回転自在に片持ち支持されており、一方の軸端は軸受32より内側に突出して配置されている。ハンドル軸31の軸受32側の突出部には、メインギア60が回転自在に装着されている。メインギア60の円板部には、1対の回転伝達孔60aが形成されている。メインギア60は、ワッシャ59を介して軸受32に接触している。ハンドル軸31の他方の軸端には、ハンドル3が回転不能に装着されている。 【0022】 軸受32、33の間にはローラ型の第1ワンウェイクラッチ62が配置されている。第1ワンウェイクラッチ62は、ハンドル軸31の糸巻き取り方向の正転だけを許容し糸繰り出し方向の逆転を禁止する。また、ハンドル軸31の一方の軸端には、本発明の一実施形態による爪式の第2ワンウェイクラッチ63が配置されている。第2ワンウェイクラッチ63もハンドル軸31の逆転を禁止するものである。これらの第1及び第2ワンウェイクラッチ62,63は、主にスプール4の糸繰り出し方向の回転を制動する後述するドラグ機構6を動作させるために使用される。ハンドル軸31の軸受32側の軸端部31bには、断面がたとえば矩形などの非円形に形成された回転係止部31aが形成されている。 【0023】 <第2ワンウェイクラッチの構成> 第2ワンウェイクラッチ63は、図3〜図6に示すように、ハンドル軸31の回転係止部31aにメインギア60と連動するように隙間を開けて並べて配置されたラチェットホイール65と、ラチェットホイールの外周側には位置されたラチェット爪66と、ラチェット爪を付勢する付勢部材67と、ラチェット爪66を揺動自在に支持する爪支持部68と、ラチェットホイール65をハンドル軸31に固定する固定ボルト69とを有している。 【0024】 ラチェットホイール65は、外周部に周方向に間隔を隔てて複数の鋸歯状の歯部65aが形成された部材である。ラチェットホイール65は、メインギア60より小径の略円板状の部材であり、中心部にハンドル軸31の回転係止部31aに係合する矩形の装着孔65bが形成されている。また、円板部には、両側面を貫通する1対の回転伝達孔65cがメインギア60の回転伝達孔60aに対向可能な位置に形成されている。この両回転伝達孔60a,65cを連結する連結ピン70がメインギア60とラチェットホイール65との間に配置され、両回転伝達孔60a,65cに挿入されている。このような構成により、ラチェットホイール65の回転、すなわちハンドル軸31の回転が連結ピン70を介してメインギア60に伝達される。固定ボルト69は、ハンドル軸31の軸端部31bにねじ込まれており、ラチェットホイール65は、固定ボルト69によりハンドル軸31に固定されている。この固定ボルト69は、ラチェットホイール65を介してメインギア60を押圧し、メインギア60は、ワッシャ59を介して軸受32の内輪に接触している。このため、メインギア60も固定ボルト69により位置決め固定されている。 【0025】 ラチェット爪66は、図5に示すように、歯部65aに接触する実線で示す接触姿勢と歯部65aから離反する二点鎖線で示す離反姿勢とに爪支持部68に揺動自在に装着されている。ラチェット爪66が接触姿勢に配置されると、ハンドル軸31の糸繰り出し方向の回転が禁止される。したがって、スプール4が糸繰り出し方向に回転と、後述するドラグ機構6が作動する。ラチェット爪66は、後述する揺動支持ピン76が嵌合する支持孔66aを有している。ラチェット爪66の先端66bは、支持孔66aよりラチェットホイール65の糸巻取方向Rの下流側に配置されている。ラチェット爪66は、メインギア60によりメインギア60側への軸方向の移動及びたわみが規制されている。 【0026】 付勢部材67は、C字状に折り曲げられた弾性を有する金属製の板状部材であり、ラチェット爪66の中間部にはめ込まれ、たとえばカシメピン73により固定されている。付勢部材67の1対の先端67aは、図6に示すように、ラチェットホイール65の両側面に弾性的に接触してラチェットホイール65を挟持している。爪支持部68のラチェット爪66の離反姿勢側には、付勢部材67がラチェットホイール65から外れないように揺動範囲を規制するための規制ピン71が立設されている。この付勢部材67は、ラチェットホイール65が糸巻取方向Rに回転すると、ラチェットホイール65との摩擦によりラチェット爪66を離反姿勢側に付勢する。離反姿勢側に付勢されたラチェット爪66は、規制ピン71に当接して図5に二点鎖線で示す離反姿勢に維持される。これにより、糸巻取時にラチェット爪66がラチェットホイール65の歯部65aに接触しなくなり、騒音を抑えることができる。しかも、回転抵抗の増加を抑え、スプール4の巻取効率の低下を抑えることもできる。また、ラチェットホイール65が逆に糸繰り出し方向に回転すると、ラチェットホイール65との摩擦によりラチェット爪66を接触姿勢側に付勢する。これにより、ハンドル軸31の糸繰り出し方向の回転を禁止できる。 【0027】 爪支持部68は、ラチェットホイール65を挟んで第2側カバー13bの膨出部15の内側面にたとえば、ねじ部材77により固定された固定ブラケット75と、固定ブラケット75に装着されラチェット爪66をラチェットホイール65側から抜き差し自在かつ揺動自在に支持する揺動支持ピン76とを有している。固定ブラケット75は、固定ボルト69の頭部69aを露出させるために、三日月形に形成されている。これより、固定ブラケット75を膨出部15に固定した後に固定ボルト69を締め付けることができる。固定ブラケット75には、揺動支持ピン76をカシメ固定するための第1固定孔75aと、規制ピン71をカシメ固定するための第2固定孔75bとが形成されている。また、ラチェット爪66の固定ブラケット75側へのたわみを防止するためのたわみ防止突起75cがラチェット爪66に向けて突出して形成されている。揺動支持ピン76は中央部が大径の鍔付きの軸部材であり、先端にラチェット爪66が揺動自在かつラチェットホイール65側に抜き差し自在に装着されている。 【0028】 このように構成された第2ワンウェイクラッチ63では、揺動支持ピン76がラチェットホイール65を挟んで配置される固定ブラケット75に装着されかつラチェットホイール65側から抜き差し自在にラチェット爪66を支持しているので、組立時にラチェット爪66に装着された付勢部材67がラチェットホイール65を挟持している状態で揺動支持ピン76をラチェットホイール65に接近する方向に移動させ、ラチェット爪66がラチェットホイール65に対して相対移動しようとしても、付勢部材67が装着されたラチェット爪66はラチェットホイール65ともに静止した状態になる。このため、付勢部材67がラチェットホイール65により変形されなくなり、付勢部材67の変形を抑えることができる。 【0029】 ハンドル3は、図2に示すように、ハンドル軸31の他方の端部に固定されている。ハンドル3は、ハンドル軸31の先端に固定されたハンドルアーム40と、ハンドルアーム40の先端に回動自在に支持されたハンドル把手41とを備えている。ハンドルアーム40は、ねじ部材42によりハンドル軸31の先端にハンドル軸31相対回転不能に固定されている。ハンドル把手41は、力を入れて握りやすくするために、外形が丸みを帯びた略T字形状になるように形成されている。 【0030】 <スプールの構成> スプール4は、図2に示すように、筒状の糸巻胴部4aと、糸巻胴部4aの両側に形成され糸巻胴部4aより大径の第1フランジ部4b及び第2フランジ部4cとを有している。スプール4は軸受20a、20bによりスプール軸5に回転自在に支持されている。また、スプール4のハンドル3側には、スプール4の糸繰り出し方向の回転を制動するドラグ機構6が設けられている。また、スプール4の第1側カバー13a側には、スプール4を制動する遠心制動機構18が設けられている。また、スプール4と第1側カバー13aとの間にはスプール発音機構19が設けられている。スプール発音機構19はスプール4の回転に応じて発音する発音状態と発音しない無音状態とに切り換え可能である。 【0031】 第2フランジ部4cは、図2に示すように、第1フランジ部4bより大径となるように形成されている。第2フランジ部4cは、図5に拡大して示すように、糸巻胴部4a側がドラグ機構6を構成する後述する第1制動部材25より小径となるように形成された円筒状の小径部4dと、最外周側が第1制動部材25より大径となるように形成された円筒状の大径部4eとを有している。小径部4dは、大径部4eより小径になるように大径部4eと一体成形され、大径部4eと糸巻胴部4aの端部との間に段差を生成するように設けられている。ここでは、糸巻胴部4aの外周に釣り糸を巻き付けていくが、小径部4dの段差により小径部4dの最外径まで釣り糸を巻き付けることが可能である。また、第2側板11bは、大径部4eと小径部4dとの間を覆うように配置されており、その先端部は小径部4dに近接するように径方向内方に延びている。このため、小径部4dより外周に釣り糸が巻き付けられるのを防止できるとともに、釣り糸が軸方向外方へ移動するのを規制できる。 【0032】 小径部4dの径は、図2に示すように、第1フランジ部4bの径と略同径になるように形成されている。大径部4eの径は、小径部4dの径の110%以上140%以下の範囲であり、本実施形態では小径部4dの径の120%〜130%となっている。また、大径部4eの径は、第1側板11a及び第1側カバー13aの径と略同径になるように形成されている。また、第1制動部材25の径は、小径部4dの径の90%以上の範囲であり、本実施形態では小径部4dの径の130%〜140%となっている。また、糸巻胴部4aの外径は、小径部4dの径の30%〜40%となっている。 【0033】 <ドラグ機構の構成> ドラグ機構6は、図2に示すように、スプール軸5に装着されたスプール4の糸繰り出し方向への回転に加えられる制動力を変更、調整するためのものである。ドラグ機構6は、図7に示すように、ドラグ操作部材2と、ドラグ操作部材2の内周部に設けられた第1カム部材21と、第1カム部材21に接触して配置された第2カム部材22と、第2カム部材22に相対回転可能に装着されスプール軸5を外方(図7右側)に引っ張るドラグ調整部材27と、ドラグ調整部材27を第2カム部材22に対して軸方向に抜け止めする抜け止め部材23と、スプール4を軸方向内方に付勢するたとえば4枚の皿ばねからなる第1付勢部材24a(図2参照)及びコイルばねからなる第2付勢部材24bと、ドラグ調整部材27を軸方向外方(図2右側)に付勢するコイルばねからなる第3付勢部材24cと、スプール4の軸方向外方(図7右側)に固定された第1制動部材25と、第1制動部材25が接触可能に配置された第2制動部材26とを有している。なお、図2では、スプール軸5の上半分が最大ドラグ作動時の軸方向位置を示し、下半分がドラグ力減少位置を示している。 【0034】 ドラグ操作部材2は、図7に示すように、中心部に形成されたボス部2aが第2側カバー13bに回転自在に支持され、そこから径方向外方に延びるレバー部2bが第2側カバー13bに周方向の複数箇所で係止されるように構成されている。また、図8に示すように、ボス部2aの内周部には、第1カム部材21を装着するための取付部材2cが相対回転不能に固定されている。 【0035】 第1カム部材21は、図8に示すように、ドラグ操作部材2の取付部材2cの複数箇所に固定された棒状のカムピンである。第2カム部材22は、第1カム部材21に接触して配置され、第1カム部材21の揺動に応じて軸方向に移動可能かつスプール軸5に対して回転不能な筒状部材である。第2カム部材22は、第1カム部材21との接触面が傾斜する傾斜面22aを有する傾斜カムである。第2カム部材22の内周部は、第2側カバー13bのスプール軸5貫通部分にカシメ固定されたガイド部材17に回転不能かつ軸方向移動自在に装着されている。ガイド部材17は、図9に示すように、外周部にたとえば正6角形の辺となる6つの平面部17aと平面部17aを結ぶ円弧部17bとが形成されている。第2カム部材22は、図10に示すように、内周部にガイド部材17の平面部17a及び円弧部17bに係合する六角孔22bと、六角孔22bに隣接して形成され円弧部17bを結ぶ円17cに嵌合する円形孔22cとを有している。六角孔2cは、たとえば、プレス成形により形成されているため、精度を考慮するとあまり熱い厚み(軸方向長さ)に形成できない。このような厚みが薄い六角孔22dだけでガイド部材17に回転不能かつ軸方向移動自在に装着すると軸方向長さが短いため第2カム部材22ががたつくおそれがある。そこで、ガイド部材17に円弧部17bを形成するとともに六角孔22bに隣接して円形孔22cを形成し、円形孔22cとガイド部材17の円弧部17bとの嵌合により第2カム部材22のがたつきを抑えている。 【0036】 第2カム部材22は、ドラグ操作部材2の図2反時計回りの揺動により図8上側の軸方向左側に移動しドラグ力が弱くなる。また、ドラグ操作部材2を図2時計回りに揺動させると図8下側の軸方向右側に移動しドラグ力が強くなる。 【0037】 第2カム部材22は、抜け止め部材23により、ドラグ調整部材27に対して軸方向に抜け止めされている。抜け止め部材23は、たとえば弾性を有する合成樹脂製のC形止め輪である。抜け止め部材23は、第2カム部材22の外周面とドラグ調整部材27の内周面とに接触するように配置され、C形止め輪が外方に広がろうとする力により両部材の軸方向の移動を規制している。 【0038】 ドラグ調整部材27は、図8に示すように、有底筒状のキャップ部材であり、ドラグ力を初期設定するための調整部材である。ドラグ調整部材27は、第2カム部材22に相対回転可能に装着され、第2側カバー13bから外方に突出したスプール軸5の端部が螺合し、螺合方向の回転によってスプール軸5を軸方向外方(図8右側)に引っ張る部材である。ドラグ調整部材27の内周部には、雌ねじ部27aが形成されており、スプール軸5の端部に形成された雄ねじ部5aが螺合している。ドラグ調整部材27の内周部と、第2カム部材22内周部の軸方向端面との間には、コイルばねからなる第3付勢部材24cが装着されており、ドラグ調整部材27を常に外方に付勢している。これにより、第2カム部材22のがたつきを防止できる。ドラグ調整部材27の先端部外周部には、他の部分より凹んだ段差部27bが周方向に沿って溝状に形成されている。ドラグ調整部材27を着脱するときに段差部27bを摘んで軸方向外方(図8右側)に引っ張ることにより、ドラグ調整部材27の着脱が容易になる。 【0039】 ドラグ調整部材27は、反時計回りの回動により図8上側の軸方向左側に少しだけ移動しドラグ力が僅かに弱くなる。また、ドラグ調整部材27を時計回りに回動させると図8下側の軸方向右側に少しだけ移動しドラグ力が僅かに強くなる。 【0040】 スプール軸5は、図2に示すように、リール本体1に軸方向移動可能かつ相対回転不能に支持された軸部材である。スプール軸5の外周には、スプール4を回転自在に装着するための軸受20a、20bと、後述する第2制動部材26を回転可能に支持するための軸受20cが装着されている。軸受20a、20bの間のスプール軸5外周には、図2及び図7に示すように、スプール4を軸方向内方(図2左側)に付勢するコイルばねからなる第2付勢部材24bが装着されている。また、軸受20aの軸方向内方(図2左側)のスプール軸5外周には、図2に示すように、スプール4を軸方向内方(図2左側)に付勢する皿ばねからなる第1付勢部材24aが装着されている。第1付勢部材24aは、第2付勢部材24bに比して付勢力が強くなっている。このため、スプール軸5が軸方向に移動すると、まず第1付勢部材24aが作用し、次に第2付勢部材24bが作用するようになっている。 【0041】 また、第2側カバー13bの内周部には軸受20dが装着されており、スプール軸5外周に装着されたピニオンギア61の外周部を支持している。ピニオンギア61は、図2に示すように、ハンドル軸31に固定されたメインギア60と噛み合っている。ピニオンギア61の先端部は後述する第2制動部材26の内周側に固定されている。この結果、ハンドル3からの回転はメインギア60、ピニオンギア61、第2制動部材26を介して第1制動部材25に伝達され、第1制動部材25からスプール4に伝達され、スプール4が回転する。 【0042】 第1制動部材25は、図2及び図7に示すように、第2側板11bの内部において、スプール4の軸方向外方(図2右側)に固定される環状部材である。第1制動部材25は、スプール4の糸巻き可能径である第2フランジ部4cの小径部4dより大径になるように形成されている。第1制動部材25は、スプール4の端面に複数のねじ部材51により固定されている。第1制動部材25は、たとえばカーボン繊維の織布にフェノール樹脂等の耐熱樹脂を含浸させた繊維強化樹脂等の耐熱合成樹脂製である。 【0043】 第2制動部材26は、図11に拡大して示すように、第1制動部材25が圧接可能に配置されるドーナツ状の摺動ディスク26aと、スプール軸5に軸方向移動不能かつ回転自在に装着された本体部材26bとを有している。摺動ディスク26aは、たとえばステンレス等の耐熱耐食金属製である。摺動ディスク26aは、第1制動部材25よりやや小径であり、複数のねじ部材52により本体部材26bに固定されている。本体部材26bは、ボス部26cを有する円板状の部材であり、スプール軸5に軸受20cにより回転自在に支持されている。本体部材26bは、ボス部26cでピニオンギア61に内周面で噛み合っている。また、本体部材26bは、ピニオンギア61、軸受20dを介して、リール本体1により軸方向外方(図2右側)への移動が規制されている。 【0044】 第1及び第2制動部材25,26の外方は、カバー円板28により覆われている。カバー円板28の外周部は、第2フランジ部4cの大径部4eの軸方向外方(図2右側)の先端部に固定されている。カバー円板28は、第2フランジ部4cの大径部4eの先端部にねじ部材53により固定されている。また、カバー円板28とボス部26cの外周部にはリップ29aを有するシール部材29が配置され、カバー円板28の内部が封止されている。リップ29aは、図7に示すドラグフリー状態のときには、カバー円板28に接触せず、図11に示すように、ドラグ操作部材2の操作により第1制動部材25と第2制動部材26とが接触するとカバー円板28に接触して内部をシールするように構成されている。これにより、ドラグフリー時のスプール4の回転抵抗を減少させることができる。 【0045】 遠心制動機構18は、図12に示すように、いわゆるバックラッシュと呼ばれるスプール4の過回転により生じるスプール4上での糸ふけを防止するために設けられている。遠心制動機構18は、スプール4のフランジ部4bの外側面に固定された回転架台78と、回転架台78に放射状に立設された、たとえば4本のガイド軸79と、ガイド軸79に径方向移動自在に装着された、たとえば4つの摺動子80と、第1側カバー13aの内側面に固定された筒状のブレーキライナー81とを有している。回転架台78は、フランジ部4bの外側面に印ろう結合により芯出しされた状態でスプール4と同芯に配置され、ねじ部材82により固定されている。回転架台78は、第1付勢部材24aの周囲に配置される第1筒部78aと、第1筒部78aの外周面に一体形成された円板部78bと、円板部78bの外周部に一体形成された第2筒部78cとを有している。この円板部78bがスプール4のフランジ部4bの外側面に固定されている。第2筒部78cには、ガイド軸79が挿入される4つの挿入孔78dが形成されている。 【0046】 ガイド軸79は、基端に大径の鍔部79aを有する軸部材であり、第2筒部78cの内周面から挿入孔78dに装着されている。このガイド軸79は、回転架台78を固定するためのねじ部材82の頭部82aにより抜け止めされている。具体的には、ねじ部材82の頭部82aが鍔部79aに接触して挿入孔78dから抜け出ないように止められている。 【0047】 摺動子80は、スプール4の回転時に遠心力により環状のブレーキライナー81の内周 面に接触してスプール4を制動するものである。 【0048】 このように構成された両軸受リールにおいて、第2ワンウェイクラッチ63を組み立てる際には、ハンドル軸31に装着されたメインギア60の回転伝達孔60aに2本の連結ピン70を装着する。そして、ラチェットホイール65をハンドル軸31の軸端の回転係止部31aに取り付ける。このとき、回転伝達孔65cに連結ピン70を挿入するように回転係止部31aに取り付ける。これにより、ラチェットホイール65とメインギア60とが回転不能に連結される。ラチェットホイール65を取り付けると、ラチェット爪66に固定された付勢部材67をラチェットホイール65の外周面を挟み込むように装着する。この状態で、揺動支持ピン76が固定された固定ブラケット75をねじ部材77により膨出部15の内側面に固定する。このとき、揺動支持ピン76をラチェット爪66の支持孔66aに挿入する。この揺動支持ピン76は、ラチェットホイール側に抜き差し自在にラチェット爪66を装着可能であるので、固定ブラケット75を固定するときにラチェットホイール65が軸方向に移動しても、それに追随してラチェット爪66が移動し、付勢部材67が変形しなくなる。固定ブラケット75を固定すると、最後に固定ボルト69をハンドル軸31の軸端にねじ込み、ラチェットホイール65を固定する。これにより、メインギア60がラチェットホイール65により押圧されて軸方向に位置決め固定される。 【0049】 また、第2ワンウェイクラッチ63を分解する際には、上記の組立作業と逆の手順で作業を行う。 【0050】 まず、第2側カバー13bをフレーム10から外した状態でねじ部材77を緩めて固定ブラケット75を外す。このとき、揺動支持ピン76が軸方向に移動しても、前述した理由により付勢部材67はラチェットホイール65に対して静止した状態になり、付勢部材67が変形しない。固定ブラケット75を外すと揺動支持ピン76もラチェット爪66から外れる。そして、固定ボルト69を外してラチェットホイール65の固定を解除する。次に、ラチェット爪66をラチェットホイール65から外し、さらに、ラチェットホイール65をハンドル軸31から外すと、第2ワンウェイクラッチ63の分解を完了する。この分解作業の際には、付勢部材67に無理な力が作用せず付勢部材67が変形することがない。 【0051】 なお、この実施形態では、固定ブラケット75を装着した状態で固定ボルト69の頭部69aが露出するようにしたので、固定ブラケット75を外すことなく固定ボルト69を緩めることができる。このため、第2ワンウェイクラッチ63の分解の際には、固定ブラケット75とラチェットホイール65とを別々に取り外すのではなく、ねじ部材77を外した後に固定ブラケット75とともにラチェットホイール65も取り外してもよい。この場合、揺動支持ピン76とラチェット爪76との相対移動が生じなくなるので、付勢部材がさらに変形しなくなる。 【0052】 ここでは、揺動支持ピン76がラチェットホイール65を挟んで配置される固定ブラケット75に装着されかつラチェットホイール65側から抜き差し自在にラチェット爪66を支持しているので、組立時にラチェット爪66に装着された付勢部材67がラチェットホイール65を挟持している状態で揺動支持ピン76をラチェットホイール65に接近する方向に移動させ、ラチェット爪66がラチェットホイール65に対して相対移動しようとしても、付勢部材67が装着されたラチェット爪66はラチェットホイール65に対して静止した状態になる。このため、付勢部材67がラチェットホイール65により変形されなくなり、付勢部材の変形を抑えることができる。 【0053】 〔他の実施形態〕 (a)前記実施形態では、中型のレバードラグ型の両軸受リールに本発明を採用したが、両軸受リールのハンドル軸の軸端にラチェットホイールが装着される全てのワンウェイクラッチに本発明を適用できる。たとえば、スタードラグ機構に採用される爪式のワンウェイクラッチにも本発明を適用できる。 【0054】 (b)前記実施形態では、固定ブラケット75を固定ボルト69の頭部69aを露出するように形成したが、頭部69aを露出させなくてもよい。ただし、この場合、前述したように組立及び分解時に固定ブラケット75とラチェットホイール65とを同時に組立・分解することはできない。 【0055】 (c)前記実施形態では、ラチェットホイール65とメインギア60とを連結ピンで連結したが、連結せずにメインギア60をハンドル軸に回転不能に装着してもよい。また、連結した場合、ラチェットホイール65をハンドル軸31に回転自在に装着し、メインギア60から回転が伝達されるように構成してもよい。 【図面の簡単な説明】 【0056】 【図1】本発明の一実施形態による両軸受リールの斜視図。 【図2】前記両軸受リールの断面図。 【図3】第2ワンウェイクラッチの拡大断面図。 【図4】第2ワンウェイクラッチの分解斜視図。 【図5】第2ワンウェイクラッチの正面図。 【図6】図5のVI−VI断面図。 【図7】ドラグ機構の拡大断面図。 【図8】ドラグ調整部材周辺の拡大断面図。 【図9】ガイド部材の正面図。 【図10】第2カム部材の半截断面図。 【図11】第1制動部材周辺の拡大断面図。 【図12】遠心制動機構の構成を示す拡大断面図。 【符号の説明】 【0057】 1 リール本体 13b 第2側カバー 15 膨出部 31 ハンドル軸 60 メインギア 63 第2ワンウェイクラッチ 65 ラチェットホイール 66 ラチェット爪 67 付勢部材 68 爪支持部 69 固定ボルト 70 連結ピン 71 規制ピン 75 固定ブラケット 76 揺動支持ピン
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002439 【氏名又は名称】株式会社シマノ 【住所又は居所】大阪府堺市堺区老松町3丁77番地
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| 【出願日】 |
平成16年12月27日(2004.12.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094145 【弁理士】 【氏名又は名称】小野 由己男
【識別番号】100111187 【弁理士】 【氏名又は名称】加藤 秀忠
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| 【公開番号】 |
特開2006−180777(P2006−180777A) |
| 【公開日】 |
平成18年7月13日(2006.7.13) |
| 【出願番号】 |
特願2004−377732(P2004−377732) |
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