| 【発明の名称】 |
牡蛎の養殖法および同養殖法に用いる補助餌 |
| 【発明者】 |
【氏名】梶村 凱隆
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| 【要約】 |
【課題】河口から供給される養分は、小魚の餌のみならず、一般に、河口から離れた場所で養殖されている牡蛎の補助餌としても有効であると考えられることから、それらの養分を使った牡蛎の養殖法およびそれに使用する補助餌を提供する。
【解決手段】リグニン1aまたは糖蜜1bあるいはその両方を含むゲル状の植物の水溶性養分から成る補助餌1を、かき筏5から吊し、かき筏5からバンセン6で吊した牡蛎Kの近傍に配置し、当該補助餌1を僅かずつ海水Sに自然溶解させる。補助餌1は僅かずつ海水Sに供給され、植物の水溶性養分の働きによって牡蛎の成長を促すことができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物の水溶性養分を含む補助餌(1)を、牡蛎(K)の近傍に配置し、前記補助餌を僅かずつ海水(S)に供給してなることを特徴とする牡蛎の養殖法。 【請求項2】 植物の水溶性養分を含むゲル状の補助餌(1)を、かき筏(5)から吊し、前記かき筏からバンセン(6)で吊した牡蛎(K)の近傍に配置し、前記補助餌を僅かずつ海水(S)に自然溶解させてなることを特徴とする牡蛎の養殖法。 【請求項3】 前記補助餌(1)を、通液性の有る袋(7)に収納してなることを特徴とする請求項1または2に記載の牡蛎の養殖法。 【請求項4】 補助餌(1)を、牡蛎(K)の近傍に配置し、僅かずつ海水(S)に供給してなる牡蛎の養殖法における前記補助餌を、植物の水溶性養分を含む材料から構成したことを特徴とする牡蛎の養殖法に使用する補助餌。 【請求項5】 補助餌(1)を、牡蛎(K)の近傍に配置し、僅かずつ海水(S)に供給してなる牡蛎の養殖法に使用する前記補助餌を、植物の水溶性養分および寒天(1d)で構成し、ゲル状としてなることを特徴とする牡蛎の養殖法に使用する補助餌。 【請求項6】 前記寒天(1d)に代え、または、前記寒天と共に、ゼラチン(1e)を使用してなることを特徴とする請求項5に記載の牡蛎の養殖法に使用する補助餌。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、牡蛎の養殖法および当該養殖法に用いる補助的な餌(以下、補助餌と記す)に関するものである。 【背景技術】 【0002】 地上の樹木や草即ち植物の養分が溶け込んだ水は、河口を通って海に流れるため、河口付近の海水には沢山の養分が含まれている。海水中の養分が豊富であると、植物性プランクトンが大量に発生し、この植物性プランクトンを食べる動物性プランクトンも大量に発生する。 【0003】 また、こうしたプランクトンが発生すると藻が生え、その藻は光合成によって酸素を作り、海水を活性化する。また、そのプランクトンを食べる小魚が集まってきて、海水を浄化する。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 本発明者は、こうした自然界の生態系を熟知した上で、河口から供給される養分は、小魚の餌のみならず、一般に、河口から離れた場所で養殖されている牡蛎の補助餌としても有効ではないかと考え、本発明を創案するに至った。 【課題を解決するための手段】 【0005】 図1および図2を参照して説明する。請求項1に記載の牡蛎の養殖法は、植物の水溶性養分を含む補助餌1を、牡蛎Kの近傍に配置し、前記補助餌1を僅かずつ海水Sに供給することを特徴とするものである。 【0006】 請求項2に記載の牡蛎の養殖法は、植物の水溶性養分を含むゲル状の補助餌1をかき筏5から吊し、前記かき筏5からバンセン6で吊した牡蛎Kの近傍に配置し、前記補助餌1を僅かずつ海水Sに自然溶解させてなることを特徴とするものである。 【0007】 請求項3に記載の牡蛎の養殖法は、請求項1または2に記載の発明において、補助餌1を通液性の有る袋7に収納してなることを特徴とするものである。 【0008】 請求項4に記載の牡蛎の養殖法に使用する補助餌1は、補助餌1を牡蛎Kの近傍に配置し、僅かずつ海水Sに供給してなる牡蛎の養殖法における前記補助餌1を、少なくとも、植物の水溶性養分を含む材料から構成したことを特徴とするものである。 【0009】 請求項5に記載の牡蛎の養殖法に使用する補助餌1は、補助餌1を牡蛎Kの近傍に配置し、僅かずつ海水Sに供給してなる牡蛎の養殖法に使用する前記補助餌1を、少なくとも、植物の水溶性養分および寒天1dで構成し、ゲル状としてなることを特徴とするものである。 【0010】 請求項6に記載の牡蛎の養殖法に使用する補助餌1は、請求項5に記載の発明において、寒天1dに代え、または、寒天と共に、ゼラチン1eを使用してなることを特徴とするものである。 【発明の効果】 【0011】 請求項1に記載の牡蛎の養殖法は、植物の水溶性養分を含む補助餌1を、牡蛎Kの近傍に配置し、前記補助餌1を僅かずつ海水Sに供給するので、この植物の水溶性養分の働きによって牡蛎の成長を促すことができる。 【0012】 請求項2に記載の牡蛎の養殖法は、植物の水溶性養分を含むゲル状の補助餌1を、かき筏5から吊し、前記かき筏5からバンセン6で吊した牡蛎Kの近傍に配置し、前記補助餌1を僅かずつ海水Sに自然溶解させたので、請求項1に記載の発明と同様に、牡蛎Kの成長を著しく促すことができる。 【0013】 また、補助餌1をゲル状としたので、良好に、僅かずつ海水Sに自然溶解させることができる。従って、長期間にわたって牡蛎Kの近傍に植物の水溶性養分等を供給することができ、牡蛎Kの成長を安定して促すことができる。また、補助餌1をかき筏5から吊しているので、その取付けや取外し作業をきわめて容易に行うことができ、作業効率の円滑化を図ることができる。 【0014】 請求項3に記載の牡蛎の養殖法は、請求項1および2に記載の発明と同様に、牡蛎Kの養殖を著しく促すことができる。また、補助餌1を、通液性の有る袋7に収納しているので、僅かな定量づつ安定して海水Sに溶解させることができる。この細孔の数や大きさは、その定量に応じて適宜設定することができ、数を少なくし、かつ、小さくすることによって長期間その効果を持続させることができる。 【0015】 請求項4に記載の牡蛎の養殖法に使用する補助餌1は、ゲル状の補助餌1を牡蛎Kの近傍に配置し、僅かずつ海水Sに自然溶解させてなる方法において、その補助餌1を、少なくとも、植物の水溶性養分を含む材料から構成しているので、当該リグニン1aまたは糖蜜1bの働きによって、牡蛎Kの成長を著しく促すことができる。 【0016】 請求項5に記載の牡蛎の養殖法に使用する補助餌1は、ゲル状の補助餌1を牡蛎Kの近傍に配置し、僅かずつ海水Sに自然溶解させてなる補法において、その補助餌1を、少なくとも、植物の水溶性養分および寒天1dで構成し、ゲル状としたので、リグニン1aや糖蜜1bを僅かずつ海水Sに自然溶解させることができる。従って、長期間にわたって補助餌1の効果を持続させることができ、牡蛎Kの成長を安定して促すことができる。 【0017】 請求項6に記載の牡蛎の養殖法に使用する補助餌1は、請求項5に記載の発明において、寒天1dに代え、または、寒天1dと共に、ゼラチン1eを使用しているので、当該ゼラチン1eが小魚の餌にもなり、その小魚のはたらきによって海水Sが活性化され、牡蛎Kの成長をさらに促すことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 本発明に係る牡蛎の養殖法の実施形態を、図1および図2に示す。この養殖法では、同じく本発明に係る補助餌1を使用している。 【0019】 この牡蛎の養殖は、複数の補助餌1を、番線3を介してかき筏5から吊し、同じかき筏5からバンセン6で吊した牡蛎Kから約5m離れた場所に配置している。Tは海面である。なお、番線3の長さは約10mとし、補助餌1は約2m間隔で吊している。また、番線3の下端部には重り4を取付け、補助餌1を安定した姿勢で海水S中に配置するようにしている。 【0020】 この牡蛎の養殖法では、補助餌1に含まれる植物の水溶性養分の働きによってプランクトンが豊富に発生し、そのプランクトンに群がる小魚の影響で海水Sが活性化され、牡蛎Kの成長が著しく促される。その結果、通常の養殖法で成長した牡蛎と比較して、大きな牡蛎Kを養殖することができる。 【0021】 また、補助餌1をゲル状としているので、植物の水溶性養分を海水S中に僅かずつ自然溶解させることができ、長期間にわたって当該植物の水溶性養分を供給することができる。従って、牡蛎Kを安定して成長させることができる。 【0022】 さらに、本実施形態では、補助餌1を多数の細孔を設けた通液性の有る袋7に収納して吊している。こうすることによって、補助餌1を僅かな定量ずつ海水Sに溶解させることができるので、その効果をさらに長期間にわたって維持させることができる。 【実施例】 【0023】 本発明者は、このことを実験により確認した。本発明者は、樹木を絞って得られたリグニン1aと寒天1dと水1cとを容器2に入れ、ゲル状の補助餌1を作り、出来た補助餌1を容器2から取出したのち、通液性の有る袋7に入れた。この補助餌1入りの袋を番線3を介してかき筏5から吊し、同じかき筏5からバンセン6によって吊されている牡蛎の近傍(5m程度)に配置した。また、同時に、これまで有効であるとされている、鉄を溶解した際に生じる鉱滓で製造したチップを山状に盛って広島市近辺の海中に配置した。さらに、何らの補助餌1を与えない通常の牡蛎も実験の対象とした。そして、この状態を2ヶ月間続けた。 【0024】 その結果、本発明による養殖法で養殖した牡蛎Kは、何らの補助餌1を与えない通常の牡蛎は勿論、チップを使用して養殖した牡蛎と比較して、長さ寸法で1.1〜1.3倍大きく成長した。本発明者は、これは、リグニン1aの働きによってプランクトンが豊富に発生したこと、および、そのプランクトンに群がる小魚の影響で海水Sが活性化されたためであると考えられる。 【0025】 なお、リグニン1aは、本来、紙を作るパルプ工業で絞ったカスとして発生していたが、現在は、接着剤やコンクリートへ混合する物質として、木材から製造されており、比較的廉価に入手することができる。従って、この牡蛎の養殖法は、廉価なコストで実施することができ、きわめて実用的である。 【0026】 なお、リグニン1aに代えて、糖蜜1bを使用した場合にも同様の結果を得ることができた。 【図面の簡単な説明】 【0027】 【図1】本発明に係る牡蛎の養殖法の実施形態を示す概略正面図である。 【図2】本発明に係る補助餌の製造法の一実施形態を示す説明図である。 【符号の説明】 【0028】 1 補助餌 1a リグニン 1b 糖蜜 1c 水 1d 寒天 1e ゼラチン 2 容器 3 番線 4 重り 5 かき筏 6 バンセン 7 袋 K 牡蛎 S 海水 T 海面
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| 【出願人】 |
【識別番号】502127456 【氏名又は名称】梶村 凱隆
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| 【出願日】 |
平成16年12月24日(2004.12.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062328 【弁理士】 【氏名又は名称】古田 剛啓
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| 【公開番号】 |
特開2006−174779(P2006−174779A) |
| 【公開日】 |
平成18年7月6日(2006.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願2004−372610(P2004−372610) |
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