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【発明の名称】 リールシート
【発明者】 【氏名】平本 仁
【住所又は居所】東京都世田谷区上馬4丁目23番1号 株式会社スミス内

【要約】 【課題】より簡単にリールに応じた係止凹部形状の変更を行え、さらに、2つ以上の形状の異なる係止凹部を設けることができるようなリールシートの係止構造を提案する。

【解決手段】リールRの取付脚R1上面を当接させる平坦面2aを持つ載置部材2と、該載置部材2の一端側に設けられ、載置部材2の平坦面2aに当接させた取付脚R1の一端側を係止し位置決めする固定係止部材3と、載置部材3の他端側に軸方向スライド可能且つ回動可能に設けられ、載置部材2の平坦面2aに当接させた取付脚R1の他端側を前端部分4bで係止する移動係止部材4と、該移動係止部材4の後端側に設けられて移動係止部材4を載置部材2へ締め付ける雄ネジ及びナット部材5と、を備えてなり、その移動係止部材4の前端部分4bに2以上の形状の異なる係止凹部4c,4dが形成されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リールの取付脚上面を当接させる平坦面を持つ載置部材と、該載置部材の一端側に設けられ、前記平坦面に当接させた前記取付脚の一端側を係止し位置決めする固定係止部材と、前記載置部材の他端側に軸方向スライド可能且つ回動可能に設けられ、前記平坦面に当接させた前記取付脚の他端側を前端部分で係止する移動係止部材と、該移動係止部材の後端側に設けられて前記移動係止部材を前記載置部材へ締め付ける雄ネジ及びナット部材と、を備えてなり、前記移動係止部材の前端部分に2以上の形状の異なる係止凹部が形成されていることを特徴とするリールシート。
【請求項2】
竿側に固定係止部材を配置し且つ手元側に移動係止部材を配置した請求項1記載のリールシート。
【請求項3】
雄ネジ及びナット部材のナットは、移動係止部材に当接して締め付けを行うための前側ナットと、該前側ナットに当接して緩みを防止するための後側ナットと、からなり、これらナットどうしの当接面について、一方の当接面が他方の当接面に対し傾斜させてある請求項1又は請求項2記載のリールシート。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、スピニングや両軸受等のリールを釣竿に取り付けるためのリールシートに関し、特に、そのリールシートにおけるリール取付脚の係止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
リールを釣竿に取り付けるための部材として設けられるリールシートは、リールに設けられた“T”字型の取付脚の両端部を係止させて固定する構造であるが、そのリールの取付脚の厚みや長さがメーカーにより若干異なるため、たとえば特許文献1のような構造のものが開発されている。
【特許文献1】特開2000−295948 特許文献1の特に請求項3に係るリールシートは、移動リングに対向して設けられた2つの移動係止部(係止用の凹み=係止凹部)を有し、この2つの係止凹部の大きさを異ならせることで、異なるサイズの取付脚に対応可能になっている。その移動リングは、本体部の雄ネジ部に回動不能に装着(突起部31及びレール10b参照)されるものであり、従って当該移動リングは、一旦雄ネジ部から取り外して180°回転させた後に、再び雄ネジ部へ装着することで初めて係止凹部の変更を行える仕組みである。
【0003】
つまり、従来技術のリールシートでは、移動リングを一旦完全に取り外し、180°反転させてからもう一度差し込む作業を経なければ、係止凹部の形状を変更することができず、これが意外と面倒で改善の余地がある。また、その移動リングの回転不能機構(突起部及びレール)があるために、係止凹部の変更には180°の回転が必須であり、従って係止凹部は対向させて2つしか設けることができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来技術に着目して本発明は、より簡単にリールに応じた係止凹部形状の変更を行え、さらに、2つ以上の形状の異なる係止凹部を設けることができるようなリールシートの係止構造を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のリールシートは、リールの取付脚上面を当接させる平坦面を持つ載置部材と、該載置部材の一端側に設けられ、載置部材の平坦面に当接させた取付脚の一端側を係止し位置決めする固定係止部材と、載置部材の他端側に軸方向スライド可能且つ回動可能に設けられ、載置部材の平坦面に当接させた取付脚の他端側を前端部分で係止する移動係止部材と、該移動係止部材の後端側に設けられて移動係止部材を載置部材へ締め付ける雄ネジ及びナット部材と、を備えてなり、その移動係止部材の前端部分に2以上の形状の異なる係止凹部が形成されていることを特徴とする。
【0006】
このようなリールシートは、竿側に固定係止部材を配置し且つ手元側に移動係止部材を配置する構成とすると、移動係止部材の操作時に竿が邪魔にならず作業しやすくなるので好ましい。
【0007】
また、雄ネジ及びナット部材のナットは、移動係止部材に当接して締め付けを行うための前側ナットと、該前側ナットに当接して緩みを防止するための後側ナットと、の2組式とし、これらナットどうしの当接面について、一方の当接面が他方の当接面に対し傾斜させてあるものとすると良い。当接面を傾斜させることで、締め付けた後側ナットが雄ネジに対し傾いで留まることになり、緩み止めの力がより良好に働くことになる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のリールシートによれば、移動係止部材を回動可能に設けたことにより、当該移動係止部材は取り外すことなく回転させることができ、そのまま係止凹部を変更することができる。このような移動係止部材は、雄ネジ及びナット部材による締め付けで回転が防止されるが、締め付け後に若干移動係止部材が回転したとしても、載置部平坦面と取付脚上面との面での当接によりがたつきが抑制されているので、リールのぐらつきは防がれる。
【0009】
このように本発明によれば、移動係止部材を回転させるだけの簡単な作業で係止凹部の形状を変更することができ、加えて、従来の回転不能機構が無く、その回転角に制限がないので、3つや4つの形状の異なる係止凹部を設けることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1〜図4に、本発明の実施例を示し説明する。
【0011】
本例のリールシート1は、リールRの取付脚R1を当接させ支持するための載置部材2と、この載置部材2の一端側である竿側に設けられ、取付脚R1の端部を係止して位置決めする固定係止部材3と、載置部材2の他端側である手元側に軸方向スライド可能且つ回動可能に(矢示A,B)設けられ、取付脚R1の端部を前端部分で係止する移動係止部材4と、この移動部材4の後端部に当接して押圧し、移動部材4を載置部材2へ締め付ける雄ネジ及びナット部材5と、を備えている。
【0012】
載置部材2は、リールRの取付脚R1の平坦な上面を当接させる平坦面2aを持ち、この平坦面2aによる面支持でリールRのがたつきが抑制される。すなわち、載置部材2の断面形状は、円の下側1/4ほどを真っ直ぐ切り欠いた形状を呈している。
【0013】
この載置部材2の平坦面2aに上面を当接させた取付脚R1は、その一端側である前側(竿側)端部を固定係止部材3に係止される。固定係止部材3は、載置部材2に接着、螺合等で固定されており、その端部は金属製の係止リング3aとされ、該係止リング3aの内側に、平坦面2aに当接させた取付脚R1の前端部が挿入されることで係止される。これにより、リールRの取付位置が決められる。このとき、取付脚R1の厚みがメーカにより異なるが、その厚みに応じて係止リング3a内への挿入長さが変わることで違いは吸収される(図3A,B参照)。
【0014】
一方、載置部材2の平坦面2aに上面を当接させた取付脚R1の他端側である後側(手元側)端部は、移動係止部材4に係止される。移動係止部材4は、載置部材2の手元側延長部分2bを通す貫通孔4aを中心に有する円筒状であり、これにより、載置部材2に対し、軸方向へスライド可能であり且つ回動可能にして組み付けられている。この移動係止部材4の後端部が、雄ネジ及びナット部材5により前方へ押圧されることにより、移動係止部材4が載置部材2の方へ締め付けられ、取付脚R1の後端部を係止する。
【0015】
このような移動係止部材4の前端部分は金属製の係止リング4bとされ、この係止リング4bの内面に、2つの異なる形状の係止凹部4c,4dが180°(その他の角度も勿論可能)の間隔で凹設されている(図2及び図3)。本例では、第1の係止凹部4cが深く、第2の係止凹部4dが浅いものとしてあり、取付脚R1の形状の違いにあわせて切り替え使用することができる(図示の場合、図3Aが厚い取付脚R1の例、図3Bが薄い取付脚R1の例)。その切り替えに際しては、雄ネジ及びナット部材5を緩めて移動係止部材4を、取付脚R1にかからない位置まで若干(おおよそ1cmほど)後退させ、そこで180°回転させて係止凹部4c,4dの何れかに切り替えれば済む。すなわち、従来のように移動リングを一度完全に取り外すような必要が無く、格段に作業が簡単で速い。
【0016】
この移動係止部材4の締め付け固定を担当する雄ネジ及びナット部材5は、本例の場合、載置部材2の延長部分2bにねじ切りした雄ネジ部5aと、該雄ネジ部5aに螺合するナット部5bと、から構成されている。さらにナット部5bは、移動係止部材4に当接して締め付けを行う前側ナット5cと、該前側ナット5cに当接して緩み止めを行う後側ナット5dと、から構成される。
【0017】
そのナット部5bをなす後側ナット5dが前側ナット5cと当接する当接面5eは、図4に示す通り、前側ナット5cの当接面に対し所定の角度傾斜させてある。従って、前側ナット5cを移動係止部材4に対し締め付けた後、該前側ナット5cに対し後側ナット5dを締め付けると、後側ナット5dが当接面5eの傾斜の影響で雄ネジ部5aに対して傾いで留まることになり、緩み止めの力が非常に強くなる。
【0018】
図5及び図6に、移動係止部材の他の実施例を示している。
【0019】
この例の移動係止部材40は、上記実施例同様に載置部材2の延長部分2bを通す貫通孔41を中心に持つ円筒状で、その前端部分が金属製の係止リング42とされている。そして、この係止リング42には、120°の等間隔で3つの形状の異なる係止凹部43,44,45が凹設されている。本例の場合、第1の係止凹部43が最も深く、次いで第2の係止凹部44、第3の係止凹部45の順で浅くなっており、取付脚R1の違いにあわせて切り替え使用できるようにしてある(図6Aが最も厚い例、図6Bがその次に厚い例、図6Cが最も薄い例)。
【0020】
このように、従来の回転不能機構が不要なため、本発明の移動係止部材には回転角に制限が無く、3つ以上の異形の係止凹部を自在に形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るリールシートの実施例を示した側面図。
【図2】本発明に係るリールシートの移動係止部材の具体例を示した斜視図。
【図3】図2の移動係止部材の切り替え状態を説明する断面図。
【図4】図1の雄ネジ及びナット部材の緩み止め機能を説明する側面図。
【図5】本発明に係るリールシートの移動係止部材の他の例を示した斜視図。
【図6】図5の移動係止部材の切り替え状態を説明する断面図。
【符号の説明】
【0022】
1 リールシート
2 載置部材
2a 平坦面
3 固定係止部材
4,40 移動係止部材
4c,4d,43,44,45 係止凹部
5 雄ネジ及びナット部材
5c 前側ナット
5d 後側ナット
R1 取付脚
【出願人】 【識別番号】591029507
【氏名又は名称】株式会社スミス
【住所又は居所】東京都世田谷区上馬4丁目23番1号
【出願日】 平成16年9月28日(2004.9.28)
【代理人】 【識別番号】100060715
【弁理士】
【氏名又は名称】松原 伸之

【識別番号】100070116
【弁理士】
【氏名又は名称】村木 清司

【識別番号】100112209
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 健一

【識別番号】100095304
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 千賀子

【識別番号】100103643
【弁理士】
【氏名又は名称】松嶋 さやか

【識別番号】100120433
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼部 育子

【公開番号】 特開2006−94719(P2006−94719A)
【公開日】 平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願番号】 特願2004−281955(P2004−281955)