| 【発明の名称】 |
貝類挿入止具 |
| 【発明者】 |
【氏名】並木 敏夫 【住所又は居所】群馬県多野郡鬼石町大字浄法寺766−1 進和化学工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、長期間使用する場合においても貝類の抜け落ち防止を図りつつ安定した状態で貝類を保持し得る貝類挿入止具を提供する。
【解決手段】本発明の貝類挿入止具は、吊下体へ挿通されるとともに、吊下体からの突出部分で貝類を掛け止める合成樹脂材等からなる貝類挿入止具1で、棒状の基体2と、基体2に設けた吊下体への挿通状態で吊下体の外周部両側に係止する一対の吊下体係止突片3、3と、基体2における一対の吊下体係止突片3、3よりも各々端部2a側から吊下体係止突片3、3側に向けて、かつ、基体2からの立ち上がり部4aが弧状を呈する状態で突設した一対の貝類用の受止片4、4と、一対の受止片4、4の一部の両側に各々設けたこの受止片4、4の突出端部4a、4a側を曲がり易くする凹溝部5、5とを有するものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吊下体へ挿通されるとともに、吊下体からの突出部分で貝類を掛け止める合成樹脂材等からなる貝類挿入止具であって、 棒状の基体と、 該基体に設けた吊下体への挿通状態で吊下体の外周部に係止する吊下体係止突片と、 前記基体における前記吊下体係止突片よりも端部側から吊下体係止突片側に向けて突設した貝類用の受止片と、 貝類用の受止片の一部に設けたこの受止片の突出端側を曲がり易くする凹溝部と、 を有することを特徴とする貝類挿入止具。 【請求項2】 吊下体へ挿通されるとともに、吊下体からの突出部分で貝類を掛け止める合成樹脂材等からなる貝類挿入止具であって、 棒状の基体と、 該基体に設けた吊下体への挿通状態で吊下体の外周部両側に係止する一対の吊下体係止突片と、 前記基体における前記一対の吊下体係止突片よりも各々端部側から吊下体係止突片側に向けて突設した一対の貝類用の受止片と、 一対の貝類用の受止片の一部に各々設けたこの受止片の突出端側を曲がり易くする凹溝部と、 を有することを特徴とする貝類挿入止具。 【請求項3】 吊下体へ挿通されるとともに、吊下体からの突出部分で貝類を掛け止める合成樹脂材等からなる貝類挿入止具であって、 棒状の基体と、 該基体に設けた吊下体への挿通状態で吊下体の外周部両側に係止する一対の吊下体係止突片と、 前記基体における前記一対の吊下体係止突片よりも各々端部側から吊下体係止突片側に向けて、かつ、基体からの立ち上がり部が弧状を呈する状態で突設した一対の貝類用の受止片と、 一対の貝類用の受止片の一部の両側又は片側に各々設けたこの受止片の突出端側を曲がり易くする前記受止片の突出方向と直交する方向の凹溝部と、 を有することを特徴とする貝類挿入止具。 【請求項4】 吊下体へ挿通されるとともに、吊下体からの突出部分で貝類を掛け止める合成樹脂材等からなる貝類挿入止具であって。 棒状の基体と、 該基体に設けた吊下体への挿通状態で吊下体の外周部両側に係止する一対の吊下体係止突片と、 前記基体における前記一対の吊下体係止突片よりも各々端部側から吊下体係止突片側に向けて、かつ、基体からの立ち上がり部が弧状を呈する状態で突設した一対の貝類用の受止片と、 一対の貝類用の受止片の一部の両側又は片側に各々設けたこの受止片の突出端側を曲がり易くする前記受止片の突出方向と直交しない方向の凹溝部と、 を有することを特徴とする貝類挿入止具。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、帆立貝、真珠貝等の各種貝類の養殖に用いられる貝類挿入止具に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来より帆立貝等の貝類の養殖を行う際には、海中に水平方向に張ったロープから編ロープ等の吊下体を垂れ下げ、この吊下体に合成樹脂材等からなる多数の貝係止具を挿入し、更に各貝係止具に帆立貝等の貝類に開けた穴を挿入することで貝類を海中で係止する耳吊養殖と称される方法が行われている。 【0003】 このような貝類の養殖を行うための貝係止具は従来から多数提案され、実用に供されている。 【0004】 例えば、特許文献1には、基材の中央部にロープへの挿入状態でロープに係止するための取り付け突子を設け、基材における前記取り付け突子よりも外側位置に貝係止突子を突設し、貝類の耳に設けた穴を基材の端部側から取り付け突子を経て内方に挿通することで、この貝類を貝係止突子により係止するように構成した貝係止具が提案されている。 【0005】 しかし、この特許文献1の貝係止具の場合、貝類を貝係止突子により係止している場合において、海流の変化による貝類の位置ずれや、長期間の使用等による貝係止突子の変形等に起因して、この貝係止突子が基材に近接する状態が生じる。 この結果、貝類の耳に設けた穴内に貝係止突子がその先端側から入りこんでしまい、貝類が基材外側に抜け落ちてしまうという重大な不都合が生じるという問題を包含している。 【0006】 特許文献2には、樹脂で形成した棒状の軸部の先部に尖鋭な先部挿入部及び掛け止め部を備え、軸部の後部には尖鋭な後部挿入部及び抜け止め部を備えた養殖帆立貝の掛止具が提案されている。 【0007】 しかし、この特許文献2の養殖帆立貝の掛止具の場合も、この特許文献1の貝係止具の場合と同様に、掛け止め部が軸部に近接し、貝類の耳に設けた穴内に掛け止め部がその先端側から入りこんでしまい、貝類が軸部外側に抜け落ちてしまうという問題を包含している。 【0008】 特許文献3には、細長いピン状の中間部に対称的に内側の係止突起を、両側に離間して対称的に外側の係止突起を備え、内側の係止突起をロープに係止し、外側の係止突起に帆立貝を係止するように構成した養殖帆立貝の係止ピンが提案されている。 【0009】 しかし、この特許文献3の養殖帆立貝の係止ピンの場合も、この特許文献1の貝係止具の場合と同様に、外側の係止突起の変形に起因して貝類の耳に設けた穴内に係止突起がその先端側から入りこんでしまい、貝類が外側に抜け落ちてしまうという問題を包含している。 【特許文献1】実用新案登録第2509760号公報 【特許文献2】特許第3375617号公報 【特許文献3】実開平5−37059号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0010】 解決しようとする問題点は、長期間使用する場合においても貝類の抜け落ち防止を図りつつ安定した状態で貝類を保持し得る貝類挿入止具が存在しないことである。 【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明は、吊下体へ挿通されるとともに、吊下体からの突出部分で貝類を掛け止める合成樹脂材等からなる貝類挿入止具であって、棒状の基体と、該基体に設けた吊下体への挿通状態で吊下体の外周部に係止する吊下体係止突片と、前記基体における前記吊下体係止突片よりも端部側から吊下体係止突片側に向けて突設した貝類用の受止片と、貝類用の受止片の一部に設けたこの受止片の突出端側を曲がり易くする凹溝部とを有することを最も主要な特徴とする。 【発明の効果】 【0012】 本発明によれば、以下の効果を奏する。 請求項1記載の発明によれば、吊下体の穴へ基体を挿通することで、吊下体係止突片により吊下体の定位置に係止することができるとともに、貝類用の受止片により貝類を受け止め支持でき、更に貝類用の受止片に突出端側を曲がり易くする凹溝部を設けていることによって、貝類が抜け落ちようとする場合に突出端側が凹溝部を基点にして外方をはじめとする自在な方向へ曲がり貝類の抜け落ちを防止することができる。 【0013】 請求項2記載の発明によれば、一対構成の吊下体係止突片、一対構成の受止片、一対構成の受止片に各々設けた突出端側を曲がり易くする凹溝部を有する構成で、吊下体の定位置に係止することができるとともに、一対構成の受止片により2個の貝類を受け止め支持でき、更に2個の貝類が各々抜け落ちようとする場合に一対構成の受止片の各突出端側が凹溝部を基点にして外方をはじめとする自在な方向へ曲がり2個の貝類の抜け落ちを防止することができる。 【0014】 請求項3記載の発明によれば、一対構成の受止片の突出方向と直交する方向の凹溝部をこれらの受止片に各々採用した構成で、請求項2記載の発明の場合と同様な効果を奏することができる。 【0015】 請求項4記載の発明によれば、一対構成の受止片の突出方向と直交しない方向の凹溝部をこれらの受止片に各々採用した構成で、請求項2記載の発明の場合と同様な効果を奏することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 本発明は、長期間使用する場合においても貝類の抜け落ち防止を図りつつ安定した状態で貝類を保持し得る貝類挿入止具を提供するという目的を、吊下体へ挿通されるとともに、吊下体からの突出部分で貝類を掛け止める合成樹脂材等からなる貝類挿入止具であって。棒状の基体と、該基体に設けた吊下体への挿通状態で吊下体の外周部両側に係止する一対の吊下体係止突片と、前記基体における前記一対の吊下体係止突片よりも各々端部側から吊下体係止突片側に向けて、かつ、基体からの立ち上がり部が弧状を呈する状態で突設した一対の貝類用の受止片と、一対の貝類用の受止片の一部の両側又は片側に各々設けたこの受止片の突出端側を曲がり易くする前記受止片の突出方向と直交する方向の凹溝部とを有する構成により実現した。 【実施例】 【0017】 本発明の貝類挿入止具の実施例を以下に説明する。 本実施例に係る貝類挿入止具1は、図1乃至図5に示すように、例えば合成樹脂材からなり、ロープ等の吊下体20に穿設した穴21に挿通する例えば丸棒状の基体2と、この基体2の中央部に設けた吊下体20への挿通状態で吊下体20の外周部両側に係止する一対の基体2側から見てハの字状を呈する吊下体係止突片3、3と、前記基体2における前記一対の吊下体係止突片3、3よりも各々端部2a、2a側から吊下体係止突片3、3側に向けて、かつ、基体2からの立ち上がり部4bが小径の円弧状又は湾曲状を呈する状態で突設した一対のハの字状を呈し外方へ湾曲した貝類30用の受止片4、4と、一対の受止片4、4の一部の両側に、すなわち、一対の受止片4、4の側辺から内方に向けて各々設けたこの受止片4、4の突出端部4a、4a側を、外方をはじめとする自在な方向へ曲がり易くする前記受止片4、4の突出方向と各々直交する方向の各凹溝部5、5とを有している。 【0018】 前記基体2の両端部(穂先部)2a、2a側は、各々貝類30に設けた穴31に挿入し易いように受止片4、4の立ち上げ部分から突端に至るに従い太さが漸減する先細状に形成している。 【0019】 前記受止片4、4に設けた各凹溝部5、5の形成位置は、例えば突出端部4a、4aが受止片4、4の1/3程度の長さ寸法となる位置としている。なお、1/3程度の長さ寸法に限定されるものでないことは勿論である。 【0020】 前記基体2の前記受止片4、4の立ち上がり部分より吊下体係止突片3、3側の領域2b、2b、すなわち、前記立ち上がり部4bに連なる領域2b、2bは、これら吊下体係止突片3、3の立ち上がり部分における基体2の寸法よりも小径(薄肉)としている。 【0021】 前記受止片4における基体2からの立ち上がり部4bを、小径の円弧状又は湾曲状を呈する形状とすることにより、この部分の強度が大きくなり、貝類30が海流等で位置ずれし受止片4に衝突する等した場合の外力の作用による前記受止片4の引き裂かれを防止できる。 【0022】 次に、上記構成の貝類挿入止具1の使用状態について図6、図7を参照して説明する。 【0023】 まず、吊下体20に穿設した図6に示す穴21に一方の端部2a側から貝類挿入止具1を挿入する。穴21への挿入に伴い、貝類挿入止具1の一方の受止片4及び一方の吊下体係止突片3が各々屈曲しつつ穴21を通り抜ける。穴21を通り抜けた一方の受止片4及び一方の吊下体係止突片3は、各々それ自体の弾性により元の状態に立ち上がり、この結果、両吊下体係止突片3、3は各々吊下体20の外周部両側に係止し、これにより、貝類挿入止具1を吊下体20の定位置に係止することができる。 なお、図6には一個の貝類挿入止具1のみを示すが、多数の貝類挿入止具1が上述した場合と同様にして吊下体20の定位置に係止される。 【0024】 次に、吊下体20から両側に突出する貝類挿入止具1の一対の受止片4、4によりも各々吊下体20側に貝類30を挿入する。具体的には、2個の貝類30に各々穿設した穴31に前記端部2a、2aを挿入するようにして2個の貝類30を各々吊下体20側に押し込む。 このとき、貝類挿入止具1の一対の受止片4、4が各々一旦屈曲し、貝類30が通り過ぎるとそれ自体の弾性により元の状態に立ち上がる。これにより、吊下体20から両側に突出する貝類挿入止具1に対して2個の貝類30を挿入、保持し、養殖することが可能となる。 【0025】 次に、図7を参照して、主として前記貝類挿入止具1の受止片4に設けた凹溝部5、突出端部4aの作用について説明する。 【0026】 海中における海流による力や長期間の使用等により前記受止片4が基体2側に接近するように変形したような場合、図7左欄に示すように、受止片4の突出端部4a側が貝類30に穿設した穴31内に入り込もうとする。 【0027】 このとき、貝類30の外周が突出端部4aに接触する状態になったとき、突出端部4aは前記凹溝部5により、凹溝部5を基点にして外方をはじめとする自在な方向へ曲がり易くなっているため、図7右欄に示すように、貝類30の外周に押されて、凹溝部5を基点にして外方をはじめとする自在な方向に曲がり、これにより、穴31内への突出端部4aの入り込みが阻止され、貝類30が前記貝類挿入止具1の受止片4から外方に抜け落ちることが確実に防止される。他方の受止片4に設けた凹溝部5、突出端部4aによる貝類30の抜け落ち防止作用も上述した場合と全く同様である。 【0028】 次に、図8乃至図12を参照して、前記凹溝部5の変形例について説明する。 前記凹溝部5としては、既述した場合の他、図8に示すように、受止片4の両側辺部から内方に向けてこの受止片4の突出方向とは直角でない方向、例えば受止片4の突出方向に対して鋭角α(60度等)をなす方向に設けたり、図9に示すように、受止片4の両側辺部から内方に向けてこの受止片4の突出方向とは直角でない方向、例えば受止片4の突出方向に対して鈍角β(120度等)をなす方向に設けたりする構成とすることもでき、これらの場合も各々既述した場合と同様、凹溝部5、突出端部4aによる貝類30の抜け落ち防止作用を発揮させることができる。 【0029】 また、図10に示すように、受止片4の一方の側辺部から内方に向けてこの受止片4の突出方向とは直角方向に凹溝部5を設けたり、図11に示すように、受止片4の一方の側辺部から内方に向けてこの受止片4の突出方向と鋭角α(60度等)をなす方向に設けたり、図12に示すように、受止片4の一方の側辺部から内方に向けてこの受止片4の突出方向と鈍角β(120度等)をなす方向に設けたりすることもできる。 【0030】 これらの場合も各々既述した場合と同様、凹溝部5、突出端部4aによる貝類30の抜け落ち防止作用を発揮させることができる。 【0031】 この他、前記凹溝部5の形状は、凹溝部5、突出端部4aによる貝類30の抜け落ち防止作用を発揮できる形状であれば、V溝、U溝等種々の形状を採用することができる。 【産業上の利用可能性】 【0032】 本発明は、主として帆立貝の挿入、支持を図る場合について説明したが、真珠貝その他の養殖貝類の挿入、支持に広範に適用可能である。 【図面の簡単な説明】 【0033】 【図1】本発明の実施例に係る貝類挿入止具を示す正面図である。 【図2】本実施例に係る貝類挿入止具を示す平面図である。 【図3】本実施例に係る貝類挿入止具の部分拡大正面図である。 【図4】本実施例に係る貝類挿入止具の部分拡大正面図である。 【図5】図3のA−A断面図である。 【図6】本実施例に係る貝類挿入止具の使用状態を示す斜視図である。 【図7】本実施例に係る貝類挿入止具の凹溝部、突出端部による貝類の抜け落ち防止作用を示す説明図である。 【図8】本実施例に係る貝類挿入止具における凹溝部の変形例を示す部分拡大図である。 【図9】本実施例に係る貝類挿入止具における凹溝部の変形例を示す部分拡大図である。 【図10】本実施例に係る貝類挿入止具における凹溝部の変形例を示す部分拡大図である。 【図11】本実施例に係る貝類挿入止具における凹溝部の変形例を示す部分拡大図である。 【図12】本実施例に係る貝類挿入止具における凹溝部の変形例を示す部分拡大図である。 【符号の説明】 【0034】 1 貝類挿入止具 2 基体 2a 端部 2b 領域 3 吊下体係止突片 4 受止片 4a 突出端部 4b 立ち上がり部 5 凹溝部 20 吊下体 21 穴 30 貝類 31 穴 α 鋭角 β 鈍角
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| 【出願人】 |
【識別番号】303009663 【氏名又は名称】進和化学工業株式会社 【住所又は居所】群馬県多野郡鬼石町大字浄法寺766−1
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| 【出願日】 |
平成16年11月4日(2004.11.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080528 【弁理士】 【氏名又は名称】下山 冨士男
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| 【公開番号】 |
特開2006−129754(P2006−129754A) |
| 【公開日】 |
平成18年5月25日(2006.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願2004−321031(P2004−321031) |
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