| 【発明の名称】 |
電位依存性カルシウムチャネルβサブユニット過剰発現マウス |
| 【発明者】 |
【氏名】村上 学
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| 【要約】 |
【課題】電位依存性カルシウムチャネルβサブユニット過剰発現マウス
【解決手段】サイトメガロウイルス由来のプロモーター下流に電位依存性カルシウムチャネルβサブユニットを挿入し、マウス受精卵前核に前記外来性遺伝子を注入し、全身性に同遺伝子を発現するマウス系列を確立した。電位依存性カルシウムチャネルβサブユニット過剰発現マウスでは交感神経刺激に対する反応性が増加している。電位依存性カルシウムチャネルβサブユニット過剰発現マウスは、交感神経刺激伝達機構における電位依存性カルシウムチャネルの役割を調べるための有用なモデルマウスである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外来性遺伝子組み込みによる電位依存性カルシウムチャネルβサブユニットを過剰発現するマウス系列
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、電位依存性カルシウムチャネルβサブユニット過剰発現マウス系列に関するものである。 【背景技術】 【0002】 電位依存性カルシウムチャネルは神経伝達物質放出のトリガーとなる神経終末におけるカルシウムの流入経路として重要である。電位依存性カルシウムチャネルはα、β、γ、α2およびδの5つのサブユニットにより構成される。なかでもβサブユニットはチャネルを通る電流量、チャネルの電気的特性を制御するだけでなく、細胞膜上のチャネルの数を決定する上でも重要と考えられている。 【0003】 βサブユニットは4種類の遺伝子があるが、なかでもβ3は神経系においてN型チャネル、血管平滑筋ではL型チャネルの構成因子であることが知られている。 【0004】 本発明は、電位依存性カルシウムチャネルβ3サブユニットを過剰に発現したマウスを作ることにより、カルシウムチャネルの生理的役割を調べることを目的とした。サイトメガロウイルス由来のプロモーター下流に電位依存性カルシウムチャネルベータサブユニットを挿入し、全身性に同遺伝子を発現するマウス系列を確立した。マウス受精卵前核に前記外来性遺伝子を注入し(図1A)、外来性βサブユニット遺伝子のクロモゾームへの取り込みをサザン解析で(図1B)、マウス脳における外来性遺伝子の発現はウエスタン法で確認した(図1C)。 【0005】 交感神経終末におけるN型チャネルは、交感神経系による自律神経制御に重要と考えられている。ランゲンドルフ法による単離心臓の解析によると、上記βサブユニット過剰発現マウスでは交感神経による制御機構が異常に亢進していることが判明し、交感神経におけるβサブユニットの重要性を確認した。 【非特許文献1】八木 健編集 「ジーンターゲッティングの最新技術」羊土社 2000年 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 解決しようとする問題点は、電位依存性カルシウムチャネルβサブユニット過剰発現マウスにおける交感神経刺激に対する反応を判定することにより、電位依存性カルシウムチャネルβサブユニットの交感神経刺激機構における重要性を判定することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 ランゲンドルフ法による単離心臓標本を作製し、電気刺激(交感神経終末を刺激し、かつ心臓のペースメーキングには影響を及ぼさない高頻度のテタヌス刺激)により心臓標本内に存在する交感神経終末よりノルアドレナリンを放出させ、心臓標本の内圧変化を測定した。 【発明の効果】 【0008】 電位依存性カルシウムチャネルβサブユニット過剰発現マウスでは電気刺激に対し、有意に反応性が増加していた(図2)。イソプロテレノールに対する反応には異常が認められなかったことから、交感神経終末からのノルアドレナリン放出が減少したためと、考えられる。 【産業上の利用可能性】 【0009】 慢性心不全では低下した不全心の拍出量を高めるため、交感神経の緊張が亢進していることが知られている。このメカニズムにより心筋の酸素消費が亢進し、結果的には、さらなる心不全の悪化をきたすことになる。電位依存性カルシウムチャネルβサブユニット過剰発現マウスでは交感神経終末からのノルアドレナリン放出が増加していると考えられるので、交感神経の緊張が亢進しているはずであり、交感神経の機能を調べる上で有用なモデルマウスである。さらに、電位依存性カルシウムチャネルβサブユニットは交感神経の刺激伝達機構において重要な制御メカニズムを担うことが明らかとなったので、新しい薬物標的分子としても注目される。 【図面の簡単な説明】 【0010】 【図1】電位依存性カルシウムチャネルβサブユニット過剰発現マウス系列を作製するための外来性遺伝子の模式図(A)、サザン解析による過剰発現マウスの同定(B)、およびウエスタン法による脳におけるβサブユニットの過剰発現の証明(C)。 【図2】電位依存性カルシウムチャネルβサブユニット過剰発現マウス(A)およびコントロールマウス(B)における心内圧の増加反応。電気刺激に対する反応性がβサブユニット過剰発現マウスで増加していた。イソプロテレノールに対する反応性には異常は認められなかった。電気刺激に対する反応を統計処理した総括図(C)。電位依存性カルシウムチャネルβサブユニット過剰発現マウスでは電気刺激により心内圧が有意に増加していた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】304019263 【氏名又は名称】村上 学
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| 【出願日】 |
平成16年9月3日(2004.9.3) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−67931(P2006−67931A) |
| 【公開日】 |
平成18年3月16日(2006.3.16) |
| 【出願番号】 |
特願2004−256532(P2004−256532) |
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