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【発明の名称】 釣糸
【発明者】 【氏名】浜野 孝次郎
【住所又は居所】大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡績株式会社本社内

【氏名】平畑 裕嗣
【住所又は居所】大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡績株式会社本社内

【氏名】太田 基己
【住所又は居所】三重県四日市市松寺二丁目18番35号 太田化研株式会社本社内

【氏名】長谷川 千津
【住所又は居所】三重県四日市市松寺二丁目18番35号 太田化研株式会社本社内

【要約】 【課題】従来の組紐構造からなる釣糸が有していた、破断強力、結節強力、低破断伸度、コシの不足、生産可能な長さ等の諸問題を解決した、新しい釣糸を安価に製造する。

【解決手段】本発明の釣糸は、複数のフィラメントが水分散性の樹脂接着剤により集束・一体化されてからなり、このような釣糸は、編組する工程を省くことにより糸のダメージが軽減され、より直線的に構成されるので繊維本来の強力がより発揮しやすい構造になり、同時に高い生産性を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分散性樹脂で複数のフィラメントが収束され、乾燥後フィラメントが一体化されていることを特徴とした釣糸。
【請求項2】
構成してなるフィラメントの主たる部分に、破断強度が15cN/dtex以上、破断伸度が6%以下、初期弾性率が500cN/dtex以上の高強度ポリエチレン繊維が使用されている事を特徴とする、請求項1記載の釣糸。
【請求項3】
水分散性樹脂が、エチレン系樹脂組成物を50モル%以上含むことを特徴とする、請求項1又は2記載の釣糸。
【請求項4】
水分散性樹脂が、エチレン系樹脂と不飽和カルボン酸系樹脂の共重合樹脂組成物である事を特徴とする請求項1乃至3記載の釣糸。
【請求項5】
水分散性樹脂が、アルカリ性水溶液に分散された樹脂であることを特徴とする、請求項1乃至4記載の釣糸。
【請求項6】
アルカリ水溶液が、アンモニアを含む溶液であることを特徴とする、請求項5の範囲の釣糸。
【請求項7】
水分散性樹脂と共に、有機系架橋剤を併用することを特徴とする、請求項1乃至6に記載の釣糸。
【請求項8】
水分散性樹脂と共に、多価金属イオンを併用することを特徴とする、請求項1乃至6に記載の釣糸。
【請求項9】
構成してなるフィラメントが撚り係数0.2〜2.0の範囲で一方向に撚糸されている事を特徴とする、請求項1乃至8記載の釣糸。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、漁業、レジャーフィッシング等に広く使用され、非常に高い破断強度と高い結節強度、非常に小さい破断伸度、高い耐摩耗性と寸法安定性、及び耐久性を要求される高性能釣糸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
釣糸には、リールに巻いて使用されるリール用道糸、ルアー用釣糸、フライ用釣糸、渓流釣り用釣糸、鮎釣り用釣糸、オトリ用糸、ハリス用糸等がある。これらの釣糸に共通して要求される特性は、軽量で且つ、高強力である事であり、その特性が長く維持される為の耐久性を具備していることである。一般的にテグスと呼ばれる、強度20g/dを超える繊維の出現により、特に深海釣り、船釣り等においては、この高強力繊維使いの釣糸が広く使われるようになってきた。このような釣糸は、一般には、3つ打ち、4つ打ち、8つ打ち、16打ち、32打ち等の組紐形態に編組され、任意の樹脂をコーティングして仕上げられており、使用される繊維は高強度ポリエチレン繊維単独であるものが殆どである。例えば、特許文献1参照。
【0003】
【特許文献1】特開平8−140538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
益々盛んになるレジャーフィッシングにおいて、釣糸に対する高性能化のニーズや、低価格化を望む声が高まりつつある。これは、当該用途において広く使用されている、高強度繊維(ナイロン、ポリエチレン等)のみからなる4つ打ち、8つ打つ、16打ちの組紐構造を有する釣糸において、以下のような実用上の問題点が顕在化してきたことによるものである。
(1)組紐構造からなる釣糸は、船釣りなどの用途で幅広く使用されているが、表面が凹凸になりコシが無く折れやすく、形態の安定性、すなわち釣糸として十分なコシが必要とされる磯釣りなどの用途においては、釣糸が絡み易い、釣糸さばきが悪くなり扱い難くなるなど、既存の組紐からなる釣糸ではその要求を満足する事が出来ない。
(2)フィラメントは直線状態で使用した時が最も強度が高く、組紐構造では、高強度繊維を直線で使用しない為、高い破断強力、結節強力、低い伸度等の、繊維の持つ機械的特性を100%発揮する事が出来ず、いわゆる強力利用率が低い。
(3)組紐構造でコシを高めようとすると、必然的に組紐の組紐ピッチを小さくする必要があり、フィラメントを急角度で屈曲させるため、結果的に破断強力の低下と破断伸度の増加を招く。
(4)組紐は、組紐を生産する際に使用される、管巻きに巻ける長さでしか連続生産できない為、短い釣糸しか出来ない。
(5)組紐は生産性が低く、加工コストを低くする事が困難である為に、釣糸価格が高い。
本発明は前述のような従来の技術に伴う問題点を解決しようとするものである。すなわち使用する高強力繊維の性能をより有効に利用して、これまでの高強力繊維使いで組紐構造を有する釣糸よりも、高い破断強力、結節強力、低破断伸度等の機械的特性に優れ、十分なコシを有し、且つ生産性に優れ、長さの長い釣糸を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前述の目的を念頭に鋭意検討を重ねた結果、本発明を得るに至った。
すなわち本発明は、水分散性樹脂で複数のフィラメントが収束され、乾燥後フィラメントが一体化されていることを特徴とした釣糸を提供する。
また、本発明は、構成してなるフィラメントの主たる部分に、破断強度が15cN/dtex以上、破断伸度が6%以下、初期弾性率が500cN/dtex以上の高強度ポリエチレン繊維が使用されている事を特徴とする釣糸である。
また、本発明は、水分散性樹脂が、エチレン系樹脂組成物を50モル%以上含むことを特徴とする釣糸である。
また、本発明は、水分散性樹脂が、エチレン系樹脂と不飽和カルボン酸系樹脂の共重合樹脂組成物である事を特徴とする釣糸である。
また、本発明は、水分散性樹脂が、アルカリ性水溶液に分散された樹脂であることを特徴とする釣糸である。
また、本発明は、アルカリ水溶液が、アンモニアを含む溶液であることを特徴とする、釣糸である。
また、本発明は、水分散性樹脂と共に、有機系架橋剤を併用することを特徴とする釣糸である。
また、本発明は、水分散性樹脂と共に、多値金属イオンを併用することを特徴とする、釣糸である。
またさらに、本発明は、構成してなるフィラメントが撚り係数0.2〜2.0の範囲で一方向に撚糸されている事を特徴とする釣糸である。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、これまでの高強力繊維使いで組紐構造を有するものより、高強力繊維本来の性能をより有効に利用可能であり、高い破断強力、結節強力、低破断伸度等の機械的特性に優れ、十分なコシを有し、且つ生産性に優れ、釣糸として十分な長さを得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明を構成してなるフィラメントの主たる部分は、高強度ポリエチレン繊維が好ましい。本発明における、高強度ポリエチレン繊維とは、破断強度が15cN/dtex以上で切断に至るまでの強度が高く、且つ伸度が6%以下、初期弾性率が500cN/dtex以上であることが望ましく、伸度,初期弾性率が共に、上記特性を満たす場合、魚がかかった場合の手応えが直接釣り人側に良好に伝わり、高性能な釣糸となる。
また、上記諸特性を満たす高強度ポリエチレン繊維は、耐摩耗性、寸法安定性、耐光性などの耐久性の面でも優れる。
【0008】
また後述する、水分散性樹脂出の加工、さらには併用する架橋処理等の処理を行うため、フィラメントは化学的に安定で処理中に強度劣化しないものが必要であるが、超高分子量ポリエチレンからなる上記繊維は、化学的に極めて安定であり、本発明に好適に利用可能である。よって構成してなるフィラメント中に、高強度ポリエチレン繊維は、60重量%以上含まれることが好ましく、より好ましくは90重量%以上である。
【0009】
このような高強度ポリエチレン繊維を得る方法としては、例えば、特開昭59−216912号公報、特開昭59−216913号公報、特開昭59−216914号公報、特開昭60−45630号公報、特開昭60−52647号公報、特開昭60−52613号公報、特開昭60−59172号公報、特開昭60−151311号公報、特公平3−57964号公報等に開示されている公知の方法がある。
【0010】
また本発明で用いる水分散性樹脂は、エチレン,プロピレンに代表される、炭素数4以下のオレフィン成分が共重合された、エチレン系樹脂組成物が、上記の高強度ポリエチレン繊維との高い接着性を得るために望ましい。さらに、樹脂成分の中でエチレン系樹脂組成物の占める割合は、50モル%以上であることが望ましく、より望ましくは70モル%以上、特に望ましくは80モル%以上である。
また、エチレン系樹脂組成物が主たる構成成分であるため、本発明の水分散性樹脂は、乾燥後優れた耐磨耗性、耐光性を有し、厳しい環境で使用される釣糸用樹脂としても、優れた耐久性を発揮する。
【0011】
本発明で使用する水分散性樹脂として、エチレン系樹脂と不飽和カルボン酸系樹脂の共重合樹脂組成物がさらに好ましい。上記樹脂は、超高分子量ポリエチレン繊維との親和性が高いと同時に、溶媒(水,アルコール)との親和性が同時に高く、超高分子量ポリエチレン繊維のフィラメント間の奥深くまで含浸した上で、該フィラメントの表面に被着し、乾燥後は強固に付着し、高い耐水性を確保できる。
つまり、上記共重合樹脂組成物を用いることにより、従来困難とされていた、超高分子量ポリエチレン繊維のフィラメントを容易に集束すると同時に、繊維表面に強く接着し、一体化することが可能となる。
【0012】
上記共重合樹脂組成物中の不飽和カルボン酸系成分は、樹脂成分の中で1〜50モル%の範囲にあることが望ましく、さらに望ましくは2〜30モル%の範囲であり、特に望ましくは3〜20モル%の範囲である。上記不飽和カルボン酸系成分量は、不飽和カルボン酸及びそのエステル化物の総量を示す。
【0013】
不飽和カルボン酸を構成する成分としては、アクリル酸、メタクリル酸などの成分が、有効に利用可能であり、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどのエステル化物を含む事も差し支えない。
エステル化物としては、炭素数4以下のアルコールによるエステル化物が好適に使用でき、メチルエステル,エチルエステルが特に好ましく使用可能である。
【0014】
本発明で用いる水分散性樹脂は、各フィラメントの表面に被着され、更には構成される超高分子量ポリエチレン繊維と相性が良く、フィラメント間の奥深くまで含浸されるため、高い接着性が得られるものである。この水分散性樹脂は、水溶液として最適に利用されるが、水・アルコール溶液またはアルコール溶液で用いることも可能である。アルコールとしては、メタノール,エタノール,イソプロピルアルコールが好適に使用可能である。
【0015】
超高分子量ポリエチレン繊維のフィラメント間に好適に含浸させるため、本発明で使用する水分散性樹脂の粘度は、2000mPa・s以下、好ましくは500mPa・s以下、更に好ましくは250mPa・s以下であり、またフィラメントの表面に被着性を十分に確保するため5mPa・s以上であることが好ましい。
【0016】
本発明の樹脂をに分散溶解するには、アルカリ溶液を用いることが有効で、アルカリ水溶液が好ましい。アルカリとしては、アンモニア、アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることが出来るが、
特にアンモニアを用いると、水分散性樹脂が良好に水に分散し、高濃度の分散液が利用可能となり、同時に乾燥工程でアンモニアを蒸発させることで、水分散性樹脂の析出被着が促進され、より耐水性の高い塗膜が得られる。
【0017】
またさらに、耐水性、塗膜強度を上げるために、架橋剤や、多価金属イオンを添加することもできる。
架橋剤としては、エポキシ系、イソシアネート系、アジリジン系、オキサゾリン系などが利用可能である。特にポリマーの側鎖にオキサゾリン基を有するポリマーは、カルボキシル基を有するポリマーとの間で、低温の反応でアミドエステルを生成し、架橋構造を形成することが可能である。
上記のように、本発明の架橋剤は、カルボキシル基に代表される反応性官能基(他に、水酸基、スルホン酸基等)の官能基と反応し、分子間および分子内の架橋構造を形成するものである。
多価金属イオンとしては、亜鉛、マグネシウム、カルシウム等が上げられる。亜鉛を例にとると、水分散性樹脂をナトリウム塩の状態で、フィラメントに付着させた後、塩化亜鉛の飽和水溶液に浸漬し、イオン交換を行う。結果、亜鉛イオンが、複数のイオン化したカルボキシル基とイオン結合することで、上記の架橋剤と類似の架橋効果が生じる。
【0018】
また、釣糸の剛性、柔軟性、あるいは滑り性等で、必要に応じて、たとえばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂、石油系樹脂、パラフィン、酸化パラフィン、酸化ポリエチレン、エチレンアクリル酸共重合体ワックス等を単独、あるいは複数種、適宜組み合わせて添加することもできる。
【0019】
本発明の釣糸は複数本の繊維からなるマルチフィラメントに好適な撚糸を施した状態で前記水分散性接着樹脂を含浸あるいは塗布し、乾燥する事により得ることができる。
【0020】
フィラメントに施す好適な撚数は、用いる繊維の繊度(太さ)に依存するため、下記式で定義される撚り係数で表す。
【数1】


tpm:turn per meter(1m当たりの撚り数)、ρ:比重(g/cm3)
【0021】
本発明に好適な撚り係数は、0.2〜2.0の範囲である。撚り係数が、0.2より小さい場合には、外部からの磨耗により、繊維にばらけが発生し易くなる事が有る。また、フィラメント断面が扁平になりやすいため好ましくない。
【0022】
撚り係数が2.0を越える場合には、撚り角度が大きくなりすぎるため、高強度繊維本来の強度が発揮できなくなり、破断強度が低下するため好ましくない。
【0023】
樹脂を付与する方法としては、浸漬塗装法、ナイフ塗装法、ローラー塗装法、カーテンフロー塗布法など、既存の方法を採用する事が出来るが、特に制限されるものではない。乾燥方法も特に制限されないが、熱風槽等を使用し連続的に行うことができる。乾燥温度は,雰囲気温度が100〜200℃の範囲で行い、フィラメントにかかる温度が160℃を超えない温度で実施することが望ましい。
【0024】
本発明において、構成する撚糸されたフィラメントに水分散性樹脂を塗布する方法は公知方法を用いてよい。たとえば、本発明のフィラメントを水分散性樹脂液が入っている浴に室温、例えば約20〜30℃程度の温度下に通過させ、100〜150℃程度の温度に保たれた炉に通し、十分に乾燥通過させることによって製造できる。
着色した釣糸が求められる場合には、本発明の水分散性樹脂に、所望の発色に必要な顔料を混合して使用する事が出来る。
【0025】
フィラメント重量を基準とした、樹脂の付着量は乾燥後の重量で3〜30重量%であることが望ましく、さらに望ましくは10〜25重量%の範囲である。樹脂の付着量が30重量%を超える場合には、硬くなり釣糸として取り扱い性が低下する。逆に、脂の付着量が3重量%を下回る場合には、フィラメントの固定が不十分になる可能性がある。
【実施例】
【0026】
以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明がこれに限られないことはいうまでもない。
【0027】
(実施例1)
高強度ポリエチレン繊維(破断強度26cN/dtex)ダイニーマSK60(登録商標)220dtex/192Fをメートルあたり300回S方向に撚りをかけ、水分散性エチレン/不飽和カルボン酸系共重合樹脂(太田化研社製、商品名NC−20A;PH=8.5;樹脂固形分含有量=20重量%)の入った浴に、約25℃の温度で浴に通過させ110℃の温度に保たれた炉に約30秒間、30m/分の速度で通過させた。
【0028】
(実施例2)
ダイニーマSK60(登録商標)110dtex/96Fをメートルあたり400回S方向に撚りをかけ、エチレン/不飽和カルボン酸系共重合樹脂(太田化研社製、商品名NC−20A)の入った室温に約25℃の浴に通過させ140℃温度に保たれた炉に約30秒間、30m/分の速度で通過させた。
【0029】
(実施例3)
ダイニーマSK60(登録商標)110dtex/96Fをメートルあたり400回S方向に撚りをかけ、エチレン/不飽和カルボン酸系共重合樹脂(太田化研社製、商品名NC−20A)とその固形分に対して10%のオキサゾリン系架橋剤(日本触媒社製、商品名エポクロスWS−500)が入った浴に、約25℃の温度で浴に通過させ140℃温度に保たれた炉に約30秒間、30m/分の速度で通過させた。
【0030】
(比較例1)
ダイニーマSK60(登録商標)220dTex/192Fをメートルあたり300回S方向に撚りをかけ、油化シェル社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート828を100重量部、アミン系硬化剤エポメールRD1を24重量部を混合したレジンの入った約25℃の浴に通過させ130℃温度に保たれた炉に約5分間、5m/分の速度で通過させた。
【0031】
(比較例2)
ダイニーマSK60(登録商標)220dTex/192Fをメートルあたり300回S方向に撚りをかけ、クロスヘッドダイに通して送入すると同じに低分子量ポリエチレン(宇部興産製、JIS K7210試験法、MFR50)の融液でコーティングした。
【0032】
(比較例3)
ダイニーマSK60(登録商標)110dTex/96Fを4本用い樹脂を付着せず4つ打ちにした組紐を製造。
【0033】
耐摩耗性試験は、図1に示す、シートベルトの六角棒摩耗試験機を改良して、六角棒の位置にφ9mmのセラミックガイドを配置した試験機を用いた。ストローク長、角度等に関しては、JIS−D−4604(1995)に準じている。
図1に示すように、セラミックガイドにサンプルを通し、一方をドラムに固定し他方に荷重をかける。荷重は、1.1cN/Texとし、切断に至るまでの回数を耐磨耗性として評価した、さらに上記において1000回ドラムを往復運動させた際の毛羽立の有無により耐磨耗性を評価した。
【0034】
評価結果を表1に示す。
【表1】


表中、
・利用率とは、破断強度を、ブランク強度つまり加工する前のフィラメントの原糸強度で
割ったもので、加工による物性低下を表す数値である。
・収束性
○:良好,△:収束性が不十分でばらけ易い,×:収束性が不良
・コシ
○:良好,△:使用可能であるが弱い,×:使用に問題有り
・耐摩耗性
○:十分な耐久性あり,△:耐久性やや不足,×:耐久性に問題あり
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の釣糸は、高強力繊維の性能をより有効に利用して、高い破断強力、結節強力、低破断伸度等の機械的特性に優れ、十分なコシを有し、且つ十分な長さを有する釣糸を提供する事ができ、同時に生産性に優れるため工業生産に高い寄与が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】耐磨耗性を評価する装置の概略図である。
【符号の説明】
【0037】
1:セラミックガイド(釣糸磨耗部分)
2:荷重
3:釣糸
4:固定部
5:ドラム
6:クランクアーム
7:クランク
8:往復運動
【出願人】 【識別番号】000003160
【氏名又は名称】東洋紡績株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜2丁目2番8号
【出願日】 平成17年9月26日(2005.9.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−129867(P2006−129867A)
【公開日】 平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願番号】 特願2005−277813(P2005−277813)