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【発明の名称】 釣針
【発明者】 【氏名】中道 成之
【住所又は居所】兵庫県西脇市富田町120番地 株式会社オーナーばり内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部の先方に先曲げ部を形成し、軸部の基端に環状部を形成する釣針において、環状部の内周の一部を研削により切除して薄肉部を形成したことを特徴とする釣針。
【請求項2】
環状部に形成する薄肉部は、環状部の中心を中心とする円形に研削して切除することを特徴とする請求項1記載の釣針。
【請求項3】
釣針は、複数の先曲げ部と一つの環状部を備えたルアー用釣針であって、該一つの環状部の内周を切除して薄肉部を形成する請求項1又は2記載の釣針。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、接続環を介してルアーに取り付けるトリプルフックのように、軸部の基端に環状部を形成する釣針に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
軸部の先方に先曲げ部を形成する釣針には軸部の基端に環状部を形成し、該環状部に接続環(通常スプリットリングと称する)やヒートン等を介して釣針をルアー本体などに装着するものがある。接続環は、通常鋼線を二周程度周回させた環状であり、周回する鋼線が接する状態に形成してある。したがって、釣針を装着する場合には、周回させてある鋼線と鋼線の間隔を広げて、釣針の環状部を挿入する。釣針の環状部の軸径が太いものであると、接続環の鋼線と鋼線の間隔を大きく広げる必要があり、装着作業が困難となる。特に、大きな釣針では、釣針の軸径も太く、使用する接続環も比較的太い鋼線で作った丈夫なものを使用する。このようなものでは、接続環の鋼線と鋼線の間隔を広げるのに大きな力を必要とするとともに、釣針の軸径が太いため、大きく広げる必要がある。そして、太い鋼線を大きく広げると塑性変形して鋼線と鋼線の間隔が広がったままとなり、使用中に釣針が外れ易い、あるいは損傷し易い欠点があった。
【0003】
上記、欠点を解決するため図7に示すように、環状部の一部を切除して接続環の鋼線と鋼線を広げる間隔がある程度狭くても、接続環に釣針を装着することができる構造が工夫されている。特許文献1には、図7の(a)に示すように、湾曲させる環状部Aの先端の外周部分に切除部Bを形成するもの、図7の(b)に示すように環状部Aの中間位置において外周の一部を切除して切除部Bを形成するものなどが開示されている。また、従来の釣針には、図7の(C)に示すように、環状部Aの一端を軸部Cに沿って延長させ、その先端を先細に尖らせて、先細部Dを形成するものも知られている。
【特許文献1】特許第3050300号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される図7の(a)や(b)に示す従来の構造は、湾曲加工を施す前又は後において、線材の一部をプレスカットなどの手段によって切除部Bを形成する。湾曲加工の前に切除部Bを形成し、その後で環状部Aを湾曲形成するものでは、薄肉部分の湾曲が正確に形成しにくいとともに、環状部の強度が低下する。また、図7の(c)のように線材を尖らせるものでは能率的な加工が困難であるという欠点がある。また、湾曲加工の前後いずれにおいても、環状部の外周を切除するものでは、環状部の強度低下が顕著である。
このような従来技術の欠点に鑑み、本発明は、加工が容易であるとともに強度的に優れた薄肉部を形成した環状部の釣針を得ることを目的とするものである。さらに、別の目的は、スプリットリングに装着した際に、なるべく自然な状態で釣針が動き易い構造を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、軸部1の先方に先曲げ部2を形成し、軸部1の基端に環状部3を形成する釣針において、環状部3の内周の一部を研削により切除して薄肉部4を形成する。環状部3に形成する薄肉部4は、環状部の中心を中心とする円形に研削して切除する。切除する量は、特に限定されるものではないが、強度を考慮して軸径の三分の一ないし五分の三程度の範囲で切除するのが好ましい。
環状部を備えた釣針には、複数の先曲げ部と一つの環状部を備えたルアー用釣針が知られている。このような、ルアー用釣針においては、一つの環状部3の内周を切除して薄肉部4を形成する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の釣針によれば、湾曲形成をする環状部3の内周部分に、研削によって薄肉部分を形成するため、該薄肉部分を利用して接続環5を容易に装着することができる。そして、研削するのは、環状部3の内周部分であり外周部分が残るため、強度的に丈夫であるとともに、環状部の外周部分に不要な凹凸が形成されない。研削にともなって生じる加工硬化は、湾曲形成した後に研削作業を行うことによって、湾曲作業の支障にならないばかりでなく、加工硬化は強度を向上させる利点がある。
【0007】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加え、研削作業として湾曲形成した環状部の中心部分に、グラインダー、リューダーなど一定の直径である回転砥石を挿入することによって能率的に加工することができる。また、環状部の全周を、ほぼ均等に研削することによって、水中におけるバランスがよいとともに、内径が大きくなり、それだけ空間が大きくなることによって、環状部3の内部に入り込んだ接続環5との相対的な動きも円滑になる。
【0008】
請求項3記載の発明は、複数の先曲げ部を有するルアー用釣針に本発明を応用するものであるが、ルアー用釣針に利用した場合、環状部3の外周に凹凸が形成されないため、水の流れが滑らかでルアーの動きを乱すことがないとともに、環状部の内周を研削し、内径を大きくすることによって、ルアー6の動きに対して釣針がスムーズに追随して動く効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る釣針の実施形態を添付の図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る釣針をルアーに装着した状態を示す斜視図、図2は、ルアー用釣針の一例を示す正面図である。
【0010】
図1に示すルアー用釣針は、三方に先曲げ部を備えたトリプルフックと呼ばれるものであって、三方の先曲げ部が形成される三つの軸1,1を一体化し、その基端に環状部3が形成してある。環状部3は、軸部1を上方に延長して湾曲形成する他、別部材で形成した環状部を接合する場合がある。ルアー6には、固定環7が固定されてあり、この固定環に対して接続環を装着すると同時に、接続環5に釣針の環状部3を装着することによって、釣針がルアー6に装着される。
【0011】
接続環5は、図5の(a)に示すように、鋼線を二回周回させたものが一般的に利用されている。ある程度太い鋼線を使用する接続環では、単に周回させただけでは周回の両端が端面から突出して邪魔になるため、周回の一周目5aと二周目5bの中間に傾斜部5cを形成し、周回させた鋼線の両端が端面から突出しないようにしている。この接続環5は、図5の(b)に矢印で示すように、周回の間隔を手や工具を用いて強制的に広げ、その間から装着する釣針の環状部3を挿入する。
【0012】
釣針の環状部3は、図2及び図3に示すように、内周部分を研削によって切除して薄肉部4を形成する。薄肉部4は、環状部3のいずれの部分に形成するものであってもよい。例えば、図6のA部、B部あるいはC部に凹弧状に、細い直径の砥石を備えたリューダーによって研削することができる。そして、上記A部、B部あるいはC部の薄肉部4を利用して釣針を接続環5に接続する。
【0013】
薄肉部4は、環状部のいずれの部分、いずれの範囲に形成してもよいが、図3に示すように、環状部3の中心を中心とする円形に研削するのが好ましい。この際、図面上二点鎖線で示す本来の軸径の略二分の一を切除すると、図4に示すよう該薄肉部4は、全体に断面形状が半円形に形成され、強度的にバランスよく、環状部の一部に荷重が集中することがない。環状部3の内周部分を切除する場合は、環状部3の外周部分を切除する場合に比較して丈夫なものとなる。環状部3の内周を切除する量は、釣針の用途、大きさ、必要な強度、材質などを考慮して、軸直径の三分の一ないし五分の三程度の範囲で切除することができる。
【0014】
上記したように、環状部3の内周部分を、環状部3の中心を中心とする円形に研削することによって、穴の直径が大きくなり、接続環5が環状部3の中に挿入されたときのクリアランスか大きくなり、釣針が動き易くなる。これにより、ルアーの動きに対して釣針が滑らかに追随し、水の流れ、ルアーの動きに対して釣針の動きをスムーズなものとすることができる。あわせて、環状部3の外周部分に凹凸がないため、水の抵抗や他の物に当たり易いなど、水の流れに対して不自然動きとなることがない。
【0015】
釣針と接続環5を接続する場合、図4の(a)に二点鎖線で示すように、接続環5の一周目5aと二周目5bの間隔を広げて環状部3の軸を通過させる。このとき、図4の(b)に示すように、密接状態にある一周目5aと二周目5bの間隔を、従来の釣針であると軸の直径と同じ寸法以上を広げなければならないが、本発明によると、図4の(b)から(c)に示すように薄肉部の厚み分、具体的には軸の直径の五分の二ないし三分の二程度を広げるだけで挿入が可能であり、それだけ容易に接続環5に釣針の環状部を装着することができる。
太い線材を一周湾曲させる形状であるヒートンに釣針を装着する場合においても、釣針の環状部を挿入させるために広げる隙間が少なく、装着が容易である。また、ヒートンの装着状態について、ヒートンの一部がルアー6の表面よりも奥に入り込む、すなわち凹んだ部分にヒートンが装着される場合がある。このような場合においても、本発明によれば環状部の内周を切除することによって、釣針の動きをより円滑に行なわせることができるものである。
【0016】
環状部3を備える釣針には、小さな魚をターゲットとする小さなものから、300ポンドクラスの大物を対象とする大きな釣針まである。ごく小さな釣針では、接続環自体の鋼線も細いものであるから、比較的簡単に環状部に接続環を接続することができるが、大きな釣針では、接続環の線径も大きくなり、一周目5aと二周目5bを手指で広げることがてきない。工具を用いて線材の間隔を強制的に広げる場合においても、容易ではなく広げる間隔はできるだけ小さな方が望ましい。このようなことから、本発明は釣針のうち、太い軸である比較的大きな釣針に利用する場合により効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明に係る釣針をルアーに装着した状態を示す斜視図、
【図2】図2は、ルアー用釣針の一例を示す正面図、
【図3】図3は、釣針の環状部の拡大図、
【図4】図1は、釣針と接続環との接続工程を示す略図、
【図5】図5は、接続環の側面図、
【図6】図6は、釣針の別の実施形態を示す、環状部の拡大図、
【図7】図7は、従来の釣針の環状部の一例を示す、環状部のみの拡大正面図。
【符号の説明】
【0018】
1…軸部、 2…先曲げ部、 3…環状部、 4…薄肉部、 5…接続環、 5a…一周目、 5b…二周目、 6…ルアー、 7…固定環状。
【出願人】 【識別番号】000128614
【氏名又は名称】株式会社オーナーばり
【住所又は居所】兵庫県西脇市富田町120番地
【出願日】 平成16年12月21日(2004.12.21)
【代理人】 【識別番号】100103654
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 邦彦

【識別番号】100087996
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 進

【識別番号】100118522
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 典彦

【公開番号】 特開2006−174724(P2006−174724A)
【公開日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願番号】 特願2004−368969(P2004−368969)