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【発明の名称】 魚釣用リールのハンドル
【発明者】 【氏名】堤 わたる
【住所又は居所】東京都東久留米市前沢3丁目14番16号 ダイワ精工株式会社内

【要約】 【課題】ハンドル摘みに対する指の挟持方向が規定されず、また、ハンドル摘みに対して指がフィットし易い、握持性および魚信感度に優れた魚釣用リールのハンドルの提供を目的としている。

【解決手段】本発明の魚釣用リールのハンドルは、リール本体の駆動軸に結合されるハンドルアーム5aと、ハンドルアーム5aの端部に固定された支軸20と、支軸20に軸受28を介して回転自在に抜け止めされ且つ断面形状が略円形を成すハンドル摘み5bとを有し、ハンドル摘み5bは、先端部22bに向けて軸方向に沿って連続的に外径が大きくなる膨大部22cと、膨大部22cと根元側端部22aとの間に形成され且つその外径が軸受28の外径よりも小さい小径領域25を含む挟持部22dとを有していることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚釣用リールのリール本体の駆動軸に結合されるハンドルアームと、該ハンドルアームの端部に固定された支軸と、該支軸に軸受を介して回転自在に抜け止めされ且つその軸方向と直交する面内での断面形状が略円形を成すハンドル摘みとを有する魚釣用リールのハンドルにおいて、
前記ハンドル摘みは、前記ハンドルアームに近接して位置される根元側端部と、この根元側端部と反対側の先端部と、該先端部に向けて軸方向に沿って連続的に外径が大きくなる膨大部と、該膨大部と前記根元側端部との間に形成され且つその外径が前記軸受の外径よりも小さい小径領域を含む挟持部とを有していることを特徴とする魚釣用リールのハンドル。
【請求項2】
前記ハンドル摘みの前記挟持部は、軸方向に沿って凹状に湾曲形成されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リールのハンドル。
【請求項3】
前記ハンドル摘みの前記根元側端部および前記先端部が軸受を介して前記支軸に対して回転自在に支持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の魚釣用リールのハンドル。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用リールのリール本体の駆動機構に連結され、釣糸の巻き取り操作を行なうためのハンドルの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、魚釣用リールの駆動機構に連結されるハンドルのアーム部(以下、ハンドルアームと称する)の端部には、ハンドルを回転操作するために指で握持される摘み(以下、ハンドル摘みと称する)が回転自在に支持されている。このハンドル摘みの形状は、リールの種類、サイズ、釣法等によって異なるが、多くの場合、T字形状(例えば、特許文献1参照)またはI字形状(例えば、特許文献2および特許文献3参照)に大別することができる。また、I字形状としては、軸方向側面視が略小判形状のもの、あるいは、軸方向側面視が円形状のもの等が知られている。
【特許文献1】実開平4−49969号公報
【特許文献2】特開2001−28981号公報
【特許文献3】特開平11−28039号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ハンドル摘みが特許文献1に開示されているようにT字形状を成している場合には、ハンドル摘みを指で挟持する方向が必然的に規定されてしまう。すなわち、T字形状のハンドル摘みは、ハンドルアームから延びる軸部と、この軸部の先端でこれと直交して延びる挟持部(指で挟持される部分)とから成るため、前記挟持部を指で挟持する際において一定の方向性が生じてしまう。そのため、ハンドル摘みを挟持した指の挟持方向がT字形状によって規定される方向と一致していない場合には、ハンドルを円滑に操作できるように、ハンドル摘みを握り直さなければならなくなるといった事態も生じ得る。
【0004】
また、T字形状のハンドル摘みは、前述したように、軸部と、この軸部と直交する挟持部とから成るため、親指と人差し指とで前記挟持部を摘んで操作する際の安定感や感触(指のフィット性)が悪く(ハンドルアームに面するハンドル摘みの側およびハンドルアームと反対側に面するハンドル摘みの側に不要な遊度や隙間が生じる)、円滑な巻き取り回転操作が行ない難いという問題がある。
【0005】
一方、ハンドル摘みが特許文献2および特許文献3に開示されているようにI字形状を成している場合には、T字形状のハンドル摘みのような方向性が生じないため、ハンドル摘みを握り直さなければならなくなるといった不具合は生じない。しかしながら、I字形状のハンドル摘みの挟持領域部分は、全体的に径方向に厚肉の形状(大径)を成しているとともに、軸方向に沿って外径変化が少ないため、挟持した際の指の掛かりが少ない。そのため、ハンドル摘みに対して指がフィットしにくく(フィット性が悪い)、また、ハンドル摘みを握った指を通して微妙な魚の当りを明確に感知することも難しい(挟持操作する際の魚信感度が劣る)。
【0006】
本発明は、前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、ハンドル摘みに対する指の挟持方向が規定されず、また、ハンドル摘みに対して指がフィットし易い、握持性および魚信感度に優れた魚釣用リールのハンドルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は、魚釣用リールのリール本体の駆動軸に結合されるハンドルアームと、該ハンドルアームの端部に固定された支軸と、該支軸に軸受を介して回転自在に抜け止めされ且つその軸方向と直交する面内での断面形状が略円形を成すハンドル摘みとを有する魚釣用リールのハンドルにおいて、前記ハンドル摘みは、前記ハンドルアームに近接して位置される根元側端部と、この根元側端部と反対側の先端部と、該先端部に向けて軸方向に沿って連続的に外径が大きくなる膨大部と、該膨大部と前記根元側端部との間に形成され且つその外径が前記軸受の外径よりも小さい小径領域を含む挟持部とを有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ハンドル摘みに対する指の挟持方向が規定されず、また、ハンドル摘みに対して指がフィットし易い、握持性および魚信感度に優れた魚釣用リールのハンドルを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1〜図5には、本発明の一実施形態が示されている。図1および図2に示されるように、本実施形態の魚釣用リールとしてのスピニングリール1は、リール本体1aと、リール本体1aから延出する脚部1bと、脚部1bの端部に形成され且つ図示しない釣竿に取り付けられる竿取付部1cとを有している。リール本体1a内には、ハンドル5が固定される駆動軸としてのハンドル軸2が回転可能に支持されている。ハンドル軸2にはドライブギア3が固定されており、このドライブギア3には、ハンドル軸2に対して直交する方向に延び且つリール本体1aに軸受を介して回転可能に支持された管状のピニオンギア13が噛合している。このピニオンギア13の先端部には、ロータナット32を介して、ベール6および釣糸案内装置15を備えたロータ8が一体的に取り付けられている。
【0010】
ハンドル軸2と直交する方向に延在するスプール軸9がピニオンギア13を貫通している。この場合、スプール軸9は、ピニオンギア13と同心的に配されており、ハンドル軸2と直交する方向に沿って前後動できる。また、スプール軸9の先端部には釣糸が巻回されるスプール10が取り付けられている。
【0011】
また、ドライブギア3にはピニオンギア13を介して図示しないオシレーティング機構が係合している。このオシレーティング機構は、ピニオンギア13と噛み合って回転するウォームシャフト(トラバースカム軸)と、このウォームシャフトの溝と噛み合い且つスプール軸9に対してその軸方向に移動不能に取り付けられたスライダとからなり、ハンドル軸2がハンドル5の回転操作によって回転されると、スプール軸9を軸方向に沿って往復駆動(前後動)する。
【0012】
このような構成では、ハンドル5を回転操作してハンドル軸2を回転させると、前記オシレーティング機構を介してスプール軸9に取り付けられたスプール10が前後に往復動するとともに、ドライブギア3およびピニオンギア13を介してロータ8が回転駆動する。
【0013】
また、図2に明確に示されるように、ハンドル軸2は、ハンドル5を左右で付け替え可能とするべく、リール本体1a内でスプール軸9と交差するように延びている。具体的には、ハンドル軸2の両側部は軸受を介してリール本体1aに回転可能に支持されるとともに、ハンドル5が固定されるハンドル軸2の左右両端部は、リール本体1aの左右両側に臨むべく、リール本体1aの左右両側に形成された開口部に位置決めされている。
【0014】
一方、ハンドル軸2に着脱自在に取り付けられるハンドル5は、ハンドル軸2に結合されるハンドルアーム5aと、ハンドルアーム5aの先端に取り付け固定された支軸20と、支軸20に回転自在に抜け止めされたハンドル摘み(ハンドルノブ)5bとからなる。
【0015】
図3に明確に示されるように、ハンドル摘み5bは、好ましくは金属、カーボン等の振動伝達性の良好な材料によって形成された摘み本体22から成り、ハンドルアーム5aに近接して位置される根元側端部22aと、この根元側端部22aと反対側の先端部22bとを有している。また、摘み本体22は、図4に明確に示されるように、その軸方向と直交する面内での断面形状が円形を成している。更に、摘み本体22(ハンドル摘み5b)は、支軸20をその略全長にわたって取り囲むように軸受28を介して略同軸的に装着されている。具体的には、摘み本体22の根元側端部22aおよび先端部22bがそれぞれ軸受28を介して支軸20に回転自在に支持されている。
【0016】
また、摘み本体22(ハンドル摘み5b)の先端側には、先端部22bに向けて軸方向に沿って連続的に外径が大きくなる膨大部22cが形成されている。この場合、膨大部22cは、その外面が滑らかな円弧を描いており、手の指を簡単に沿わせることができる(指をフィットさせることができる)ように形成されている。また、膨大部22cと根元側端部22aとの間、好ましくは摘み本体22の略中央部には、軸方向に沿って凹状に湾曲形成された挟持部22dが形成されている。この挟持部22dは、その外径が軸受28の外径よりも小さい小径領域25をその略中央部に有している。
【0017】
このように、本実施形態のハンドル摘み5bは、その軸方向と直交する面内での断面形状が略円形である略I字形状を成しているため、T字形状のハンドル摘みのような方向性が生じず(指で挟持する際の方向性がなく)、したがって、ハンドル摘み5bを握り直さなければならなくなるといった不具合は生じない。そのため、釣場の状況変化に応じて迅速にハンドル5の回転操作を行なうことができる。
【0018】
また、本実施形態のハンドル摘み5bは、先端部22bに向けて軸方向に沿って連続的に外径が大きくなる膨大部22cと、膨大部22cと根元側端部22aとの間に形成され且つその外径が軸受28の外径よりも小さい小径領域25を含む挟持部22dとを有している。すなわち、軸方向に沿って外径変化があり、図5に示されるように挟持した際の指40,42をその外形変化部分(膨大部22cから挟持部22dの小径領域25に至る部分)に簡単に引っ掛けることができる。しかも、挟持部22dは、軸方向に沿って凹状に湾曲形成されているため、例えば親指40と人差し指42とで挟持部22dを摘んで操作する際の安定感や感触(指のフィット性)が良く(挟持する指の形状(親指40と人差し指42の腹部先端)とのフィット性が良く)、円滑な巻き取り回転操作を行なうことができるとともに、ハンドル摘み5bを握った指を通して微妙な魚の当りを明確に感知することができる(挟持操作する際の魚信感度に優れる)。なお、本実施形態においては、挟持部22dの小径領域25の外径を軸受28の外径よりも小さく設定することにより、指のフィット性が高まり、挟持部22dの凹状湾曲形成が促進されることは言うまでもない。
また、本実施形態のハンドル摘み5bは、根元側端部22aおよび先端部22bが軸受28を介して支軸20に回転自在に支持されているため、ハンドル摘み5bの回転性が良好となり、円滑な巻き取り操作を実現できるとともに、回転操作時のノイズの影響もなくなり、魚信感度が更に向上する。
【0019】
なお、ハンドル摘み5b(摘み本体22)の軸方向と直交する面内での断面は、真円形状である必要はなく、例えば図6に示されるように楕円形状を成していても良く、あるいは、図7に示されるように真円の外周に所定間隔で凹み35を設けた花びら形状を成していても良い。
【0020】
図8には、ハンドル摘み5bの第1の変形例が示されている。この変形例においては、膨大部22cの外周面に凹凸条の細かい段部47が多数形成されており、膨大部22cの表面の摩擦を高めて指の滑りを防止するようにしている。
図9には、ハンドル摘み5bの第2の変形例が示されている。この変形例においては、膨大部22cの外周面に、軸方向と直交する方向に延びる細長い溝部46が複数形成されており、膨大部22cの表面の摩擦を高めて指の滑りを防止するようにしている。
図10には、ハンドル摘み5bの第3の変形例が示されている。この変形例においては、根元側端部22aに段差部48が形成されており、挟持部22dを挟持する指の先端をこの段差部48に突き当てることで指の位置決め(指の安定した挟持)を行なえるようになっている。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、スピニングリールに限らず、両軸受型リールを含む様々な種類の魚釣用リールに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態が適用される魚釣用スピニングリールの側面図である。
【図2】図1のスピニングリールの背面図である。
【図3】図1のスピニングリールのハンドルにおけるハンドル摘みの断面図である。
【図4】(a)は図3のA−A線に沿う断面図、(b)は図3のB−B線に沿う断面図、(c)は図3のC−C線に沿う断面図である。
【図5】図3のハンドル摘みを指で挟持した状態を示す図である。
【図6】ハンドル摘みの断面形状の変形例を示す断面図である。
【図7】ハンドル摘みの断面形状の他の変形例を示す断面図である。
【図8】ハンドル摘みの第1の変形例を示す断面図である。
【図9】ハンドル摘みの第2の変形例を示す断面図である。
【図10】ハンドル摘みの第3の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 スピニングリール(魚釣用リール)
1a リール本体
2 ハンドル軸(駆動軸)
5 ハンドル
5a ハンドルアーム
5b ハンドル摘み
20 支軸
22 摘み本体
22a 根元側端部
22b 先端部
22c 膨大部
22d 挟持部
25 小径領域
28 軸受
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【住所又は居所】東京都東久留米市前沢3丁目14番16号
【出願日】 平成16年8月30日(2004.8.30)
【代理人】 【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司

【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章

【識別番号】100101889
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 俊郎

【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義

【公開番号】 特開2006−61124(P2006−61124A)
【公開日】 平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願番号】 特願2004−250634(P2004−250634)