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【発明の名称】 地下水位調整器
【発明者】 【氏名】相澤 英▲徳▼
【住所又は居所】東京都港区西新橋2丁目8番4号 英吉工業株式会社内

【氏名】平川 仁
【住所又は居所】東京都港区西新橋2丁目8番4号 英吉工業株式会社内

【要約】 【課題】設置作業が容易で、農作業車の運転に支障がなく、収穫量の増加が望める地下水位調整器を、安価に提供する。

【解決手段】暗渠管91と連結する第1接続筒31と、横筒21の他端内に開口する第2接続筒32と、縦筒22の内部を上昇する第3接続筒33とを有し、第3接続筒33の開放した上端が縦筒22の途中で終わる逆T字形の接続筒3と、第3接続筒33の上端に取り付けられた上下方向に可動するベローズ41よりなる水位調節管4と、縦筒22の上端から内部の水位調節管4を上下方向に動かし、水位調節管4の上端の位置を田圃Pの水位設定レベルに調節する操作装置5とを備え、接続筒3を止水可能なように、第2接続筒32に形成した装着部内に嵌着可能な止水栓63を、縦筒22内に収納した操作杆64により操作する水閘装置6を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
田圃の地下に敷設され、田圃に灌漑用水を供給すると共に排水路に排水する暗渠管に付設する田圃での地下水位調整器において、
上端が田圃の地表上に位置する縦筒を横筒の途中に備え、地中に埋設される逆T字形の継手筒と、
前記継手筒内に収設され、一方に前記横筒の一端側に設けた隔壁を貫通して前記暗渠菅と連結する第1接続筒を有し、他方に前記横筒の他端内に開口する第2接続筒を有し、第1接続筒と第2接続筒との途中には、前記縦筒の内部を上昇する第3接続筒を有し、この第3接続筒の開放した上端が縦筒の途中で終わる逆T字形の接続筒と、
前記第3接続筒の上端に取り付けられた上下方向に可動な水位調節管と、
前記縦筒の上端から内部の水位調節管を上下方向に動かし、水位調節管の上端の位置を田圃の水位設定レベルに調節する操作装置と、
を備え、
前記接続筒の第2接続筒側に、当該接続筒を止水可能な水閘装置を設け、
前記継手筒の横筒の他端を排水路に接続したことを特徴とする地下水位調整器。
【請求項2】
前記水閘装置は、第2接続筒に形成した装着部内に嵌着可能な止水栓を、前記縦筒内に収納した操作杆により操作する請求項1に記載の地下水位調整器。
【請求項3】
前記第3接続筒の上端に取り付けられた水位調節管は、上下方向に伸縮可能なベローズである請求項1または2に記載の地下水位調整器。
【請求項4】
前記第3接続筒の上端に取り付けられた水位調節管は、第3接続筒に上下動可能に嵌合したスライド管である請求項1または2に記載の地下水位調整器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、稲作をしている水田や、水田を休耕田にし、各種の野菜や花卉などを栽培するための田圃における地下水位調整器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば稲作をする水田の地中には、田圃に供給された灌漑用水が地下に浸透した地下水を、畦に沿ったU字溝などの排水路に排水する暗渠管が敷設してあり、この暗渠管の下流端部には水閘を設け、この水閘を開閉して水位を調整している。そして、この水閘は、操作杆の下端に取り付けた密栓を、注水口と排水口との間に着脱自体としたものが、例えば特許文献1により提案されている。
【0003】
また、水位を一定に保つように、余剰な水を排水するようにした水位調節装置が、例えば特許文献2によって提案されている。この水位調節装置は、地中に上下動可能に設けた水位調節管により、余剰の水を排水管に導いて水位を調節するものである。
【0004】
そして、例えば、稲の幼苗の植え付け時、或いはその生育時には水閘で暗渠管を閉じ、田圃に供給される灌漑用水の水位を田面(田圃の地表面)上、約10cmくらいに保って、稲の苗を成長させ、成長したら水閘を開き、田面上の灌漑用水、その地下水を一緒に暗渠管から排水路に放出し、水田を干上げて生育した稲を刈り取る。
【0005】
休耕田にした水田で野菜や花卉(総称して植物とも記す。)を栽培して収穫を向上するには、田圃の地中の水位を栽培すべき植物の根に適応させる必要がある。つまり、根を地中に深く降ろす根菜類などには地中の水位を深くし、葉菜類など根が浅いものには地中の水位を浅くすると共に、それまで栽培して収穫した植物とは別の植物を栽培するには、地中の水位を新しい植物が地中に降ろす根の深さに適応したレベルに変更する必要がある。又、稲を生育する際でも、水位を田面上、20cm程度に上げ、幼苗を水没させて霜から保護する深水や、田圃の地下の水位を根よりも深く下げて根の発育を促進し、収穫量の向上を図る中干しなど、水位を変動させる必要がある。
【0006】
【特許文献1】実公昭60−11942号公報
【特許文献2】特開2003−111526号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の水位調節装置を設置した田圃において、水を張る場合には、暗渠管に設けた水閘を閉じなければならないし、乾燥させるには水閘を開いて排水しなければならない。そして、この水閘は、設置した水位調節装置に対応た数が必要である。
一方、田圃の中に、多くの水位調節装置と水閘とが、散在して突出していると、田起こしや刈り入れ時に導入するトラクタ等の農作業車の運転の邪魔になっている。
また、水位調節装置と水閘とを、それぞれ別個に設置する必要があるため、設置工事が煩雑であり、費用も倍増しているのが現状である。
そして、既に暗渠管が敷設されている田圃に、新たに水位調節装置を設置する場合も同様に煩雑であり、コストが高いものであった。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、設置作業が容易で、農作業車の運転に支障がなく、収穫量の増加が望める地下水位調整器を、安価に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記に鑑み提案されたもので、請求項1に係る発明は、田圃の地下に敷設され、田圃に灌漑用水を供給すると共に排水路に排水する暗渠管に付設する田圃での地下水位調整器において、上端が田圃の地表上に位置する縦筒を横筒の途中に備え、地中に埋設される逆T字形の継手筒と、前記継手筒内に収設され、一方に前記横筒の一端側に設けた隔壁を貫通して前記暗渠菅と連結する第1接続筒を有し、他方に前記横筒の他端内に開口する第2接続筒を有し、第1接続筒と第2接続筒との途中には、前記縦筒の内部を上昇する第3接続筒を有し、この第3接続筒の開放した上端が縦筒の途中で終わる逆T字形の接続筒と、前記第3接続筒の上端に取り付けられた上下方向に可動な水位調節管と、前記縦筒の上端から内部の水位調節管を上下方向に動かし、水位調節管の上端の位置を田圃の水位設定レベルに調節する操作装置と、を備え、前記接続筒の第2接続筒側に、当該接続筒を止水可能な水閘装置を設け、前記継手筒の横筒の他端を排水路に接続したことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1の構成に加えて、前記水閘装置は、第2接続筒に形成した装着部内に嵌着可能な止水栓を、前記縦筒内に収納した操作杆により操作する地下水位調整器である。
請求項3に係る発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記第3接続筒の上端に取り付けられた水位調節管は、上下方向に伸縮可能なベローズである地下水位調整器である。
請求項4に係る発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記第3接続筒の上端に取り付けられた水位調節管は、第3接続筒に上下動可能に嵌合したスライド管である地下水位調整器である。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、水閘を別個に必要としないので、設置作業が容易であると共に、コストの削減が可能である。また、田圃上に突出する個所が半減し、農作業車の運転の障害物となることが少ない。水位の調整及び注排水に伴う水閘の操作が容易である。また、栽培する植物に適切な水位に調整することにより、収穫量の増加が望めると共に、根腐れ等の病害虫に強い生育が望める。更に、既設の暗渠管に適用することも可能で、安い費用で付設することができ、実用的価値が極めて高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、上端が田圃の地表上に位置する縦筒を横筒の途中に備え、地中に埋設される逆T字形の継手筒と、この継手筒内に収設され、一方に横筒の一端側に設けた隔壁を貫通して暗渠菅と連結する第1接続筒を有し、他方に横筒の他端内に開口する第2接続筒を有し、第1接続筒と第2接続筒との途中には、縦筒の内部を上昇する第3接続筒を有し、この第3接続筒の開放した上端が縦筒の途中で終わる逆T字形の接続筒と、前記第3接続筒の上端に取り付けられた上下方向に可動するベローズよりなる水位調節管と、前記縦筒の上端から内部の水位調節管を上下方向に動かし、水位調節管の上端の位置を田圃の水位設定レベルに調節する操作装置とを備え、前記接続筒を止水可能なように、第2接続筒に形成した装着部内を上下方向に摺動して嵌着可能な止水栓を、縦筒内に収納した操作杆により操作する水閘装置を設け、前記継手筒の横筒の他端を排水路に接続して、安価に提供可能な地下水位調整器を実現した。
【実施例】
【0012】
図1は、本発明に係る地下水位調整器1を設置した田圃Pを模式的に示す、一部を欠截した斜視図である。図2は、本発明に係る地下水位調整器1による給水状態を示す断面図、図3は同上の排水状態を示す断面図である。
【0013】
本発明に係る地下水位調整器1は、概略、地中に埋設される逆T字形の継手筒2と、該継手筒2内に収設される接続筒3と、該接続筒3の取り付けられる水位調節管4と、該水位調節管4の上端の位置を田圃Pの水位設定レベルWに調節する操作装置5と、上記接続筒3を止水可能な水閘装置6と、を備えてなる。
【0014】
逆T字形に形成された継手筒2は、両端が閉塞した横筒21と、この横筒21の途中から垂直に上に延び、上端が田圃Pの地表面や、畦P1上に露出する縦筒22とを有し、例えば鋼管や、塩化ビニール管をT形に接合して構成されている。尚、横筒21の両端は、隔壁23aを有する蓋体23により閉塞してあり、この隔壁23aには、後述するように暗渠管91を接続する。
【0015】
前記継手筒2の内部には、左右の第1接続筒31及び第2接続筒32と、両接続筒31、32の中間から立ち上がる第3接続筒33とからなる逆T字形の接続筒3を収設する。図面において右側、即ち上流側の第1接続筒31を、前記横筒21の上流側の一端部を閉塞している前記蓋体23の隔壁23aを貫通させて、前記暗渠管91と接続する。
【0016】
一方、図面において左側、即ち下流側の第2接続筒32には、この接続筒3を止水可能な水閘装置6を設ける。この水閘装置6は、例えば、図6に示すように、第2接続筒32に取り付けることにより装着部61を形成する止水栓受入部材62と、操作杆64を備える止水栓63とから構成されている。
【0017】
即ち、止水栓受入部材62は、下半部分が第2接続筒32に対応して半円形に形成されると共に、上半部分が上端部が拡開したほゞ矩形に形成されている。この止水栓受入部材62は、所定の間隔で対向する一対の側面部621、621と、両側面部621、621の間を繋ぐ周面部622と、これらの上端部分に形成された受入部623とを備え、例えば、塩化ビニル等の合成樹脂により成形されている。
【0018】
止水栓受入部材62の両側面部621、621には、第2接続筒32の内径よりもやゝに小径に開口する通孔部624、624が設けられ、第2接続筒32を連通させている。また、両側面部621、621及び周面部622の上端部分には、上方へ向けて拡がる受入部623が延設してある。
【0019】
前記したような構成の止水栓受入部材62を、第2接続筒32の上半部分にスリット状に開設した取付口321に装着して装着部61を形成する。尚、止水栓受入部材62と第2接続筒32との間を、接着剤等により水密処理を行う。また、止水栓受入部材62の周面部622に係止段部(図示せず)を設け、第2接続筒32の取付口321の縁に係止させるようにしてもよい。更に、第2接続筒32に装着部61を一体に形成するようにしてもよい。
【0020】
止水栓受入部材62に嵌着させて第2接続筒32の水流を停止させる止水栓63は、例えば合成ゴムや、シリコンゴム等の弾性部材からなる止水栓本体部65と、この止水栓本体部65に取り付けた操作杆64とからなる。止水栓本体部65は、前記止水栓受入部材62に対応する形状及び厚味を有しており、止水栓受入部材62に嵌着させたときに、当該止水栓受入部材62の内面に密着する。そして、図面に示す実施例においては、止水栓本体部65の側面部分に、止水栓受入部材62の側面部621に開設した円形の通孔部624に対応するリブ651が僅かに隆起するように突設してある。また、止水栓本体部65の端面部分にも僅かに隆起する2条のリブ652が突設してある。
【0021】
前記止水栓受入部材62に開設する通孔部624は、円形に限るものではなく、例えばU字状に形成してもよい。即ち、下半部分を円形に形成し、途中に平行部分を介して上方部分を再び円弧状に形成することもできる。そして、このときには、止水栓本体部65に、前記通孔部624の形状に対応する形状のリブ651を設けるとよい。
【0022】
また、図6に示す実施例では、下流側の側面部に開設した通孔部624のフランジ部分の下端に切欠部625を設け、暗渠管91から混入した土砂粒を前記切欠部625を通して排出するようになっている。
【0023】
止水栓本体部65に設ける操作杆64は、縦筒22内に収納可能な適宜な長さを有し、例えばステンレス鋼等の金属からなるパイプ材641を取付板部642を介して、止水栓本体部65の上面部にねじ止めしてある。尚、操作杆64の上端部には、例えばT字形の取手部643を設けておくとよい。
【0024】
そして、前記した接続筒3の第2接続筒32の先端は、継手筒2の横筒21の内部に開口する。従って、前記した水閘装置6が開放された状態では、暗渠管91から導入された用水は、第1接続筒31から第2接続筒32を通り、継手筒2の横筒21内に排出され、この横筒21に連結された排水管92から排水路93に排水される。
【0025】
一方、前記した水閘装置6により接続筒3を止水した状態では、即ち、止水栓本体部65を止水栓受入部材62に嵌着させて第2接続筒32を封止した状態では、暗渠管91から導入された用水は、第2接続筒32から排出できないので、第3接続筒33を上昇し、この第3接続筒33の上端に接続された水位調節管4を更に上昇し、当該水位調節管4の上端から縦筒22内に溢れる。そして、縦筒22は横筒21に連通しているので、縦筒22を落下した用水は横筒21から排水管92に流入し、排水路93に排水される。
【0026】
従って、田圃Pの水位が水位調節管4の上端を超えると、この水位を超えた水が排水されるようになるので、田圃Pの水位を一定に保つことができる。
【0027】
一方、田圃Pを乾燥させるために水を抜くには、前記した水閘装置6を開放すればよい。即ち、止水栓63を抜いてしまえば、暗渠管91から排水管92へ直接排水されるので、暗渠管91のレベルまで排水することができる。従って、田圃Pの水を全て抜いて乾燥させることが可能である。
【0028】
このように水閘装置6が閉じられた状態では、供給された用水が第1接続筒31から第3接続筒33を通って水位調節管4の中を上向流したのち、水位調節管4の上端から溢れ、縦筒22と水位調節管4の外側との空間を落下して横筒21内に入り、排水管92を経て排水路93に排水されるので、田圃Pでの水位は水位調節管4の上端と同レベルになる。従って、水位調節管4の高さを、後述する操作装置5で変えることにより田圃Pの水位を所望のレベルWに変化させることができる。
【0029】
縦筒22内において、接続筒3の第3接続筒33の上端に取り付けられ、操作装置5によって上端の位置を調節し、調節された上端の位置により田圃Pの水位レベルWを決定する上下方向に可動な水位調節管4は、図1乃至図3に示すように、蛇腹式に上下方向に伸縮可能なベローズ41であってもよいし、図4に示すように上下動可能に嵌合した複数のスライド管42であってもよい。
【0030】
操作装置5は、水位調節管4の上端に放射状、例えば直径方向に固定した連結板51の中心孔に上下方向に摺動可能に貫通し、上端部を、縦筒22の上端に着脱可能に取り付けられて縦筒22の上端を塞ぐ蓋の中心部に接着、ねじ込みなどで固定された下向きの操作ロッド52と、連結板51の中心孔の上に中空部を連通させて固定した雄ねじ筒53と、上記雄ねじ筒53に上から被さってねじ係合した袋ナット54と、上記雄ねじ筒53と袋ナット54との間に配置されたOリング55とからなる。
【0031】
連結板51の中心孔を上下方向に摺動可能に貫通した操作ロッド52は雄ねじ筒53の中空部、Oリング55、袋ナット54の内部を通り、その際、袋ナット54を雄ねじ筒53の外周の雄ねじに対して強くねじ込むとOリング55は袋ナット54で回りから圧迫され、操作ロッド52を回りから締め付けて操作ロッド52を連結板51に対して上下動不能に固定する。この操作は、縦筒22の上端から蓋24を外し、上端をこの蓋24に固定された操作ロッド52を引き上げて水位調節管4を上に引き伸ばし、水位調節管4の上端に取り付けた連結板51を縦筒22の上端から外に出して行う。操作ロッド52には上下方向に、水位調節管4の上端の位置に対応した水位を示す目盛り56を記しておくことが好ましい。
【0032】
水位調節管4の上端の位置を所定の水位レベルWに調節するには、蓋24を外し、蓋24と一体に操作ロッド52を引き上げて連結板51ごと水位調節管4の上部を上に引き伸ばして縦筒22の上端から外に取出し、袋ナット54を弛めてOリング55による操作ロッド52の回りからの締付けを止め、操作ロッド52を雄ねじ筒53の中空部沿いに上下動して水位調節管4を上に伸ばしたり、下に縮ませることにより水位調節管4の上端の位置を変え、水位調節管4上端の位置が所望のレベルWになったら、再び袋ナット54を雄ねじ筒53に強くねじ込み、Oリング55で操作ロッド52を回りから締付けて水位調節管4と操作ロッド52を固定し、水位調節管4の上端の位置を所望の水位レベルWにする。それから縦筒22の外に引き出した操作ロッド52と、水位調節管4を縦筒22の内部に収め、操作ロッド52の上端部を固定した蓋24を縦筒22の上端部に被せる。この蓋24には操作ロッド52の上端部を差し込み、接着などで固定する保持筒25を下向きに設けておくことが好ましい。
【0033】
操作ロッド52に水位レベルWを示す目盛り56を付しておけば、目盛り56のどれを袋ナット54の上端に位置させるかによって水位調節管4の上端を所望の水位レベルWの位置にすることができるようにすると、調節作業を迅速、且つ容易に行うことができる。水位調節管4を上下に伸縮して水位レベルWを上下に変化させることができる範囲は田面の地上30cm程から、地下70cm程の上下方向に1m程度でよく、水位調節管4の上端を最上昇位置にしたときは、水位レベルは田圃Pの田面から上になり、休耕田を水田として再び稲作に使用できるようにしておくことが好ましい。
【0034】
この操作装置5では、上端部を蓋24に固定され、連結板51の中心孔、その上に固定された雄ねじ筒53の中空部を上下方向に移動自在に貫通して下がる操作ロッド52の途中に、袋ナット54でOリング55を回りから圧縮して操作ロッド52を締め付けることにより、水位調節管4の上端の位置を変化させて固定するため、操作ロッド52が畦P1の上に突出することがない。従って、操作ロッド52につまづいて転んだり、耕運機などの農作業車の進行を妨げることがない。
【0035】
図1乃至図3に示した実施例では、水位調節管4にベローズ41を使用した場合を示したが、図4に示すように、第3接続筒33の上端に複数段の伸縮スライド管42を水位調節管4として使用した場合にも、前記した図1乃至図3に使用した操作装置5を利用することができる。
【0036】
次に、本発明に係る地下水位調整器1の使用法を簡単に説明する。
先ず、水位を所望のレベルに設定するため、水位調節管4の上端を所望の水位レベルWに合せる。即ち、操作装置5の袋ナット54を弛めて、操作ロッド52を上下動させて所望の水位の目盛り56に合せ、再び袋ナット54を回して所望の水位レベルWで固定する。
【0037】
また、縦筒22内に備えている操作杆64を一旦上動させ、下端の止水栓63を第2接続筒32に形成した装着部61である止水栓受入部材62に押し込んで嵌着させる。このとき、止水栓受入部材62の上端には拡開する受入部623が設けてあるので、この受入部623によって止水栓63が案内されるので、地中に存在して視認が難しい状態にあっても、簡単に嵌着させることができる。
【0038】
上記のようにして水閘装置6を閉じたら、暗渠管91の上流側に接続した水槽から用水を供給し、暗渠管91内に潅漑用水を満たし、地下水位調整器1内において自然にオーバーフローさせる。これにより、任意の水位に調節可能となる。
【0039】
一方、水抜きをする場合には、水閘装置6の操作杆64を引き上げて止水栓63を装着部61から外せばよい。そして、引き上げた操作杆64は縦筒22内に収納して置くことができるので、散逸することもないし、邪魔になることもない。
【0040】
前記したようにして、稲作をしている水田は勿論、休耕田にした田圃Pの水位レベルWを、そこに栽培すべき植物の根の深さに応じて任意に調節することができる。従って、過湿による根ぐされで植物を枯らしたり、水不足で植物を枯死させることなく、常に適度の水分を与えて順調に生育させ、収穫量を増すことができる。そして、水位レベルWの上下の調節は、操作ロッド52が貫通した雄ねじ筒53に上からねじ込み、内部のOリング55を回りから圧迫して操作ロッド52を上下方向に不動に把持させていた袋ナット54を弛め、操作ロッド52を上或いは下に移動させて水位調節管4の上端の位置を所定の水位レベルWの位置にしたのち、再び袋ナット54をねじ込むことで容易に変化させることができる。
【0041】
以上本発明を図面の実施例について説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施できる。例えば、水閘装置は、上下動する止水栓ばかりではなく、水流と平行な位置と水流に直交する位置とに回動可能な止水板により、水流を閉止する構成のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る地下水位調整器を設置した田圃を模式的に示す、一部を欠截した斜視図である。
【図2】本発明に係る地下水位調整器による給水状態を示す断面図である。
【図3】本発明に係る地下水位調整器による排水状態を示す断面図である。
【図4】本発明に係る地下水位調整器における水位調節管の他の実施例を示す断面図である。
【図5】本発明に係る地下水位調整器における水閘装置の拡大断面図である。
【図6】本発明に係る地下水位調整器における水閘装置の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1 地下水位調整器
2 継手筒
3 接続筒
4 水位調節管
5 操作装置
6 水閘装置
21 横筒
22 縦筒
31 第1接続筒
32 第2接続筒
33 第3接続筒
41 ベローズ
42 スライド管
61 装着部
62 止水栓受入部材
63 止水栓
64 操作杆
65 止水栓本体部
91 暗渠管
92 排水管
93 排水路
【出願人】 【識別番号】593219078
【氏名又は名称】英吉工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区西新橋2丁目8番4号
【出願日】 平成17年5月2日(2005.5.2)
【代理人】 【識別番号】100082669
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 賢三

【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一

【識別番号】100061642
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 武通

【公開番号】 特開2006−304738(P2006−304738A)
【公開日】 平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願番号】 特願2005−134262(P2005−134262)