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【発明の名称】 ペット用衣服
【発明者】 【氏名】原田 真
【住所又は居所】神奈川県横浜市港北区新羽町284 リヴェエール・ボーII306 株式会社ラディック内

【要約】 【課題】体温の上昇を有効に抑制することのできるペット用衣服を提供する。

【解決手段】犬1の胸部から背中の前部にかけて着脱自在に装着される第一の衣服2と、犬1の背中の後部に着脱自在に装着される第二の衣服10と、犬1の腹部に着脱自在に装着される第三の衣服20とを備える。これらの第一、第二、第三の衣服2・10・20を、犬1の体に接触する柔軟な下地層と、この下地層の表面を覆う柔軟な表面層31と、下地層と表面層31との間に介在するPVAスポンジとからそれぞれ構成する。第一、第二、第三の衣服2・10・20に内蔵されたPVAスポンジが水分を吸収して優れた保水性や冷却性を発揮するので、容易に熱放散して犬1の体温上昇を有効に防ぐことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットに衣服を着脱自在に着けるペット用衣服であって、衣服は、ペットに接触する下地層と、この下地層の表面を覆う表面層と、これら下地層と表面層との間に介在され、液体を吸収して冷却機能を発揮する冷却層とを含んでなることを特徴とするペット用衣服。
【請求項2】
衣服を、ペットの胸部から背中の前部にかけて装着される第一の衣服と、ペットの背中の後部に装着される第二の衣服と、ペットの腹部に装着される第三の衣服とした請求項1記載のペット用衣服。
【請求項3】
衣服を、ペットの胸部を覆う第一の被覆部と、この第一の被覆部に形成されてペットの背中を覆う第二の被覆部と、これら第一、第二の被覆部の間に形成されてペットの首に嵌まる貫通口と、第一、第二の被覆部にそれぞれ設けられる複数の粘着体とから構成した請求項1又は2記載のペット用衣服。
【請求項4】
冷却層を、ポリビニルアルコールを原料とした多孔質体、冷却機能を有するポリマー、及び又はフェルトを含む弾性吸水体とした請求項1、2、又は3記載のペット用衣服。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、犬や猫等からなるペットの体温を下げることのできるペット用衣服に関するものである
【背景技術】
【0002】
近年、愛らしいペット用の用品、具体的には、犬用品が盛んに製造・販売されている(特許文献1参照)が、この犬は、人間とは異なり、鼻付近と足の裏(肉球部分)等にしか汗腺がないという特徴がある。
【特許文献1】特開平11‐46613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
犬は、以上のように鼻付近と足の裏等にしか汗腺がなく、熱放散できずに体温の上昇を招きやすいので、気温の高い時期やアスファルトの輻射熱等が強い場合には、容易に脱水状態となり、頭痛や目まいを起こしやすいという大きな問題がある。特に、最近ペットして多く飼われている洋犬は、体毛が長いので、寒さには強いものの、暑さや湿度にはきわめて弱く、問題である。
【0004】
本発明は上記に鑑みなされたもので、体温の上昇を抑制することのできるペット用衣服を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明においては上記課題を解決するため、ペットに衣服を着脱自在に着けるものであって、
衣服は、ペットに接触する下地層と、この下地層の表面を覆う表面層と、これら下地層と表面層との間に介在され、液体を吸収して冷却機能を発揮する冷却層とを含んでなることを特徴としている。
【0006】
なお、衣服を、ペットの胸部から背中の前部にかけて装着される第一の衣服と、ペットの背中の後部に装着される第二の衣服と、ペットの腹部に装着される第三の衣服とすることができる。
また、衣服を、ペットの胸部を覆う第一の被覆部と、この第一の被覆部に形成されてペットの背中を覆う第二の被覆部と、これら第一、第二の被覆部の間に形成されてペットの首に嵌まる貫通口と、第一、第二の被覆部にそれぞれ設けられる複数の粘着体とから構成することができる。
【0007】
また、冷却層を、ポリビニルアルコールを原料とした多孔質体、冷却機能を有するポリマー、及び又はフェルトを含む弾性吸水体とすることができる。
また、衣服を、ペットに接触する下地層と、この下地層の表面を覆う表面層とから形成し、下地層を、液体を吸収して冷却機能を発揮する材料(例えば、ウレタンとマイクロファイバーの組み合わせ、マイクロファイバーとフェルトとの組み合わせ、フェルトを含む弾性吸水体等)を使用して形成することができる。
また、衣服を、ペットの胸部から背中の前部にかけて装着される第一の衣服と、ペットの背中の後部に装着される第二の衣服とすることができる。
【0008】
また、第二の衣服に、ペットの後足に貫通される紐をそれぞれ略C字形、U字形、V字形等に取り付け、各紐には、後足の付け根付近に接触する保水性の弾性吸水体(例えば一般的なスポンジ、PVAスポンジ、冷却ポリマー、吸水パルプ体、吸水アクリル、フェルトを含む弾性吸水体等)を取り付けることが好ましい。
さらに、冷却層を、ポリビニルアルコールを原料とした多孔質体、冷却機能を有するポリマー、吸水パルプ体、及び又は吸水アクリルとすることもできる。
【0009】
ここで、特許請求の範囲におけるペットには、四本足の動物やペット、具体的には各種の犬(特に洋犬)や猫等が含まれる。衣服は、複数枚でも良いが、サイズや長さを大きくして一枚とすることもできる。この衣服は、下地層、表面層、及び冷却層の三層構造に限定されるものではなく、四層以上の多層構造にすることができる。
【0010】
衣服の下地層や表面層は、合成樹脂製の繊維や布により形成されるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば水洗い可能な一般的な布でも良い。冷却層は単数複数のいずれでも良い。この冷却層は、下地層と表面層との間における全領域に介在されても良いし、部分的に介在されても良い。さらに、冷却層は、矩形、多角形、菱形、円形、楕円形、又はこれらを組み合わせた形状に適宜形成することができる。
【0011】
本発明によれば、ポリビニルアルコールを原料とした多孔質体、冷却機能を有するポリマー、及び又はフェルトを含む弾性吸水体等からなる冷却層が液体を吸収することにより冷却性を示すので、ペットに単数複数の衣服を着せれば、ペットの体温が低下する。
また、衣服を複数枚にすれば、気温やペットの体温等に応じ、衣服を選択してペットに着せることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ペットの体温の上昇を有効に抑制することができるという効果がある。
また、衣服を複数枚にすれば、着ける衣服を増減して涼しさや冷却の度合いを調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態におけるペット用衣服は、図1ないし図8に示すように、水分を含んだ状態で犬1に着脱自在に装着される第一、第二、第三の衣服2・10・20を備え、これら第一、第二、第三の衣服2・10・20を、犬1の体に接触する柔軟な下地層30と、この下地層30の表面を覆う柔軟な表面層31と、下地層30と表面層31との間に部分的に介在され、水等の液体を吸収して冷却機能を発揮するPVAスポンジ32とからそれぞれ構成するようにしている。
【0014】
第一、第二、第三の衣服2・10・20は、何回でも手洗い、水洗いできる同一の材料から構成される。第一の衣服2は、犬1の胸部を覆う平面略T字形、略凸字形の第一の被覆部3と、この第一の被覆部3に一体形成されて犬1の背中の前部を覆う平面略逆T字形、三角形の第二の被覆部4と、これら第一、第二の被覆部3・4の間に穿孔されて犬1の首筋に嵌まる丸い貫通口5と、第一、第二の被覆部3・4にそれぞれ縫製される複数の粘着テープ6とから第二、第三の衣服10・20よりも大きく形成される。
【0015】
貫通口5の周囲には袋部7が周方向に縫製され、この袋部7には、貫通口5の大きさを調整するエンドレスの絞り紐8が挿入されており、この絞り紐8の一部が袋部7から外部操作可能に露出する。また、複数の粘着テープ6は、図示しないループにフックが引っかかることにより粘着する周知の構造に構成され、第一の被覆部3の両側部裏面、第二の被覆部4の両側部表面、及び第二の被覆部4の後部表面にそれぞれ縫製される。
【0016】
複数の粘着テープ6のうち、第一の被覆部3の両側部と第二の被覆部4の両側部にそれぞれ縫製された粘着テープ6は、犬1に第一の衣服2を着せる際、着脱自在に相互に粘着し、第一の衣服2の着崩れを防止するよう機能する。
【0017】
第二の衣服10は、平面略半トラック形に形成され、犬1の背中の後部に着脱自在に装着される。この第二の衣服10の前部裏面には、第二の被覆部4における後部表面の粘着テープ6に着脱自在に粘着する粘着テープ6Aが縫製され、第二の衣服10の両側部には、犬1の後足に貫通されるゴム紐11がU字形に曲げてその両端部が縫製される。この伸縮性に優れるゴム紐11には、吸水性や保水性のスポンジ12が巻いて縫製され、各スポンジ12が体毛の少ない後足の付け根付近に接触する。
【0018】
第三の衣服20は、例えば平面矩形に形成され、第二の衣服10に支持されて体毛の少ない犬1の腹部に着脱自在に装着される。この第三の衣服20の両側部には、第二の衣服10の両側部に接続される結び紐21やゴム紐等が縫製される。
【0019】
下地層30は、水洗い可能な合成樹脂製の薄いメッシュからなり、犬1の肌触りを良くする機能を有する。また、表面層31は、水洗いが可能で撥水機能や透湿機能を有する薄い合成樹脂、例えばナイロンとポリエステルの複合繊維製の布からなり、表面に様々な色彩や模様が適宜施されており、下地層30の周縁部にミシン等により縫製される。
【0020】
PVAスポンジ32は、ポリビニルアルコールを原料とした耐磨耗性、耐薬品性、弾力性、柔軟性等に優れる多孔質体からなり、表面層31の裏面に接着あるいは縫製等されて気孔径や気孔率を自由に制御することができるという特徴を有する。
【0021】
PVAスポンジ32は、一般的なスポンジ等と比べ、高い親水性や速乾性を有し、水や氷水等に接触すると、縦横にめぐる微細気孔による毛細管現象の発生により、優れた吸水性や保水性を発揮するとともに、気化熱を利用して冷却機能を発揮する。このPVAスポンジ32としては、例えば(株)アイオン製や(株)井和工業製の製品を使用することができる。
【0022】
上記において、気温の高い夏季等に犬1の体温の上昇を防ぎたい場合には、先ず、第一、第二、第三の衣服2・10・20を水道水等に浸して軽くもみ、これらを水垂れしない程度に搾って準備する。こうして第一、第二、第三の衣服2・10・20を湿らせたら、犬1の首筋に湿らせておいた第一の衣服2の貫通口5を嵌め入れてその第一の被覆部3を犬1の胸部にあてがうとともに、第二の被覆部4を犬1の背中にあてがい、これら第一、第二の被覆部3・4の両側部を相互に重ねて粘着テープ6により粘着し、第一の衣服2を装着する。
【0023】
こうして第一の衣服2を装着したら、湿らせておいた第二の衣服10のゴム紐11を犬1の後足に通してゴム紐11のスポンジ12を後足の付け根付近に接触させ、第二の衣服10を犬1の背中の後部にあてがってその前部を第一の衣服2の後部に粘着テープ6・6Aを介して粘着接続する。
【0024】
そして、犬1の腹部に湿らせておいた第三の衣服20をあてがってその両側部を第二の衣服10の両側部に結び紐21やゴム紐を介して装着すれば、犬1に第一、第二、第三の衣服2・10・20を着せて犬1の体温の上昇を予防することができる。
【0025】
なお、第一、第二、第三の衣服2・10・20は、一度濡らせば、おおよそ1日程度乾燥しないが、乾燥した場合には、再び水道水等に浸して軽くもみ、水垂れしない程度に搾れば良い。また、犬1の体温の上昇を防止するという観点からは、犬1の腹部に第三の衣服20をあてがうことが最も効果的ではあるが、長時間腹部を冷却すれば、犬1の健康を損なうおそれもあるので、注意する必要がある。
【0026】
上記によれば、第一、第二、第三の衣服2・10・20に内蔵されたPVAスポンジ32により、犬1が涼しくさわやかに感じるとともに、優れた保水性、冷却性、及び熱吸収性を得られるので、熱を放散して体温の調整を容易とし、犬1の体温上昇を有効に防ぐことができる。したがって、犬1の夏バテ等を有効に予防し、犬1を伴った快適な生活を追及することができる。また、第一、第二、第三の衣服2・10・20を洗濯して何回でも使用することができるので、長期にわたる使用が可能になる。
【0027】
また、第一、第二の衣服2・10を粘着テープ6・6Aにより接続するので、犬1が激しく動き回っても、第二の衣服10が位置ずれしたり、よれてしまうことがない。また、保水性のスポンジ12を体毛の少ない後足の付け根付近に接触させるので、優れた冷却性を得ることができる。また、犬1の健康状態に応じて第一、第二、第三の衣服2・10・20を選択的に着せることができるので、犬1の体温低下を自由に調整することができる。
【0028】
また、第一の衣服2の脱着にボタン等ではなく、粘着テープ6を使用するので、第一の衣服2を洗濯して搾る作業に支障を来たすことがなく、しかも、犬1が寝転んだ際、ボタンが犬1に圧接して不快感や傷の生じることがない。さらに、第一の衣服2の脱着に複数の紐を使用する場合には、洗濯時等に紐が絡むおそれがあるが、粘着テープ6を使用すれば、そのようなおそれもない。
【0029】
なお、上記実施形態では犬1に第一、第二、第三の衣服2・10・20を着せたが、第一、第二、第三の衣服2・10・20を選択的に着せても良い。例えば図7や図8に示すように、犬1に第一の衣服2のみをベストとして着せても良い。また、第一の衣服2を延長して第二の衣服10を省略しても良い。また、第二、第三の衣服10・20を一つにまとめて腹巻タイプとすることもできる。また、第一、第二、第三の衣服2・10・20の大きさ、長さ、形状等は、必要に応じて自由に変更することができる。
【0030】
また、PVAスポンジ32やスポンジ12の代わりに冷却機能を有する冷却ポリマー(例えばアクリル酸ポリマーや水性ポリマー等、この点に関しては、特開平2004‐113403号公報、特開平2000‐167908号公報、特公表2003‐528953号公報等の技術を利用できる)やフェルトを含む弾性吸水シート等を使用しても良いし、併用しても良い。このフェルトを含む弾性吸水シートとしては、例えば吸水アクリル、レイヨン、及び低融点ポリエステルの複合体があげられる。フェルトを含む弾性吸水シートには、保水機能を確保するため、ポリエチレンのラミネートシールを選択的に貼着することができる。
【0031】
また、液体を吸収して冷却機能を発揮する吸水パルプ体や吸水アクリル等を単数複数使用したり、併用しても良い。さらに、ゴム紐11にスポンジ12を縫製したが、何らこれに限定されるものではない。例えば、ゴム紐11にスポンジ12を粘着テープ6を介して粘着したり、スポンジ12の代わりにPVAスポンジ32等を巻き付けたり、あるいはスポンジ12を省略しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係るペット用衣服の実施形態を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明に係るペット用衣服の実施形態における第一、第二、第三の衣服の構造を示す断面説明図である。
【図3】本発明に係るペット用衣服の実施形態における第一の衣服を示す平面説明図である。
【図4】本発明に係るペット用衣服の実施形態における第一の衣服を示す裏面説明図である。
【図5】本発明に係るペット用衣服の実施形態における第二の衣服を示す平面説明図である。
【図6】本発明に係るペット用衣服の実施形態における第二の衣服を示す裏面説明図である。
【図7】本発明に係るペット用衣服の実施形態における第一の衣服の使用状態を示す側面説明図である。
【図8】本発明に係るペット用衣服の実施形態における第一の衣服の使用状態を示す正面説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1 犬(ペット)
2 第一の衣服(衣服)
3 第一の被覆部
4 第二の被覆部
5 貫通口
6 粘着テープ(粘着体)
6A 粘着テープ(粘着体)
10 第二の衣服(衣服)
20 第三の衣服(衣服)
30 下地層
31 表面層
32 PVAスポンジ(ポリビニルアルコールを原料とした多孔質体)
【出願人】 【識別番号】501234359
【氏名又は名称】株式会社 ラディック
【住所又は居所】神奈川県横浜市港北区新羽町284 リヴィエール・ボーII306
【出願日】 平成16年12月27日(2004.12.27)
【代理人】 【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介

【公開番号】 特開2006−180772(P2006−180772A)
【公開日】 平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願番号】 特願2004−377434(P2004−377434)