| 【発明の名称】 |
チャの育苗方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】近藤 知義
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| 【要約】 |
【課題】チャのポット苗の育苗に適した方式により養液栽培することで、茶樹育成年数の短縮を図れるチャの育苗方法を提供する。
【解決手段】育苗土を充填して栽培ベット1へ載置したポット15にチャの穂木14を挿し木し、挿し木直後から第1所定期間は散水ノズル6による散水栽培で、その後定植までの第2所定期間は養液槽2に蓄えた養液を給液する循環式養液栽培で、チャのポット苗9を育苗するチャの育苗方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 育苗土を充填して栽培ベットへ載置したポットにチャの穂木を挿し木し、挿し木直後から第1所定期間は散水ノズルによる散水栽培で、その後定植までの第2所定期間は養液槽に蓄えた養液を給液する循環式養液栽培で、チャのポット苗を育苗するチャの育苗方法。 【請求項2】 前記ポットに黒色ポットを用いることを特徴とする請求項1に記載のチャの育苗方法。 【請求項3】 前記ポットにポリエチレン製ポットを用いることを特徴とする請求項1または2に記載のチャの育苗方法。 【請求項4】 前記ポットの底部に給液用孔が設けられ、前記ポットの側部に通気用孔が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のチャの育苗方法。 【請求項5】 前記第1所定期間は2〜3ヶ月であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のチャの育苗方法。 【請求項6】 前記第2所定期間は、6〜7ヶ月であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のチャの育苗方法。 【請求項7】 前記散水ノズルが栽培ベットの直上に設置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のチャの育苗方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、チャのポット苗を育苗するチャの育苗方法に関する。 【背景技術】 【0002】 茶業では、苗を圃場へ定植してから茶葉が安定生産できるまでの茶樹育成年数の短縮が大きな課題となっている。茶樹の育成年数の短縮には、土壌条件、定植方法、茶樹の仕立て方法、肥培管理、気象条件や病虫害等の他、苗の種類や品質が大きく関与しており、良質な苗を育成することで茶樹育成年数の短縮が図れる。 【0003】 現在最も一般的に行われているチャの育苗方法は、ビニル被覆挿し木法(非特許文献1参照)で、十分に灌水した挿し木床に穂木を挿し木した後、トンネル式にビニルフィルムで完全に密閉して育苗する方法であるが、この方法では苗の掘り起こし作業中に根に損傷を与えることが多く、茶樹の初期生育が抑制される。また、苗の育成に通常2年を要することも課題である。この点を改善した方法としてペーパーポット育苗法(非特許文献2参照)があり、このペーパーポット育苗法は、育苗土を充填したペーパーポットに穂木を挿し木した後、灌水して、若しくは、トンネル式にビニルフィルムで完全に密閉して、育苗する方法であり、根の損傷が無く、定植後に根が垂直方向へ伸育する特徴を有し、苗の生育が比較的良好であることから、定植後の生育に優れると言われている。しかしながら、それでもなお、茶葉を安定生産できるまでに早い茶園で5年、一般的に6〜8年を要しており、育成年数短縮が未だに重要な課題となっている。 【0004】 一方、野菜類や花卉類を中心に行われている養液栽培は、土壌病害による連作障害がないこと、装置化・機械化により労働時間が節減できること等の他、肥料成分を効率的に利用でき生産量の増大・高品質化が図れるメリットがある。このため、養液栽培によってチャの育苗を行えば、肥料成分の効率的利用による苗の良質化が図れ、茶樹育成年数の短縮に寄与できるものと考えられる。 【0005】 チャの養液栽培では、噴霧耕栽培(非特許文献3参照)が知られている。これは、茶樹を水耕ベットへ移植し、例えば表1に示された要素を含有する養液を、図6のごとく空間に形成された茶樹の根圏に向けて毎時15分間噴霧して栽培する方法である。 【表1】
【0006】 しかしながら、チャの育苗を養液栽培により行った例はこれまでになく、養液栽培によるチャの育苗方法は確立されていないのが現状である。 【0007】 【非特許文献1】坂田寿生、青木彦二、桐明政美、「茶のビニル被覆による省力さし木法」、茶業研究報告、1971年、第35号、p.42−49 【非特許文献2】坂田寿生、中村晋一郎、神屋勇雄、「茶さし木へのペーパーポット利用」、茶業研究報告、1973年、第39号、p.8−13 【非特許文献3】小西茂毅、「チャの栄養特性と養液栽培の実際」、農業および園芸、1987年、第62巻、第1号、p.223−232 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 チャの養液栽培では、上記のとおり非特許文献3の例がみられる。この方法に用いる養液は、pHが低く、窒素成分をアンモニア態窒素で施用し、アルミニウムを添加することにより生育が優れるという茶樹の吸収利用特性に適しており、養液栽培によるチャの育苗に利用できるものと考えられる。しかし、養液栽培方法については、育苗段階の終了した茶樹の養液栽培方法であって、育苗に適した方法とは言えない。なぜなら、チャの育苗では挿し木してから苗が発根するまでの約1ヶ月間の根圏の湿度や温度が発根に対して重要な作用を示すため、非特許文献3の方法のように、空間に形成された茶樹の根圏に向けて噴霧することだけで、苗からの発根を促すことは困難なためである。また、定植時に苗の根が乾燥するとその後の生育が阻害されるため、苗の根圏は土等により包まれているのが良く、また、苗を運搬しやすいものが望ましいことから、ポットを用いて行う養液栽培であることが求められる。こうしたことから、非特許文献3の養液栽培方法をチャの育苗に利用することは難しいと考えられる。 【0009】 本発明は、上記のような従来技術の問題点を鑑み、チャのポット苗の育苗に適した方式により養液栽培することで、茶樹育成年数の短縮を図れるチャの育苗方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明の発明者は、上記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、挿し木直後から第1所定期間は散水ノズルによる散水栽培を行い、その後定植までの第2所定期間は養液槽に蓄えた養液を給液する循環式養液栽培を行うことによって、従来のペーパーポット苗に比べて苗の生育および定植後の生育が優れ、茶樹育成年数の短縮に寄与できるポット苗が育成できることを見出した。 【0011】 即ち、本発明の請求項1に記載のチャの育苗方法は、育苗土を充填して栽培ベットへ載置したポットにチャの穂木を挿し木し、挿し木直後から第1所定期間は散水ノズルによる散水栽培で、その後定植までの第2所定期間は養液槽に蓄えた養液を給液する循環式養液栽培で、チャのポット苗を育苗することを特徴とする。 【0012】 さらに、本発明の請求項2に記載のチャの育苗方法は、前記ポットに黒色ポットを用いることを特徴とする。 【0013】 さらに、本発明の請求項3に記載のチャの育苗方法は、前記ポットにポリエチレン製ポットを用いることを特徴とする。 【0014】 さらに、本発明の請求項4に記載のチャの育苗方法は、前記ポットの底部に給液用孔が設けられ、前記ポットの側部に通気用孔が設けられていることを特徴とする。 【0015】 さらに、本発明の請求項5に記載のチャの育苗方法は、前記第1所定期間は2〜3ヶ月間であることを特徴とする。 【0016】 さらに、本発明の請求項6に記載のチャの育苗方法は、前記第2所定期間は6〜7ヶ月であることを特徴とする。 【0017】 さらに、本発明の請求項7に記載のチャの育苗方法は、前記散水ノズルが栽培ベットの直上に設置されていることを特徴とする。 【発明の効果】 【0018】 本発明の請求項1に記載のチャの育苗方法によれば、挿し木直後から第1所定期間は散水ノズルによる散水栽培が行われるので、散水栽培によりポット苗の発根が一律に促され、また散水栽培の後の第2所定期間は循環式養液栽培が行われるので、発根後の養液栽培によりポット苗が肥料成分を効率的に吸収し、このように栽培することによって、根量の多い優れた1年生苗を育成することができ、定植後の茶樹の生育も旺盛で、茶樹の根の深層化を図れ、茶樹の育成年数の短縮に寄与することができる。また、ポット苗であることから、定植時の根の損傷が少ない他、定植の作業性に優れる。 【0019】 さらに、本発明の請求項2に記載のチャの育苗方法によれば、育苗に用いるポットに黒色ポットを用いるので、根の緑化や藻類の発生による根の生育阻害を抑制することができ、これによって、ポット苗の根量がより多くなり、ポット苗の生育をさらに向上させることができる。 【0020】 さらに、本発明の請求項3に記載のチャの育苗方法によれば、育苗に用いるポットにポリエチレン製ポットを用いるので、育苗後のポットの劣化が少なく、持ち運びなど取り扱いが容易で、定植作業の労力が軽減でき、定植後にポットを回収することで次の育苗に再利用することができる。 【0021】 さらに、本発明の請求項4に記載のチャの育苗方法によれば、ポットの底部に給液用孔を設け、その側部に通気用孔を設けたので、ポット苗の根圏が適度な水分含有率、酸素濃度および温度に保持され、ポット苗の生存率が高まるとともに、ポット苗の生育をさらに向上させることができる。 【0022】 さらに、本発明の請求項5に記載のチャの育苗方法によれば、挿し木直後から散水栽培する第1所定期間が2〜3ヶ月間であるので、挿し木したポット苗の発根の揃いが優れ、その後の養液栽培による肥料成分の効率的利用を長期間保持できる。また、ポット苗の生存率を高めることができる。 【0023】 さらに、本発明の請求項6に記載のチャの育苗方法によれば、散水栽培の後に循環式養液栽培する第2所定期間が6〜7ヶ月であるので、発根の優れたポット苗に充分な養分を与えてチャの育成を促進し、定植後の育成期間の短縮化を図ることができる。 【0024】 さらに、本発明の請求項7に記載のチャの育苗方法によれば、散水ノズルを栽培ベットの直上に設置したので、栽培ベットに載置したポット苗に均一に散水でき、これによって、ポット苗の発根の揃いが優れ、ポット苗の生存率が高めることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0025】 以下に本発明による育苗方法を図面を参照して説明する。本発明による育苗方法に用いるポットの一例を図2に模式的に示す。図示のポット15は、長期間の湛水状態に耐え得る材質のものを使用するが、ポリエチレン製のものを使用するのが好ましい。ポット15の色は制限されることはないが、ポット15内の根の伸育が阻害されず、藻類の発生を抑えられる黒色のものを用いるのが好ましい。このようなポット15は外径が略円筒状で、上端側が下端側よりも幾分大きく形成され、根の旺盛な生育を遮ることの無いよう、上端の直径が5〜10cm程度で、その高さが15〜20cm程度であるのが用いられる。このポット15の底部、即ち底面部12および側部11の側面下部(例えば、底面部12から3cm程度までの部位)に給液用孔16が設けられ、その側部11の残りの部分(側面中間部および側面上部)に通気用孔13が設けられている。給液用孔16および通気用孔13は、例えば直径約5mmの大きさでよい。ポット15の形状は略円形状に限定されず、略四角状などの適宜の形状でよく、また給液用孔16および通気用孔13の形状、大きさについても適宜の形状、大きさでよい。 【0026】 チャの穂木14を栽培する場合、例えば川砂、バーミキュライト、籾殻くん炭、ピートモスなど、若しくはそれらを混合した育苗土など、穂木14を支持でき、養液栽培中の養液を汚濁しにくいものが育苗土として用いられ、このような育苗土がポット15に充填される。 【0027】 このように育苗土を充填したポット15を図1に模式的に例示された養液栽培装置の栽培ベット1へ載置する。そして、これらポット15に、図2に示すように、チャの穗木14を挿し木する。穂木14は、2枚程度の茶葉17が付きものが用いられ、その穂木14の長さは4〜8cm程度である。 【0028】 ここで、図1を参照して一例の養液栽培装置について説明すると、図示の養液栽培装置は、一定量の養液を滞水できる栽培ベット1、養液を蓄える養液槽2、養液を栽培ベッド1に供給するための給液ポンプ3、養液中のゴミなどの不純物を除去するためのストレーナ4、栽培ベッド1から養液槽2に排水される排液量を調整するための排液調整バルブ5、および水を散布するための散水ノズル6で構成されている。養液槽2と栽培ベッド1とは給液管7を介して接続され、給液管7の吸入部(養液槽2の養液に浸漬された部分)に給液ポンプ3が配設され、給液管7の中間部にストレーナ4が配設されている。また、栽培ベッド1と養液槽2とは排液管8を介して接続され、この排液管8に排液調整バルブ5が配設されている。このように構成されているので、養液槽2に蓄えられた養液が給液ポンプ3により給液管7を通して栽培ベット1へ給液され、栽培ベッド1に供給された養液は排液管8を通して養液槽2へ排水される。また、散水ノズル6は、給水管18に軸方向に間隔をおいて複数取り付けられ、この給水管18を介して水供給源(図示せず)に接続されている。このように構成されているので、水供給源からの水は給水管18を通して複数の散水ノズル6に供給され、これら散水ノズル6から栽培ベッド1の上面(具体的には、栽培ベッド1に載置されたポット苗9(ポット15に挿し木された穂木14をポット苗9という)に向けて散水する。これら散水ノズル6は栽培ベット1内の隅々まで実質上均一に散水できるように栽培ベット1の直上に配置するのが好ましい。 【0029】 栽培ベット1に載置したポット15へ穂木14を挿し木し、挿し木直後から第1所定期間散水ノズル6からポット苗9へ水を散水し栽培する(所謂、散水栽培する)。散水栽培における散水は、日中1時間おきに1分間程度行うものとするが、加湿による発根阻害や水分不足による枯死に注意しながら、散水量を適宜調節する。この第1所定期間は2〜3ヶ月であるのが好ましく、2〜3ヶ月の期間上述した散水栽培することによって、穂木14の根を充分に発達させて根量を多くすることができる。この散水栽培においては、ポット15の通気用孔13を通して育苗土に通気が行われるとともに、その給液用孔16を通しても育苗土に通気が行われる。尚、この散水栽培中は、養液槽2から養液が栽培ベッド1に供給されることはない。 【0030】 栽培ベット1に載置されたポット苗9を第1所定期間にわたって散水栽培した後、養液槽2に肥料成分を含有する養液を投入し、第2所定期間にわたってポット苗9を養液栽培装置による循環式養液栽培を行う(このとき、散水ノズル6から散水されることはない)。栽培ベット1への給液量および排液量は、例えば給液中の栽培ベット1内の水深が3〜5cmに維持される量とし、循環式養液栽培における給液時間は毎時10〜15分間程度として間断給液とするのが好ましい。循環式養液栽培は、ポット苗9を圃場へ定植するまでの間実施するが、この間、養液が循環過程で蒸発などにより減少した場合は、水または養液を適宜補充するとともに、養液のpHやECなどの調整も適宜行う。この第2所定期間は6〜7ヶ月であり、この第2所定期間にわたって循環式養液栽培することによって、必要な養分をポット苗9に与えて育成を促進することができる。この循環式養液栽培では、ポット15の給液用孔16を通して栽培ベッド1中の養液が育苗土に供給されるとともに、その通気用孔13を通して育苗土に通気が行われる。尚、養液栽培に用いる養液として、例えば上述した公知のものを用いることができる。 【0031】 育成したポット苗9は、トレー等を使用して定植を行う圃場へ輸送し、定植する際にポット15を取り外し、育苗土が根圏を包んだ状態で苗を圃場へ移植する。定植が終了したポット15は、回収し次の育苗に再利用する。 【0032】 このように散水栽培の後に養液栽培したチャの苗は、根量の多い優れた1年生苗となり、このような苗を定植することによって、定植後の茶樹の育成も旺盛で、茶樹の根の深層化を図ることができ、その結果、茶樹の育成年数の短縮化を図ることができ、従来必要としていた6〜8年の育成年数が3〜5年となり、約3年程度短縮することができる。 【実施例】 【0033】 (実施例1) 図2に例示した形態のポットと図1に例示した養液栽培装置を用いて、ポット苗の育苗実験を行った。実施例1では、用いたポットは無色透明のポリビニル製ポット(幅:9cm、奥行き:9cm、高さ:15cm)で、その底部に複数の給液用孔が設けられ、その側部に複数の通気用孔が設けられていた。このポットに川砂とバーミキュライトと籾殻くん炭を等量(容量比)で混ぜた育苗土を充填し、このポットを養液栽培装置の栽培ベットへ載置した。そして、これらポットへチャの穂木を7月上旬に挿し木し、穂木の挿し木直後から2ヶ月間散水ノズルから水を散水して栽培した(散水栽培)。そして、この散水栽培後、養液槽に養液を充填し、養液槽から養液を間断給液して栽培した(養液栽培)。なお、養液は、上記表1に示されているものを使用した。挿し木してから約9ヶ月後、即ち、翌年の4月上旬にポット苗を圃場へ定植し一般法により栽培した。 【0034】 (実施例2) 実施例2として、散水ノズルからの散水期間、即ち散水栽培の期間を3ヶ月間とした点を除いて、実施例1と同様の方法で、育苗、定植および栽培した。 【0035】 (実施例3) 実施例3として、無色透明のポリビニル製ポットに代えて黒色のポリビニル製ポットを用いた点を除いて、実施例1と同様の方法で、育苗、定植および栽培した。 【0036】 (実施例4) 実施例4として、散水ノズルからの散水期間、即ち散水栽培の期間を3ヶ月間とした点を除いて、実施例3と同様の方法で、育苗、定植および栽培した。 【0037】 (実施例5) 実施例5として、黒色の略四角柱状ポリビニル製ポットに代えて黒色の略円筒柱状ポリエチレン製ポット(直径:9cm、高さ:20cm)を用いた点を除いて、実施例3と同様の方法で、育苗、定植および栽培した。 【0038】 (実施例6) 実施例6として、育苗土に川砂とピートモスを容量比3:7の割合で混ぜたものを用いた点を除いて、実施例5と同様の方法で、育苗した。 【0039】 (比較例1) 比較例1として、散水ノズルからの散水(散水栽培)を行わなかった点を除いて、実施例1と同様の方法で、育苗、定植および栽培した。 【0040】 (比較例2) 比較例2として、ペーパーポット(直径:6cm、高さ:15cm)に川砂とバーミキュライトと籾殻くん炭を等量(容量比)で混ぜた育苗土を充填し、7月上旬にチャの穂木を挿し木した後、ミスト灌水による育苗を行った。施肥は、一般法に準じて、挿し木2ヶ月後の9月上旬に液肥を施用し、9月中旬には有機化成肥料を施用した。挿し木してから約9ヶ月後、即ち翌年の4月上旬にポット苗を圃場へ定植し一般法により栽培した。 【0041】 (比較例3) 比較例3として、育苗土に川砂とピートモスを容量比3:7の割合で混ぜたものを用いた点を除いて、比較例2と同様の方法で、育苗した。 【0042】 実施例1〜6および比較例1〜3におけるポット苗の生育栽培結果を表2、表3および表4に示す。また、ポット苗の根系発達状況を図3に示す。 【表2】
【表3】
【表4】
【0043】 表2の結果から、実施例1および実施例2の場合、従来技術の比較例2に比べて、根量が多い良質な1年生ポット苗を育苗できることが明らかとなった。散水を行わずに養液栽培だけで育苗した比較例1の場合と比べても、発根が促されたことから、生存率が高く、苗の根量が多くなることがわかった。 【0044】 また、表2および図3の結果から、実施例3および実施例4のように黒色のポットを用いた場合、従来技術の比較例2に比べて、それぞれ根量が279%、136%多く、実施例1および実施例2と比較しても苗の根量が顕著に多かった。 【0045】 また、表3の結果から、実施例5のように養液栽培に供するポットにポリエチレン製ポットを用いた場合、従来技術の比較例2に比べて、根長と根量が顕著に優れ、実施例3と比較しても根長と根量で同等以上に優れることがわかった。 【0046】 また、表4の結果から、実施例6のように育苗土に川砂とピートモスを容量比3:7の割合で混ぜたものを用いた場合、従来技術の比較例3に比べて、根長と根量が顕著に優れ、実施例5と比較しても新梢の生育が優れる傾向があり、同等以上の生育を示した。 【0047】 次に、実施例1〜5並びに比較例1および2におけるポット苗を圃場に定植した後の生育結果を表5および表6に示す。また、圃場に定植して3年目となった茶樹を掘り取り、生体重および根の伸長程度を調査した結果を図4および図5に示す。 【表5】
【表6】
【0048】 表5の結果からわかるように、実施例1、実施例2、実施例3、および実施例4の場合、従来技術の比較例2に比べて、定植後の生育においても、せん枝量および主幹径で優れる傾向がみられた。また、実施例3と比較例2の茶樹を掘り取り、両者を比較すると、実施例3が、図4の結果からわかるように根重および地上部重で優れ、さらに、図5の結果からわかるように地下30〜45cmの木化根と細根、ならびに地下45〜60cmの木化根が有意に重くなり、地下深くほど根量が多い傾向がみられた。 【0049】 また、表6の結果からわかるように、実施例5のように養液栽培に供するポットにポリエチレン製ポットを用いた場合、従来技術の比較例2に比べて、圃場に定植して2年目の生育において、茶樹の生育が総じて優れた。また、実施例3と比較しても、定植後の茶樹の生育は同等以上であり、実施例3と比べて、育苗後のポットの劣化が少なく、持ち運びなど取り扱いが容易で、定植作業の労力が軽減でき、定植後にポットを回収することで次の育苗に再利用できる利点がみられた。 【図面の簡単な説明】 【0050】 【図1】 本発明による育苗方法に用いる養液栽培装置の一様態を示した図である。 【図2】 本発明による育苗方法に用いるポットの一様態を示した図である。 【図3】 育苗方法の違いによる定植前の苗の根系発達状況を示した写真である。 【図4】 育苗方法の違いによる定植3年目の茶樹の根重と地上部重を示した図である。 【図5】 育苗方法の違いによる定植3年目の茶樹の根の垂直分布を示した図である。 【図6】 従来のチャ水耕装置の模式図である。 【符号の説明】 【0051】 1 栽培ベット 2 養液槽 3 給液ポンプ 4 ストレーナ 5 排液調整バルブ 6 散水ノズル 7 給液管 8 排液管 9 ポット苗 10 槽架台 11 側部 12 底面部 13 通気用孔 14 穂木 15 ポット 16 給液用孔 17 茶葉 18 給水管 25 圧力計 26 ビニル(シルバー) 27 発砲スチロール 28 噴霧ノズル 29 ポリエチレンシート
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| 【出願人】 |
【識別番号】391048049 【氏名又は名称】滋賀県
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| 【出願日】 |
平成17年5月16日(2005.5.16) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−320296(P2006−320296A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月30日(2006.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願2005−171606(P2005−171606) |
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