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【発明の名称】 両軸受リールのリール本体
【発明者】 【氏名】平山 広和
【住所又は居所】大阪府堺市老松町3丁77番地 株式会社シマノ内

【要約】 【課題】両軸受リールのリール本体において、製造コストの増加を抑える。

【解決手段】両軸受リールのリール本体のフレームは、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の金属を切削加工することにより一体成形されている。フレームを構成する第1連結部10a、第2連結部10b及び第3連結部10cと第1環状部14a及び第2環状部14bとは、第1連設部80a〜第8連設部80hによって連続する滑らかな曲面で連結されている。第1連設部80a〜第8連設部80hは、第1面取り部81a〜81dと第2面取り部82a〜82dとを連続する滑らかな曲面で連結するように端部が面取りされた第3面取り部83a〜83hを有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣竿に装着され、釣り糸を前方に繰り出すスプールが内部に配置された両軸受リールのリール本体であって、
前記スプールが間に配置される1対の側板と、
前記1対の側板の対向する軸方向内方側に突出して設けられ、前記スプールの両端部外周を覆う1対の環状部と、
両端部が前記1対の環状部の外周部に位置するように軸方向に沿って延びて設けられ、前記1対の側板を連結する連結部と、
前記1対の環状部の軸方向内方側端部と、前記連結部の前記スプールの回転軸と交差する方向の側端部とを連続する滑らかな曲面で連結する1対の連設部と、
前記1対の環状部の軸方向内方側端部が面取りされた1対の第1面取り部と、
前記連結部の前記スプールの回転軸と交差する方向の側端部が面取りされた第2面取り部と、
前記1対の第1面取り部と前記第2面取り部とを連続する滑らかな曲面で連結するように前記1対の連設部の端部が面取りされた1対の第3面取り部と、
前記1対の側板の外方を覆う1対の側カバーと、
を備えた両軸受リールのリール本体。
【請求項2】
前記1対の第1面取り部、前記第2面取り部及び前記1対の第3面取り部は、切削加工により一体成形され、
前記1対の第1面取り部、前記第2面取り部及び前記1対の第3面取り部は、前記切削加工に用いられる切削工具の回転径より大径となる曲面になるように形成されている、請求項1に記載の両軸受リールのリール本体。
【請求項3】
前記1対の第1面取り部、前記第2面取り部及び前記1対の第3面取り部は、前方側に露出するように形成されている、請求項1又は2に記載の両軸受リールのリール本体。
【請求項4】
前記1対の第1面取り部、前記第2面取り部及び前記1対の第3面取り部は、後方側に露出するように形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の両軸受リールのリール本体。
【請求項5】
前記連結部は、前記釣竿に装着される竿取付脚部が取り付けられる下側連結部と、前記スプールを挟んで前記下側連結部と逆側に設けられた上側連結部とを有している、請求項1から4のいずれか1項に記載の両軸受リールのリール本体。
【請求項6】
前記下側連結部は、前後に並べて配置された前側連結部及び後側連結部を有している、請求項5に記載の両軸受リールのリール本体。
【請求項7】
前記1対の側板、前記1対の環状部、前記連結部及び前記1対の連設部は、金属を鍛造成形することにより一体成形されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の両軸受リールのリール本体。
【請求項8】
前記1対の側板、前記1対の環状部、前記連結部及び前記1対の連設部は、金属を切削加工することにより一体成形されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の両軸受リールのリール本体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、リール本体、特に、釣り糸を前方に繰り出すスプールが内部に配置された両軸受リールのリール本体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、両軸受リールは、釣竿に装着されるリール本体と、リール本体の内部に配置されたスプールと、リール本体の一側に装着されたハンドルと、ハンドルの回転をスプールに伝達する回転伝達機構とを備えている。リール本体は、フレームと、フレームの両側方を覆う1対の側カバーと有している。フレームは、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置された1対の側板と、1対の側板を一体で連結する複数の連結部とを有している。また、1対の側板には、軸方向内方側に突出しスプールの両端部外周を覆う1対の環状部が一体成形されている。
【0003】
このようなリール本体では、1対の側板及び1対の側カバーの外形が、側面視略円形となるように形成された丸形のものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。この種のリール本体は、外観の意匠性の向上を図るために、たとえばアルミニウム合金等の金属を切削加工することによって形成されている。特に、リール本体のフレームを構成する環状部及び連結部を連結する連設部には、軽量化及び加工性を向上させるために、鋭角に切り欠かれた凹角部が形成されている。
【特許文献1】特開2001−145442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来のリール本体は、切削加工により一体成形されているので、外観の意匠性を向上させることができる。このようにリール本体を切削加工するとき、特に、機械加工によって切削加工するとき、リール本体の端部に切削バリが生じることがある。このような切削バリを除去するには、エンドミル等の機械加工用の切削工具を回転し、刃先を切削バリに接触させて切削バリを削り取る。
【0005】
しかし、リール本体のフレームを構成する環状部及び連結部を連結する連設部には、鋭角に切り欠かれた凹角部が形成されているので、連設部の凹角部に機械加工用の切削工具を接触させることが困難である。具体的には、図18に示すように、環状部114a及び連結部110aを連結する連設部180aには、鋭角に切り欠かれた凹角部190が形成されているので、回転工具である機械加工用の切削工具の刃先部分を凹角部190の最奥部分に接触させることができない。このため、連設部の凹角部に生じた切削バリを除去するには、機械加工用の切削工具とは異なる先端が鋭利な切削工具を用いて、手作業にて切削バリを削り取る必要が生じる。このように、切削バリの除去を手作業で行うと、リール本体の加工に手間がかかるとともに、製造コストが増加するおそれが生じる。
【0006】
本発明の課題は、両軸受リールのリール本体において、製造コストの増加を抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明1に係るリール本体は、釣竿に装着され釣り糸を前方に繰り出すスプールが内部に配置された両軸受リールのリール本体であって、スプールが間に配置される1対の側板と、1対の側板の対向する軸方向内方側に突出して設けられスプールの両端部外周を覆う1対の環状部と、両端部が1対の環状部の外周部に位置するように軸方向に沿って延びて設けられ1対の側板を連結する連結部と、1対の環状部の軸方向内方側端部と連結部のスプールの回転軸と交差する方向の側端部とを連続する滑らかな曲面で連結する1対の連設部と、1対の環状部の軸方向内方側端部が面取りされた1対の第1面取り部と、連結部のスプールの回転軸と交差する方向の側端部が面取りされた第2面取り部と、1対の第1面取り部と第2面取り部とを連続する滑らかな曲面で連結するように1対の連設部の端部が面取りされた1対の第3面取り部と、1対の側板の外方を覆う1対の側カバーとを備えている。
【0008】
このリール本体では、環状部及び連結部を連結する連設部は、環状部の軸方向内方側端部と、連結部の上下方向の側端部とを連続する滑らかな曲面で連結しているので、連設部に機械加工用の切削工具を接触させることができる。したがって、連設部に生じた切削バリを機械加工によって除去することが可能になるので、従来のように手作業で切削バリを除去する場合に比して、切削バリの除去を容易に行うことができ、このため製造コストの増加を抑えることができる。
【0009】
また、連設部の第3面取り部は、環状部の第1面取り部と連結部の第2面取り部とを連続する滑らかな曲面で連結しているので、環状部、連設部及び連結部に生じた切削バリを1回の機械加工によって除去することが可能になるので、切削バリの除去をさらに容易に行える。
【0010】
発明2に係るリール本体は、発明1のリール本体において、1対の第1面取り部、第2面取り部及び1対の第3面取り部は、切削加工により一体成形されている。1対の第1面取り部、第2面取り部及び1対の第3面取り部は、切削加工に用いられる切削工具の回転径より大径となる曲面になるように形成されている。この場合、第1面取り部、第2面取り部及び第3面取り部の曲面を生成する円弧の径は、切削工具の刃先部分の回転径より大径になっているので、第1面取り部、第2面取り部及び第3面取り部の曲面に切削工具を確実に接触させることができる。
【0011】
発明3に係るリール本体は、発明1又は2のリール本体において、1対の第1面取り部、第2面取り部及び1対の第3面取り部は、前方側に露出するように形成されている。この場合、リール本体の前方側に第1面取り部、第2面取り部及び第3面取り部が形成されているので、リール本体の前方側の意匠性を向上できる。
【0012】
発明4に係るリール本体は、発明1から3のいずれかのリール本体において、1対の第1面取り部、第2面取り部及び1対の第3面取り部は、後方側に露出するように形成されている。この場合、リール本体の後方側に第1面取り部、第2面取り部及び第3面取り部が形成されているので、リール本体の後方側の意匠性を向上できる。
【0013】
発明5に係るリール本体は、発明1から4のいずれかのリール本体において、連結部は、釣竿に装着される竿取付脚部が取り付けられる下側連結部と、スプールを挟んで下側連結部と逆側に設けられた上側連結部とを有している。この場合、複数の下側連結部及び上側連結部を設けることにより、リール本体の強度を高き維持できる。
【0014】
発明6に係るリール本体は、発明5のリール本体において、下側連結部は、前後に並べて配置された前側連結部及び後側連結部を有している。この場合、複数の前側連結部及び後側連結部を設けることにより、竿取付脚部の装着が容易になる。
【0015】
発明7に係るリール本体は、発明1から6のいずれかのリール本体において、1対の側板、1対の環状部、連結部及び1対の連設部は、金属を鍛造成形することにより一体成形されている。この場合、金属を鍛造成形することにより、リール本体の強度を高き維持できるとともに、たとえば型成形することにより、リール本体の形成が容易になる。
【0016】
発明8に係るリール本体は、発明1から7のいずれかのリール本体において、1対の側板、1対の環状部、連結部及び1対の連設部は、金属を切削加工することにより一体成形されている。この場合、たとえば旋盤やフライス盤を用いた機械加工により、複雑な形状のリール本体を形成できる。また、リール本体全体を機械加工のみで形成することにより、製作工程の数を減少できる。また、リール本体全体を鍛造成形した後に機械加工することにより、強度を高く維持しながら複雑な形状のリール本体を形成できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、両軸受リールのリール本体において、環状部及び連結部を連結する連設部は、環状部の軸方向内方側端部と、連結部の上下方向の側端部とを連続する滑らかな曲面で連結しているので、連設部に生じた切削バリを機械加工によって除去することができるので、製造コストの増加を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の一実施形態が採用された両軸受リールは、図1から図3に示すように、ベイトキャスト用の丸形の両軸受リールである。このリールは、リール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを備えている。
【0019】
ハンドル2は、図1及び図2に示すように、板状のアーム部2aと、アーム部2aの両端に回転自在に装着された把手2bとを有するダブルハンドル形のものである。アーム部2aは、図3に示すように、ハンドル軸30の先端に回転不能に装着されており、ナット28によりハンドル軸30に締結されている。ハンドル軸30の先端は、他の部分より小径であり、その外周面に雄ねじ部30aと平行な面取り部30bとが形成されている。ナット28は、雄ねじ部30aに螺合してアーム部2aをハンドル軸30に締結しており、ナット28は、略雨滴状のステンレス鋼等の金属製のリテーナ29により回り止めされている。
【0020】
リール本体1は、図1から図3に示すように、たとえばアルミニウム合金やマグネシウム合金等の金属製の部材であり、、フレーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1側カバー6及び第2側カバー7とを有している。リール本体1の内部には、糸巻き用のスプール12がスプール軸20(図3参照)を介して回転自在かつ着脱自在に装着されている。第1側カバー6は、スプール軸方向外方から見て円形であり、第2側カバー7は、2つの交差する外周円で構成された瓢箪型である。
【0021】
フレーム5内には、図3に示すように、スプール12と、サミングを行う場合の親指の当てとなるクラッチレバー17と、スプール12内に均一に釣り糸を巻くためのレベルワインド機構18とが配置されている。またフレーム5と第2側カバー7との間には、ハンドル2からの回転力をスプール12及びレベルワインド機構18に伝えるためのギア機構19と、クラッチ機構21と、クラッチレバー17の操作に応じてクラッチ機構21を制御するためのクラッチ制御機構22と、スプール12を制動するドラグ機構23と、スプール12の回転時の抵抗力を調整するためのキャスティングコントロール機構24とが配置されている。また、フレーム5と第1側カバー6との間には、キャスティング時のバックラッシュを抑えるための遠心ブレーキ機構25が配置されている。
【0022】
フレーム5は、図3から図6に示すように、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置された1対の第1側板8及び第2側板9と、第1側板8及び第2側板9を一体で連結する上下の第1連結部10a、第2連結部10b及び第3連結部10cとを有している。また、フレーム5は、第1側板8及び第2側板9にそれぞれ突出して設けられた第1環状部14a及び第2環状部14bと、第1環状部14a及び第2環状部14bと第1連結部10a、第2連結部10b及び第3連結部10cとを連続する滑らかな曲面で連結する第1連設部80a〜第8連設部80hとをさらに有している。フレーム5は、たとえばアルミニウム合金やマグネシウム合金等の金属を切削加工することにより一体成形された部材であり、旋盤やフライス盤を用いた機械加工によって形成されている。ハンドル2装着側の図3右側の第2側板9と第2側カバー7とで、第1円筒部11aと第1円筒部11aと略同径の第2円筒部11bとが構成される。第1円筒部11aは、内部に円柱状の第1空間を有しており、第2円筒部11bは、第1円筒部11aの外周円と交差するように前下方に偏芯して外周円が配置されかつ第1円筒部11aのスプール軸方向に突出し内部に第1空間と連通する第2空間を有している。また、第1円筒部11aと第2円筒部11bとは、外周面の一部がスプール軸方向で重なり合っている。
【0023】
また、図3左側のハンドル2装着側と逆側の第1側板8は、スプール軸方向から見て円形の内部に空間を有する扁平有底筒状の部材である。第1側板8の中心部よりやや上方には、スプール12を着脱するための円形の開口部8aが形成されている。この開口部8aの内周面には、雌ねじ部8bが形成されている。雌ねじ部8bには、スプール12の回転軸であるスプール軸20の左端を支持するスプール支持部13が着脱自在に装着されている。
【0024】
スプール支持部13は、図1、図3及び図6に示すように、有底筒状の軸受部15と、スプール支持部13を回動操作するための操作凸部16と、第1側板8の開口部8aの内周部に形成された雌ねじ部8bに螺合する雄ねじ部68c(図13参照)を有する後述する遠心ブレーキ機構25の制動部材68とを備えている。軸受部15及び操作凸部16は、一体成形された合成樹脂又は金属製の部材である。
【0025】
軸受部15の内周面には、スプール軸20の一端を回転自在に支持するための軸受26bが装着されている。また底部には、キャスティングコントロール機構24の摩擦プレート51が装着されている。
【0026】
操作凸部16は、制動部材68と軸受部15とを連結するように直径に沿って配置されており、軸方向外方に向かって凸に湾曲して形成されている。この結果、操作凸部16の両側に開口部16aが形成される。この開口部16aからスプール12の側部が臨めるとともに、そこに指先を入れることができる。
【0027】
第2側板9は、図5に示すように、第1側板8と同径の扁平有底筒状の装着部9aと、装着部9aの斜め前下方の縁部に装着部9aの外周円と交差する外周円となるように偏芯して形成された突出部9bとを有している。突出部9bは、三日月状に円弧で形成されている。装着部9aの底部には、後述するピニオンギア32が支持されるボス部9cが形成されている。また、ボス部9cの両側には、第2側カバー7を位置決めするための2本の位置決めピン9d、9eが立設されている。位置決めピン9d、9eの先端は、小径の頭部が形成されており、頭部が第2側カバー7に形成された位置決め孔7eに挿入されることで、第2側板9と第2側カバー7とが位置決めされる。
【0028】
さらに、ボス部9cの斜め前下方には、ハンドル軸30の基端を支持するボス部9fが形成されている。ボス部9fは、装着部9aの外周円と突出部9bの外周円とが重複する部分に形成されている。また、ボス部9cと位置決めピン9eとの間には、クラッチ制御機構22のクラッチプレート55を案内する案内部9gが扇形に僅かに凹んで形成されている。装着部9aの前側の縁部から突出部9bの底部にかけて、レベルワインド機構18のギア部材63a(図11参照)を配置するための内外周を貫通する切欠き部9iが形成されている。この切欠き部9iを塞ぐために、ギア部材63aの外縁に沿うような円弧状に湾曲したカバー部材41が着脱自在に装着されている。突出部9bには、斜め前下方への偏り部分から三日月部分の外縁に沿って円弧状に湾曲した縁部9hが形成されている。この縁部9hは、突出部9bにおいて、2つの外周円が交差する位置まで形成されている。
【0029】
また、第1側板8及び第2側板9には、図3及び図8に示すように、両端部外周が対向する軸方向内方側に突出して設けられたリング状の第1環状部14a及び第2環状部14bが一体成形されている。第1環状部14aの内周部には、図13に拡大して示すように、端面が第1環状部14aの端面より軸方向外方に位置するように後述する制動部材68の筒状部68dが配置されている。筒状部68dには、側部が開口する環状の凹溝部68fが形成されている。第2環状部14bの内周部には、図14に拡大して示すように、先端面が第2環状部14bの端面より軸方向外方に配置された筒状部14cが一体成形されており、筒状部14cには、側部が開口する環状の凹溝部14dが形成されている。
【0030】
第1連結部10aは、第1側板8及び第2側板9の上側において第1側板8及び第2側板9の外形と同一面に配置されており、第2連結部10b及び第3連結部10cは第1側板8及び第2側板9の下側において第2連結部10bが第3連結部10cより前側に位置するように前後に1対設けられており、外形より内側に配置されている。第2連結部10b及び第3連結部10cには、図4及び図7に示すように、リールを釣竿に装着するための前後に長い、たとえばアルミニウム合金等の金属製の竿装着脚部4がリベット止めされている。
【0031】
第1連結部10a、第2連結部10b及び第3連結部10cは、図1、図5、図7、図15、図16及び図17に示すように、第1環状部14a及び第2環状部14bの外周部に位置するように配置されており、第1連結部10a、第2連結部10b及び第3連結部10cと第1環状部14a及び第2環状部14bとは8箇所の第1連設部80a〜第8連設部80hによって連続する滑らかな曲面で連結されている。なお、図16及び図17の上側の側面図は、第1連結部10aの上端が真上に位置するようにして見た図であり、図16及び図17の下側の側面図は、第2連結部10b及び第3連結部10cの下端が真下に位置するようにして見た図である。
【0032】
第1連設部80aは、図16に示すように、後側の第1環状部14aの軸方向内方側(図16右側)端部と上方後側の第1連結部10aの下側側端部とを連続する滑らかな曲面で連結している。第2連設部80bは、後側の第2環状部14bの軸方向内方側(図16左側)端部と上方後側の第1連結部10aの下側側端部とを連続する滑らかな曲面で連結している。第3連設部80cは、後側の第1環状部14aの軸方向内方側(図16右側)端部と下方後側の第2連結部10bの上側側端部とを連続する滑らかな曲面で連結している。第4連設部80dは、後側の第2環状部14bの軸方向内方側(図16左側)端部と下方後側の第2連結部10bの上側側端部とを連続する滑らかな曲面で連結している。
【0033】
第5連設部80eは、図17に示すように、前側の第1環状部14aの軸方向内方側(図17左側)端部と上方前側の第1連結部10aの下側側端部とを連続する滑らかな曲面で連結している。第6連設部80fは、前側の第2環状部14bの軸方向内方側(図17右側)端部と上方前側の第1連結部10aの下側側端部とを連続する滑らかな曲面で連結している。第7連設部80gは、前側の第1環状部14aの軸方向内方側(図17左側)端部と下方前側の第3連結部10cの上側側端部とを連続する滑らかな曲面で連結している。第8連設部80hは、前側の第2環状部14bの軸方向内方側(図17右側)端部と下方前側の第3連結部10cの上側側端部とを連続する滑らかな曲面で連結している。
【0034】
また、第1環状部14a及び第2環状部14bは、図16及び図17に示すように、軸方向内方側端部が面取りされた第1面取り部81a〜81dを有している。第1面取り部81aは、図16に示すように、後側の第1環状部14aの軸方向内方側(図16右側)端部を面取りしたものである。第1面取り部81bは、後側の第2環状部14bの軸方向内方側(図16左側)端部を面取りしたものである。第1面取り部81cは、図17に示すように、前側の第1環状部14aの軸方向内方側(図17左側)端部を面取りしたものである。第1面取り部81dは、前側の第2環状部14bの軸方向内方側(図17右側)端部を面取りしたものである。第1面取り部81a〜81dは、図7、図15、図16及び図17に示すように、第1環状部14a及び第2環状部14bの端部に沿って円形に形成された略等幅の面取りであって、切削加工によって生じた切削バリを除去する際に形成されたものである。
【0035】
さらに、第1連結部10a、第2連結部10b及び第3連結部10cは、図16及び図17に示すように、対向する上下方向の側端部が面取りされた第2面取り部82a〜82dを有している。第2面取り部82aは、図16に示すように、上方後側の第1連結部10aの下側側端部を面取りしたものである。第2面取り部82bは、下方後側の第2連結部10bの上側側端部を面取りしたものである。第2面取り部82cは、図17に示すように、上方前側の第1連結部10aの下側側端部を面取りしたものである。第2面取り部82dは、下方前側の第3連結部10cの上側側端部を面取りしたものである。
【0036】
第2面取り部82a〜82dは、図7、図15、図16及び図17に示すように、第1連結部10a、第2連結部10b及び第3連結部10cの前後に露出する端部に沿って直線状に形成された略等幅の面取りであって、切削加工によって生じた切削バリを除去する際に形成されたものである。第2面取り部82aの中央部は、図7、図15及び図16に示すように、他の部分に比して面取り幅が大きくなるように形成されている。また、第2面取り部82cは、図7及び図17に示すように、上方前側の第1連結部10aの下側に入り込む位置に形成されている。このため、第2面取り部82cと後述する第3面取り部83e及び第3面取り部83fとが連続する滑らかな曲面で連結するように、第3面取り部83e及び第3面取り部83fの曲面を生成する円弧の径が大きくなっている。
【0037】
さらに、第1連設部80a〜第8連設部80hは、図16及び図17に示すように、第1面取り部81a〜81dと第2面取り部82a〜82dとを連続する滑らかな曲面で連結するように端部が面取りされた第3面取り部83a〜83hを有している。
【0038】
第3面取り部83aは、図16に示すように、第1連設部80aの端部に形成され、後側の第1面取り部81aと上方後側の第2面取り部82aとを連続する滑らかな曲面で連結している。第3面取り部83aは、図7、図15及び図16に示すように、両端が第1面取り部81a及び第2面取り部82aと滑らかに連結可能な略瞳形状の面取りであって、切削加工によって生じた切削バリを除去する際に形成されたものである。
【0039】
第3面取り部83bは、第2連設部80bの端部に形成され、後側の第1面取り部81bと上方後側の第2面取り部82aとを連続する滑らかな曲面で連結している。第3面取り部83cは、第3連設部80cの端部に形成され、後側の第1面取り部81aと下方後側の第2面取り部82bとを連続する滑らかな曲面で連結している。第3面取り部83dは、第4連設部80dの端部に形成され、後側の第1面取り部81bと下方後側の第2面取り部82bとを連続する滑らかな曲面で連結している。
【0040】
第3面取り部83eは、図17に示すように、第5連設部80eの端部に形成され、前側の第1面取り部81cと上方前側の第2面取り部82cとを連続する滑らかな曲面で連結している。第3面取り部83fは、第6連設部80fの端部に形成され、前側の第1面取り部81dと上方前側の第2面取り部82cとを連続する滑らかな曲面で連結している。第3面取り部83gは、第7連設部80gの端部に形成され、前側の第1面取り部81cと下方前側の第2面取り部82dとを連続する滑らかな曲面で連結している。第3面取り部83hは、第8連設部80hの端部に形成され、前側の第1面取り部81dと下方前側の第2面取り部82dとを連続する滑らかな曲面で連結している。
【0041】
このような第1面取り部81a〜81d、第2面取り部82a〜82d及び第3面取り部83a〜83hは、切削加工により一体成形されており、切削加工に用いられるエンドミル等の機械加工用の切削工具T(図15参照)の刃先部分の回転径より大径となる曲面になるように形成されている。具体的には、図15に示すように、まず、切削工具Tを後側の第1環状部14aの端部に接触させて切削し、第1面取り部81aを形成する。次に、切削工具Tを第1連設部80aの端部に接触させて切削し、第3面取り部83aを形成する。そして、切削工具Tを上方後側の第1連結部10aの端部に接触させて切削し、第2面取り部82aを形成する。ここでは、第1面取り部81a、第3面取り部83a及び第2面取り部82aの順に切削工具Tを移動させることにより、1回の切削工程で第1面取り部81a、第3面取り部83a及び第2面取り部82aとを連続する滑らかな曲面で連結することができる。したがって、第1面取り部81a、第3面取り部83a及び第2面取り部82aに生じた切削バリの除去を容易に行うことができる。
【0042】
なお、後側の第1環状部14a、第1連設部80a及び上方後側の第1連結部10aと同様な切削加工を、図16に示すように、第2連設部80b、後側の第2環状部14b、第4連設部80d、下方後側の第2連結部10b及び第3連設部80cの順に行うことにより、1回の切削工程で第1面取り部81a、第3面取り部83a、第2面取り部82a、第3面取り部83b、第1面取り部81b、第3面取り部83d及び第2面取り部82bとを連続する一続きの滑らかな曲面で連結することができる。これらの第1面取り部81a、第3面取り部83a、第2面取り部82a、第3面取り部83b、第1面取り部81b、第3面取り部83d及び第2面取り部82bは前方側に露出するように形成されているので、切削バリのない面取りによって意匠性を向上できる。
【0043】
また、同様の切削加工を、図17に示すように、前側の第1環状部14a、第5連設部80e、上方前側の第1連結部10a、第6連設部80f、前側の第2環状部14b、第8連設部80h、下方前側の第3連結部10c及び第7連設部80gの順に行うことにより、1回の切削工程で第1面取り部81c、第3面取り部83e、第2面取り部82c、第3面取り部83f、第1面取り部81d、第3面取り部83h及び第2面取り部82dとを連続する一続きの滑らかな曲面で連結することができる。これらの第1面取り部81c、第3面取り部83e、第2面取り部82c、第3面取り部83f、第1面取り部81d、第3面取り部83h及び第2面取り部82dは後方側に露出するように形成されているので、切削バリのない面取りによって意匠性をさらに向上できる。
【0044】
第1側カバー6は、図6、図8、図9に示すように、スプール12の着脱を可能にするために第1側板8に揺動自在に装着されフレーム5に対して開閉可能である。第1側カバー6は、図3及び図4に示す閉姿勢から図1及び図6に示す開姿勢に揺動自在である。第1側カバー6は、第1側板8の外方を覆う円板状のカバー本体33と、カバー本体33を揺動自在に支持するための揺動軸34と、カバー本体33を第1側板8から離反する方向に付勢するコイルばね35とを有している。
【0045】
カバー本体33は、第1側板8を覆うように外方に僅かに凸に湾曲した金属製の部材であり、意匠性の向上を図るとともに軽量化を図るために外周部に直径が異なる多数の丸孔33bが周方向及び径方向に間隔を隔てて設けられている。カバー本体33の外周側の内面には、揺動軸34を固定するためのねじ穴33aが形成されている。ねじ穴33aの周囲には、外周縁部から中心側に突出するボス部33cが形成されており、ボス部33cの底部との境界部分には、略周方向に沿って直線的に切り欠かれた係止部33dが形成されている。また、カバー本体33の中心よりやや偏倚した内面には、内方に突出する取付部33e(図3参照)が形成されている。取付部33eは、カバー本体33が第1側板8に装着されたとき、スプール支持部13の操作凸部16に近接した位置にスプール支持部13に当接可能に配置され、スプール支持部13が緩み方向に回転しないようにしている。
【0046】
カバー本体33の内面側には、丸孔33bから内部への異物や液体の浸入を防止するためのシール部材42が装着されている。シール部材42は、たとえば、ABS樹脂(アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン)等の合成樹脂製であり、かつ内部が見えるような透光性を有している。シール部材42は、図9に示すように、カバー本体33の湾曲に合わせた形状で外方に凸に湾曲しており、カバー本体33の縁部の内側に沿った外径を有している。シール部材42のボス部33cに沿った部分では、係止部33dに係止されるような凹部42aが形成されている。また、シール部材42の内面には、図3に示すように、取付部33eを覆うような筒部42bを有している。この筒部42bを貫通して段付ナット43が取付部33eにねじ込まれており、凹部42aと筒部42bとによりシール部材42は、第1側カバー6の裏面に固定されている。また、段付ナット43の周囲には、たとえば弾性樹脂製のOリング44が段付ナット43の頭部と筒部42bとに接触するように介装されている。ここでは、Oリング44を介装しない場合に比して段付ナット43を強く締め付けることなくシール部材42を固定できるので、段付ナット43を強く締め付けてシール部材42が破損してしまうのを防止できる。このようなシール部材42を第1側カバー6に装着する際には、凹部42aを係止部33dに差し込んだ後に、筒部42bを取付部33eにかぶせる。そして、Oリング44を装着した段付ナット43を取付部33eにねじ込んでシール部材42を第1側カバー6の内面に固定する。
【0047】
揺動軸34の先端には、図10に示すように、ねじ穴33aにねじ込まれるねじ部34aが形成されており、ねじ部34aに隣接して大径の工具係止部34bが形成されている。ねじ部34aはカバー本体33にねじ込まれ、これにより揺動軸34がカバー本体33に固定されている。
【0048】
揺動軸34の外周側には、第1側板8を貫通してパイプ部材36が同芯に配置されている。揺動軸34の先端はパイプ部材36に回転自在に支持され、基端側は第2側板9に回転自在に支持され、さらに、第2側カバー7から外方に突出している。パイプ部材36は、揺動軸34を回転自在支持するとともに軸方向移動不能に支持する。パイプ部材36の先端には大径部36aが形成されており、大径部36a内に揺動速度を規制するためのOリング37が装着されている。
【0049】
大径部36aと第1側板8との間には揺動軸34の外周側にコイルばね35が圧縮状態で装着されている。パイプ部材36の大径部36aを除く部分の外周面には、平行な面取り部36bが形成されており、第1側板8には面取り部36bを軸方向移動自在かつ回転不能に支持するための小判孔38aを有する支持部材38がねじ止めされている。パイプ部材36の基端には揺動軸34の軸方向の移動を規制する規制円板39が止め輪39aにより固定されている。この規制円板39と大径部36aとでパイプ部材36を挟持することで、揺動軸34は、パイプ部材36に対して軸方向に移動不能に支持される。またこの規制円板39が第1側板8に当接することにより、第1側カバー6が開くときの軸方向位置が決定される。これにより、第1側カバー6は、第1側板8に揺動自在かつ軸方向に所定距離移動可能に装着され第1側板8に対して脱落することなく開閉自在となっている。
【0050】
揺動軸34の基端部には、ねじ部34cが形成されており、ねじ部34cは、第1側カバー6を開閉操作するための操作部材である着脱ナット40にねじ込まれている。着脱ナット40は、第2側カバー7に回転自在かつ軸方向移動不能に装着されている。この着脱ナット40を反時計回りに回転させて着脱ナット40からねじ部34cを離反させると、揺動軸34は、コイルばね35に付勢されて図4左方に移動する。するとカバー本体33も左方に移動して第1側カバー6が開く。第1側カバー6が開くと自重により揺動する。このときの揺動速度はOリング37によりゆったりとした速度に規制される。
【0051】
第2側カバー7は、図2から図5に示すように、第2側板9と同一の2つの外周円が交差する偏芯した円形の側面を有している。第2側カバーは、たとえば3本のねじにより第2側板9に固定されている。第2側カバー7は第2側板9の突出部9bに沿った形状で同径の扁平有底筒状の装着部7cと、装着部7cの斜め後上方の縁部に偏芯した円弧で第2側板9の装着部9aに対向して三日月状に形成された突出部7dとを有している。装着部7cの底部には、ハンドル軸30を支持するための筒状のボス部7aと、スプール軸20を支持するための筒状のボス部7bとが間隔を隔てかつ外方に突出して固定されている。ボス部7aは、第2側板9に形成されたボス部9fと、またボス部7bは、ボス部9cとそれぞれ同一軸芯上に配置される。ボス部9cの前側には、第2側カバー7を位置決めするための位置決め孔7eが形成されている。さらに、ボス部7aの後方には、第1側カバー6を開閉操作するための着脱ナット40が回転自在に支持されるつまみ孔7gが形成されている。
【0052】
突出部7dには、斜め後上方への偏り部分から三日月部分の外縁に沿って円弧状に湾曲した縁部7hが形成されており、縁部7hは、第2側板9の装着部9aと同芯に配置され、かつ突出部9bの縁部9hと瓢箪型に接続されている。突出部7dのボス部7bを挟んで位置決め孔7eと逆側の位置には、位置決め孔7fが形成されている。前述したように、第2側板9に立設された位置決めピン9d、9eの頭部が位置決め孔7e、7fに挿入されることにより、第2側板9と第2側カバー7とが位置決めされ、各ボス部9c、7b、9f、7aがそれぞれ芯出しされ同一軸芯上に配置される。
【0053】
スプール12は、図3及び図8に示すように、外周に釣り糸が巻き付けられる筒状の糸巻胴部12aと、糸巻胴部12aの両端にそれぞれ径方向外方に突出して設けられた第1フランジ部12b及び第2フランジ部12cとを有している。スプール12は、糸巻胴部12aの内周側の軸方向の実質的に中央部に一体で形成された筒状のボス部12dを有しており、ボス部12dを貫通するスプール軸20に、たとえばセレーション結合により回転不能に固定されている。ボス部12dの両側部には、図7に示すように、周方向に沿って2列に並べて配置された大小複数の貫通孔12eが形成されている。貫通孔12eは、外周側が大径に形成され、内周側が小径になるように等間隔に並べて配置されている。このような大小複数の貫通孔12eを形成することにより、糸巻胴部に貫通孔を形成する場合に比して強度を高く維持しながら、スプール12の軽量化を図ることができる。
【0054】
スプール12は、図12に拡大して示すように、第1フランジ部12b及び第2フランジ部12cの両端外周に突出し、第1環状部14a及び第2環状部14bの先端部との間に僅かな隙間をあけて設けられ、第1フランジ部12b及び第2フランジ部12cと第1側板8及び第2側板9との間に釣り糸が進入するのを防止する第1釣り糸進入防止部12f及び第2釣り糸進入防止部12gをさらに備えている。
【0055】
第1フランジ部12b及び第2フランジ部12cは、図12に示すように、糸巻胴部12aの両端から軸方向外方に向けて徐々に拡径する第1傾斜部12h及び第2傾斜部12jと、第1傾斜部12h及び第2傾斜部12jの両端から軸方向外方に向けて同径になるように形成された第1円筒部12i及び第2円筒部12kとを有している。第1円筒部12i及び第2円筒部12kは、第1環状部14a及び第2環状部14bの内周に覆われており、両端部が凹溝部14d及び凹溝部68fに挟み込まれる位置に配置されている。第1円筒部12i及び第1円筒部12iの外周には、第1釣り糸進入防止部12f及び第2釣り糸進入防止部12gが突出して設けられている。
【0056】
第1釣り糸進入防止部12f及び第2釣り糸進入防止部12gは、図13及び図14に拡大して示すように、第1環状部14a及び第2環状部14bの先端部との間に僅かな隙間をあけて設けられ、第1フランジ部12b及び第2フランジ部12cの第1円筒部12i及び第2円筒部12kの外周面と直交するように配置されている。
【0057】
スプール軸20は、図3に示すように、第2側板9を貫通して第2側カバー7の外方に延びている。その延びた一端は、第2側カバー7に装着されたボス部7bに軸受26aにより回転自在に支持されている。またスプール軸20の他端は前述したように軸受26bにより回転自在に支持されている。
【0058】
スプール軸20の大径部分20aの右端は、第2側板9の貫通部部分に配置されており、そこにはクラッチ機構21を構成する係合ピン20bが固定されている。係合ピン20bは、直径に沿って大径部分20aを貫通しており、その両端が径方向に突出している。
【0059】
クラッチレバー17は、図2に示すように、第1側板8と第2側板9との間の後部でスプール12後方に配置されている。クラッチレバー17は第1側板8と第2側板9との間で上下方向にスライドする。クラッチレバー17のハンドル装着側には、係合軸17aが第2側板9を貫通して一体形成されている。この係合軸17aは、クラッチ制御機構22に係合している。
【0060】
レベルワインド機構18は、図3及び図7に示すように、スプール12の前方で第1側板8と第2側板9との間に配置され、外周面に交差する螺旋状溝46aが形成された螺軸46と、螺軸によりスプール軸方向に往復移動する釣り糸案内部47とを有している。螺軸46は、両端が第1側板8及び第2側板9に装着された軸支持部48、49により回転自在に支持されている。螺軸46の図3左端は、E型止め輪50により抜け止めされている。螺軸46の図3右端には、ギア部材63aが装着されており、ギア部材63aは、ハンドル軸30に回転不能に装着されたギア部材63bに噛み合っている。このような構成により、螺軸46は、ハンドル軸30の糸巻き取り方向の回転に連動して回転する。
【0061】
釣り糸案内部47は、図7に示すように、螺軸46の周囲に配置され一部が軸方向の全長にわたって切り欠かれたパイプ部材53と、螺軸の上方に配置されたガイド軸54とによりスプール軸20方向に案内されている。釣り糸案内部47には、螺旋状溝46aに係合する係止部材47aが回動自在に装着されており、螺軸46の回転によりスプール軸方向に往復移動する。釣り糸案内部47の上部には、釣り糸が通過する、たとえばSiC等の硬質セラミックス製の長円形のガイドリング47bが装着されている。
【0062】
パイプ部材53は、両端が軸支持部48、49に係止されている。ガイド軸54は、第1側板8及び第2側板9に固定されており、ガイド軸54の第2側板9側の端部はさらに第2側カバー7側に突出している。図11に示すように、軸支持部49は略雨滴状であり、大径部で螺軸46を回転自在に支持し、小径部をガイド軸54が貫通して軸支持部49を回り止めしている。
【0063】
ギア機構19は、図3に示すように、ハンドル軸30と、ハンドル軸30に固定されたメインギア31と、メインギア31に噛み合う筒状のピニオンギア32とを有している。ハンドル軸30は、ボス部9f及びボス部7aに回転自在に装着されており、ローラ型のワンウェイクラッチ86及び爪式のワンウェイクラッチ87により糸繰り出し方向の回転(逆転)が禁止されている。
【0064】
ワンウェイクラッチ86は、ボス部7aとハンドル軸30との間に装着されている。ワンウェイクラッチ87は、、図11に示すように、メインギア31とギア部材63bとの間でハンドル軸30に回転不能に装着されたラチェットギア88と、位置決めピン9dに揺動自在に装着されたラチェット爪89とを有している。ラチェットギア88の外周部には、略平行四辺形状に突出して形成されたラチェット歯88aが周方向に間隔を隔てて配置されており、ラチェット爪89がラチェット歯88aに噛み合うことによりハンドル軸30の糸繰り出し方向の回転が禁止される。ラチェット爪89は、ラチェットギア88を両側から挟む制御片89aを先端部に有している。制御片89aは、糸巻き取り方向の回転時にラチェット爪89をラチェットギア88に接近させ、糸繰り出し方向の回転時に離反させる。この離反時にラチェット爪89が離反しすぎないようにするために、ラチェット爪89は、離反時にガイド軸54に当接するように配置されている。
【0065】
メインギア31は、ハンドル軸30に回転自在に装着されており、ハンドル軸30とドラグ機構23を介して連結されている。
【0066】
ピニオンギア32は、図3に示すように、第2側板9の外方から内方に延び、中心にスプール軸20が貫通する筒状部材であり、スプール軸20に軸方向に移動自在に装着されている。また、ピニオンギア32の図3左端側は、軸受27により第2側板9に回転自在かつ軸方向移動自在に支持されている。ピニオンギア32の図3左端部には係合ピン20bに噛み合う噛み合い溝32aが形成されている。この噛み合い溝32aと係合ピン20bとによりクラッチ機構21が構成される。また中間部にはくびれ部32bが、右端部にはメインギア31に噛み合うギア部32cがそれぞれ形成されている。
【0067】
クラッチ制御機構22は、図11に示すように、係合軸17aに係合するクラッチプレート55と、クラッチプレート55に係合してスプール軸20を中心に回動するクラッチカム56と、クラッチカム56によりスプール軸20方向に沿って移動するクラッチヨーク57とを有している。また、クラッチ制御機構22は、スプール12の糸巻き取り方向の回転に連動してクラッチ機構21をクラッチオンさせるクラッチ戻し機構58を有している。
【0068】
クラッチプレート55は、扇形に形成された板状部材であり、第2側板9に形成された案内部9gにより回転方向に案内されている。また、クラッチプレート55は、位置決めピン9eに形成された鍔部9iにより案内部9gとの間に隙間が形成され、浮き上がりが防止されている。クラッチプレート55の一端は、クラッチレバー17の下方への移動に連動して図11反時計回りに移動するようにクラッチレバー17の係合軸17aの下端に接触する位置に延びている。クラッチプレート55の他端は、クラッチカム56に係止されており、クラッチプレート55とクラッチカム56とは連動してスプール軸20回りに回動する。
【0069】
クラッチカム56は、略リング状の板部材であり、ボス部9cにスプール軸20回りに回動自在に装着されている。クラッチカム56の外側面のスプール軸20を挟んで対向する位置には、1対の傾斜したカム突起56a、56aが形成されている。また、クラッチカム56の外周部には、クラッチプレート55に係合する係合ピン56bが形成されている。さらに、クラッチカム56の外周部には、クラッチ戻し機構58を構成する戻し爪59を連結するための連結部56cが形成されている。
【0070】
クラッチヨーク57は、クラッチカム56の軸方向外方に対向して配置されている。クラッチヨーク57は、第2側板9と第2側カバー7との間にスプール軸20を挟んで立設された2本のガイド軸60により案内されてスプール軸20方向に移動自在である。また、第2側カバー7とクラッチヨーク57との間でガイド軸60の外周側に圧縮状態で配置されたコイルばね61(図3参照)により軸方向内方に付勢されている。クラッチヨーク57は、ピニオンギア32のくびれ部32bに係合する半円弧状の係合部57aが形成されている。クラッチヨーク57のクラッチカム56と対向する側面には、カム突起56a、56aに乗り上げる図示しない傾斜面が形成されており、クラッチカム56が図11反時計回りに回動してカム突起56a、56aに傾斜面が乗り上げると、クラッチヨーク57は図3右方のクラッチオフ位置に移動し、傾斜面がカム突起56a、56aから下りると、コイルばね61により付勢されてクラッチオン位置に戻る。このクラッチヨーク57の移動に連動してピニオンギア32がスプール軸方向に移動し、クラッチ機構21がクラッチオフ状態とクラッチオン状態とに切り換わる。
【0071】
クラッチ戻し機構58は、クラッチカム56の連結部56cに回動自在に連結された戻し爪59と、戻し爪59を付勢するトグルばね62とを有している。戻し爪59は、クラッチカム57の回動により第2側板9に案内されてラチェットギア88のラチェット歯88aに接触する位置とそこから離反した位置とに移動する。トグルばね62は、戻し爪59を2つの位置で保持する。なお、第2側板9には、図11に示すように、戻し爪59が離反したときに戻し爪59の先端部が接触可能なガイド軸90が立設されている。このようなガイド軸90を設けることにより、戻し爪59の先端部が第2側板9の案内部に接触して磨耗するのを防止することができる。
【0072】
このクラッチ戻し機構58では、クラッチレバー17の押圧操作によりクラッチ機構21がクラッチオフ状態になると、第2側板9に案内されてラチェット歯88aに接触する位置に前進する。この状態で、ハンドル2の操作によりハンドル軸30が糸巻き取り方向に回転すると、ラチェット歯88aにより押圧されて離反する位置に移動し、クラッチカム56を図11時計回りに回動し、クラッチ機構21をクラッチオン状態に戻す。
【0073】
キャスティングコントロール機構24は、スプール軸20の両端を挟むように配置された複数の摩擦プレート51と、摩擦プレート51によるスプール軸20の挟持力を調節するための制動キャップ52とを有している。左側の摩擦プレート51は、スプール支持部13内に装着されている。
【0074】
遠心ブレーキ機構25は、図3及び図5に示すように、スプール12と一体回転するようにスプール軸20に固定された回転部材66と、回転部材66に周方向に間隔を隔てて配置され径方向に移動自在に装着された筒状の移動部材67と、開口部8aの内周面に固定され移動部材67に接触可能な制動部材68とを有している。
【0075】
回転部材66は、軸受部15の外周側に配置される円板部66aを有しており、円板部66aには、周方向に間隔を隔てて、たとえば6つの凹部66bが形成されている。各凹部66bには、対向する2対の係止突起70a、70bが径方向に間隔を隔てて形成されている。係止突起70aは、外周部に互いに突出して形成され、移動部材67を抜け止めするための突起である。係止突起70bは、係止突起70aより内周側に形成され、移動部材67が制動部材68に接触しないようにするための突起である。また、凹部66bの底面には、径方向に延びるガイド軸69が放射状に配置されている。このガイド軸69に移動部材67が移動自在に案内される。
【0076】
移動部材67は、筒状の部材であり、その内周側の端部に他の部分より大径で係止突起70a、70bに係止される鍔部67aを有している。移動部材67はスプール12が回転すると遠心力により制動部材68に接触してスプール12を制動する。このとき、鍔部67aが係止突起70bを乗り越えてそれより内周側に配置されると、遠心力が作用しても鍔部67aが係止突起70bに接触して制動部材68に接触できない。この移動部材67の径方向位置を切り換えることにより、遠心ブレーキ機構25の制動力を調整できる。
【0077】
制動部材68は、図13に拡大して示すように、第1側板8の開口部8aの内周部に形成された雌ねじ部8bに螺合する雄ねじ部68cが形成された外筒部68aと、外筒部68aの内周にかしめ固定された内筒部68bとを有している。内筒部68bは、端面が第1環状部14aの端面より軸方向外方に位置するように配置された筒状部68dと、内周側に移動部材67が接触する制動部68eとを有している。筒状部68dは、スプール12側(図13右側)の側部が開口する環状の凹溝部68fと、凹溝部68fと逆側(図13左側)の側部が開口する環状の肉盗み部68gとを有している。筒状部68dは、端面が第1釣り糸進入防止部12fの側面が対向する位置に配置され、凹溝部68fは、第1フランジ部12bの第1円筒部12iの両端を挟み込む位置に配置されている。ここでは、制動部材68は、遠心ブレーキ機構25としての機能と、釣り糸がリール本体1内部に進入しにくくするための機能とを備えている。
【0078】
次に、実釣時のリールの操作及び動作について詳細に説明する。
キャスティングを行うときには、クラッチレバー17を下方に押圧する。すると、クラッチプレート55が図11反時計回りに移動する。このとき、クラッチプレート55は、位置決めピン9eにより浮き上がりが防止された状態で案内部9g内を移動する。クラッチプレート55が移動すると、それに連動してクラッチカム56が反時計回りに回動し、クラッチヨーク57が図3外方のクラッチオフ位置に移動する。この結果、クラッチ機構21を構成するピニオンギア32が軸方向外方に移動し、クラッチオフ状態になる。このクラッチオフ状態では、スプール12が自由回転状態になり、キャスティングを行うと仕掛けの重さにより釣り糸がスプール12から勢いよく繰り出される。
【0079】
仕掛けが着水すると、ハンドル2を糸巻き取り方向に回転させる。すると、ラチェットギア88が糸巻き取り方向に回転し、ラチェット爪89が制御片89aの作用によりラチェットギア88の外方に位置決めピン9dを中心に揺動し、ガイド軸54に接触する。この結果、糸巻き取り時にラチェット爪89がラチェットギア88に接触しなくなり、糸巻き取り時に両者の接触によるクリック音が生じなくなる。また、ラチェットギア88が糸巻き取り方向に回転すると、ラチェット歯88aが戻し爪59の先端に当接し、戻し爪59を後方に押圧する。すると、戻し爪59はトグルばね62の死点を越えて後退し、トグルばね62により離反位置側に付勢される。この移動に連動してクラッチカム56が図11時計回りに回動し、クラッチヨーク57がコイルばね61の付勢力によりクラッチオン位置に移動し、クラッチ機構21がクラッチオン状態になる。このため、ハンドル2の回転がスプール12に伝達され、スプール12が糸巻き取り方向に回転する。
【0080】
ハンドル軸30が糸巻き取り方向に回転すると、その回転がギア部材63a、63bを介して螺軸46に伝達され螺軸46が回転する。螺軸46が回転すると、釣り糸案内部47がスプール軸方向に往復移動して釣り糸がスプール12に均一に巻き取られる。
【0081】
このような両軸受リールのリール本体1では、フレーム5は、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の金属を切削加工することにより一体成形されている。フレーム5の第1連設部80a〜第8連設部80hは、第1環状部14a及び第2環状部14bの軸方向内方側端部と、第1連結部10a、第2連結部10b及び第3連結部10cの上下方向の側端部とを連続する滑らかな曲面で連結しているので、第1連設部80a〜第8連設部80hに機械加工用の切削工具Tを接触させることができる。したがって、第1連設部80a〜第8連設部80hに生じた切削バリを機械加工によって除去することができるので、従来のように手作業で切削バリを除去する場合に比して、切削バリの除去を容易に行うことができる。したがって、製造コストの増加を抑えることができる。
【0082】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、丸形の両軸受リールを例にあげて説明したが、両軸受リールの形状はこれに限定されるものではなく、ロープロフィール型の両軸受リールにも本発明を適用できる。また、小型の浅溝スプールを有する両軸受リールに限定されるものではなく、たとえば大型の両軸受リールや、深溝スプールを有する両軸受リールにも本発明を適用できる。
【0083】
(b) 前記実施形態では、フレーム5はアルミニウム合金やマグネシウム合金等の金属を機械加工することによって一体成形されていたが、金属の材質はこれらに限定されるものではない。たとえば、フレーム5全体を鍛造成形した後、機械加工することによって一体成形してもよい。この場合、強度を高く維持しながら複雑な形状のフレーム5を形成できる。
【0084】
(c) 前記実施形態では、上下に第1連結部10a、第2連結部10b及び第3連結部10cが設けられていたが、連結部の位置、形状、個数等は任意に設定でき、たとえば下側の連結部として第2連結部10bのみを設ける構成にしてもよい。なお、この場合には、第2連結部10bの前側に第2面取り部82dが形成される。
【0085】
(d) 前記実施形態では、第2面取り部82cは、上方前側の第1連結部10aの下側に入り込む位置に形成されていたが、上から見て完全に露出する位置に形成してもよい。また、逆に、第2面取り部82aが上方後側の第1連結部10aの下側に入り込む位置に形成してもよい。この場合には、第2面取り部82a第3面取り部83a及び第3面取り部83bとが連続する滑らかな曲面で連結するように、第3面取り部83a及び第3面取り部83bの曲面を生成する円弧の径が大きくなるように形成されている。
【0086】
(e) 前記実施形態では、1回の切削工程で第1面取り部81a、第3面取り部83a、第2面取り部82a、第3面取り部83b、第1面取り部81b、第3面取り部83d及び第2面取り部82bとを連続する一続きの滑らかな曲面で連結していたが、切削加工の手順はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの斜視図。
【図2】前記両軸受リールの左側面図。
【図3】前記両軸受リールの平面断面図。
【図4】前記両軸受リールの底面図。
【図5】リール本体の斜視図。
【図6】第1側カバーを開けたときの右側面図。
【図7】前記両軸受リールの横断面図。
【図8】前記両軸受リールの縦断面図。
【図9】前記第1側カバーの内側面を見た正面図。
【図10】図3の断面部分図。
【図11】第2側カバーを開けたときの側面断面図。
【図12】スプール周辺の拡大断面図。
【図13】前記スプールの第1側板側の拡大断面図。
【図14】前記スプールの第2側板側の拡大断面図。
【図15】連設部周辺の拡大斜視図。
【図16】前記連設部を後側から見たときの側面図。
【図17】前記連設部を前側から見たときの側面図。
【図18】従来の両軸受リールの図15に相当する図。
【符号の説明】
【0088】
1 リール本体
2 ハンドル
5 フレーム
6 第1側カバー
7 第2側カバー
8 第1側板
9 第2側板
10a〜10c 第1連結部〜第3連結部
12 スプール
14a 第1環状部
14b 第2環状部
80a〜80h 第1連設部〜第8連設部
81a〜81d 第1面取り部
82a〜82d 第2面取り部
83a〜83h 第3面取り部
T 切削工具
【出願人】 【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
【住所又は居所】大阪府堺市堺区老松町3丁77番地
【出願日】 平成16年11月25日(2004.11.25)
【代理人】 【識別番号】100094145
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 由己男

【識別番号】100111187
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 秀忠

【公開番号】 特開2006−149225(P2006−149225A)
【公開日】 平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願番号】 特願2004−340663(P2004−340663)