| 【発明の名称】 |
水中生物用酸素補給装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 宏史 【住所又は居所】東京都西多摩郡日の出町平井8番地1 日鉄鉱業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】設置簡便性、移動性、設置面積及び容積低減性、並びに長期安定作動性に優れ夏季の酸素不足を補える水中生物用酸素補給装置の提供。
【解決手段】一枚の支持板上に、円筒状の旋回流発生容器に設けた水流入口から水を接線方向に供給して旋回流を形成して発生容器2内に負圧を発生させ一側端板に形成された気体吸引管7から空気を吸引し他側端板に形成された流体噴出開口8から発生容器2外に噴出する気液接触装置1と、吸引開口の周囲に配置されたストレーナ15、該開口の上部に配置する軸支された回転羽根車等を有する水中ポンプ11と、水中ポンプから放出された水を気液接触装置1の水流入口に供給する給水配管28が設置されており、支持板21を浅瀬の海底等に固定することにより、簡単に水中生物用酸素補給装置10が設置できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 両端部に端板を有する円筒状の旋回流発生容器、該円筒状部の接線方向に設けた水流入口、上端が一側端板の中央部から上方に延び下端が他側端板に設けられた流体噴出開口に向かって延びる空気吸引管及び他側端板の中央部に設けられた流体噴出開口を有し、該流体噴出開口は、流体の移動方向における中央部が最も狭く、流入側と流出側が広くなっており、かつ該開口の流体移動方向中央の断面形状が前記最狭部から前記両側に向かって次第に拡大する形状であって、連続した曲線となっている液体旋回流により発生した負圧を利用する気液接触装置と、 下部に吸引開口、該開口の周囲に配置されたストレーナ、該開口の上部に配置された回転軸に軸支された回転羽根車、該羽根車の中心部で吸引し外周から放出する水を集めるケーシング、該ケーシング内の水を吐出する給水開口及び保持脚を有する水中ポンプと、 該水流入口及び該給水開口を連結する給水配管と、 外周部に複数の保持用開口又は保持具を有する支持板とを備え、 しかも該気液接触装置は該流体噴出開口と支持板との間に所定の間隙を持って支持板に固定されており、かつ該水中ポンプは該保持脚により支持板に固定されていることを特徴とする水中生物用酸素補給装置。 【請求項2】 他側端板は旋回流発生容器内側面が該容器の円筒状部壁から該流体噴出開口に向かって下降する傾斜面となっている請求項1記載の水中生物用酸素補給装置。 【請求項3】 下降する傾斜面の傾斜角が10〜60度である請求項2記載の水中生物用酸素補給装置。 【請求項4】 水中ポンプ用電源に所定間隔で運転を停止する装置を設置した請求項1、2又は3に記載の水中生物用酸素補給装置。 【請求項5】 ストレーナの各開口の最短部の径が6〜12mmである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の水中生物用酸素補給装置。 【請求項6】 気液接触装置の流体噴出開口と支持板との間隔が旋回流発生容器の内径の0.8〜2倍である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の水中生物用酸素補給装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、液体の旋回流を形成し、その旋回流により負圧を発生させ、その負圧により気体を吸引する気液接触装置を利用する、干潟浅海域等における二枚貝等の底性動物あるいは魚類に対する夏季の酸素不足を補うことができる水中生物用酸素補給装置に関する。 より詳しくは、液体の旋回流を形成し、その旋回流により発生した負圧を利用して気体を吸引する気液接触装置を利用するところの、設置簡便性、移動性、設置面積及び容積低減性、並びに長時間安定作動性に優れた夏季の酸素不足を補うことができる水中生物用酸素補給装置に関する。 【背景技術】 【0002】 [先行技術文献] 【特許文献1】特開平10−230150号公報 【特許文献2】特開2003−275557公報 河川や湖沼の水浄化あるいは生活排水等の汚水の浄化を行う方法としては、古くから被処理液中の好気性微生物による生物酸化作用を利用することが行われており、その微生物の活性化のために被処理液中に空気の微細気泡を送り込むことも従前から行われている。 また、そのための微細気泡発生装置には、細孔を有する散気管、多孔板、あるいは回転翼等の各種構造のものが従前から利用されている。 【0003】 前記した散気管あるいは多孔板を用いて気泡を発生させる装置では、気体は細孔を通過して液中に供給されるが、使用するにしたがって細孔は次第に狭くなり、ついには閉塞が起こり、気泡サイズのバラツキあるいは気泡発生率の低下が発生し、気泡の供給が不安定になり、また気泡発生量に制約もある。 さらに、攪拌作用が不充分であり限られた容量の処理液に対しては有効であるものの、湖沼あるいは浅瀬等の大容量の液処理は不可能である。 また、攪拌翼等を用いる機械的方法による気泡発生装置は、回転する翼により導入された気体を細分化して、気液接触させ、気泡を発生するものであり、消費エネルギーが大きく、気泡サイズのバラツキも大きいという欠点がある。 【0004】 そのようなことで、本発明者らは、液体の旋回流を形成し、その旋回流により発生した負圧を利用して気体を吸引し、気泡発生するエアレーターと通称する気液接触装置を提案した(特許文献1参照)。 この気液接触装置は、両端部に端板を有する円筒状の旋回流発生容器内に、その円筒状部の接線方向から液体を流入させて、該旋回流発生容器の器壁に沿って旋回しながら液体中に噴出する流体噴出開口に向かう液体流を形成し(これを本明細書では旋回流という)、この旋回流により該容器内に負圧を発生させることにより気体を吸引するものであり、吸引した気体を該旋回流発生容器の吸引した側の端板とは反対側の端板に形成された前記開口から液体中に噴出することにより気泡を発生させ、気液接触を行うものである。 【0005】 このエアレーターでは、気体を吸引する駆動力は流動する液体であり、この流動液体の吸引力により気体が搬送されるものであるから、駆動用の装置は特段必要はなく、しかも容器と配管のみであるから、構造は簡単でかつ小型にできる。 また、発生した気泡は、微細で均一であり、大量に発生させて水の浄化に使用した場合には、浄化性能を著しく向上させることができる。 本発明者らは、この気液接触装置に関し、その特性を更に向上させるべく、その後も研究を継続しており、その結果、流体噴出開口の形状を図3に図示するような形状、すなわち流体噴出開口8に関し流体の移動方向における中央部8aが最も狭く、流入側8bと流出側8cが広くする構造を採用することにより、エネルギー効率及び気泡発生効率が向上することを見出し、これについても既に特許出願した(特許文献2参照)。 【0006】 本発明者らは、この優れた性能を有する気液接触装置に関し、その後更に各種の視点から検討し、各種試験を行った。 その結果、この気液接触装置を長期間連続して運転した場合には、気泡発生が低下して接触効率が低下し、適切な運転が不可能となる場合が起こることが判明した。 これについて、更に検討したところ、形状によっては旋回流発生容器内から短時間で放出されるものもあるが、ある種の形状のものにおいては、該発生容器の流体噴出開口から放出されることなく、該発生容器内に長時間滞留することが判明した。 【0007】 そこで、本発明者らは、この滞留問題を解消すべく各種の試みを行い、その結果旋回流発生容器の内部構造を多少変更することにより、この問題が解消できることを見出した。 すなわち、旋回流発生容器を形成する下側端板に関し、本発明者らが提案した特許文献1及び2に記載するように旋回流発生容器の内側面と外側面とが平行な平板を使用するのではなく、図2に図示するように内側面を該容器の円筒状部壁から該流体噴出開口に向かって下降させることにより、旋回流発生容器における異物の滞留を回避することができることを本発明らが見出し、これについてもごく最近特許出願した(特願2003−392147)。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 本発明者らは、前記のとおり液体旋回流により発生した負圧を利用する気液接触装置に関し鋭意研究開発に努め、その結果得られた成果に関し、新規な構造の気液接触装置として特許出願により提案したことは前記のとおりである。 その本発明者らの提案は、前記したとおり、いずれも気液接触装置の構造に止まるものであり、その気液接触装置に加えて、その装置を駆動するのに必要な水流入口に水を供給する手段を一体で合わせ具備する、海、湖等の水中、あるいは海底、湖底等に簡便に設置することができる酸素補給装置については、何ら具体的提案はなされていない。 【0009】 そこで、本発明者らは、液体旋回流により発生した負圧を利用する気液接触装置と、該装置を駆動するのに必要な水流入口に水を供給する手段とを一体形式で合わせ具備する、海、湖等の水中、あるいは海底、湖底等に設置及び移動が簡便で、設置容量及び設置面積が少なく、長時間安定作動性に優れた、浅瀬等の海中生物あるいは湖沼等の水中生物の酸素不足、特に夏季における酸素不足を補うことができる水中生物用酸素補給装置を開発すべく鋭意努め、その結果開発に成功したのが本願発明である。 【0010】 したがって、本発明は、水中、特に浅瀬等の海底あるいは水面下1m前後の水中に簡便に設置でき、設置容量及び設置面積が少なく、長時間安定作動性に優れた、液体旋回流により発生した負圧を利用する気液接触装置を利用する水中生物用酸素補給装置を提供することを発明の解決すべき課題、すなわち、目的とするものである。 また、その水中生物用酸素補給装置は、特に干潟浅海域等における二枚貝等の底性動物あるいは魚類に対する夏季の酸素不足を補うことができることを狙いとするものである。 【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明は、前記課題を解消した液体旋回流により発生した負圧を利用する気液接触装置を具備する水中生物用酸素補給装置を提供するものであり、その水中生物用酸素補給装置は、両端部に端板を有する円筒状の旋回流発生容器、該円筒状部の接線方向に設けた水流入口、上端が一側端板の中央部から上方に延び下端が他側端板に設けられた流体噴出開口に向かって延びる空気吸引管及び他側端板の中央部に設けられた流体噴出開口を有し、該流体噴出開口は、流体の移動方向における中央部が最も狭く、流入側と流出側が広くなっており、かつ該開口の流体移動方向中央の断面形状が前記最狭部から前記両側に向かって次第に拡大する形状であって、連続した曲線となっている液体旋回流により発生した負圧を利用する気液接触装置と、 下部に吸引開口、該開口の周囲に配置されたストレーナ、該開口の上部に配置された回転軸に軸支された回転羽根車、該羽根車の中心部で吸引し外周から放出する水を集めるケーシング、該ケーシング内の水を吐出する給水開口及び保持脚を有する水中ポンプと、 該水流入口及び該給水開口を連結する給水配管と、 外周部に複数の保持用開口又は保持具を有する支持板とを備え、 しかも該気液接触装置は該流体噴出開口と支持板との間に所定の間隙を持って支持板に固定されており、かつ該水中ポンプは該保持脚により支持板に固定されていることを特徴とするものである。 【発明の効果】 【0012】 本発明の水中生物用酸素補給装置は、両端部に端板を有する円筒状の旋回流発生容器において、水の旋回流を形成し、その旋回流により負圧を発生させ、その負圧により空気を吸引する気液接触装置と、該旋回流発生容器の水流入口に旋回流を発生させる駆動源となる水を供給する水中ポンプとを支持板に一体に備えたものであり、これをそのまま海浜浅瀬の底部に簡便に設置することができ、それにより干潟浅海域等に生息する、アサリ、ハマグリなどの二枚貝等の底性動物あるいは魚類に対し、夏季における酸素不足を簡単に補うことができる。 【0013】 また、この水中生物用酸素補給装置では、旋回流発生容器の流体噴出開口と支持板との間隔、水中ポンプの吸引開口と支持板との間隔及び旋回流発生容器と水中ポンプとの間隔を小さくすることができ、その結果、装置全体が小型で、かつ旋回流発生容器及び水中ポンプ等の必要な部材が要領良く配置でき、設置面積及び設置容量も低いものとなっている。 しかも、本発明の気液接触装置では、旋回流発生装置における下側端板、すなわち空気を旋回流発生容器から容器外に放出する側の端板に形成される開口を図2及び3に図示するような特殊な形状を採用しており、それにより気液接触装置のエネルギー効率及び気体接触効率を向上させことができる。 【0014】 なお、流体噴出開口が形成される側の端板については、旋回流発生容器内側面が該容器の円筒状部壁から該流体噴出開口に向かって下降する傾斜面とすることにより、旋回流発生容器内における異物の滞留がより一層防止できる。 さらに、本発明で用いる気液接触装置における海水が通過する最も小さい孔径部分の径は、エジェクターを採用した場合に比し格段に広く、その結果海水中の海草等の異物が開口を閉塞する危険性が低く、本発明では、長期間円滑に稼動させることができる水中生物用酸素補給装置を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。 図1は、本発明の水中生物用酸素補給装置10を図示するものであって、それは、空気吸引管7を持つ気液接触装置1、ストレーナ15及び保持脚17を持つ水中ポンプ11、保持用開口22を持つ支持板21、並びに気液接触装置1の水流入口と水中ポンプの給水開口を連結する給水配管28とを備える。 【0016】 本発明の水中生物用酸素補給装置10は、アサリ、ハマグリなどの2枚貝等が生息する浅瀬の底部等に設置され、支持板21に開設された保持用開口22に支持棒を挿入して浅瀬の海底等に打ち込み支持板を該底部等に固定することができる。 このようにして浅瀬の底部等に固定された水中生物用酸素補給装置10では、ストレーナ15を介して海水等の水を水中ポンプ11内に吸引し、吸引した水は給水配管28を経て気液接触装置1を構成する円筒状の旋回流発生容器の水流入口に供給される。 そこに供給された水は、旋回流を形成し、それにより発生した負圧を利用して空気吸引管7から空気を吸引し、吸引された空気は流体噴出開口8から気水混合流体となって海水等の水中に噴出され、その結果、本発明では浅瀬等の海水等の水中に溶存酸素量の向上した水を提供することができる。 【0017】 本発明の水中生物用酸素補給装置を構成する気液接触装置1は、図2及び3に図示されており、これらに基づいて、その構造等を以下において詳述する。 その気液接触装置1は、上側端部と下側端部に、それぞれ上側端板3及び下側端板4を備える円筒状の旋回流発生容器2を有し、その容器の円筒状部の接線方向には給水配管28と連結する水流入口6が設置される。 なお、水流入口6には、給水配管28との連結を簡便に行うために、接続用の小配管5を付設しておくのが好ましい。 その上側端板3には、中央部に下側端板4に設けられた流体噴出開口8に向かって延びる空気吸引管7が設けられ、下側端板4の中央部には流体噴出開口8が形成されている。 【0018】 本発明の水中生物用酸素補給装置が具備する気液接触装置1においては、流体噴出開口8が形成されている下側端板は、その旋回流発生容器2の内側面が該容器の円筒状部壁から該流体噴出開口8に向かって下降する傾斜面9とするのが望ましことは前記したとおりであり、この傾斜面の存在により、旋回流発生容器8内における異物を円滑に排出することができ、閉塞及び旋回流発生容器内における異物の滞留をより効果的に回避することができる。 その結果、該傾斜面を存在させることにより、浅瀬に存在する海草あるいは浮遊物等が存在する水であっても、異物の滞留及びそれによる閉塞を回避でき、長期間安定して性能低下させることなく運転することのできる液体旋回流により発生した負圧を利用する水中生物用酸素補給装置を提供することができる。 【0019】 この傾斜面の傾斜の程度、すなわち、円筒状の旋回流発生容器2の円筒壁と、それに直交する平面とで形成される角(α)の角度(この明細書では傾斜角という)については、10度以上がよく、好ましくは30度以上がよく、より好ましくは45度以上がよい。 特に傾斜角が45度以上になると、比重が1.2程度で、かつ旋回流発生容器内に滞留し易い形状のものでも、旋回流発生容器内に滞留することなく排出でき望ましい。 なお、この傾斜角については、上限は特に設ける必要はないが、60度を越えると旋回流発生容器2が長くなり、その結果小型化できるという長所が失われ、それにもかかわらず接触効率も向上するものでもないから、60度以下がよい。 【0020】 その気液接触装置1の作動に関し図2に基づいて説明すると、この接触装置では、旋回流発生容器2に円筒状部の接線方向に形成された水流入口から海水等の水が供給されるものであり、その供給により旋回流発生容器2の器壁に沿って旋回しながら下降する旋回流が形成され、その形成に伴い該発生容器2内に負圧が発生し、気体吸引管7から空気が吸引され、その流入口7aと下側端板の中央部の流体噴出開口8との間に空気芯が形成される。 その結果、該流体噴出開口8から該開口の下側に存在する水中に水と共に空気が噴出される。 【0021】 さらに、前記気液接触装置1における流体噴出開口8の形状について詳述すると、 その形状は、気体の移動方向における中央部8aが最も狭く、流入側と流出側に向かって曲線状に連続して拡大することが必要である。 すなわち、このような形状を採用することにより、流体噴出開口8から噴出した気液混合流体は、下方に直進することなく、横方向に移動することになり、流体噴出開口8と支持板21との間隔を狭くすることができ、かつ消費電力量あるいは水循環量の変動に影響されることなく、優れたエネルギー効率及び気体接触効率を得ることができ、長期間にわたり安定して空気を効率的に吸引でき、効率的な気液接触を行うことができる。 【0022】 また、本発明における、旋回流により発生した負圧により吸引される空気を旋回流発生容器に吸引する空気吸引管7に関し述べると、該発生容器内における先端の位置については、特に制限されることはないが、該先端と流体噴出開口との間に空気芯等の気体芯が負圧により発生するところまで延伸していることが必要である。 さらに、該発生容器外における空気吸引管7の長さについては、設置安定性及び強度等から1〜3m程度がよく、好ましくは2m程度がよく、この程度の長さがあれば、浅瀬の底に設置した場合においても海水の干満の差による深さの変動にも対応可能である。 【0023】 次に、本発明の水中生物用酸素補給装置を構成する水中ポンプ11の構造等に関し、図4に基づいて詳述する。 その水中ポンプ11は、上端に電源に接続するキャブタイヤケーブル16、下端に回転羽根車12を持ち、オイルケーシング、メカニカルシール等を具備する上下に延びる回転軸14を中央に備え、該回転羽根車12の中心部の下部には吸引開口13を有する。 その回転羽根車12の外周には、その全体を覆うようにケーシング18を備え、そのケーシング18には、該外周と反対側の端部に気液接触装置の水流入口6と連結する給水配管28と接続する給水開口19が設けられており、これにより回転羽根車12下部の吸引開口13から吸引した水を、該羽根車の外周から放出し、給水開口19、給水配管28、水流入口6を経て、気液接触装置1に水を供給する。 【0024】 その回転羽根車12下部の吸引開口13の周囲には、ストレーナ15が配置されており、これにより水中ポンプ11内に、海草、木の葉あるいはプラスチック袋等の各種投棄物が吸引されることを防止する。 そのストレーナ15は、海草、木の葉あるいはプラスチック袋などの各種投棄物等の固体異物を水中ポンプ11内に吸引し、その結果水中ポンプを閉塞することを予め規制するものであるから、それを達成することができるものであればよく、その開口の形状、大きさ等については、下記範囲内のものであれば、特に制限されることなく採用可能である。 【0025】 具体的には、その吸引開口の形状に関しては、三角形、四角形、五角形、六角形等各種多角形が採用可能であり、また円形あるいは楕円形等でもよいが、製造上の簡便性からして、正方形あるいは長方形等の四角形がよい。 なお、その吸引開口は、全体が同一形状である必要はなく、吸引開口と対面する部分と、側面部分とが異なる形状であってもよく、その場合には、対面する部分の形状を正方形とし、側面部分の形状を長方形とするのがよい。 【0026】 その開口の大きさについては、例えば、長方形の場合には短辺側の径が6〜10mmがよく、円形の場合には直径が8〜12mmがよい。 なお、長方形の場合には長辺側の径を10〜25mmとするのが好ましい。 これらの範囲がよいのは、小さ過ぎると、ストレーナの開口を異物が閉塞するからであり、逆に大き過ぎると水中ポンプ内に水と共に海草あるいは各種投棄物等の異物が吸引され、その異物がポンプ内の回転羽根車あるいは気液接触装置内の流体噴出開口等を閉塞する危険性があるからである。 なお、ストレーナについては前記の範囲内のものであれば、市販の水中ポンプに付設されているものでも勿論そのまま使用可能である。 【0027】 本発明ではストレーナの開口を前記大きさにすることにより、ストレーナに付着した異物による閉塞を1.5月以上の長期間回避できることが現地実験により確認することができたが、より確実に該閉塞を回避するには、ポンプの作動を所定期間経過後に短期間停止することが有効であることも判った。 すなわち、この作動停止により異物はポンプの吸引力から解放されストレーナから脱離でき、それに加えて波あるいは川の流水等に伴う水の変動によって他の場所に移動することができ、この作動停止が極めて有効であることが判った。 なお、この停止期間は、1分前後の短期間で充分であることも判った。 【0028】 その際には、フジツボ、ムラサキ貝等の多数の海中生息物が本発明の水中生物用酸素補給装置を形成する気液接触装置あるいは水中ポンプの外部周辺に固着することもわかったが、それらはポンプのストレーナを閉塞するような位置に固着しなこともわかった。 この水中ポンプ用電源に設置する、ポンプの運転を所定間隔で停止する装置については、特に制限されることなく各種の装置が使用でき、勿論各種市販品も特注品も使用可能である。 【0029】 支持板については、気液接触装置1及び水中ポンプ11が固定支持できる構造のものであれば、各種構造のものが特に制限されることなく使用可能であるが、それらの支持安定性、設置作業性等から長方形の板状体が好ましく、その素材はプラスチック、金属等が特に制限されることなく使用可能である。 その支持板21の外周近傍には、浅瀬底部あるいは水面下浮遊状態で安定して保持するために、複数の保持用開口22を開設するのがよい。 【0030】 その支持板の固定あるいは保持等については、該開口22に支持棒を貫通して浅瀬底部に固定してもよいし、該開口22に浮具に保持された紐を通すことにり浮き具に保持してもよい。 なお、外周近傍に設置する保持用開口については、支持板を浅瀬底部あるいは水中に安定して保持できるものであればそれ以外の構造でもよい。 例えば、それには、支持板に結合された、紐を巻き付けることができる先端に輪状部あるいは球状部を有する短い棒がある。 【0031】 その支持板には、水中ポンプの支持脚を固定する支持具23及び気液接触装置1を固定する保持脚24が設置されており、それらは溶接により支持板21に固定されており、特に水中ポンプの固定には、前記支持脚による固定以外に補助支持片27が一対支持板に別途付設され、該ポンプは両支持片間に紐等を渡してより強固に固定されている。 なお、水中ポンプは、支持脚17と支持具23とをネジ止めすることにより支持板21に固定されるが、支持脚17及び支持具23は、前記図示された構造に限定されるものではなく水中ポンプの支持脚を支持板に保持できるものであれば、各種の構造が採用可能であり、かつ補助支持片27の付設は必要に応じ適宜行えばよい。 【0032】 前記保持脚24は、前記したとおり気液接触装置を支持板21に固定する部材であるが、それには、気液接触装置1の旋回流発生容器2を保持するための複数の帯体25が旋回流発生容器2外周全体を取り囲むようにネジ止めされている。 なお、気液接触装置1は前記したとおり支持板21に固定されるが、その固定手段は前記図示された構造に限定されるものではなく、気液接触装置1を支持板21に保持できるものであれば各種の構造が採用可能である。 【0033】 本発明の水中生物用酸素補給装置は、前記したとおり定期的に運転停止するのがよく、その停止は30分から10時間の間に1回停止するのがよく、その際の停止期間は15秒から3分程度がよく、好ましくは1〜3時間ごとに30秒から2分間停止するのがよい。 このように運転を停止した場合には、ストレーナに吸引付着された異物は吸引力から解放される。 その結果、浅瀬に設置した場合には、合わせて波の影響もあるので、付着物は容易にポンプ周辺から他の場所に移動し、再度付着することも回避できる。 【0034】 前記した運転を停止するためには、ポンプの電源に電気の供給を停止する装置を付設することが必要であるが、それについても特に制限されることなく各種の電気供給停止装置が使用でき、それにはデジタル・タイム・スイッチ、モータ式タイムスイッチ等が例示できる。 【実施例1】 【0035】 以下において、本発明の実施例をあげて更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。 この実施例1においては、図1に図示する水中生物用酸素補給装置を浅瀬(満潮時水深2m、干潮時水深0m)の海底に長期間設置して酸素補給試験を行った。 その水中生物用酸素補給装置を構成する気液接触装置1及び水中ポンプ11は、それぞれ図2及び図3に図示するものを使用した。 【0036】 それら気液接触装置及び水中ポンプ等の具体的構造について更に述べると、 旋回流発生容器については、内径(直径)20cm、高さ(上下端板の外側間の距離)28cm、流体噴出開口中央の最小部分の直径29mm、下側端板の傾斜角45°、下側端板と支持板との間隔20cmとした。 ポンプについては、交流100V、400Wの市販品を使用した。 そのストレーナには、吸引開口と対面する部分には一辺が8mmの正方形の開口、それ以外の側面部分には短径18mm、長径24mmの長方形の開口を使用した。 なお、そのポンプの吸引開口の直径は32mm、給水開口の直径は40mmであった。 【0037】 その水中生物用酸素補給装置を浅瀬(満潮時水深2m、干潮時水深0m)の海底に設置して、以下のとおり酸素補給の長期間連続試験を行い、その様子を観察した。 その結果、試験開始後1月過ぎても水中生物用酸素補給装置は順調に作動し、海水中に酸素が順調に補給されていることが、気液接触装置の流体噴出開口から放出される気泡の様子から観察できた。 その後も、更に運転を継続していると、運転開始当初から1.5月が過ぎた時点で該流体噴出開口から放出される気泡量が減少していることが観察できた。 この時点において、水中ポンプを水中生物用酸素補給装置から取り外すと、ストレーナに、海草、木の葉、投棄プラスチック袋等の各種異物が付着しているのが観察された。 【0038】 この問題の解消策、特に人手を要しない解消策について鋭意検討した。 その結果、異物が付着する原因となっている吸引力を一時的に停止してみてはというこになり、そのことを試してみることにした。 そこで、人手をかけずに水中ポンプを短期間停止することができる方法を検討したところ、電源を定期的に停止することができる装置が市販されていることが判明し、これを使用して長期運転を開始したところ、異物がストレーナに固着することなく、長期間安定して運転できることが確認できた。 【0039】 すなわち、水中ポンプの電源に電気供給停止装置を付設し、2時間に一度1分間停止するようにしたところ、水中ポンプは、その後は気泡の発生量の低減もなく、2月以上順調に作動している。 その理由を探るべく、ポンプのストレーナの観察も行ったところ電源停止装置を付設する以前に比し、ストレーナへの異物の付着量が遥かに低減していることもわかった。 以上のとおりであるから、本発明においては、水中ポンプの電源に電気供給停止装置を付設し、ポンプを所定期間作動後、短期間停止することにより、水中ポンプを長期間安定に運転する上で極めて有効な手法であることが判明した。 【0040】 なお、本発明で使用した気液接触装置に代え、エジェクターを用いた場合には、水中ポンプに付設のストレーナに加えて、水中ポンプ及びエジェクター内への異物の進入を防止すべく、水中ポンプ全体を多数の開口を有する網状体でカバーしても、装置内部の閉塞によって気泡量の低下が発生することがわかった。 【図面の簡単な説明】 【0041】 【図1】本発明の水中生物用酸素補給装置全体の図示。 【図2】本発明の水中生物用酸素補給装置に用いる気液接触装置の図示。 【図3】本発明の水中生物用酸素補給装置に用いる図2とは別な態様の気液接触装置の図示。 【図4】本発明の水中生物用酸素補給装置に用いる水中ポンプの図示。 【符号の説明】 【0042】 1 気液接触装置 2 旋回流発生容器 3 上側端板 4 下側端板 6 水流入口 7 気体吸引管 7a 気体流入口 8 流体噴出開口 9 傾斜面 α 傾斜角 10 水中生物用酸素補給装置 11 水中ポンプ 12 回転羽根車 13 吸引開口 14 回転軸 15 ストレーナ 17 保持脚 18 ケーシング 19 給水開口 21 支持板 22 保持用開口 28 給水配管
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| 【出願人】 |
【識別番号】000227250 【氏名又は名称】日鉄鉱業株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内2丁目3番2号
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| 【出願日】 |
平成16年10月27日(2004.10.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100108741 【弁理士】 【氏名又は名称】渡邉 順之
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| 【公開番号】 |
特開2006−121932(P2006−121932A) |
| 【公開日】 |
平成18年5月18日(2006.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願2004−311982(P2004−311982) |
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