| 【発明の名称】 |
魚介類の飼育装置及び異物除去方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】北村 仁史 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地 株式会社陸上養殖工学研究所内
【氏名】辻 敦志 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地 株式会社陸上養殖工学研究所内
【氏名】広田 伸也 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地 株式会社陸上養殖工学研究所内
【氏名】真継 伸 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地 株式会社陸上養殖工学研究所内
【氏名】架谷 達也 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地 株式会社陸上養殖工学研究所内
|
| 【要約】 |
【課題】水中の餌や脱皮殻などの異物を効率良く捕捉して除去することができる魚介類の飼育装置を提供する。
【解決手段】魚介類が飼育される飼育水槽1に、吐出される水によって飼育水槽1内に水流を生じさせる複数のノズル2を設けると共に、各ノズル2をこの水流の向きの方向に沿って所定間隔で配置する。各ノズル2から吐出される水流で飼育水槽1内を移動された水中の異物が集まる異物収集箇所3に、異物を飼育水槽1内から除去する異物除去装置4を備える。飼育水槽1に複数設けられるノズル2からそれぞれ水を吐出させることによって、水中の異物を飼育水槽1内を順次移動させて異物収集箇所3に集め、この異物収集箇所3に集めた異物を異物除去装置4で効率良く、飼育水槽1の外部に除去することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 魚介類が飼育される飼育水槽に、吐出される水によって飼育水槽内に水流を生じさせる複数のノズルを設けると共に、各ノズルをこの水流の向きの方向に沿って所定間隔で配置し、各ノズルから吐出される水流で飼育水槽内を移動された水中の異物が集まる異物収集箇所に、異物を飼育水槽内から除去する異物除去装置を備えて成ることを特徴とする魚介類の飼育装置。 【請求項2】 異物除去装置で除去された異物である魚介類の脱皮殻を搬送する水切り機能付きの搬送具と、流動されるろ材を備え、搬送具から投入された脱皮殻を水中に溶解させる脱皮殻溶解槽と、脱皮殻が溶解された水を脱皮殻溶解槽から飼育水槽に返送する流出路とを具備して成ることを特徴とする請求項1に記載の魚介類の飼育装置。 【請求項3】 脱皮殻溶解槽に投入される脱皮殻を粉砕する粉砕装置を備えて成ることを特徴とする請求項2に記載の魚介類の飼育装置。 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の魚介類の飼育装置を用い、複数配置されるノズルを水流の上流側のノズルから下流側のノズルへと順に所定時間毎に吐出作動させることによって、水中の異物を各ノズルから吐出される水流で飼育水槽内を順次移動させ、異物収集箇所に至った異物を異物除去装置で飼育水槽内から除去することを特徴とする魚介類の飼育装置における異物除去方法。 【請求項5】 複数配置されるノズルを複数組のノズルから形成し、各組において水流の最上流に位置するノズルを基準にして、上流側の組から下流側の組へと順に各組のノズルを所定時間毎に吐出作動させることを特徴とする請求項4に記載の魚介類の飼育装置における異物除去方法。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、飼育水槽で魚介類を飼育するようにした魚介類の飼育装置及び異物除去方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 飼育水槽で魚介類を養殖したり、一時的に蓄養したりする場合、飼育水槽内の飼育用の水を浄化しながら循環させることが行なわれている。そして飼育水槽には一般に高い密度で魚介類が飼育されるので、飼育水槽内に残餌や、エビなどを飼育する場合には抜け殻などの異物が溜まり易く、水が汚れて魚介類に病気が発生する原因となる。このため飼育水槽からこのような異物を除去する必要があり、現状では毎日、潜水作業して人力によって異物を回収除去するようにしているが、いわゆる3Kの作業となり、人件費も多くかかってくる。 【0003】 そこで、飼育水槽にノズルから水を吐出させることによって、飼育水槽内に水流を生じさせ、この水流によって水中の異物を流して、異物を人力によることなく自動的に除去することが試みられている(例えば特許文献1等参照)。 【特許文献1】特開平8−47354号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、飼育水槽内に水流を生じさせて水中の異物を流すだけでは、異物を集中して捕捉することができず、水中の異物の除去の効率に問題を有するものであった。 【0005】 本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、水中の餌や脱皮殻などの異物を効率良く捕捉して除去することができる魚介類の飼育装置及び異物除去方法を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明の請求項1に係る魚介類の飼育装置は、魚介類が飼育される飼育水槽1に、吐出される水によって飼育水槽1内に水流を生じさせる複数のノズル2を設けると共に、各ノズル2をこの水流の向きの方向に沿って所定間隔で配置し、各ノズル2から吐出される水流で飼育水槽1内を移動された水中の異物が集まる異物収集箇所3に、異物を飼育水槽1内から除去する異物除去装置4を備えて成ることを特徴とするものである。 【0007】 また請求項2の発明は、請求項1において、異物除去装置4で除去された異物である魚介類の脱皮殻を搬送する水切り機能付きの搬送具45と、流動されるろ材47を備え、搬送具45で搬入された脱皮殻を水中に溶解させる脱皮殻溶解槽48と、脱皮殻が溶解された水を脱皮殻溶解槽48から飼育水槽1に返送する流出路49とを具備して成ることを特徴とするものである。 【0008】 また請求項3の発明は、請求項2において、脱皮殻溶解槽48に投入される脱皮殻を粉砕する粉砕装置50を備えて成ることを特徴とするものである。 【0009】 本発明の請求項4に係る魚介類の飼育装置における異物除去方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の魚介類の飼育装置において、複数配置されるノズル2を水流の上流側のノズル2から下流側のノズル2へと順に所定時間毎に吐出作動させることによって、水中の異物を各ノズル2から吐出される水流で飼育水槽1内を順次移動させ、異物収集箇所3に至った異物を異物除去装置4で飼育水槽1内から除去することを特徴とするものである。 【0010】 また請求項5の発明は、請求項4において、複数配置されるノズル2を複数組のノズル2から形成し、各組において水流の最上流に位置するノズル2を基準にして、上流側の組から下流側の組へと順に各組のノズル2を所定時間毎に吐出作動させることを特徴とするものである。 【発明の効果】 【0011】 本発明によれば、飼育水槽1に複数設けられるノズル2からそれぞれ水を吐出させることによって、水中の異物を飼育水槽1内を順次移動させて異物収集箇所3に集め、この異物収集箇所3に集めた異物を異物除去装置4で効率良く捕捉して、飼育水槽1の外部に除去することができるものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。 【0013】 飼育水槽1は平面形状を図1に示すように細長い矩形状に形成してあり、その両端部は半円形に形成してある。そして図2に示すように、飼育水槽1の底部に通水仕切板10を全面に亘って配置することによって、通水仕切板10で飼育水槽1の底部を二重底構造にしてあり、通水仕切板10の上側に飼育室11を形成すると共に、通水仕切板10の下側に給水室12を形成するようにしてある。通水仕切板10は格子状の板など水が自由に通過できるように形成してあり、この通水仕切板10の上に砂状物質を通過させない網目のメッシュシート13を敷き、その上に砂状物質を敷くことによって砂状物質層14が形成してある。尚、通水仕切板10は、例えば、40mm角の格子からなるFRP製グレーチングで形成したものを用いることができ、メッシュシート13は、例えば1.5mm角の格子の網で形成したものを用いることができる。砂状物質層14の厚みは、飼育するクルマエビなどの魚介類が潜ることができる程度の10〜30cm程度、特に好ましくは10〜15cm程度に形成されるものである。この砂状物質層14を形成する砂状物質としては、自然砂などを用いることもできるが、断面形状が円形の円柱状又は断面形状が楕円形の楕円柱状の樹脂粒を用いるのが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレートのペレットで形成した樹脂粒を用いることができる。 【0014】 また飼育水槽1の中央には長手方向に沿って仕切壁16が設けてある。この仕切壁16は通水仕切板10の上に立設されるものであり、この仕切壁16によって飼育水槽1の飼育室11内を幅方向に分割し、図1のように飼育室11に一対の平行な水路17a,17bが形成されるようにしてある。仕切壁16は飼育水槽1の両端部にまで及ばない範囲で設けてあり、仕切壁16の両端部と飼育室11の両端部の周壁との間に、各水路17a,17bの端部が連通する連通水路18a,18bが形成されるようにしてある。 【0015】 飼育水槽1内の水は循環ポンプ20によって給水路21と返送路22を通して浄化しながら循環させるようにしてある。循環ポンプ20は給水路21によって飼育水槽1の給水室12に接続するようにしてあり、給水路21は分岐して図1のように飼育水槽1の一方の端部と他方の端部に接続してある。返送路22は図2のように給水室12の底部に配置されるものであり、一端部を飼育水槽1の端部から導出して、ドラムフィルター等で形成されるフィルター23を介して循環ポンプ20に接続するようにしてある。返送路22には給水室12内において排水筒25が立ち上げて設けてあり、この排水筒25は通水仕切板10や砂状物質層14を通してその上端の開口を飼育室11内に配置してある。排水筒25の上端開口は網で形成したガード筒26によって図5のように囲い、魚介類が吸い込まれるのを防ぐようにしてあり、ガード筒26の上端部は飼育水槽1の水面Lよりも上方に突出させてある。 【0016】 また、飼育水槽1の飼育室11内には各水路17a,17bにおいてそれぞれ複数本ずつノズル2が設けてあり、これらのノズル2は各水路17a,17bに沿って所定間隔で配置してある。ノズル2は水平に配置される筒体にその長手方向(筒の軸方向)に沿った複数箇所に吐出口28を設けて形成されるものであり、各ノズル2は水路17a,17bを幅方向に横切るように配置してある。ここで、一方の水路17aには、一方の端部寄りに第一のノズル2aを配置し、第二のノズル2bを第一のノズル2aよりも水路17aの長手方向の中央部寄りに配置するというように、複数本のノズル2を配置するものであり、他方の水路17bには、他方の端部寄りに第一のノズル2aを配置し、第二のノズル2bを第一のノズル2aよりも水路17bの長手方向の中央部寄りに配置するというように、複数本のノズル2を配置するものである。そして端部に位置する第一のノズル2aには第二のノズル2bの側を向くように吐出口28を設けるようにして、各水路17a,17bにおいて各ノズル2の吐出口28が同じ方向を向くようにしてある。従って、一方の水路17aのノズル2と他方の水路17bのノズル2は吐出口28の向きが逆向きになるように、各ノズル2の吐出口28の開口の向きが設定されるものである。 【0017】 また各ノズル2の仕切壁16側の端部には給水パイプ29が上方へ立ち上がるように設けてあり、この給水パイプ29を仕切壁16に固定することによって、ノズル2を飼育室11内で保持するようにしてある。ノズル2は図4(a)のように飼育室11の水面Lより下の水中に配置されるものであり、砂状物質層14の上面と水面Lとの中間よりやや上の位置にノズル2を配置するのが好ましい。また図4(b)に示すように、吐出口28は吐出方向が水平から1〜2°程度下側になるように、ノズル2にやや下向きになるように設けるのが好ましい。 【0018】 そして図1及び図2に示すように、給水路21から分岐して設けた給水配管31を各ノズル2に設けた給水パイプ29の上端部に接続してある。給水配管31の給水路21への接続部には開閉弁33が、給水配管31の各給水パイプ29への接続部には開閉弁34がそれぞれ設けてある。さらに給水路21の給水配管31との接続部より水の流れの下流側の位置に開閉弁35が設けてある。これらの開閉弁33,34,35は電磁弁などで形成してあり、開閉を自動制御することができるようにしてある。 【0019】 上記のように形成される飼育装置にあって、飼育水槽1の飼育室11で砂状物質層14に潜る習性のある魚介類、例えばクルマエビなどを養殖することができる。そして開閉弁35を開くと共に開閉弁33を閉じた状態で循環ポンプ20を作動すると、飼育水槽1の飼育室11内の水は、排水筒25から返送路22に入り、フィルター23に供給されて水中の固形分が除去される。フィルター23を通過した水は、循環ポンプ20の吐出力によって、給水路21を通して飼育水槽1の給水室12に給水される。さらに給水室12に流入した水は、循環ポンプ20からの吐出水圧によって通水仕切板10、メッシュシート13及び砂状物質層14を通過し、飼育室11に流入する。このようにして、飼育水槽1の水を循環させることができるものである。 【0020】 そして上記のように給水室12に給水された水を砂状物質層14に下側から上側へと通過させて飼育室11に移流させることによって、砂状物質層14内の残餌や脱皮殻などの異物を水流によって砂状物質層14の上側に押し上げて浮き上がらせることができるものであり、異物を砂状物質層14内から除去することができるものである。またこのように砂状物質層14内に水を通過させることによって、砂状物質層14内に含まれる水を常に更新して、水に含有される酸素で砂状物質層14内を好気性に保つことができるものである。このため、砂状物質層14内が嫌気性になることを防止し、砂状物質層14内に棲息する好気性菌である硝化菌の増殖や活性化を促して、飼育する魚介類から排泄されるアンモニウムを硝化菌で良好に分解することができるものであり、アンモニア分解のための特別な設備を備える必要をなくすことが可能になるものである。 【0021】 上記のように、砂状物質層14内の残餌や抜け殻などの異物は押し上げられ、飼育室11の底部に異物が存在している。そこで一日に1〜3回程度、この異物を飼育室11から除去する運転を行なう。この異物除去運転の際には、まず給水路21の開閉弁35を閉じると共に給水配管31の開閉弁33を開く。このように給水配管31の開閉弁33を開くと、循環ポンプ20の吐出力で給水路21から給水配管31に水が送り出され、ノズル2に水が供給されて吐出口28から水が吐出される。飼育室11の水路17a,17bに配置されたノズル2の吐出口28から水が吐出されると、水の吐出方向に飼育室11内で水流が発生する。この水流は図3に矢印で示すように、水路17aと水路17bとで向きが逆であり、連通水路18a,18bで水流の向きが180°転換し、仕切壁16で仕切られた飼育室11内を飼育室11の周壁に沿って一方向に流れる回流となる。このように仕切壁16で仕切られた飼育室11内を一方向に流れる回流が生じると、連通水路18bから水路17aに水流が向きを変えて流入する際に、この水路17aの流入側端部において仕切壁16の端部に接する箇所で渦が生じ、水路17aの流入側端部において、水路17aの幅の略半分程度の範囲で渦流が図3に示すように発生する。同様に水路17bの流入側端部においても、仕切壁16の端部に接する箇所で水路17bの幅の略半分程度の範囲で渦流が図3に示すように発生する。このような渦流が発生することはシミュレーションによって確認されており、また実機においても確認されている。 【0022】 そして飼育室11内に存在する異物は、上記のような水流によって押し流され、水路17a,17bに沿って移動し、さらに連通水路18a,18bを通過して水路17aから水路17bへ、あるいは水路17bから水路17aへと移動するが、水路17aの流入側端部や水路17bの流入側端部では、上記のように渦流が発生しているので、この渦流によって異物が水路17aの渦流発生部や水路17bの渦流発生部に集まり、この部分を異物収集箇所3として異物を収集することができるものである。このとき、この異物収集箇所3の水の流れの下流側に異物を通さない網目の異物止めネット36を張っておくことによって、異物が異物収集箇所3から流れ出すことを防ぐことができ、異物収集箇所3に異物を確実に収集することができるものである。異物止めネット36は、仕切板16から水路17a,17bの幅方向の半分程度の範囲に設けるようにし、魚介類が飼育室11内を移動するのを妨げないようにするのが好ましい。 【0023】 ここで、上記のように給水配管31の各ノズル2の給水パイプ29への接続部にはそれぞれ開閉弁34が設けてあり、この開閉弁34を開閉制御することによって、各ノズル2を順に作動させて、水を順に吐出させるようにしてある。すなわち、まず水路17aと水路17bに設けた第一のノズル2aのみを所定時間吐出作動させて、この第一のノズル2aから水を吐出させると、第一のノズル2aと第二のノズル2bの間に存在する異物がこの水の吐出による水流で流されて、第二のノズル2bの前方へ移動する。次に第一のノズル2aの吐出を停止させ、第二のノズル2bのみを所定時間吐出作動させて、この第一のノズル2aから水を吐出させると、第二のノズル2bの前方に存在する異物がこの水の吐出による水流で流されて、異物収集箇所3にまで移動し、異物収集箇所3に異物を収集することができるものである。このように複数配置されるノズル2を水流の上流側のものから下流側のものへと順に所定時間毎に吐出作動させることによって、異物を順に送るように移動させることができるものであり、異物収集箇所3に異物を効率良く収集することができるものである。特に、総てのノズル2から同時に水を吐出させると、各ノズル2からの水の吐出圧は低くなり、大きな異物は水流で移動させることができないことがあるが、このようにノズル2を個別に順に吐出させると、個々のノズル2からの水の吐出圧が高くなり、大きな異物であっても水流で移動させて異物収集箇所3に異物を収集することが可能になるものである。例えば、第一のノズル2aを30分作動させた後に、第二のノズル2bを30分作動させ、さらに第一のノズル2aを20分作動させた後に、第二のノズル2bを15分作動させるというように、ノズル2を順に間欠的に作動させることができるものである。勿論、ノズル2の作動時間はこれに限定されるものではなく、例えば、第一のノズル2aと第二のノズル2bの作動時間をそれぞれ15分に設定するなど、任意の時間に設定することができるものである。 【0024】 尚、飼育室11の各水路17a,17bに配置されるノズル2の本数は、水路17a,17bの長さに応じて決まるものであり、図の実施の形態では各水路17a,17bに2本ずつ配置しているが、水路17a,17bの長さに応じて3本以上のノズル2を配置するようにしてもよい。 【0025】 ここで、水路17a,17bが長く、水路17a,17bに配置されるノズル2の本数が多くなる場合には、各水路17a,17bに配置されるノズル2を複数組のノズル2から形成し、上流側の組から下流側の組へと順に各組のノズル2を所定時間毎に吐出作動させるようにしてもよい。図6はその一例を示すものであり(図6にはノズル2のみを図示するが、他の構成は上記と同じ)、例えば、各水路17a,17bには8本ずつノズル2が配置してあり、各水路17a,17bに配置されるノズル2を水流の上流側から順にノズル2−1、ノズル2−2、ノズル2−3、ノズル2−4、ノズル2−5、ノズル2−6、ノズル2−7、ノズル2−8とすると、奇数に配置されるノズル2−1、ノズル2−3、ノズル2−5、ノズル2−7で1組が、偶数に配置されるノズル2−2、ノズル2−4、ノズル2−6、ノズル2−8で他の1組が形成されるようにしてある。そして奇数組において最上流に位置するノズル2−1は、偶数組において最上流に位置するノズル2−2よりも上流側であるので、まず奇数組のノズル2−1、ノズル2−3、ノズル2−5、ノズル2−7を一斉に所定時間、例えば30分間吐出作動させて停止させた後に、偶数組のノズル2−2、ノズル2−4、ノズル2−6、ノズル2−8を一斉に所定時間、例えば30分間吐出作動させて停止させ、さらに奇数組のノズル2−1、ノズル2−3、ノズル2−5、ノズル2−7を一斉に所定時間、例えば20分間吐出作動させて停止させた後に、偶数組のノズル2−2、ノズル2−4、ノズル2−6、ノズル2−8を一斉に所定時間、例えば15分間吐出作動させて停止させるようにしてある。勿論、この図6の実施の形態のように各水路17a,17bにノズル2を偶数設けることに限定されるものではなく、各水路17a,17bに複数のノズル2を2組以上配置し、各組毎にノズル2を順に吐出作動させるようにすればよい。またノズル2の作動時間も限定されるものではなく、任意の時間に設定することができるのはいうまでない。 【0026】 上記の異物収集箇所3には異物除去装置4が配置してある。異物除去装置4はエアリフトポンプ38によって形成することができる。エアリフトポンプ38は図5に示すように、エアリフトパイプ39の上端に吐出パイプ40を側方へ突出して設け、ブロア41に接続されたエアホース42をエアリフトパイプ39の下端部に接続することによって形成されるものであり、エアリフトパイプ39の下端の開口が砂状物質層14の上面よりやや上方に位置するように縦の向きで配置してある。エアリフトポンプ38はエアリフトパイプ39を仕切壁16に取り付けることによって支持するようにしてあり、吐出パイプ40の先端は飼育室11の水面Lの上方において排水筒25の直上位置に配置されるようにしてある。排水筒25の上端開口には既述のようにガード筒26が取り付けてあり、異物を通過させない網目の異物受けネット43をガード筒26の上端開口に被せてある。そしてエアリフトポンプ38の吐出パイプ40の先端はこの異物受けネット43の直上に配置するようにしてある。 【0027】 上記のように形成されるエアリフトポンプ38にあって、ブロア41を作動させてエアリフトパイプ39内にエアが供給されると、エアがエアリフトパイプ39内を上昇することによって、エアリフトパイプ39内の水はエアによって押し上げられ、エアリフトパイプ39の上端の吐出パイプ40の先端から吐出される。このようにエアリフトパイプ39の水が吐出パイプ40から吐出されることに伴って、下端の開口からエアリフトパイプ39内に水が吸引されるものであり、このとき同時に水中の異物もエアリフトパイプ39内に吸引され、この吸引された異物は水と共に吐出パイプ40の先端から吐出される。水と共に吐出された異物は排水筒25の異物受けネット43に受けて回収することができるものである。このように、異物収集箇所3に収集された異物をエアリフトポンプ38からなる異物除去装置4で効率良く捕捉して除去することができるものである。 【0028】 ここで、飼育水槽1でエビなどの甲殻類を飼育する場合、甲殻類は飼育水槽1の海水中のカルシウムなどのミネラル分を吸収して甲殻を形成しているが、甲殻類は脱皮を繰り返して成長するために、飼育水槽1の水中のミネラル分が消費されて減少する。そして上記のように異物除去装置4で捕捉して除去される異物の大部分は脱皮殻であり、異物除去装置4で除去された脱皮殻がそのまま産業廃棄物として廃棄されると、処理費用や手間が必要になるばかりでなく、脱皮殻に含まれるミネラル分も廃棄されることになり、飼育水槽1の水中のミネラル分が欠乏してくる。 【0029】 そこで図7及び図8の実施の形態では、異物除去装置4で除去された飼育水槽1の脱皮殻からミネラル分を回収して飼育水槽1に戻すようにしてある。すなわち図7及び図8において45は搬送具であり、例えば回転駆動されるロール52間に網などの通水性を有する無限帯状のベルト53を掛け渡したベルトコンベアとして形成してある。この搬送具45は飼育水槽1の上方に配置されるものであり、ロール52の回転で走行駆動されるベルト53の走行側の終端部が飼育水槽1の外方へ突出されるようにしてある。また異物除去装置4のエアリフトポンプ38を形成するエアリフトパイプ39の上端部は搬送具45のベルト53よりも高い位置まで立ち上げてあり、エアリフトパイプ39の上端の吐出パイプ40の先端はベルト53の直上に位置するようにしてある。搬送具45は異物除去装置4が作動するときに同時に作動されるようにしてある。尚、図7においてブロア41とエアホース42の図示は省略しているが、図1及び図5と同様にエアホース42はエアリフトパイプ39の下端部に接続されている。 【0030】 また上面が開口する槽体からなる脱皮殻溶解槽48は飼育水槽1の近傍に配置してあって、搬送具45のベルト53の終端部の直下に脱皮殻溶解槽48が位置するようにしてある。脱皮殻溶解槽48は飼育水槽1とフィルター23との間の返送路22に流入路54と流出路49とで接続してあり、流入路54に設けたポンプ55を作動させることによって、返送路22を通過する水を流入路54から脱皮殻溶解槽48に流入させるようにしてある。脱皮殻溶解槽48の上部の槽内面には脱皮殻やろ材47を通過させない網目のメッシュフィルター58が設けてあり、流出路49はこのメッシュフィルター58の内側において脱皮殻溶解槽48に接続してある。また脱皮殻溶解槽48の底部内には散気管56が配置してあり、ブロア57から送風される空気を散気管56から吐出させることによって、脱皮殻溶解槽48内を曝気することができるようにしてある。この散気管56とブロア57から曝気手段46が形成されるものである。さらに脱皮殻溶解槽48内にはろ材47が投入してある。ろ材47は発泡樹脂などの粒子で形成してあり、散気管56から吐出される空気によって脱皮殻溶解槽48内で水中を流動する流動ろ床が形成されるようにしてある。尚、水流ポンプ(不図示)などを脱皮殻溶解槽48に備え、この水流ポンプによってろ材47を流動させるようにしてもよい。このように曝気手段46を備えない場合には、脱皮殻溶解槽48に酸素を供給する酸素供給手段(不図示)を備えるようにするのが望ましい。 【0031】 そして、既述のように、異物収集箇所3に収集された異物がエアリフトポンプ38からなる異物除去装置4で捕捉されると、異物はエアリフトポンプ38を構成するエアリフトパイプ39の上端の吐出パイプ40から水と共に吐出され、搬送具45のベルト53の上に受けられる。飼育水槽1でエビなどの甲殻類を飼育する場合、異物の殆どは脱皮殻60である。この脱皮殻60はベルト53の走行駆動に伴って脱皮殻溶解槽48へと送られるが、ベルト53は網等で形成されているので、水分はベルト53を通して落下し、飼育水槽1に戻る。このように水切りされた状態で脱皮殻60はベルト53の先端から脱皮殻溶解槽48内に投入される。このとき、ベルト53の先端部の外面にスクレーパー65の先端が弾接させてあり、ベルト53の上を搬送される脱皮殻60をスクレーパー65でベルト53の表面から掻き取って、脱皮殻溶解槽48に確実に投入できるようにしてある。このスクレーパー65は例えば脱皮殻溶解槽48の上端部に支持されているものである。 【0032】 脱皮殻60は脱皮殻溶解槽48の水中で分解されるが、脱皮殻溶解槽48中のろ材47に生息する細菌の作用で脱皮殻60の分解が促進され、しかも散気管56による曝気で脱皮殻溶解槽48の水は嫌気状態にならず溶存酸素量の多い好気性雰囲気で、細菌の活動が活発になり、脱皮殻60は効率高く分解される。脱皮殻60の分解効率を高めるためには、脱皮殻溶解槽48中の水のpHを6.5以上、水温を25℃以上に調整するのが好ましい。このように脱皮殻60が分解されると、脱皮殻60は水に溶解し、ミネラル分も水に溶解される。そして、脱皮殻60が水に溶解すると、ポンプ55を作動して返送路22を通過する水を流入路54から脱皮殻溶解槽48に流入させ、この流入した水で脱皮殻溶解槽48内の水を押し上げて、脱皮殻60が溶解した水を流出路49にオーバーフローさせ、流出路49から返送路22に送り出し、フィルター23及び給水路21を介して飼育水槽1に返送することができるものである。 【0033】 このように脱皮殻60をミネラル分として溶解させた水を飼育水槽1に返送することによって、飼育する甲殻類が甲殻を形成するために吸収したミネラル分を飼育水槽1の水に戻すことができるものであり、飼育水槽1の水のミネラル分が減少して海水成分のバランスが崩れることを防ぐことができ、飼育水槽1の水を長期間交換する必要なく、飼育を行なうことができるものである。 【0034】 図9(a)(b)は、図7及び図8の実施の形態に、粉砕装置50を付加した実施の形態を示すものである。図9(a)の実施の形態では、粉砕装置50として粉砕ロール62を用いるようにしてある。そして搬送具45を構成するベルト53の走行側の終端部のロール12の上側にこの粉砕ロール62を配置し、ベルト53上を搬送される脱皮殻60を粉砕ロール62で押し潰して粉砕した状態で、脱皮殻溶解槽48に投入するようにしてある。また図9(b)の実施形態では、粉砕装置50として粉砕ミル63を用いるようにしてある。そして搬送具45を構成するベルト53の走行側の終端部の直下にこの粉砕ミル63を配置し、ベルト53上を搬送されて終端部から落下する脱皮殻60を粉砕ミル63で受け、脱皮殻60を粉砕ミル63で粉砕した状態で、脱皮殻溶解槽48に投入するようにしてある。このように脱皮殻60を粉砕装置50で細かく粉砕した状態で脱皮殻溶解槽48に投入することによって、脱皮殻60を効率良く分解して水に溶解させることができるものである。 【図面の簡単な説明】 【0035】 【図1】本発明の実施の形態の一例を示す平面図である。 【図2】同上の正面断面図である。 【図3】同上の水の流れを示す概略平面図である。 【図4】同上のノズルを示すものであり、(a)は正面図、(b)は断面図である。 【図5】同上の排水筒とエアリフトポンプを示す概略正面図である。 【図6】本発明の他の実施の形態の一例を示す概略平面図である。 【図7】本発明のさらに他の実施の形態の一例を示す平面図である。 【図8】同上の一部の概略正面図である。 【図9】他の実施の形態を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ一部の概略正面図である。 【符号の説明】 【0036】 1 飼育水槽 2 ノズル 3 異物収集箇所 4 異物除去装置 45 搬送具 46 曝気手段 47 ろ材 48 脱皮殻溶解槽 49 流出路 50 粉砕装置
|
| 【出願人】 |
【識別番号】501296977 【氏名又は名称】株式会社陸上養殖工学研究所 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地
|
| 【出願日】 |
平成17年2月1日(2005.2.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087767 【弁理士】 【氏名又は名称】西川 惠清
【識別番号】100085604 【弁理士】 【氏名又は名称】森 厚夫
|
| 【公開番号】 |
特開2006−129862(P2006−129862A) |
| 【公開日】 |
平成18年5月25日(2006.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願2005−25356(P2005−25356) |
|