| 【発明の名称】 |
緑化瓦 |
| 【発明者】 |
【氏名】石川 大輔 【住所又は居所】愛知県高浜市論地町四丁目7番地2 新東株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】強風時にもあおられることなく長期耐久性に優れた安定した支持面を持った苔植生に好適な緑化瓦を提供する。
【解決手段】緑化瓦は、焼成工程を経た瓦本体1の表面に、苔を固定して植生するためのセラミック基板を組み付けたものであり、瓦本体1の表面に、尻側表面12a、頭側表面12b。オーバラップ側表面12d、アンダラップ側表面12cで囲まれた凹部11が形成され、この凹部11に前記セラミック基板2が組み付けられている。セラミック基板2の基本的外形は、前記瓦本体の表面の凹部11に組み付けられる縦横寸法を持ち、厚さが5〜15mmの、外形が四角形平板が適当であり、その表面には、図2に例示するような、植生苔を固定するための複数の係止突起21が形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 焼成工程を経た瓦の表面に、苔を固定して植生するためのセラミック基板を組み付けたことを特徴とする緑化瓦。 【請求項2】 前記瓦が平面瓦である請求項1に記載の緑化瓦。 【請求項3】 前記セラミック基板が、保水性を有する多孔質セラミック燒結体である請求項1または2に記載の緑化瓦。 【請求項4】 前記セラミック基板が、バーミキュライト、ゼオライトおよび珪藻土の1種以上を主体とした保水性を有する燒結体である請求項1または2に記載の緑化瓦。 【請求項5】 前記セラミック基板の表面には、植生苔を固定するための複数の係止突起が形成されている請求項3または4に記載の緑化瓦。 【請求項6】 前記セラミック基板が、瓦表面に設けた凹部に接着剤で接着、固定されるとともに、頭部側において、その凹部側面部に設けられた庇状凸部の下側に前記セラミック基板端部を挿入して係止し、かつ尻側において、前記セラミック基板と凹部側面部とが、相互間にバネ金具によって弾性的に組み付けられている請求項3または4または5に記載の緑化瓦。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、苔を植生するのに適した緑化瓦に関するものであって、特に、苔を植生する基板と瓦の組み付け構造の改良に関する。 【背景技術】 【0002】 コケ植物(以下、苔という)は、自重の20倍もの保水性があり気候の温度変化に耐える性質があり、紫外線の遮断効果にも優れているところから、近年、建築物に応用して屋根材を覆うようにすれば、冷暖房の省エネや建築物の耐久性向上に寄与すると考えられるようになってきた。また、苔は炭酸ガス同化作用による炭素の固定化の効率が高く、地球温暖化に対する抑制効果が注目されるようにもなってきた。 【0003】 このような苔を屋根瓦に応用するための、屋根瓦表面に設置する苔植生用の苔固定基盤については、特許文献1に紹介されている。(特許文献1を参照のこと) ここに開示されている苔固定基盤は、熱可塑性樹脂からなるパネル状の立体網状構造体であって、内部空隙に苔と培養材を保持するようにし、固定用の鉄棒を貫通させているものである。 【0004】 この苔固定基盤は、苔と培養材を安定して保持する機能において優れているものの、基本的な素材が熱可塑性樹脂であることから、使用中の温度変化や紫外線による経年劣化が予想され、その耐久性にやや懸念があった。また、この苔固定基盤は、貫通配置した固定用鉄棒を瓦側に設けた孔に嵌め付けて瓦に固定するのであるが、それ自体には保水性が無く、台風時の強風にあおられやすく、材質や強風対策には改善の余地があった。 【特許文献1】特開2004−97202号公報:特許請求の範囲、図1 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、植生苔が強風時にもあおられることなく、また保水性を有し長期耐久性に優れた安定した支持面を持った苔植生に好適な緑化瓦を提供する。 【課題を解決するための手段】 【0006】 上記の問題は、焼成工程を経た瓦の表面に、苔を固定して植生するためのセラミック基板を組み付けたことを特徴とする本発明の緑化瓦によって、解決することができる。 本発明は、前記瓦が平面瓦であるのが好ましく、また前記セラミック基板が、保水性を有する多孔質セラミック燒結体であるのがより好ましい。さらに、前記セラミック基板が、バーミキュライト、ゼオライトおよび珪藻土の1種以上を主体とした保水性を有する燒結体であるのも好ましい。また、これらのセラミック基板の表面には、植生苔を固定するための複数の係止突起が形成されているのも好ましい。 【0007】 さらに、本発明は、前記セラミック基板が、瓦表面に設けた凹部に接着剤で接着、固定されるとともに、頭部側において、その凹部側面部に設けられた庇状凸部の下側に前記セラミック基板端部を挿入して係止し、かつ尻側において、前記セラミック基板と凹部側面部とが、相互間にバネ金具によって弾性的に組み付けられている形態に好ましく具体化される。 【発明の効果】 【0008】 本発明の緑化瓦は、次ぎに示すような優れた効果がある。よって本発明は、従来の問題点を解消した緑化瓦として、技術的価値はきわめて大なるものがある。 1)苔を固定して植生するためのベースとして無機質のセラミック製の基板を用いるので、長期耐久性に優れたものとなる。また、保水性を有する多孔質セラミック燒結体や、バーミキュライト、ゼオライト、珪藻土などを主体とした保水性を有する燒結体が用いられるので、苔の植生上好ましいものとなる。さらに、これらのセラミック基板の表面には、植生苔を固定するための複数の係止突起を形成した場合は、苔が強固に固定されて剥離しにくくなるという利点が得られる。 もちろん、セラミック基板が組み付けられる瓦は、従来の製造工程が用いられるので、コスト面で不利にならない。 【0009】 2)前記セラミック基板が、瓦表面に接着剤で接着、固定されるとともに、前述の通り、庇状凸部やバネ金具などによって機械的にも脱落しないよう組み付けられるので、強風時にも剥がれたりすることがなく、長期間にわたって安定して使用することができる利点が得られる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 次に、本発明の緑化瓦に係る実施形態について、図1〜7を参照しながら説明する。 本発明の緑化瓦は、焼成工程を経た瓦本体1の表面に、苔を固定して植生するためのセラミック基板を組み付けた点を特徴とするものであり、図1に示す事例では、瓦本体1の表面に、尻側表面12a、頭側表面12b、オーバラップ側表面12d、アンダラップ側表面12cで囲まれた、正面からみて四角形の凹部11が形成され、この凹部11に前記セラミック基板2が組み付けられるになっている。なお、この凹部11の底面には排水溝13が、頭側に水を流出させるよう設けられている。 【0011】 ここで、本発明に用いられる苔を固定して植生するためのセラミック基板2の形状について説明する。 先ず、その基本的外形は、前記瓦本体の表面の前記凹部11に組み付けられる縦横寸法を持ち、厚さが5〜15mmの、外形が四角形平板が適当であり、その表面には、図2に例示するような、植生苔を被着、固定するための複数の係止突起21が形成されているのも好ましい。 【0012】 係止突起21の断面形状としては、斜め方向に尖った先端を持つ突起(図2(1)(2))、きのこ状突起(図2(3)(4)(5))、単純角型突起(図2(6)(7))、山形突起(図2(8)(9))などが利用される。これらのうち、図2(1)(2)(7)(8)(9)のように、裏面に凸脚22を設けるのと軽量化が図れて好ましい。 【0013】 なお、係止突起21は、図3、4に示すように、セラミック基板2の一方の端から他方に向けて条形状に形成されるのが好ましいが、この条形状を中間で断続させるのもよい。 このセラミック基板2を瓦本体1に組み付ける場合は、この条形状の係止突起21を横方向(アンダラップとオーバラップを横断する方向)に向けて組み付けるのがよい。また、このような観点から、本発明の瓦本体は、平面瓦であるのが最も好ましい。 【0014】 次に、セラミック基板2に苔を植生する手法について概説する。 好ましくは、乾燥に耐性のあるスナゴケまたはハイゴケを次の培養材などと混合する。すなわち、接着材として粘土、養分および固定材として古紙、必要に応じて配合する保水材を水に分散させたスラリ状の培養材に前記苔を混合して苔培養体を準備する。これを前記セラミック基板2の表面に、柄杓による流し掛け、サンドスプレーによる吹き付け、塗布ローラを用いたコーティングなどの手法で適当な厚さに被着させる。そして、その後乾燥させて得られるのが、図5〜7に示すようなある厚さの苔培養体3であって、この苔培養体3では、苔自体は生育可能のまま、セラミック表面2に強固に固定されるのである。 【0015】 かくして、苔培養体3を固定したセラミック基板2は、その後の輸送などハンドリングに適するものとなる。そして、苔培養体を被着、固定したセラミック基板2は、瓦本体1に組み付けてから、施工建築現場に搬送してもよいが、苔培養体を被着したセラミック基板2と、瓦本体1とは別個に建築現場に搬送し、瓦の葺設が完了した後に、苔培養体を固定したセラミック基板2を後から組み付ける方が、工事の難易度、安全性、不良発生率などからみてより好適である。 【0016】 次に、本発明におけるセラミック基板2と瓦本体1との好ましい組み付け構造を図5、6、7によって説明する。 この実施形態では、前記セラミック基板2が、瓦本体1表面に設けた凹部11内に組み付けられるのであるが、その裏面は接着剤4によって凹部11底面に接着、固定される。さらに、その頭部側においては、拡大図6に示すように、その凹部11の頭部表面12bから伸びる庇状凸部14の下側に、前記セラミック基板2端部の凸部24を挿入して係止し、かつ尻側において、前記セラミック基板2の尻側の凸部23と、凹部11の尻側側面部から伸びる凸部13とが、バネ金具5によって相互に弾性的に係止した状態で、組み付けられているのである。 【0017】 このバネ金具5は、セラミック基板2の尻側凸部23に嵌着されるコ字状部分とそこから下方に伸びるバネ部51を備え、このバネ部51は途中で尻側に屈曲された先端が設けられている。そして、このバネ金具5を嵌着したセラミック基板2が所定に位置に押し入れられたときには、このバネ部51の先端が凹部11の尻側側面部から伸びる凸部13の下側に係止され、抜け止めとして作用するよう形成されている。 【0018】 このように、本発明ではセラミック基板2は、接着剤による接着とバネ金具などによる係止固定の2種類の固定手段によって、瓦本体1に組み付けられているので、セラミック基板2が不測の事態によって破損したとしても、周囲に飛散することが防止できるのである。以上説明したように、本発明の緑化瓦では、植生苔が強風時にあおられも剥落しにくく、長期耐久性に優れた安定した苔植生用の支持面を持つことにより、苔植生に好適な緑化瓦を提供できるのである。 【0019】 次に、本発明のセラミック基板2の好ましい材質について説明する。 先ず、本発明では、保水性の高い多孔質セラミック燒結体が好ましい。多孔質セラミック体は、陶器質生地坏土にカーボンなど有機微粉末からなる気孔形成材を混合して焼成して得られるが、平均気孔径が100μm以下となるよう調整したうえ気孔率を調整することで、30%以上の保水性を持つようにした多孔質セラミック燒結体が、苔の植生のためには適当である。ここで、保水性とは、水中に浸漬する飽水前の重量に対して飽水後、自重による脱水を行った後の増加重量(%)をいう。 【0020】 さらには、このセラミック基板2が、保水性に優れた素材、例えばバーミキュライトを主体とした保水性を有する燒結体であるのも好ましい。具体的には、天然バーミキュライト粉末に成形助材として粘土、CMCなどを添加し、押出し成形またはプレス成形により所定形状に成形後、乾燥、焼成して得られる燒結体が適用される。この天然バーミキュライト粉末の他、天然または人工のゼオライト、あるいは珪藻土を単独で、またはそれら1種以上組み合せて用いても同様に好ましい結果が得られるのである。 【0021】 かくして得られる燒結体の内部構造は、主体として用いるバーミキュライト、ゼオライト、あるいは珪藻土自身の微細気孔径からなる気孔構造によって構成されることになり、重量比で少なくとも30%の保水性を有することから、苔の植生のための基板としては、有効なものとなる。さらに、材料を選択して、この保水性を高めて50%以上とした場合には、苔の植生にはより好ましいものとなるのである。 【図面の簡単な説明】 【0022】 【図1】本発明の緑化瓦を説明するための要部平面図(1)、側面断面図(2)、前面図(3)、前面断面図(4)。 【図2】本発明のセラミック基板の側面断面形状のバリエーション(1)〜(9)を示す断面図。 【図3】セラミック基板(1)の要部斜視図。 【図4】セラミック基板(4)の要部斜視図。 【図5】セラミック基板を組み付けた本発明の緑化瓦の側面断面図。 【図6】図5における頭部付近の部分拡大図。 【図7】図5における尻方向のセラミック基板端部付近の部分拡大図。 【符号の説明】 【0023】 1:瓦本体、11:凹部、12a:尻側表面、12b:頭側表面、12c:アンダラップ側表面、12d:オーバラップ側表面、13:排水溝、14:庇状凸部 2:セラミック基板、21:係止突起、22:凸脚 3:苔培養体 4:接着剤 5:バネ金具
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| 【出願人】 |
【識別番号】392005470 【氏名又は名称】新東株式会社 【住所又は居所】愛知県高浜市論地町4丁目7番地2
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| 【出願日】 |
平成17年5月17日(2005.5.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078101 【弁理士】 【氏名又は名称】綿貫 達雄
【識別番号】100085523 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 文夫
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| 【公開番号】 |
特開2006−320215(P2006−320215A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月30日(2006.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願2005−144330(P2005−144330) |
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