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【発明の名称】 識別具を用いたチョウザメ飼育法及び飼育装置並びにチョウザメ飼育システム
【発明者】 【氏名】平岡 潔
【住所又は居所】大阪市西区立売堀2丁目3番2号 株式会社フジキン内

【氏名】小川 進
【住所又は居所】大阪市西区立売堀2丁目3番2号 株式会社フジキン内

【氏名】町井 芳文
【住所又は居所】大阪市西区立売堀2丁目3番2号 株式会社フジキン内

【要約】 【課題】初心者には飼育が困難で、飼育のために広い空間を必要とし、飼育設備のための莫大な初期投資が必要となるチョウザメを、チョウザメの所有者の代わりに飼育する方法及び飼育装置並びにチョウザメ飼育システムを提供すること。

【解決手段】チョウザメ目(Acipenceriformes)のチョウザメに、識別具を装着し、該識別具にチョウザメの個体を特定する情報とチョウザメの所有者を特定する情報が記録されており、該チョウザメ個体と該チョウザメ所有者を識別可能とした状態で、該チョウザメを飼育することを特徴とするチョウザメ飼育法とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チョウザメ目(Acipenceriformes)のチョウザメに、識別具を装着し、該識別具にチョウザメの個体を特定する情報とチョウザメの所有者を特定する情報が記録されており、該チョウザメ個体と該チョウザメ所有者を識別可能とした状態で、該チョウザメを飼育することを特徴とするチョウザメ飼育法。
【請求項2】
前記チョウザメの飼育者が、前記チョウザメ個体を特定する情報、前記チョウザメ個体の所有者を特定する情報に加えて、前記チョウザメの種名、個体の名前、体重、体長、性別、年齢、血液型、病気・交尾・産卵の履歴、飼育個体間の順位、エサの種類・量の履歴、チョウザメの売買に関する情報のうちの1つ以上を前記チョウザメの情報としてチョウザメ管理者端末に記録することによってチョウザメを飼育することを特徴とする請求項1に記載のチョウザメ飼育法。
【請求項3】
チョウザメ目(Acipenceriformes)のチョウザメに装着される識別具と、チョウザメ飼育槽と、チョウザメ管理者端末とからなり、該識別具にチョウザメの個体を特定する情報とチョウザメの所有者を特定する情報が記録されており、該チョウザメ管理者端末が、該チョウザメ個体を特定する情報、該チョウザメ個体の所有者を特定する情報に加えて、該チョウザメの種名、個体の名前、体重、体長、性別、年齢、血液型、病気・交尾・産卵の履歴、飼育個体間の順位、エサの種類・量の履歴、チョウザメの売買に関する情報のうちの1つ以上を該チョウザメの情報として記録することを特徴とするチョウザメ飼育装置。
【請求項4】
チョウザメの個体毎にチョウザメの飼育情報が入力されるチョウザメ管理者端末と、前記チョウザメ管理者側端末から入力された飼育情報に基づいて前記チョウザメ管理者端末に飼育支援情報を送信する管理サーバとからなり、
前記チョウザメ管理者端末は、入力された飼育情報を前記管理サーバに送信する送信手段と、前記管理サーバから出力された飼育支援情報を受信する受信手段とを具備し、
前記管理サーバは、前記チョウザメ管理者端末から送信された飼育情報を受信する受信手段と、飼育支援情報の指標となる指標データを記憶する記憶手段と、前記飼育情報と前記指標データとを比較して飼育支援情報を算出する比較手段と、算出された飼育支援情報を前記チョウザメ管理者端末に送信する送信手段とを具備することを特徴とするチョウザメ飼育システム。
【請求項5】
チョウザメの個体毎にチョウザメの飼育情報が入力されるチョウザメ管理者端末と、前記チョウザメ管理者側端末から入力された飼育情報に基づいて飼育支援情報を作成する管理サーバと、チョウザメ所有者が所有するチョウザメに関する前記飼育情報と前記飼育支援情報とを閲覧することができるチョウザメ所有者端末とからなり、
前記チョウザメ管理者端末は、チョウザメの個体毎に入力された飼育情報を前記管理サーバ及に送信する送信手段と、前記管理サーバから送信された飼育支援情報を受信する受信手段とを具備し、
前記管理サーバは、前記チョウザメ管理者端末から送信された飼育情報を受信する受信手段と、飼育支援情報の指標となる指標データを記憶する記憶手段と、前記飼育情報と前記指標データとを比較して飼育支援情報を算出する比較手段と、算出された飼育支援情報を前記チョウザメ管理者端末に送信するとともに、前記飼育情報及び/又は前記飼育支援情報を前記チョウザメ所有者端末に送信する送信手段とを具備し、
前記チョウザメ所有者端末は、前記飼育情報及び前記飼育支援情報を受信する受信手段を具備することを特徴とするチョウザメ飼育システム。
【請求項6】
前記飼育情報が、チョウザメの種名、個体名、体重、体長、性別、年齢、血液型、病気・交尾・産卵の履歴、飼育個体間の順位、エサの種類・量の履歴に関する情報からなる群から選択される一種以上であることを特徴とする請求項4又は5に記載のチョウザメ飼育システム。
【請求項7】
チョウザメの個体毎にチョウザメを識別するための識別具が装着され、前記識別具には、チョウザメの個体を特定する情報とチョウザメの所有者を特定する情報が記録されていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のチョウザメ飼育システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本件発明は、識別具を用いたチョウザメ飼育法及び飼育装置並びにチョウザメ飼育システムに関する。より具体的には、初心者には飼育が困難で、飼育のために広い空間を必要とし、飼育設備のための莫大な初期投資が必要となるチョウザメを、チョウザメの所有者の代わりに飼育する方法及び飼育装置並びにチョウザメ飼育システムに関する。さらに具体的には、所有者が異なる複数のチョウザメを、識別具によって個体とその所有者を特定することにより、混同することなく同時に同じ場所で飼育する方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等の情報網の目覚しい発達により、世界各国の文化や、日本国内の地方の文化、特に食品に関する情報が手軽に手に入るようになった。このような背景から、日本にも、新しい食材が毎年のように導入されるようになり、これに伴って、新しい食材の原料となる生物を効率的に育てて供給するビジネス、即ち、養殖ビジネスのチャンスが常に生み出されている。
【0003】
例えば、近年、養殖ビジネスの対象として注目を集めている生物としては、チョウザメが挙げられる。チョウザメは、キャビアとなる卵を産むだけでなく、アミノ酸価と脂肪酸含有量が豊富な魚肉も提供することができる魚である。しかし、全世界で消費されるチョウザメの大半を供給してきたカスピ海では、チョウザメの水揚げが激減しており、チョウザメは以前にも増してより希少な魚となっている。こうした背景を受けて、チョウザメ養殖ビジネスに多くの関心が向けられている。
さらに、現在は注目を集めていない生物でも、地球環境の悪化とともに、養殖によって供給せざるを得ない生物が増加すると予想されることから、養殖ビジネスの重要性は、今後高まると考えられる。
【0004】
こうした養殖又は生物飼育のための提案は様々なものがあり、例えば、特許文献1では魚類の陸上養殖施設が、特許文献2では肉用牛疾病予防飼育法、及び肉用牛地域一貫生産管理方法が、特許文献3では動植物等生物の育成方法と育成用水が、特許文献4では大規模式飼鶏舎の鶏糞悪臭処理施設が、特許文献5では肉食動物の餌用生物および肉食動物の飼育方法が、特許文献6では昆虫、ダニ、および他の有益な生物の飼育のための材料および方法が挙げられている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−233268号公報
【特許文献2】特開2003−52313号公報
【特許文献3】特開2001−69870号公報
【特許文献4】特開2003−164235号公報
【特許文献5】特開平9−74945号公報
【特許文献6】特表2002−515225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のような提案がなされているとしても、養殖ビジネスに参入するのは容易なことではない。なぜなら、生物の飼育には、生物を飼育するための場所と設備が必要であり、そのためには少なからぬ金額の初期投資を行う必要があるからである。さらに、場所と設備を準備できたとしても、その生物に関する特別な知識と、その生物の飼育経験がなければ、生物をうまく育てることは困難である。結局、養殖業参入者が初期投資を回収することは難しく、利益を出せないまま養殖業から退く例も珍しくない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、チョウザメ目(Acipenceriformes)のチョウザメに、識別具を装着し、該識別具にチョウザメの個体を特定する情報とチョウザメの所有者を特定する情報が記録されており、該チョウザメ個体と該チョウザメ所有者を識別可能とした状態で、該チョウザメを飼育することを特徴とするチョウザメ飼育法に関する。
請求項2に係る発明は、前記チョウザメの飼育者が、前記チョウザメ個体を特定する情報、前記チョウザメ個体の所有者を特定する情報に加えて、前記チョウザメの種名、個体の名前、体重、体長、性別、年齢、血液型、病気・交尾・産卵の履歴、飼育個体間の順位、エサの種類・量の履歴、チョウザメの売買に関する情報のうちの1つ以上を前記チョウザメの情報としてチョウザメ管理者端末に記録することによってチョウザメを飼育することを特徴とする請求項1に記載のチョウザメ飼育法に関する。
請求項3に係る発明は、チョウザメ目(Acipenceriformes)のチョウザメに装着される識別具と、チョウザメ飼育槽と、チョウザメ管理者端末とからなり、該識別具にチョウザメの個体を特定する情報とチョウザメの所有者を特定する情報が記録されており、該チョウザメ管理者端末が、該チョウザメ個体を特定する情報、該チョウザメ個体の所有者を特定する情報に加えて、該チョウザメの種名、個体の名前、体重、体長、性別、年齢、血液型、病気・交尾・産卵の履歴、飼育個体間の順位、エサの種類・量の履歴、チョウザメの売買に関する情報のうちの1つ以上を該チョウザメの情報として記録することを特徴とするチョウザメ飼育装置に関する。
請求項4に係る発明は、チョウザメの個体毎にチョウザメの飼育情報が入力されるチョウザメ管理者端末と、前記チョウザメ管理者側端末から入力された飼育情報に基づいて前記チョウザメ管理者端末に飼育支援情報を送信する管理サーバとからなり、前記チョウザメ管理者端末は、入力された飼育情報を前記管理サーバに送信する送信手段と、前記管理サーバから出力された飼育支援情報を受信する受信手段とを具備し、前記管理サーバは、前記チョウザメ管理者端末から送信された飼育情報を受信する受信手段と、飼育支援情報の指標となる指標データを記憶する記憶手段と、前記飼育情報と前記指標データとを比較して飼育支援情報を算出する比較手段と、算出された飼育支援情報を前記チョウザメ管理者端末に送信する送信手段とを具備することを特徴とするチョウザメ飼育システムに関する。
請求項5に係る発明は、チョウザメの個体毎にチョウザメの飼育情報が入力されるチョウザメ管理者端末と、前記チョウザメ管理者側端末から入力された飼育情報に基づいて飼育支援情報を作成する管理サーバと、チョウザメ所有者が所有するチョウザメに関する前記飼育情報と前記飼育支援情報とを閲覧することができるチョウザメ所有者端末とからなり、前記チョウザメ管理者端末は、チョウザメの個体毎に入力された飼育情報を前記管理サーバ及に送信する送信手段と、前記管理サーバから送信された飼育支援情報を受信する受信手段とを具備し、前記管理サーバは、前記チョウザメ管理者端末から送信された飼育情報を受信する受信手段と、飼育支援情報の指標となる指標データを記憶する記憶手段と、前記飼育情報と前記指標データとを比較して飼育支援情報を算出する比較手段と、算出された飼育支援情報を前記チョウザメ管理者端末に送信するとともに、前記飼育情報及び/又は前記飼育支援情報を前記チョウザメ所有者端末に送信する送信手段とを具備し、前記チョウザメ所有者端末は、前記飼育情報及び前記飼育支援情報を受信する受信手段を具備することを特徴とするチョウザメ飼育システムに関する。
請求項6に係る発明は、前記飼育情報が、チョウザメの種名、個体名、体重、体長、性別、年齢、血液型、病気・交尾・産卵の履歴、飼育個体間の順位、エサの種類・量の履歴に関する情報からなる群から選択される一種以上であることを特徴とする請求項4又は5に記載のチョウザメ飼育システムに関する。
請求項7に係る発明は、チョウザメの個体毎にチョウザメを識別するための識別具が装着され、前記識別具には、チョウザメの個体を特定する情報とチョウザメの所有者を特定する情報が記録されていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のチョウザメ飼育システムに関する。
【発明の効果】
【0008】
本件発明の識別具を用いたチョウザメ飼育法は、初心者には飼育が困難で、飼育のために広い空間を必要とし、飼育設備のための莫大な初期投資が必要となるチョウザメを、チョウザメの所有者の代わりに飼育する方法を提供できる。さらに具体的には、異なる所有者の生物を、識別具により個体とその所有者を特定することにより、混同することなく同時に同じ場所で飼育する方法を提供できる。
本件発明の識別具を用いたチョウザメ飼育装置は、初心者には飼育が困難で、飼育のために広い空間を必要とし、飼育設備のための莫大な初期投資が必要となるチョウザメを、チョウザメの所有者の代わりに飼育する装置を提供できる。さらに具体的には、異なる所有者のチョウザメを、識別具により個体とその所有者を特定することにより、混同することなく同時に同じ場所で飼育する装置を提供できる。
本発明に係るチョウザメ飼育システムは、チョウザメの最適な飼育環境や飼育方法に関する情報を、チョウザメ個体毎、或いはチョウザメ個体群毎に提供することができ、飼育が困難なチョウザメを誰でも簡単に飼育することができる。
また本発明に係るチョウザメ飼育システムは、チョウザメ所有者がチョウザメ管理者に自らが所有するチョウザメの飼育管理を依頼する場合であっても、チョウザメ所有者は自らが所有するチョウザメの成長状況等を逐次に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本件発明のチョウザメ飼育法及び飼育装置並びに飼育システムで飼育できるチョウザメは特に限定されない。チョウザメは、チョウザメ目(Acipenceriformes)に属する魚であり、Sturgeon Societyの分類によれば、チョウザメ科(Acipenceridae)とヘラチョウザメ科(Polyodontidae)の2科、27種及びそのそれらの亜種から構成されるが、本件発明では、上記の27種及びその亜種や、それらの可能な雑種全てを飼育することができる。例として、チョウザメ科のチョウザメのうち、Acipencer属としては、シベリアチョウザメ(Acipencer baeri baeri)、バイカルチョウザメ(Acipenser baeri baicalensis)、レナチョウザメ(Acipenser baeri stenorrhynchus)、Shortnose Sturgeon(Acipenser brevirostrum)、ダブリーチョウザメ(Acipenser dabryanus)、パンダチョウザメ(Acipenser fulvescens)、ロシアチョウザメ(Acipenser gueldenstaedti)、チョウザメ又はミドリチョウザメ(Acipenser medirostris)、サハリンチョウザメ(Acipenser mikadoi)、アドリアチョウザメ(Acipenser naccarii)、Ship Sturgeon(Acipenser nudiventris)、Gulf Sturgeon(Acipenser oxyrinchus desotol)、大西洋チョウザメ(Acipenser oxyrinchus oxyrinchus)、ペルシャチョウザメ(Acipenser persicus)、コチョウザメ(Acipenser ruthenus)、アムールチョウザメ(Acipenser schrencki)、カラチョウザメ(Acipenser sinensis)、Sevruga又はStellate Sturgeon(Acipenser stellatus)、大西洋チョウザメ又はバルトチョウザメ(Acipenser sturio)、シロチョウザメ(Acipenser transmontanus)、Huso属としては、ダウリアチョウザメ(Huso dauricus)、オオチョウザメ(Huso huso)が挙げられ、Pseudoscaphirhynchus属としては、Syr-Dar shovelnose sturgeon(Pseudoscaphirhynchus fedtschenkoi)、Small Amu-Dar shovelnose sturgeon(Pseudoscaphirhynchus hermannii)、Large Amu-Dar shovelnose sturgeon(Pseudoscaphirhynchus kaufmanni)が挙げられ、Scaphirhynchus属としては、Pallid Sturgeon(Scaphirhynchus albus)、Shovelnose sturgeon(Scaphirhynchus platorynchus)、アラバマチョウザメ(Scaphirhynchus suttkusi)等が挙げられる。ヘラチョウザメ科としては、ヘラチョウザメ(Polyodon spathulata)、シナヘラチョウザメ(Psephurus gladius)が挙げられる。本件発明では、オオチョウザメとコチョウザメの雑種であるベステル種(Bester, Huso huso × Acipenser ruthenus)が飼育魚としてより好ましく用いられる。
【0010】
本件発明の識別具を用いたチョウザメ飼育法及び飼育装置並びに飼育システムは、個体識別のための識別具を用いる。識別具は、飼育する個体を特定できるものであれば特に限定されない。識別具を用いることによって、見た目には識別しにくいチョウザメでも個体を特定できるようになり、複数の同種個体を、混同することなく同じ空間で同時に飼育することができるようになる。
【0011】
本件発明の識別具を用いたチョウザメ飼育法及び飼育装置並びに飼育システムは、チョウザメの所有者識別のための識別具を用いることができる。識別具は、飼育する個体の所有者を識別できるものであれば特に限定されない。識別具を用いることによって、チョウザメ個体の所有者を特定できるようになり、所有者が異なる複数のチョウザメ個体を、混同することなく同じ空間で同時に飼育することができるようになる。
【0012】
個体識別のための識別具及び所有者識別のための識別具の例としては、個体の識別番号や所有者の識別番号等の情報を記録したプラスチック製又は金属製の治具や、市販の個体識別用の治具等を挙げることができる。市販の個体識別用の治具の例としては、PITタグシステム(商品名、ケー・エンジニアリング株式会社製)、イラストマー経口タグ(商品名、ケー・エンジニアリング株式会社製)、VI・タグ(商品名、ケー・エンジニアリング株式会社製)等を挙げることができる。
【0013】
尚、本件発明の識別具を用いたチョウザメ飼育法及び飼育装置並びに飼育システムでは、識別具に個体を特定する情報や、所有者を特定する情報や、種を特定する情報等を同時に含めることができる。例えば、識別具に記録する番号(例:01Be0001)の上2桁を所有者番号(01)とし、次の2桁を種番号(Be)とし、残りの桁を個体番号(0001)とすれば、1つの識別具により、チョウザメの所有者、種名、個体という少なくとも3種類の情報を管理できる。
【0014】
本件発明の識別具を用いたチョウザメ飼育装置並びに飼育システムは、チョウザメの居住空間を提供する装置、又はチョウザメの居住空間を規定する装置を含む。チョウザメの居住空間を提供する装置、又はチョウザメの居住空間を規定する装置は、飼育するチョウザメの居住空間を提供、又は居住空間の境界を明らかにできるものであれば特に限定されない。例としては、水槽、網、柵等を挙げることができる。
【0015】
本件発明の識別具を用いたチョウザメ飼育法及び飼育装置並びに飼育システムは、飼育しているチョウザメ個体の情報や所有者の情報を管理する情報管理装置(チョウザメ管理者端末)を用いることができる。前記情報管理装置は、飼育するチョウザメの情報や所有者の情報を管理できるものであれば特に限定されない。例としては、コンピューター、サーバを挙げることができる。
【0016】
本件発明において飼育しているチョウザメの情報とは、チョウザメ個体の識別番号、チョウザメ個体の所有者名、チョウザメの種名、個体の名前、体重、体長、性別、年齢、血液型、病気・交尾・産卵等の履歴、飼育個体間に順位がみられる場合はその順位、エサの種類や量に関する情報等、飼育しているチョウザメに関するあらゆる情報を含む。
本件発明において飼育しているチョウザメの所有者の情報とは、所有者の識別番号、名前、住所、電話番号等、所有者に関するあらゆる情報を含む。
【0017】
本件発明の識別具を用いたチョウザメ飼育法が、飼育しているチョウザメの情報や所有者の情報を管理する情報管理装置を用いる場合や、本件発明の識別具を用いたチョウザメ飼育装置が、飼育しているチョウザメの情報や所有者の情報を管理する情報管理装置を含む場合は、前記情報管理装置は情報管理システムを含むことができる。情報管理システムは、少なくとも、情報入力手段と、データベースと、パラメータ入力手段と、情報処理手段と、情報出力手段で構成される(図1)。
【0018】
情報入力手段とは、コンピューターのメモリ空間で作動するプログラムを指す。具体的には、体重、体長、性別、年齢等の飼育しているチョウザメ情報を、データベース利用者から受け取るように設計されたプログラムである。
【0019】
データベースとは、情報入力手段によってコンピューターのメモリ空間に取り込まれた情報を記録・整理・保存・管理するプログラムである。
【0020】
パラメータ入力手段とは、データベース利用者が、データベース内の情報を利用する際に、必要な情報だけをコンピューターのモニターに表示するために、データベース内の必要な情報を選び出すことのできる情報、及び/又は、不必要な情報を除外することのできる情報を、情報処理手段に入力するプログラムである。
【0021】
情報処理手段とは、パラメータ入力手段によって入力された情報を元に、データベース内の情報を、データベース利用者が望む状態に処理するプログラムである。
【0022】
情報出力手段とは、情報処理手段が処理した情報をモニターなどの情報出力装置に出力するプログラムである。
【0023】
本件発明の識別具を用いたチョウザメ飼育法及び飼育装置において、飼育しているチョウザメの情報をコンピューターによって管理する場合、飼育しているチョウザメの生育に関する体重・体長・順位・エサの種類と量等の情報をデータベース化することができる。図2は、個体情報データベースの例を示したものである。この例では、データベースに記録されている情報は、あるチョウザメ10個体分の誕生してからの月ごとの体重(g)である。このデータベースからは、各個体の体重−経過月数成長曲線を作成することができ、月数の経過に伴う体重の増減をグラフで表すことができる。図3は、図2のデータベースを元に作成された個体1の成長曲線である。
【0024】
本件発明の識別具を用いたチョウザメ飼育法及び飼育装置において、飼育しているチョウザメの情報をコンピューターによって管理し、データベース化する場合、データベースの情報を元に、現在飼育中のある個体の成長速度について推測を行うことができる。
例えば、現在飼育中であり、図2のデータベースに記録されているチョウザメと同種である個体Aの体重が500gであるとする。もし、個体Aの所有者Xが、個体Aが体重1000gになるまでに要する期間を知りたい場合、データベースの情報をもとに予測を立てることができる。
【0025】
図3を使って、より具体的に説明する。個体1の成長曲線において、体重が500gと1000gの経過月数を読み取ると、それぞれ、12.6と17.6であることが分かる。このデータから、個体1の体重が500gから1000gになるまでに要した期間は、5ヶ月(17.6−12.6=5)であることが分かる。同様にして、コンピューターが、個体2〜10のデータベースについても計算を行うと、個体2は4.7ヶ月、個体3は4.8ヶ月、個体4は4.9ヶ月、個体5は4.8ヶ月、個体6は4.8ヶ月、個体7は5.1ヶ月、個体8は4.7ヶ月、個体9は4.6ヶ月、個体10は4.6ヶ月を要したことが分かる(表1)。これらのデータベースから得られた情報を、どのような形で結果として示すかは特に限定されない。結果の例を表2に例示する。尚、結果例1は、個体1〜10の値を平均した値であり、結果例2は最小値と最大値を示したものであり、結果例3は4.8ヶ月目を境にした場合の、4.8ヶ月目まで(個体2、3、5、6、8、9、10)と4.8ヶ月目以降(個体1、4、7)の度数分布を確率で示したものである。
【0026】
【表1】


【0027】
【表2】


【0028】
尚、上記の例ではデータベースに情報が収められている個体数は10であったが、この個体数は多ければ多いほどよい。具体的には、10個体以上、好ましくは100個体以上、より好ましくは500個体以上、さらに好ましくは1000個体以上がよい。もし、飼育しているチョウザメに関する情報が全く蓄積されていないためにデータベースが構築されていない場合は、近縁種のデータベースで代用してもよい。
【0029】
さらに、上記の例では、データベースから作成された成長曲線の全てを、予測に用いたが、より正確な予測を行うために、ある条件を満たしている成長曲線のみを予測に用いることもできる。
例えば、チョウザメの種によっては気温によってエサの摂取量が変化するため、季節によって体重の増加速度に差があることが知られている。そこで、個体Aの体重が500gであった時の季節と同じ季節に体重が500gであった個体の成長曲線のみを用いると、より正確な予測が可能になる場合もある。
【0030】
本件発明の識別具を用いたチョウザメ飼育法及び飼育装置並びに飼育システムでは、飼育できるチョウザメの個体数は特に限定されないが、好ましくは、2個体以上のチョウザメを飼育するのがよい。この場合、飼育される複数のチョウザメは、一人の所有者のものであってもよく、2名以上の複数の所有者のものであってもよい。飼育できるチョウザメは、同種であっても異なる種であってもよい。さらに共存可能であるならばチョウザメ以外の生物を飼育することも可能である。さらに、生物間の相互作用を研究する目的であれば、共存可能でない生物を飼育することも可能である。
【0031】
本件発明のチョウザメ飼育法及び飼育装置並びに飼育システムにおいて、その実施及び使用場所は特に限定されない。チョウザメ飼育場所は、屋内或いは屋外であってもよく、チョウザメの個体数に応じてチョウザメの居住空間を広げることが望ましい。尚、情報管理装置とチョウザメの居住空間との距離は特に限定されず、飼育者と情報管理者が同一でなくてもよい。
【0032】
次に、本発明に係るチョウザメ飼育システムについて、図面を参照しつつ説明する。
図8は本発明の第一実施形態に係るチョウザメ飼育システム(400)の概略構成を示したブロック図である。
本発明の第一実施形態に係るチョウザメ飼育システム(400)は、チョウザメ管理者端末(100)と、チョウザメ管理者端末(100)と通信回線(300)によって通信可能に接続された管理サーバ(300)とからなる。
チョウザメ管理者端末(100)には、チョウザメ管理者によって、チョウザメの個体毎にチョウザメの飼育情報が入力されるとともに、この飼育情報は管理サーバ(200)に送信される。管理者サーバ(200)は送信された飼育情報から飼育支援情報を算出して、この飼育支援情報をチョウザメ管理者端末(100)に送信する。チョウザメ管理者はチョウザメ管理者端末(100)に送信された飼育支援情報を用いて、チョウザメの飼育状態に適した飼育環境や飼育方法に関する情報を得ることができ、一般には飼育が困難であるとされるチョウザメを、誰でも簡単に飼育することができる。
【0033】
尚、図8に示される第一実施形態に係るチョウザメ飼育システム(400)は、1又は2以上のチョウザメ飼育槽毎にチョウザメ管理者端末(100)が備えられている。チョウザメ飼育槽には、1又は2以上のチョウザメが飼育されており、これらチョウザメの所有者は同一であっても、また全てのチョウザメの所有者が異なっても構わない。チョウザメ管理者は管理するチョウザメの所有者であっても良く、また所有者でなくても構わない。
【0034】
チョウザメ管理者端末(100)は、処理手段(130)と、入力手段(110)と、表示手段(140)と、記憶手段(120)と、送信手段(150)と、受信手段(160)とを具備する。
処理手段(130)は、記憶手段(120)に予め記憶された処理プログラムに基づいてチョウザメ管理者端末(100)における各処理を制御する。
入力手段(110)は、チョウザメ管理者が、チョウザメ個体毎にチョウザメの飼育情報を入力するために用いられる。
表示手段(140)は、入力されたチョウザメの飼育情報や、或いは管理サーバ(200)から送信された飼育支援情報を表示する。
記憶手段(120)は、入力されたチョウザメの飼育情報や、或いは管理サーバ(200)から送信された飼育支援情報を記憶する。
送信手段(150)は、飼育情報を管理サーバ(200)に送信する。
受信手段(160)は、管理サーバ(200)から送信された飼育支援情報を受信する。
【0035】
チョウザメには個体を識別する上述したような識別具が取り付けられている。チョウザメ管理者はチョウザメに付されている識別具によって、チョウザメを識別することができる。そして、チョウザメの定期的な魚体測定時に得られる飼育情報(例えば、体長、体重など)や常時得られる飼育情報(水温、エサの量など)が、入力手段(110)によって、チョウザメ個体毎にチョウザメ管理者端末(100)に入力される。
飼育情報としては、チョウザメの種名、個体名、体重、体長、性別、年齢、血液型、病気・交尾・産卵の履歴、飼育個体間の順位、エサの種類・量の履歴に関する情報などを例示することができる。
入力された飼育情報は記憶手段(120)に記憶されるとともに、送信手段(150)によって管理サーバ(200)に送信される。
【0036】
尚、図8ではチョウザメ管理者端末(100)は一つしか示していないが、複数のチョウザメ管理者端末(100)が管理サーバ(200)と接続されても構わない。通常、チョウザメ管理者端末(100)は、チョウザメ飼育槽毎に設置される。
【0037】
管理サーバ(200)は、チョウザメ管理者端末(100)から送信された飼育情報と、予め記憶されている指標データとを比較して、現在のチョウザメの飼育状態に適した飼育支援情報を算出することができ、算出された飼育支援情報は、チョウザメ管理者端末(100)に送信される。
【0038】
管理サーバ(200)は、表示手段(230)と、処理手段(240)と、比較手段(250)と、記憶手段(260)と、送信手段(220)と、受信手段(210)とを備える。
処理手段(240)は、記憶手段(260)に予め記憶された処理プログラムに基づいて管理サーバ(200)における各処理を制御する。
表示手段(230)は、管理サーバに入力された情報や処理結果を表示する。
記憶手段(260)は、チョウザメ管理者端末(100)から送信された飼育情報や、飼育支援情報の算出の指標となる指標データ、或いは算出した飼育支援情報を記憶する。指標データは、チョウザメの飼育支援情報を算出する基礎となるデータであり、飼育情報、例えば、チョウザメの年齢、体重、性別、季節、産卵の有無などに応じて、予め最適な飼育状態が記憶されている。
比較手段(250)は、チョウザメ管理者端末(100)から送信された飼育情報と、記憶手段(260)に予め記憶されている指標データとを比較して、飼育支援情報を算出する。
【0039】
チョウザメ管理者がチョウザメ飼育支援情報を得る場合、まず、チョウザメ管理者はチョウザメ管理者端末(100)の入力手段(110)によって、チョウザメ個体毎の飼育情報を入力する。入力された飼育支援情報は記憶手段(120)に記憶されるとともに、送信手段(150)によって、通信回線(300)を経て管理サーバ(200)に送信される。
管理サーバ(200)は、受信手段(210)によって飼育情報を受信するとともに、飼育情報は記憶手段(260)に記憶する。記憶手段(260)に記憶された飼育情報は、例えば、チョウザメ個体毎、チョウザメ飼育槽毎、チョウザメの品種毎に蓄積される。
さらに、比較手段(250)によって、飼育情報と、記憶手段(260)に記憶されている指標データとを比較することにより、現時点の飼育支援情報を算出する。即ち、送信された飼育情報のパラメータ毎に、指標データに対して算出したバラツキ、偏差、或いは指標データに基づいて算出したチョウザメの成長予測が飼育支援情報とされる。
算出された飼育支援情報は記憶手段(260)に記憶されるとともに、送信手段(220)によって、通信回線(300)を経てチョウザメ管理者端末(100)に送信する。
チョウザメ管理者端末(100)は、管理サーバ(200)から送信された飼育支援情報を受信手段(160)によって受信するとともに、表示手段(140)に表示する。また飼育支援情報を記憶手段(120)に記憶する。
【0040】
尚、管理サーバ(200)に送信された飼育情報を、指標データに加えることもできる。こうすることで、指標データを構成する各データの母集団が大きくなり、より信頼性の高い飼育支援情報を算出することができる。
【0041】
飼育支援情報は、チョウザメの個体毎に算出しても構わないが、各チョウザメ飼育槽に飼育されているチョウザメ群毎に算出しても構わない。チョウザメ飼育槽単位で飼育支援情報を算出することにより、飼育槽毎の飼育状況や飼育成果を対比することができる。
【0042】
飼育支援情報を得たチョウザメ管理者は、現時点の各チョウザメの飼育状態、即ち、各チョウザメが正常に成長しているのか否かを確認することができる。チョウザメ管理者は自らが管理するチョウザメの母集団よりも大きな母集団と比較して、各チョウザメの健康状態や成長状態を把握することができ、チョウザメ毎に必要な対策を講じることができる。
【0043】
チョウザメ管理者は、表示された飼育支援情報に基づきチョウザメを飼育することができ、飼育が困難なチョウザメを最適な状態で飼育することができる。
また、従来、チョウザメを飼育する場合、チョウザメの飼育に適した飼育槽などの設備を準備する必要があったが、本システムによれば、チョウザメの飼育に関する飼育支援情報を、チョウザメの個体毎、或いは個体群毎に提供されるので、より自然に近い環境でチョウザメを飼育することも可能である。
【0044】
また、飼育槽毎に飼育支援情報が算出されることにより、飼育槽毎の飼育状況や飼育成果を客観的に判断することができる。チョウザメ飼育の依頼を希望する者は、飼育槽毎に算出された飼育支援情報を参照することによって、自らのチョウザメの飼育をどの飼育槽に依頼するのかを決める資料となる。
また、飼育槽の大きさ、飼育槽の設置場所、飼育槽の形状などの飼育環境情報とともに提供することも可能である。
【0045】
さらに、所有者の所有するチョウザメ個体毎あるいはチョウザメ群毎に売却や買収の意志、価格・条件などの売買情報を、他の所有者や管理者に提供することも可能であり、チョウザメの流通を促進することができる。
【0046】
次に、本発明の第二実施形態に係るチョウザメ飼育システムについて、図面を参照しつつ説明する。図9は本発明の第二実施形態に係るチョウザメ飼育システム(410)の概略構成を示すブロック図である。
第二実施形態に係るチョウザメ飼育システム(410)が第一実施形態に係るチョウザメ飼育システム(400)と相違する点は、チョウザメ管理者端末(100)、管理サーバ(200)、通信回線(300)に加えて、チョウザメ所有者端末(500)を備えている点である。
第二実施形態に係るチョウザメ飼育システム(410)は、チョウザメ所有者が所有するチョウザメの飼育・管理を、チョウザメ所有者が行うのではなく、チョウザメ管理者に依頼する場合に適した飼育システムである。チョウザメは飼育が困難であるので、チョウザメの飼育・管理をチョウザメ管理者に依頼することによって、チョウザメを確実に飼育、成長させることができるとともに、チョウザメ所有者は自らのチョウザメの成長状況や健康状態を逐次確認することができる。
【0047】
チョウザメ管理者端末(100)は第一実施形態と同様のものが用いられる。
管理サーバ(200)は、第一実施形態と同様にチョウザメ管理者端末(100)から送信された飼育情報に基づいて飼育支援情報を算出することができるが、算出された飼育支援情報はチョウザメ管理者端末(100)に加えて、チョウザメ所有者の要求に応じて、チョウザメ所有者端末(500)にも送信される。また飼育情報も、チョウザメ管理者の要求に応じて、チョウザメ所有者端末(500)に送信される。
【0048】
チョウザメ所有者端末(500)は、処理手段(530)と、入力手段(510)と、表示手段(540)と、記憶手段(520)と、送信手段(550)と、受信手段(560)とを具備する。
入力手段(510)は、管理サーバ(200)に対して、飼育情報や飼育支援情報の送信を要求する際、或いはチョウザメ所有者端末(500)を操作する際に用いられる。
処理手段(530)は、記憶手段(520)に予め記憶された処理プログラムに基づいてチョウザメ管理者端末(500)における各処理を制御する。
表示手段(540)は、管理サーバ(200)から送信された飼育情報や飼育支援情報を表示する。
記憶手段(520)は、管理サーバ(500)から送信された飼育情報や飼育支援情報を記憶する。
送信手段(550)は、飼育情報や飼育支援情報の送信の要求があった場合に、この要求を管理サーバ(500)に送信する。
受信手段(560)は、管理サーバ(500)から送信された飼育情報や飼育支援情報を受信する。
【0049】
チョウザメ管理者によって測定されたチョウザメ個体毎の飼育情報は、チョウザメ管理者端末(100)に入力される。入力された飼育情報は、通信回線(300)を介して管理サーバ(200)に送信される。
管理サーバ(200)は、送信された飼育情報と指標データとを比較して、飼育支援情報を算出する。算出された飼育支援情報はチョウザメ管理者端末(100)に送信されて、チョウザメ管理者によるチョウザメ管理に利用される。
さらに、第二実施形態に係るチョウザメ飼育システムでは、チョウザメ所有者が要求した場合、管理サーバ(200)に送信された飼育情報と、管理サーバ(200)によって算出された飼育支援情報が、チョウザメ所有者端末(500)にも送信される。チョウザメ所有者端末(500)に飼育情報や飼育支援情報が送信されることで、チョウザメ所有者は自らが所有するチョウザメの現在の健康状態や成長状態を把握することが可能となる。
第二実施形態に係るチョウザメ飼育システムでは、チョウザメの飼育情報を、チョウザメ管理者に加えてチョウザメ所有者も共有することができ、例えば、不測の事態が発生した場合であっても、対応スピードが上がり、被害を最小限に抑えることができる。
【0050】
さらに、第二実施形態に係るチョウザメ飼育システムの場合、複数のチョウザメ飼育槽にチョウザメの飼育を依頼しているチョウザメ所有者は、飼育槽毎に自らが所有するチョウザメの飼育情報を得ることができるので、各飼育槽の飼育状態、飼育成績を比較することができ、飼育槽を選択することができるといったサービスを得ることができる。
一方、チョウザメの飼育を依頼されているチョウザメ管理者は、管理する飼育槽の飼育状態や飼育成績が良好であれば、より多くのチョウザメを管理することが可能となる。
【実施例】
【0051】
以下、本件発明の識別具を用いたチョウザメ飼育法及び飼育装置を実施例に基づいて説明するが、本件発明の識別具を用いたチョウザメ飼育法及び飼育装置は、これら実施例に何ら限定されるものではない。
【0052】
実施例1:チョウザメの飼育
図4は、本件発明の識別法を用いたチョウザメ飼育装置を上方から眺めた様子を示した模式図である。この実施例で飼育されているのは6匹のチョウザメ(11〜13)である。このうち、番号(11)で示されるチョウザメは、3匹とも同じ所有者(以下、所有者Aとする。)のものであり、番号(12)で示されるチョウザメは、2匹とも同じ所有者(以下、所有者Bとする。)のものであり、番号(13)で示されるチョウザメは、また別の所有者(以下、所有者Cとする。)のものである。尚、番号(2)で示されるのはチョウザメを飼育するための水槽であり、この実施例では、FRP(強化プラスチック)製の水槽が用いられているが、コンクリート製の人工池を用いる場合もある。尚、識別具はチョウザメ体内に埋め込まれているため、この模式図においては確認することはできない。
【0053】
図5は、実施例1で用いられている識別具(3、商品名:PITタグ、ケー・エンジニアリング株式会社製)の模式図である。この埋め込み式トランスポンダーは、円筒形の生物組織適合性のあるガラス容器に電磁コイル、同調コンデンサー、マイクロチップを組み込んだ受動無線周波標識であり、互換性のある無線周波読み取り装置を使用して読み取ることができる。この識別具(3)は、注射器型の専用のインジェクターを用いて対象とする個体の体内に埋め込む。
【0054】
図6は、飼育されているチョウザメの情報を管理する情報管理装置(41)の模式図である。この実施例ではパソコンが用いられている。パソコンのモニター(42)には、チョウザメに関する情報が映し出されている。「測定データ」は、飼育者が2週間ごとにチョウザメの個体の体重と体長を測定して、自らがキーボードを使って打込んだものである。このデータはデータベースに加えられ、チョウザメの出荷予測のための基礎データとして用いられる。
【0055】
図7は、データベースの情報を元にして、所有者Aのチョウザメ個体01Be0001の出荷予測を行った画面である。所有者Aはチョウザメが250gになった時点で出荷することを望んでおり、データベースに蓄積されていた同種のチョウザメの飼育情報から、個体01Be0001の体重が250gになる時期を予測している。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】情報管理システムの該略図である。
【図2】データベースの可視化イメージである。
【図3】チョウザメの成長曲線図である。
【図4】本件発明の識別具を用いたチョウザメ飼育法及び飼育装置を示した模式図である。
【図5】識別具の模式図である。
【図6】情報管理装置の模式図である。
【図7】情報管理装置の模式図である。
【図8】第一実施形態に係るチョウザメ飼育システムの概略構成を示すブロック図である。
【図9】第二実施形態に係るチョウザメ飼育システムの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0057】
11 チョウザメ
12 チョウザメ
13 チョウザメ
2 チョウザメ飼育槽
3 識別具
41 情報管理装置
42 モニター
100 チョウザメ管理者端末
110 入力手段
120 記憶手段
130 処理手段
140 表示手段
150 送信手段
160 受信手段
200 管理サーバ
210 受信手段
220 送信手段
230 表示手段
240 処理手段
250 比較手段
260 記憶手段
300 通信回線
400 第一実施形態に係るチョウザメ飼育システム
410 第二実施形態に係るチョウザメ飼育システム
500 チョウザメ所有者端末
510 入力手段
520 記憶手段
530 処理手段
540 表示手段
550 送信手段
560 受信手段
【出願人】 【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
【住所又は居所】大阪府大阪市西区立売堀2丁目3番2号
【出願日】 平成16年12月22日(2004.12.22)
【代理人】 【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博

【公開番号】 特開2006−174776(P2006−174776A)
【公開日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願番号】 特願2004−372186(P2004−372186)