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【発明の名称】 掘取溝形成機
【発明者】 【氏名】内橋 政敏

【要約】 【課題】樹木の移植作業に要する労力や時間を低減すること。

【解決手段】樹木32を根部から掘り取って別の場所に移植する樹木移植作業において樹木の根部周辺に掘取溝33を形成するための掘取溝形成機であって、重機のアーム3の先端に一対の鋏状の剪断装置4をアームと直交する方向に開閉自在に設ける。特に、前記剪断装置の開閉中心を前記アームの先端からアームと直交する方向に偏らせる。また、前記剪断装置を前記アームの先端に水平回動機構を介して接続する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹木を根部から掘り取って別の場所に移植する樹木移植作業において樹木の根部周辺に掘取溝を形成するための掘取溝形成機であって、
重機のアームの先端に一対の鋏状の剪断刃をアームと直交する方向に開閉自在に設けたことを特徴とする掘取溝形成機。
【請求項2】
前記剪断刃の開閉中心を前記アームの先端からアームと直交する方向に偏らせたことを特徴とする請求項1に記載の掘取溝形成機。
【請求項3】
前記剪断刃を前記アームの先端に水平回動機構を介して接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の掘取溝形成機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、樹木を根部から掘り取って別の場所に移植する樹木移植作業において樹木の根部周辺に掘取溝を形成するために使用する掘取溝形成機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、山中の樹木を市街地の公園に移植する場合のように樹木を根部から掘り取って別の場所に移植する樹木移植作業が行われている。
【0003】
この樹木移植作業は、次のようにして行われていた(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
まず、重機のアームの先端に前方及び上方を開放させた略箱型のバケットを取付けた樹木移植機を用いて、移植する樹木の前側の土石を掘り取る。
【0005】
次に、重機のアームの先端に先鋭棒状体を取付けた掘取溝形成機を用いて、移植する樹木の左右側方及び後方の土石に掘取溝を形成する。
【0006】
次に、樹木移植機のバケットを用いて、移植する樹木を根部に付着した土砂ごと地中から掘り取る。
【0007】
そして、掘り取った樹木をバケットから搬送トラックの荷台に載せ換え、搬送トラックで別の場所まで搬送し、その後、再度搬送トラックの荷台から樹木移植機のバケットに載せ換え、移植場所に樹木移植機のバケットで樹木を根部の土砂ごと載置して、樹木を移植する。
【0008】
この樹木移植作業において、移植する樹木の周囲に掘取溝を形成する際には、重機のアームを操作して先鋭棒状体の先端部を移動させることによって樹木の根部周辺に平面視で略コ字状の掘取溝を形成していた。
【特許文献1】特開2004−267040号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、上記従来の樹木移植作業においては、重機のアームを操作して先鋭棒状体の先端部を移動させることによって樹木の根部周辺に掘取溝を形成していたために、地中に樹木の根や石などが存在していると円滑に掘取溝を形成することが困難であった。
【0010】
そのため、従来の樹木移植作業では、作業者に熟練を要するとともに、作業に多大な時間と労力を要していた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、請求項1に係る本発明では、樹木を根部から掘り取って別の場所に移植する樹木移植作業において樹木の根部周辺に掘取溝を形成するための掘取溝形成機であって、重機のアームの先端に一対の鋏状の剪断刃をアームと直交する方向に開閉自在に設けることにした。
【0012】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記剪断刃の開閉中心を前記アームの先端からアームと直交する方向に偏らせることにした。
【0013】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記剪断刃を前記アームの先端に水平回動機構を介して接続することにした。
【発明の効果】
【0014】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0015】
すなわち、請求項1に係る本発明では、樹木を根部から掘り取って別の場所に移植する樹木移植作業において樹木の根部周辺に掘取溝を形成するための掘取溝形成機であって、重機のアームの先端に一対の鋏状の剪断刃をアームと直交する方向に開閉自在に設けることにしているために、移植する樹木の周囲に根や石などがあっても剪断刃で破断することができ、樹木移植作業における掘取溝を容易に形成することができる。
【0016】
また、請求項2に係る本発明では、剪断刃の開閉中心をアームの先端からアームと直交する方向に偏らせることにしているために、移植する樹木の側方で重機のアームを昇降させることによって樹木の直後方に掘取溝を形成することができるので、掘取溝形成時にアームが樹木に衝突して樹木が破損してしまうのを未然に防止することができる。
【0017】
また、請求項3に係る本発明では、剪断刃をアームの先端に水平回動機構を介して接続することにしているために、掘取溝形成時に重機自体を移動させることなく水平回動機構によって剪断刃を回転させるだけで移植する樹木の周囲に掘取溝を形成することができ、掘取溝形成作業を容易なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係る掘取溝形成機は、樹木を根部の土砂ごと地面から掘り出し、その後、掘り出した樹木を根部の土砂ごと別の場所に植え付けるといった樹木移植作業に用いられるものであり、樹木を根部の土砂ごと地面から掘り取るときに樹木の根部周辺に掘取溝を形成するために使用されるものである。
【0019】
以下に、本発明に係る掘取溝形成機の具体的な構造について図面を参照しながら説明する。
【0020】
掘取溝形成機1は、図1に示すように、重機2のアーム3の先端部に剪断装置4をアタッチメント5を介して連結している。
【0021】
この剪断装置4とアタッチメント5の具体的な構造について説明すると、剪断装置4は、図2〜図5に示すように横長矩形板状のベース体6の下部に前後一対の略三角板状の支持体7,8の基端部を前後に間隔をあけて取付けている。
【0022】
この支持体7,8は、図2に示すように、正面視で頂点を中央部よりも左下部にずらして位置させた略三角形の板で形成している。
【0023】
そして、剪断装置4は、正面視でベース体6の左側にずれた位置にある頂部に前後一対の略三角板状の剪断刃9,10の基端部を前後に面接触させた状態で回動軸11を介して回動自在に取付けている。
【0024】
この剪断刃9,10は、内側の一辺に先鋭状の刃部12を形成しており、回動軸11を中心にして左右に開閉するようにしている。
【0025】
そして、剪断装置4は、この剪断刃9,10の左右頂部に油圧シリンダー13,14のシリンダーロッド15,16の先端部を回動自在に取付ける一方、支持体7,8の基端部に油圧シリンダー13,14の基端部を回動自在に取付け、この油圧シリンダー13,14の伸縮によって剪断刃9,10を開閉するようにしている。図中、17〜20は連結ピンである。
【0026】
次に、アタッチメント5の構造について説明すると、アタッチメント5は、図2〜図5に示すように剪断装置4のベース体6の上部に中央部よりも右側にずらして取付けられている。
【0027】
このアタッチメント5は、ベース体6の上部に左右遥動機構34を取付け、この左右遥動機構34の上部に水平回動機構21を取付け、この水平回動機構21に連結ジョイント22を取付けている。
【0028】
左右遥動機構34は、ベース体6の上側前後部に前後一対の略三角板状の遥動板35,36を取付け、この遥動板35,36の先端部に前後一対の略五角形状の支持板37,38の先端部を連結ピン39で左右方向に向けて回動自在に連結し、この前後側の支持板37,38の基端部間に円形板状の連結板40を取付けている。
【0029】
また、左右遥動機構34は、前後側の支持板37,38に油圧シリンダー41の基端部を左右回動自在に取付け、この油圧シリンダー41のシリンダーロッド42の先端部に遥動板35,36を左右回動自在に取付けている。
【0030】
そして、左右遥動機構34は、図6に示すように、油圧シリンダー41のシリンダーロッド42を上下に伸縮させることによって、剪断装置4を左右に遥動させるようにしている。
【0031】
また、水平回動機構21は、ベース体6の右側上部に円筒状の支持体23を取付け、この支持体23に円筒状の可動体24を水平方向に回動自在に取付け、この可動体24の上部に連結ジョイント22のベース体25を取付けている。なお、この水平回動機構21は、公知の機構を利用しており、支持体23の内部に収容した油圧モータで可動体24を水平回動させるように構成している。
【0032】
そして、水平回動機構21は、図7に示すように、油圧モータを駆動することによって、剪断装置4を水平方向に向けて回動させるようにしている。
【0033】
また、連結ジョイント22は、図2〜図5に示すように、水平回動機構21を取付けたベース体25の上側左右側部に左右一対の横長矩形板状のブラケット26,27を取付け、このブラケット26,27の間に左右に伸延させた前後一対の円柱状の連結ピン28,29を前後に間隔をあけて取付けている。
【0034】
この連結ジョイント22には、図1に示すように、重機2のアーム3の先端に取付けられた連結機構30が着脱自在に連結される。
【0035】
このようにして、上記掘取溝形成機1は、重機2のアーム3の先端に鋏状の剪断装置4を水平回動機構21を有するアタッチメント5を介して取付け、この剪断装置4に設けた一対の鋏状の剪断刃9,10をアーム3と直交する方向に開閉自在とし、しかも、ベース体6の左側に剪断刃9,10の回動軸11を取付ける一方、ベース体6の右側にアタッチメント5を取付けることによって、剪断刃9,10の開閉中心をアーム3の先端からアーム3と直交する方向に偏らせている。
【0036】
そして、掘取溝形成機1は、図8に示すように、重機2のアーム3を操作することによって剪断装置4を所定位置に移動させ(図8(a)参照。)、剪断装置4の剪断刃9,10を開いた状態にして地面31に垂直に押付け(図8(b)参照。)、その後、剪断装置4の剪断刃9,10を地面31に押付けながら閉じた状態にし(図8(c)参照。)、これにより、樹木32の周辺に掘取溝33を形成する。
【0037】
このように、上記掘取溝形成機1では、重機2のアーム3の先端に一対の鋏状の剪断刃9,10をアーム3と直交する方向に開閉自在に設けているために、移植する樹木32の周囲の地面31に根や石などがあっても剪断刃9,10で破断することができ、樹木移植作業における掘取溝33を容易に形成することができる。
【0038】
また、上記掘取溝形成機1では、剪断刃9,10の開閉中心をアーム3の先端からアーム3と直交する方向に偏らせているために、図8に示すように、移植する樹木32の側方で重機2のアーム3を昇降させることによって樹木32の直後方に掘取溝33を形成することができるので、掘取溝33の形成時にアーム3が樹木32に衝突して樹木32が破損してしまうのを未然に防止することができる。
【0039】
また、上記掘取溝形成機1では、剪断刃9,10をアーム3の先端に水平回動機構21を介して接続しているために、掘取溝33の形成時に重機2を移動させることなく水平回動機構21によって剪断刃9,10を回転させるだけで移植する樹木32の周囲に掘取溝33を形成することができ、掘取溝33の形成作業を容易なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る掘取溝形成機を示す側面図。
【図2】剪断装置を示す正面図。
【図3】同側面図。
【図4】同底面図。
【図5】同平面図。
【図6】左右遥動機構の動作を示す説明図。
【図7】水平回動機構の動作を示す説明図。
【図8】掘取溝の形成作業を示す説明図。
【符号の説明】
【0041】
1 掘取溝形成機 2 重機
3 アーム 4 剪断装置
5 アタッチメント 6 ベース体
7,8 支持体 9,10 剪断刃
11 回動軸 12 刃部
13,14 油圧シリンダー 15,16 シリンダーロッド
17〜20 連結ピン 21 水平回動機構
22 連結ジョイント 23 支持体
24 可動体 25 ベース体
26,27 ブラケット 28,29 連結ピン
30 連結機構 31 地面
32 樹木 33 掘取溝
34 左右遥動機構 35,36 遥動板
37,38 支持板 39 連結ピン
40 連結板 41 油圧シリンダー
42 シリンダーロッド
【出願人】 【識別番号】505144522
【氏名又は名称】株式会社葉隠緑化建設
【出願日】 平成17年5月12日(2005.5.12)
【代理人】 【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋

【公開番号】 特開2006−314254(P2006−314254A)
【公開日】 平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願番号】 特願2005−140151(P2005−140151)