| 【発明の名称】 |
高設栽培方法および装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】村橋 隆男
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| 【要約】 |
【課題】作業用の通路スペースを狭めることなく、栽培条件の劣化を来たすことなく、広い栽培面積を確保可能な高設栽培装置を提案すること。
【解決手段】高設栽培装置1では、栽培床21、23、25を保持している固定式保持棚11、13、15が床面101から所定の高さ位置に設置され、固定式保持棚11、13、15に隣接して、栽培床22、24、26を保持している移動式保持棚12、14、16が床面101から所定の高さの栽培位置12A、14A、16Aに設置されている。昇降機構3によって移動式保持棚12、14、16を固定式保持棚11、13、15の下側の退避位置12B、14B、16Bに退避させると、固定式保持棚11、13、15の隣接位置に通路用空間4を確保できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 栽培床を保持している固定式保持棚を床面から所定の高さの位置に設置し、 前記固定式保持棚に隣接して所定幅の通路用空間を当該固定式保持棚に沿って設け、 前記固定式保持棚の下側空間に、栽培床を保持している移動式保持棚を設置し、 前記通路用空間を使用しない間は、前記移動式保持棚を、当該通路用空間における床面から所定の高さの栽培位置に保持することを特徴とする高設栽培方法。 【請求項2】 栽培床を保持している固定式保持棚を床面から所定の高さ位置に設置し、 前記固定式保持棚に隣接して、栽培床を保持している移動式保持棚を床面から所定の高さの栽培位置に設置し、 前記移動式保持棚を前記固定式保持棚の下側空間に退避させて、前記固定式保持棚の隣接位置に通路用空間を確保することを特徴とする高設栽培方法。 【請求項3】 請求項1または2において、 前記移動式保持棚は、水平状態を保持したまま移動することを特徴とする高設栽培方法。 【請求項4】 請求項1、2または3において、 所定間隔で複数列の前記固定式保持棚を設置し、 隣接する前記固定式保持棚の間に前記移動式保持棚を設置し、 当該移動式保持棚を、隣接する一方の前記固定式保持棚の下側空間に退避させて、隣接する前記固定式保持棚の間に前記通路用空間を確保することを特徴とする高設栽培方法。 【請求項5】 床面から所定の高さ位置において栽培床を保持している固定式保持棚と、 前記固定式保持棚に隣接して設けられた所定幅の通路用空間と、 床面から所定の高さ位置に栽培床を保持可能な移動式保持棚とを有し、 前記移動式保持棚は、前記固定式保持棚の下側の退避位置と、前記通路用空間における所定高さの栽培位置に移動可能となっていることを特徴とする高設栽培装置。 【請求項6】 床面から所定の高さ位置において栽培床を保持している固定式保持棚と、 前記固定式保持棚に隣接した栽培位置において、床面から所定の高さの所に栽培床を保持している移動式保持棚とを有し、 前記移動式保持棚は、前記栽培位置から、前記固定式保持棚の下側の退避位置に移動可能であり、 当該移動式保持棚を前記退避位置に移動すると、前記固定式保持棚の隣接位置に、所定幅の通路用空間が確保されることを特徴とする高設栽培装置。 【請求項7】 請求項5または6において、 所定間隔で複数列の前記固定式保持棚が設置されており、 隣接する前記固定式保持棚の間に前記移動式保持棚がそれぞれ設置されており、 前記移動式保持棚を、隣接する一方の前記固定式保持棚の下側の退避位置に退避させると、隣接する前記固定式保持棚の間に前記通路用空間が確保されることを特徴とする高設栽培装置。 【請求項8】 請求項5ないし7のうちのいずれかの項において、 前記移動式保持棚を水平姿勢を維持したまま移動させる移動機構を有していることを特徴とする高設栽培装置。 【請求項9】 請求項8において、 前記移動機構は、同一側の一端を中心として上下に旋回可能な上下一対の平行リンクと、前記平行リンクを旋回させるための油圧シリンダなどの駆動部とを備えていることを特徴とする高設栽培装置。 【請求項10】 請求項9において、 前記一対の平行リンクにおける少なくとも一方の平行リンクは、長さ調整が可能となっていることを特徴とする高設栽培装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、イチゴなどの果物、野菜、花などの植物の栽培に用いられる高設栽培方法および装置に関し、特に、限られたスペース内において広い栽培面積を確保できるように改良を図った高設栽培方法および装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 一般に、ビニールハウス等の温室内で行われているイチゴ栽培では、日常の手入れや収穫作業を立ったままで行うことができるように、イチゴの苗が植えられる栽培床を地面から所定の高さに保持して栽培を行う高設栽培が採用されている。 【0003】 高設栽培では、地面から所定高さ位置に設置された保持棚を一定の間隔で複数配置し、各保持棚に乗せた栽培床においてイチゴ栽培が行われる。各保持棚の間は、作業員などが行き来できるように、所定幅の通路が設けられている。高設栽培装置は、例えば次の特許文献1に開示されている。 【特許文献1】特開平11−279924号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 高設栽培においては、各保持棚の間に通行および作業に必要な幅の通路が必要である。したがって、温室内における栽培面積にはおのずと上限があり、それ以上に栽培面積を増やすことが困難である。 【0005】 例えば、保持棚を広くして栽培面積を確保しようとすると、その間の通路が狭くなってしまい、作業性が悪くなる。また、保持棚を上下二段にして栽培面積を確保しようとすると、下段の栽培床は上段側の栽培床の陰となり、日照不足、温度不足となり易い。この結果、下段の栽培床で栽培されるイチゴは、上段の栽培床で栽培されるイチゴに比べて、品質が悪く、また、収穫量が少なくなってしまう。 【0006】 本発明の課題は、このような点に鑑みて、通路を狭めることなく、しかも、栽培条件の劣化を来たすことなく、広い栽培面積を確保可能な高設栽培方法および装置を提案することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記の課題を解決するために、本発明による高設栽培方法は、 栽培床を保持している固定式保持棚を床面から所定の高さの位置に設置し、 前記固定式保持棚に隣接して所定幅の通路用空間を当該固定式保持棚に沿って設け、 前記固定式保持棚の下側空間に、栽培床を保持している移動式保持棚を設置し、 前記通路用空間を使用しない間は、前記移動式保持棚を、当該通路用空間における床面から所定の高さの栽培位置に保持することを特徴としている。 【0008】 換言すると、本発明による高設栽培方法は、 栽培床を保持している固定式保持棚を床面から所定の高さ位置に設置し、 前記固定式保持棚に隣接して、栽培床を保持している移動式保持棚を床面から所定の高さの栽培位置に設置し、 前記移動式保持棚を前記固定式保持棚の下側空間に退避させて、前記固定式保持棚の隣接位置に通路用空間を確保することを特徴としている。 【0009】 本発明の高設栽培方法では、通路用空間に移動式保持棚を設置し、ここに栽培床を乗せて栽培が行われる。移動式保持棚に乗っている栽培床による栽培条件は、隣接する固定式保持棚の栽培床と同一である。よって、良好な栽培条件を維持しつつ、従来の高設栽培に比べて栽培面積を増やすことができる。 【0010】 また、通行あるいは作業が必要な場合には、移動式保持棚を固定式保持棚の下側の退避位置に退避させる。この結果、十分な幅の通路用空間を確保でき、作業などに支障が発生することもない。 【0011】 ここで、前記移動式保持棚を水平状態を保持したまま移動することが望ましい。 【0012】 また、一般的には、所定間隔で複数列の前記固定式保持棚を設置し、隣接する前記固定式保持棚の間に前記移動式保持棚を設置し、当該移動式保持棚を、隣接する一方の前記固定式保持棚の下側空間に退避させて、隣接する前記固定式保持棚の間に前記通路用空間を確保すればよい。 【0013】 次に、本発明による高設栽培装置は、 床面から所定の高さ位置において栽培床を保持している固定式保持棚と、 前記固定式保持棚に隣接して設けられた所定幅の通路用空間と、 床面から所定の高さ位置に栽培床を保持可能な移動式保持棚とを有し、 前記移動式保持棚は、前記固定式保持棚の下側の退避位置と、前記通路用空間における所定高さの栽培位置に移動可能となっていることを特徴としている。 【0014】 また、本発明による高設栽培装置は、 床面から所定の高さ位置において栽培床を保持している固定式保持棚と、 前記固定式保持棚に隣接した栽培位置において、床面から所定の高さの所に栽培床を保持している移動式保持棚とを有し、 前記移動式保持棚は、前記栽培位置から、前記固定式保持棚の下側の退避位置に移動可能であり、 当該移動式保持棚を前記退避位置に移動すると、前記固定式保持棚の隣接位置に、所定幅の通路用空間が確保されることを特徴としている。 【0015】 一般的には、所定間隔で複数列の前記固定式保持棚が設置され、隣接する前記固定式保持棚の間に前記移動式保持棚がそれぞれ設置され、前記移動式保持棚を、隣接する一方の前記固定式保持棚の下側の退避位置に退避させると、隣接する前記固定式保持棚の間に前記通路用空間が確保されるようになっている。 【0016】 ここで、前記移動式保持棚は、手動操作によって移動させることもできるが、作業性などの点からは、移動式保持棚を水平姿勢を維持したまま移動させる移動機構を有していることが望ましい。 【0017】 前記移動機構としては、同一側の一端を中心として上下に旋回可能な上下一対の平行リンクと、前記平行リンクを旋回させるための油圧シリンダなどの駆動部とを備えたものを用いることができる。 【0018】 この場合、前記一対の平行リンクにおける少なくとも一方の平行リンクの長さを調整できるようにしておけば、当該一対の平行リンクによって支持されている移動式保持棚の姿勢を調整できる。例えば、傾斜した状態で支持されている移動式保持棚を水平姿勢となるように調整できる。 【発明の効果】 【0019】 本発明の高設栽培方法および装置では、隣接配置されている保持棚のうちの一方を移動式保持棚とし、通行および作業が必要な場合には、当該移動式保持棚を他方の固定式保持棚の下側に退避させて、通路用空間を確保している。 【0020】 したがって、本発明によれば、通路用空間を栽培用空間として利用できるので、従来に比べて栽培面積を増やすことができる。また、移動式保持棚に保持された栽培床での栽培条件は固定式保持棚の栽培床と実質的に同一であるので、当該移動式保持棚の栽培床での栽培品質、収穫量が低下することもない。さらに、作業時などにおいては移動式保持棚を移動させることにより十分な幅の通路を確保できるので、作業も従来と同様に行うことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0021】 以下に、図面を参照して、本発明を適用した高設栽培装置の一例を説明する。 【0022】 図1は本例の高設栽培装置が配置されたイチゴ栽培用の温室を示す断面構成図であり、図2は高設栽培装置の部分斜視図である。 【0023】 ビニールハウス等の温室100の内部に設置されているイチゴ栽培用の高設栽培装置1は、所定間隔で温室100の長手方向に平行に延びている6列の保持棚11〜16を備えている。各保持棚11〜16は温室床面101から同一の高さ位置において水平に設置され、これらの上にイチゴ栽培床21〜26が乗っている。保持棚11、13および15は固定式保持棚であり、図2から分かるように、一定間隔で配置した垂直支柱2の上端部に、片持ち状態で水平に固定されている。保持棚12、14および16は昇降式保持棚(移動式保持棚)であり、昇降機構3(移動機構)によって、固定式保持棚11、13、15と同一高さの栽培位置12A、14A、16Aと、各固定式保持棚11、13、15の下側に退避した想像線で示す退避位置12B、14B、16Bとの間を昇降可能である。 【0024】 通常の栽培状態では、実線で示すように、昇降式保持棚12、14、16は上側の栽培位置12A、14A、16Aに保持される。したがって、これらに乗っている栽培床22、24、26は、固定式保持棚11、13、15の栽培床21、23、25と同一の栽培条件でイチゴを栽培できる。収穫などの作業を行う場合には、一時的に昇降機構3を駆動して、昇降式保持棚12、14、16を、想像線で示すように、隣接する固定式保持棚11、13、15の下側の退避位置12B、14B、16Bまで下降させ、そこに保持する。この結果、固定式保持棚11、13、15の間には、作業に必要な十分な幅Wの通路用空間4が確保される。作業終了後は、昇降機構3を駆動して、各昇降式保持棚12、14、16を上側の栽培位置12A、14A、16Aに戻す。 【0025】 次に、図2および図3を参照して各部の構造を詳細に説明する。図3(a)および(b)は高設栽培装置の部分側面図および部分平面図である。各垂直支柱2は例えばH型鋼を用いており、その上端部近傍位置に、所定厚さの金属板あるいは金属枠からなる固定式保持棚11、13、15が片持ち状態で水平に取り付けられている。 【0026】 固定式保持棚11、13、15の下側の垂直支柱2における一方のフランジ側面には、上下に長い長方形の吊元金具5が溶接等によって取り付けられている。この吊元金具5には、当該金具5を挟む状態で、一定厚さの細長い金属板からなる上下一対の平行リンク6、7の基端が上下方向に回転可能に取り付けられている。一対の平行リンク6、7の先端は、長方形の垂直連結金具8に対して、当該金具を挟む状態で、上下方向に回転可能に取り付けられている。垂直連結金具8には、金属枠状の昇降式保持棚12、14、16が片持ち状態で水平に取り付けられている。 【0027】 これら上下一対の平行リンク6、7と、吊元金具5および垂直連結金具8とによって、4節平行リンク機構が構成されており、平行リンク6、7が上下に旋回すると、その先端の垂直連結金具8は垂直姿勢が保持されたまま昇降する。したがって、そこに取り付けられている昇降式保持棚12、14、16は水平姿勢を保持したまま昇降する。 【0028】 本例では、平行リンク6、7を昇降させるための昇降機構3として油圧シリンダ31を用いている。油圧シリンダ31は、垂直支柱2の下側の部位に取り付けられており、その伸縮ロッド32の先端が下側の平行リンク7に連結されている。図3から分かるように、伸縮ロッド32が伸長した状態では、昇降式保持棚12、14、16が上側の栽培位置12A、14A、16Aに保持される。伸縮ロッド32が最も引き込まれた状態では、図3において想像線で示すように、平行リンク6、7が重なって垂直状態となり、昇降式保持棚12、14、16は、固定式保持棚11、13、15の直下の退避位置12B、14B、16Bに保持される。 【0029】 以上説明したように、本例の高設栽培装置1においては、従来においては通路用スペースとされていた部分に昇降式保持棚12、14、16を配置してあるので、栽培面積をほぼ2倍に増やすことができる。また、収穫などの作業時には、一時的に昇降式保持棚12、14、16を隣接する固定式保持棚11、13、15の直下の退避位置12B、14B、16Bに退避させ、従来と同様な幅の通路用スペースを確保することができる。 【0030】 さらには、従来の高設栽培装置は、例えば、イチゴ狩りにおいて、子供などの小柄の人は、高い位置にあるイチゴが取り難いという問題があるが、本例の高設栽培装置1では昇降式保持棚12、14、16が一段低い位置に保持されるので、そのような問題も解消できる。 【0031】 ここで、垂直支柱2、昇降機構3の製造誤差、組み立て誤差などに起因して、昇降式保持棚12、14、16を水平姿勢に保持できないことがある。このような弊害を解消するためには、例えば、図4に示すように、一対の平行リンク5、6の一方あるいは双方を、長さ調整可能な構造とすればよい。 【0032】 (その他の実施の形態) 上記の例では、昇降機構として油圧シリンダを用いているが、油圧シリンダ以外の昇降機構を用いることも可能である。例えば、チェーン・スプロケットおよびモータからなる昇降機構を用いることができる。 【0033】 また、上記の例では、昇降式保持棚を旋回させながら昇降させているが、例えば、傾斜配置したスライドレールに沿って昇降式保持棚を昇降させることもできる。 【0034】 さらには、上記の例では移動式保持棚を昇降式保持棚としてあるが、昇降式とする代わりに、固定式保持棚よりも一段低い高さ位置を水平にスライドさせて、固定式保持棚の直下の退避位置と、隣接している通路用スペース内の栽培位置に位置決めできる水平移動式保持棚とすることも可能である。この場合には、移動式保持棚を可能な限り高い位置に設置することが、良好な栽培条件を確保する点からは望ましい。 【0035】 次に、昇降機構を省略して、手動により昇降式保持棚を昇降させるようにしてもよい。 【0036】 一方、本発明の高設栽培装置は、既設の高設栽培装置に適用することも可能である。すなわち、既設の固定式保持棚を支持している支柱に、移動機構および移動式保持棚を取り付けることができる。 【図面の簡単な説明】 【0037】 【図1】本発明による高設栽培装置が設置された温室を示す断面構成図である。 【図2】図1の高設栽培装置の部分斜視図である。 【図3】図1の高設栽培装置の部分側面図および部分平面図である。 【図4】長さ調整機能を備えた平行リンクの例を示す平面図である。 【符号の説明】 【0038】 1 高設栽培装置 2 垂直支柱 3 昇降機構 4 通路用スペース 5 吊元金具 6、7 平行リンク 8 垂直連結金具 11、13、15 固定式保持棚 12、14、16 昇降式保持棚 12A、14A、16A 栽培位置 12B、14B、16B 退避位置 21〜26 栽培床 31 油圧シリンダ 32 伸縮ロッド 100 温室 101 床面
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| 【出願人】 |
【識別番号】505176800 【氏名又は名称】村橋 隆男
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| 【出願日】 |
平成17年5月13日(2005.5.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090170 【弁理士】 【氏名又は名称】横沢 志郎
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| 【公開番号】 |
特開2006−314280(P2006−314280A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月24日(2006.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願2005−141580(P2005−141580) |
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