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【発明の名称】 牛の角カバー
【発明者】 【氏名】中村 智代

【要約】 【課題】肉牛を同一牛舎で集団飼育するとき、ボス牛の強牛が弱牛を頭突き角攻撃して弱牛の飼料食べを妨害して、飼育を遅らせたり肉質低下をもたらす難点等を防止する牛角カバーを提供する。

【解決手段】下端開口の牛角挿着孔3を縦方向に有する筒体部2の上端に、筒体部2と概ね直交する径大平坦面部5または大径球体部の衝撃緩衝部4を備え、飼育牛の牛角のそれぞれに覆着セットして、頭突き角攻撃力を衝撃緩衝部4によって吸収緩和する構造の牛の角カバー1が特徴である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端開口の牛角挿着孔を縦方向に有する筒体部の上端に、該筒体部と概ね直交する径大平坦面部または大径球体部の衝撃緩衝部を備え、飼育牛の牛角のそれぞれに覆着セットする構造を特徴とする牛の角カバー。
【請求項2】
衝撃緩衝部が径大平坦面部にして、かつ、牛角挿着孔の上端から牛角が少量突き出す形状から成る請求項1に記載の牛の角カバー。
【請求項3】
衝撃緩衝部が大径球体部にして、かつ、牛角挿着孔の上端が盲孔形状である請求項1に記載の牛の角カバー。
【請求項4】
弾性伸縮自在の筒体部に、円錐形圧縮コイルばねを内設した構造から成る請求項2に記載の牛の角カバー。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、同一牛舎内で5〜10頭等の肉牛を集団飼育するとき、その飼育牛中のボス牛による弱牛への角攻撃によって発生する飼育妨害や損傷事故を防止する為に、牛の角に覆着する「牛の角カバー」に関するものである。
【背景技術】
【0002】
肉牛を同一枠囲いの牛舎内で集団飼育すると、その飼育牛中の強牛のボス牛が他の弱牛を頭突き角攻撃して飼料食べを妨害する行為をするので、弱牛の飼育に大なる影響をもたらして飼育を遅らせたり、肉質低下を生じたり、弱牛に傷害を生ずる難点があり、さらに、雌牛の発情期には牛舎内で「角を振り廻す自暴行動をするので、牛舎清掃等の作業員が牛舎内に入りづらく注意して入っても傷害を受けたり器物損壊をするトラブルがある。
【0003】
そこで、以上のトラブルを解消する手段として、表面層の角質内に肉・神経が充填している角を根本から切断除去する対策が広く普及しているが、この角切断治療をすると牛が甚だしく痛がって1〜2ケ月程度食欲を極度に減退させて飼育を遅らせたり肉質低下を生じ、ときには脳炎を生じて死に至らしめる難点がある。
【0004】
そこで、以上の難点防止を図る技術手段として、特許文献1に示す家畜用頭突防止器の公知技術があり「衝撃痛発生用の小突起群を裏面に密に突設した帯状の頭突防止器」を牛の角間の頭部表皮に敷設セットして、牛が頭突き行為をして相手牛によって該頭突防止器が押え付けられたときの衝撃外力によって、攻撃牛に「前記突起群による皮膚痛」を生じさせることによって、角攻撃を止めさせたり弱わらせる効果を意図する構造に設定されている。
【0005】
【特許文献1】特開平6−62697号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の特許文献1の頭突防止器は、攻撃牛が激しく強大な角攻撃をして相手牛の皮膚が攻撃牛の頭突防止器を強く衝接押圧しない限り、前記小突起群が攻撃牛の皮膚に突き刺さって痛感を生じさせないので、現に発生する角攻撃ではその痛感に欠けるケースが多く、頭突防止の効果性能が劣る。
【0007】
本発明は、以上の背景技術の難点を解消して、牛の角攻撃による傷害・トラブルを有効に防止する「牛の角カバー」を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の技術課題を解決する本発明の「牛の角カバー」は「牛角の個個に覆着セットする下端開口筒形態にして、該牛角の挿通孔を縦方向に備えると共に、上端部分が該挿着孔と概ね直交する径大平坦面部または大径球体形状の衝撃緩衝部に形成した構造」が特徴である。
【0009】
即ち、前記構成の本発明の「牛の角カバー」は、飼育牛の左右1対の牛角のそれぞれに差し込み覆着して、常時その覆着状態に保持して飼育するものにして、その覆着牛が他の牛や牛舎内に入った清掃員等を角攻撃したとき、上端部分の衝撃緩衝部によって角攻撃による相手牛等の痛撃や損傷を防止したり、角を振り廻す自暴行為による器物損壊を防止する思想から成るものである。
【0010】
そして、その衝撃緩衝部は「径大平坦面・大径球または、円錐形圧縮コイルばね内設構造」の形態が採択される。
【発明の効果】
【0011】
以上の構成の本発明の角カバーを飼育牛に着用セットしておくと、強牛ボス牛の攻撃牛が角攻撃したとき、その角カバー上端に存在して着用角の縦方向と概ね直交する径大平坦面形態の衝撃緩衝部、または大径球形態の衝撃緩衝部が、被攻撃牛に先ず接合して角の直接突きを解消すると共に、角攻撃力を緩衝緩和作用する。
【0012】
以上の緩衝作用によって角攻撃による前記の従来トラブルが極めて的確にして充分に防止解消され、極めて順調にして良質肉の肉牛飼育ができる。そして、牛舎清掃員等の作業員の安全性を確保して、作業安全性・作業能率の向上を図り、さらに牛に激しい苦痛をもたらす専門治療者による角除去処理が無用になると共に、角存在の牛本来の自然体形が維持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、好ましい実施例を説明する。
【実施例】
【0014】
まず、図1・図2を参照して本発明1実施例の「牛の角カバー1(以下、単に角カバー1という)を説明する。即ち、この実施例の角カバー1は、ゴム質または樹脂質の弱弾性質の筒状形態にして、上端が直径D1(D1=約70粍)下端が直径D2(D2=約25粍)高さH(H=約110粍)の上端太径・下端細径の略逆截頭円錐形の筒体部2に、筒体部2の縦方向に貫通する「下端太径にして上端小径」の牛角挿着孔3を有している。そして、この筒体部2の頭部上面が牛角挿着孔3と概ね直交する径大平坦面部5の衝撃緩衝部4に形成されている。
【0015】
詳しくは、牛角挿着孔3は、着用する下端太径・上端細径の牛角10の全体を弾圧着して挿入する長さを有して牛角10の先端の少量長(この実施例のものは約5粍)を突き出して挿着する長さを有し、内周に「挿入した牛角10との滑り止めを図る滑り止め突部6」を数段設けると共に、下端部分は着用牛の太い角基部に弾緊着セット可能のサイズ内径の薄肉に設定されている。
【0016】
そして(図2参照)若干湾曲形状の牛角10に強制嵌めすることによって、牛角10の個個の形状に沿って弾性変形させて弾着挿着して必要に応じて「止めバンド11」をセット固定して装着し、その装着状態で牛舎内共同飼育する。なお、この実施例の筒体部2の衝撃緩衝部4には、衝撃力による弾性凹みを支援して緩和作用を増幅させる「切り込み溝8」が放射状に4個切設されている。
【0017】
以上の図1実施例の「角カバー1」は、弾性質にして着用牛の牛角10に弾着挿着されると共に、止めバンド11等によって下端を緊締固着され、かつ、挿着した牛角10の若干が上方に突き出して装着される形態であることから、若干曲り形状の牛角10にフィット装着して固着できると共に、その固着姿勢の安定性が極めて良く、飼育中に予測される角攻撃行為を反復しても離脱するおそれが極めて少く、前記の本発明の作用効果が円滑に享受持続できる。
【0018】
なお、補足すればこの図1実施例のものは牛角挿着孔3が上端開口にして挿着牛の牛角10が若干量突き出す貫通装着形態であることから、この貫通形態は着用牛が角突き行為をした外力を受けても挿着セット姿勢が力学的に極めて安定する。そして、その突き出し量が微量であることから、角突き攻撃を受けた牛や器物に実質的痛感や損傷をもたらすおそれは無い。そして、着用牛が角に異物を装着した違和感が少い(試行した牛の挙動からの推測)。
【0019】
続いて、図3・図4を参照して本発明の他の実施例の「角カバー1」を説明する。まず、図3のものは図1実施例のものと同様に、弱弾性質にして、下端開口の牛角挿着孔3を縦方向に設けた「下端太径・上径細径の筒体部2」の上端に、太径球体部7から成る衝撃緩衝部4が一体に連設されている。
【0020】
そして、図1実施例のものと同様に牛角10のそれぞれに覆着固定して使用される。なお、この図3実施例のものは牛角挿着孔3の上端は盲孔にして牛角上端が突き出さない形状に設定されている。
【0021】
以上の図3実施例の角カバー1は、牛角10に覆着固定する筒体部2の上端に膨大球形態の衝撃緩衝部4が存在するので、着用牛が角突き攻撃行為をしても、その攻撃による相手牛・器物等に対する攻撃力が径大ボール形態の衝撃緩衝部4によって緩衝緩和され、前記の特有の作用効果が円滑に持続享受できる。
【0022】
一方、図4(A)のものは図1実施例のものと同様な「径大平坦面部5を上面に成す衝撃緩衝部4」を有する筒体部2から成るものにおいて、「下端小径・上端大径の逆円錐形の圧縮コイルばね9を内設して内側を牛角挿着孔3に成す弾性伸縮自在の筒体部2」から成り、その上端面が径大平坦面部5の衝撃緩衝部4に構成されている。そして、この圧縮コイルばね9によって「角突き行動」による衝撃力を吸収緩和する構造に設定されている。
【0023】
詳しくは、圧縮コイルばね9は筒体部2の上端の衝撃緩衝部4に内接するコイルばね上端が大径にして、挿着した牛角10の中間ポイントまたは下端ポイントを受け入れ接合するコイルばね下端が細径となる逆截頭円錐形コイルばねにして、衝撃緩衝部4に生じた衝撃力を、弾性圧縮変形して吸収すると共に、その衝撃力が解消すると自力弾性復元して元姿勢に伸張する伸縮作用を反復するように成っている。
【0024】
この図4(A)実施例のものは圧縮コイルばね9の大なる弾性圧縮ストロークによって大なる弾性圧縮吸収力が設定できると共に、圧縮コイルばね9を自在に曲がり変形させて牛角10の個個の形状にフィットさせ、かつ、ばね内径の下端部分を牛角10の外周に強制嵌合させて挿着固定できるので牛角10への装着固定性が特段に良く、さらに、圧縮コイルばね9による大なる圧縮量によって特段の衝撃緩衝力が確保され、本発明の前記の特有の作用効果の一段の向上安定を図る特有作用がある。
【0025】
そして図4(B)のものは、筒体部2を硬質ゴム材の内側筒体部2Aと軟質ゴム材の外側筒体部2Bとの組合せから成り、予め牛角10に挿着して接着固定した内側筒体部2Aに、外側筒体部2Bを後嵌め接着して牛角10に挿着固定するように成っている。この図4(B)のものは牛角10への固着安定性が向上すると共に、筒体部2の先端・外周の高柔軟性が確保できる。
【0026】
なお、以上の図1〜図4実施例の角カバー1は、着用牛の角突き行動による衝撃力・圧縮力が除去・解消されると、自力弾性復元力によって自動復元して、その衝撃受動緩衝機能が反復持続できる。
【0027】
なお、以上の「角カバー1」は、牛の角突き行動が有害となる「従来の角除去治療を施す幼牛」のタイミングに装着使用するものにして、前記実施例に示す諸形態のものを牛角の成長に整合させたサイズに形成して必要に応じてサイズ交換して使用する。
【0028】
以上の図1〜図4実施例の角カバー1は、着用牛のそれぞれの角の上端に衝撃緩衝部4が存在するので、牛の角突き行動による従来の諸難点を解消し、前記の本発明の特有の作用効果が円滑に享受できる。、
【0029】
即ち、同一牛舎内で5〜6頭以上の飼育牛群の協同飼育において、ボス牛の角突き攻撃による弱牛の「いじめ行為・飼料食べ妨害行為」が防止・低減されるので、飼育牛群の一様にして良好な飼育・良質肉飼育が促進され、さらに、牛の角突き行動による弱牛傷害・器物損壊・作業員損傷が有効に防止されると共に、従来の手数とコストがかかる角除去治療が無用になり、肉牛群飼育の性能・効率を特段に向上する諸効果がある。
【0030】
なお、本発明の角カバー1は前記の実施例に限定されず、図示しないが牛角10から離脱防止を図る意図から「着用牛の首に巻回装着する固定バンド」を付設したり、1頭の牛角に装着した1対の角カバー1を相互連結する形態にしたり、さらに、耐久性向上の意図から衝撃緩衝部4の上面を鋼板製にしたり、止めバンド11に代えてテープ巻き付け固定にする等の態様を必要に応じて採択する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明1実施例の「牛の角カバー」の6面図を示し、(A)はその正面図・背面図、(B)はその右側面図・左側面図、(C)はその平面図、(D)はその底面図、(E)はその中央縦断面図
【図2】図1実施例の「牛の角カバー」の使用状態を示し、(A)(B)とも牛角への装着状態の説明図
【図3】本発明の他の実施例の「牛の角カバー」を示し、(A)はその正面図、(B)はその中央縦断面図
【図4】本発明の他の実施例を示し(A)(B)とも、その「牛の角カバー」の中央縦断面図
【符号の説明】
【0032】
1 牛の角カバー
2 筒体部
3 牛角挿着孔
4 衝撃緩衝部
5 径大平坦面部
6 滑り止め突部
7 大径球体部
8 切り込み溝
9 圧縮コイルばね
10 牛角
11 止めバンド
12 牛頭部
【出願人】 【識別番号】504324338
【氏名又は名称】中村 智代
【出願日】 平成16年11月19日(2004.11.19)
【代理人】 【識別番号】100084526
【弁理士】
【氏名又は名称】岡 賢美

【公開番号】 特開2006−141269(P2006−141269A)
【公開日】 平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願番号】 特願2004−335254(P2004−335254)