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【発明の名称】 植物栽培用容器形成シートおよび組立式植物栽培用容器
【発明者】 【氏名】岩熊 正樹
【住所又は居所】愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住化農業資材株式会社内

【氏名】湯浅 寿彦
【住所又は居所】愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住化農業資材株式会社内

【氏名】伊藤 義一
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目6番17号 住化農業資材株式会社内

【氏名】松岡 貴峰
【住所又は居所】大阪府摂津市鳥飼新町1丁目6番25号 第一大宮株式会社内

【要約】 【課題】組立可能な植物栽培用、特にイチゴ栽培用の容器を提供する。

【解決手段】組立式栽培容器1は、合成樹脂材料よりなる、少なくとも1枚の組立シートを折り曲げることによって形成される植物栽培用容器である。栽培槽6は、栽培槽6の側面4の上端部を形成する辺から栽培槽6の外側かつ下方に延出する支持体7を備えており、支持体7には、側面4の上端部を形成する辺に対して略平行な方向に延びる複数の湾曲形成溝8が設けられている。これら湾曲形成溝8によって、側面4の上端部から支持体7の末端部への方向において徐々に傾斜が大きくなる湾曲面を支持体7に形成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1枚の板状部材からなり、当該板状部材を折り曲げることにより、略箱形状の栽培槽を有する植物栽培用容器またはその一部を形成する植物栽培用容器形成シートであって、
上記植物栽培用容器の組立状態において、上記栽培槽の側面の上端部を形成する辺から上記栽培槽の外側かつ下方に延出し、かつ、上記栽培槽の外側に向かって徐々に傾斜が大きくなる湾曲面が形成される支持部を備え、
上記組立状態において上記支持部に上記湾曲面が形成されるように、上記支持部には、上記辺に対して略平行な方向に延びる複数の湾曲形成溝が設けられていることを特徴とする植物栽培用容器形成シート。
【請求項2】
上記板状部材は、互いに略平行に並んだ複数の溝孔からなる中空構造を有しており、
上記複数の湾曲形成溝は、上記複数の溝孔の延伸方向に対して略直交するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の植物栽培用容器形成シート。
【請求項3】
上記植物栽培用容器の組立状態において上記支持部の湾曲の度合いを固定する固定手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の植物栽培用容器形成シート。
【請求項4】
上記植物栽培用容器を形成する面を互いに接続する接続手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の植物栽培用容器形成シート。
【請求項5】
複数の上記植物栽培用容器またはその一部を連結する連結手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の植物栽培用容器形成シート。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の植物栽培用容器形成シートによって形成される植物栽培用容器。
【請求項7】
少なくとも1枚の板状部材を折り曲げることによって形成される組立式植物栽培用容器であって、
上記植物栽培用容器が有する栽培槽の側面の上端部を形成する辺から上記栽培槽の外側かつ下方に延出する支持体を備え、
上記支持体には、上記辺に対して略平行な方向に延びる複数の湾曲形成溝が設けられており、
上記複数の湾曲形成溝によって、上記側面の上端部から上記支持体の末端部への方向において徐々に傾斜が大きくなる湾曲面が上記支持体に形成されていることを特徴とする組立式植物栽培用容器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を隔離栽培するための容器、特にイチゴ栽培に適した容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高設栽培が普及している。この高設栽培は、栽培槽を地面より高い位置に設置する栽培方法であり、作業者の労働負担を減らすことができる、土壌から隔離することで土壌病害の予防ができる、養液管理による肥培管理を単純化できる等の効果を有するものである。
【0003】
例えば、イチゴを高設栽培する場合には、イチゴの果梗が折れないように注意を払う必要がある。なぜなら、果梗が折れた場合には、果梗を通じて果実に供給される養分および水分の量が減ることにより、果実の秀品率が低下するからである。そのため、イチゴの高設栽培用の栽培槽には、イチゴの果梗および果実を支えるための部材が設けられているものが多い。
【0004】
例えば、特許文献1に記載の発明においては、イチゴの果梗を受け止める受紐を栽培槽の左右両側に沿って張るための紐張り用ブラケットが設けられている。
【0005】
また、特許文献2に記載の発明においては、栽培槽の左右側壁の上端部に茎折れ防止手段が設けられている。
【0006】
また、特許文献3に記載の発明においては、栽培槽の両側壁の上端から外側下方に延びる果実受け部が設けられている。
【0007】
また、特許文献4に記載の発明においては、栽培槽の上側方に延出する、凸状に湾曲形成された延出部が設けられている。
【0008】
また、特許文献5に記載の発明においては、湾曲面支持ロッドが栽培槽と平行に配設されており、上記湾曲面支持ロッドは、栽培槽の外側に向かって下り勾配に所定の曲率半径で湾曲された湾曲接触面を有している。
【0009】
また、特許文献6に記載の発明においては、筒状の水枕または空気枕が栽培槽と平行に設けられている。
【0010】
一方、植物栽培用容器の運搬や保管に関する制約を少なくすることを目的として、組立式の植物栽培用容器が提案されている。
【0011】
例えば、特許文献7に記載の発明においては、複数の板状部材が結合部材によって連結されており、上記複数の板状部材を組み合わせることにより箱状の容器を形成している。
【0012】
また、特許文献8に記載の発明においては、空気を含有し且つ可撓性を有する板状の合成樹脂部材を長尺筐体状に折り曲げ成形することにより植物栽培装置を実現している。
【特許文献1】特開2003−18916号公報(2003年1月21日公開)
【特許文献2】特開2002−153134号公報(2002年5月28日公開)
【特許文献3】特開2002−218849号公報(2002年8月6日公開)
【特許文献4】特開2001−299101号公報(2001年10月30日公開)
【特許文献5】特開2001−37号公報(2001年1月9日公開)
【特許文献6】特開2001−238540号公報(2001年9月4日公開)
【特許文献7】特開昭57−177619号公報(1982年11月1日公開)
【特許文献8】特開2002−125472号公報(2002年5月8日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところが、上記従来の構成では、いくつかの問題が生ずる。
【0014】
まず、特許文献1〜6に記載された発明においては、栽培槽の形状が製造時に略決まるため、栽培槽を輸送する際に労力やコストがかかるとともに、栽培槽を保管する際に広いスペースが必要であるという問題が生ずる。
【0015】
一方、特許文献7および8に記載された発明においては、イチゴのような、果梗が伸びる植物の栽培に必要な上述の湾曲部を備えていないため、果梗が伸びる植物の栽培用の容器としては不適であるという問題が生ずる。また、従来の技術では、板状の部材からイチゴ栽培に適した湾曲部を形成することは困難であった。そのため、板状の部材から成る組立式のイチゴ栽培用の容器は実現されていなかった。
【0016】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、果梗が伸びる植物、例えばイチゴ等の栽培に必要な湾曲部を備えつつ、輸送コストを削減し、保管スペースを節約することができる植物栽培用の組立式容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る植物栽培用容器形成シートは、上記の課題を解決するために、少なくとも1枚の板状部材からなり、当該板状部材を折り曲げることにより、略箱形状の栽培槽を有する植物栽培用容器またはその一部を形成する植物栽培用容器形成シートであって、上記植物栽培用容器の組立状態において、上記栽培槽の側面の上端部を形成する辺から上記栽培槽の外側かつ下方に延出し、かつ、上記栽培槽の外側に向かって徐々に傾斜が大きくなる湾曲面が形成される支持部を備え、上記組立状態において上記支持部に上記湾曲面が形成されるように、上記支持部には、上記辺に対して略平行な方向に延びる複数の湾曲形成溝が設けられていることを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、折り曲げられることにより、植物栽培用容器またはその一部を形成することができる植物栽培用容器形成シートを実現できる。上記植物栽培用容器は、当該植物栽培用容器が有する栽培槽の側面の上端部を形成する辺から上記栽培槽の外側かつ下方に延びるように配された支持部を有している。この支持部には、上記辺に対して略平行な方向に延びる複数の湾曲形成溝が設けられており、当該複数の湾曲形成溝により上記側面の上端部から上記支持部の末端部への方向において徐々に傾斜が大きくなる湾曲面を上記支持部に形成することができる。そして、上記栽培槽において果梗が伸びる植物、例えばイチゴを栽培した場合には、この湾曲した支持部において植物の果梗および果実を支えることができる。そのため、植物の栽培中に果梗および果実が傷付く可能性を低減することができる。
【0019】
また、上記植物栽培用容器形成シートは、植物栽培用容器として使用しない時、例えば輸送や保管の際には板状のままにしておくことができるため、植物栽培用容器の輸送コストおよび保管スペースを低減できる。
【0020】
なお、上記湾曲面の形成範囲に関して、まず、湾曲面の幅は、栽培槽の側面の上端部の幅より狭くならないことが、栽培槽内の位置によらず植物の果梗および果実を確実に支持できるため好ましい。次に、栽培槽の側面の上端部から支持部の延出端までの範囲と湾曲面の形成範囲との関係では、上端部から延出端までの全範囲に湾曲面が形成されてもよいし、上端部から延出端までの一部範囲に形成されてもよい。
【0021】
本発明に係る容器形成シートは、上記の構成に加えて、上記板状部材は、互いに略平行に並んだ複数の溝孔からなる中空構造を有しており、上記複数の湾曲形成溝は、上記複数の溝孔の延伸方向に対して略直交するように設けられていることが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、板状部材は互いに略平行に並んだ複数の溝孔をその内部に有する中空部材である。板状部材を中空構造を有するものとすることによって、容器の断熱効果を高めることができる。この断熱効果は、溝孔が含む空気が熱を遮断することにより生じるものである。この断熱効果により、空調のための燃料費を節約することができる。さらに、中空部材(中空構造)とすることで、板状部材の可撓性を高めることができるとともに、植物栽培用容器の軽量化を図ることができる。
【0023】
また、支持部に設けられた複数の湾曲形成溝は、板状部材が有する複数の溝孔の延伸方向に対して略直交するように設けられている。複数の湾曲形成溝を複数の溝孔の伸長方向に対して略平行に設けた場合には、上記複数の湾曲形成溝に沿って板状部材を折り曲げようとしても、折り目が直線状になるように折り曲がらない場合が多く、支持部をなめらかに湾曲させることも困難となる。それゆえ、支持部を秩序正しく湾曲させるためには、複数の溝孔の伸長方向に対して略直角に湾曲形成溝8を設けることが好ましい。
【0024】
また、上記の構成に加えて、上記植物栽培用容器の組立状態において上記支持部の湾曲の度合いを固定する固定手段を備えていることが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、上記植物栽培用容器の組立状態において、上記支持部の湾曲の度合いは固定されている。支持部の湾曲の度合いを固定することにより、物理的な負荷のために支持部の湾曲形状が変化する可能性を低減することができる。換言すれば、植物の果梗および果実を一定の様式で支えることが容易となる。そのため、支持部の湾曲形状が偶発的に変化することによって植物の果梗および果実が傷付く可能性を低減できる。
【0026】
また、上記の構成に加えて、上記植物栽培用容器を形成する面を互いに接続する接続手段をさらに備えていることが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、植物栽培用容器形成シートは接続手段を備えており、植物栽培用容器が有する面の相対位置を固定することができる。換言すれば、植物栽培用容器の形状を維持することができる。それゆえ、例えば、上記植物栽培用容器を移動させる場合や、上記植物栽培用容器に多少の物理的な負荷が加わった場合でも、当該植物栽培用容器の形状を維持することが容易となる。
【0028】
また、上記の構成に加えて、複数の上記植物栽培用容器またはその一部を連結する連結手段をさらに備えていることが好ましい。
【0029】
上記の構成によれば、植物栽培用容器形成シートは連結手段を備えており、当該連結手段によって複数の上記植物栽培用容器またはその一部を連結することができる。それゆえ、植物栽培用容器を使用する場所の形状に合った長さの容器を実現することができる。
【0030】
本発明に係る組立式植物栽培用容器は、少なくとも1枚の板状部材を折り曲げることによって形成される組立式植物栽培用容器であって、上記植物栽培用容器が有する栽培槽の側面の上端部を形成する辺から上記栽培槽の外側かつ下方に延出する支持体を備え、上記支持体には、上記辺に対して略平行な方向に延びる複数の湾曲形成溝が設けられており、上記複数の湾曲形成溝によって、上記側面の上端部から上記支持体の末端部への方向において徐々に傾斜が大きくなる湾曲面が上記支持体に形成されていることを特徴としている。
【0031】
上記の構成によれば、栽培槽の側面の上端部を形成する辺からは、支持体が上記栽培槽の外側かつ下方に延びている。この支持体には、上記辺に対して略平行な方向に延びる複数の湾曲形成溝が設けられており、これらの複数の湾曲形成溝によって上記側面の上端部から上記支持体の末端部への方向において徐々に傾斜が大きくなる湾曲面が上記支持体に形成されている。そして、上記栽培槽で果梗が伸びる植物、例えばイチゴを栽培した場合には、この湾曲した支持体において植物の果梗および果実を支えることができる。そのため、植物の栽培中に果梗および果実が傷付く可能性を低減することができる。
【0032】
また、上記組立式植物栽培用容器は、少なくとも1枚の板状部材を折り曲げることによって形成されており、当該植物栽培用容器を使用しない場合、例えば輸送や保管の際には板状にすることができる。それゆえ植物栽培用容器の輸送コストおよび保管スペースを低減できる。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る容器形成シートは、以上のように、少なくとも1枚の板状部材からなり、当該板状部材を折り曲げることにより、略箱形状の栽培槽を有する植物栽培用容器またはその一部を形成する植物栽培用容器形成シートであって、上記植物栽培用容器の組立状態において、上記栽培槽の側面の上端部を形成する辺から上記栽培槽の外側かつ下方に延出し、かつ、上記栽培槽の外側に向かって徐々に傾斜が大きくなる湾曲面が形成される支持部を備え、上記組立状態において上記支持部に上記湾曲面が形成されるように、上記支持部には、上記辺に対して略平行な方向に延びる複数の湾曲形成溝が設けられている構成である。
【0034】
それゆえ、果梗が伸びる植物、例えばイチゴの栽培に適した植物栽培用容器の輸送コストおよび保管スペースを低減することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図3に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0036】
図1は、本実施形態の組立式栽培容器1の構成を示す斜視図である。図2は、本実施形態の組立シート10を示す平面図である。図3は、支持部15に設けられた湾曲形成溝8の配置および構造を示す斜視図である。
【0037】
図2に示すように、本実施形態の組立式栽培容器1を形成する組立シート10は、前背面部12、側面部13、底面部14、支持部15、位置決め底面部16を備えている。上記各部は、組立シート10の表面に設けられた折り曲げ溝11によって分画されることにより形成されており、当該折り曲げ溝11に沿って組立シート10を折り曲げることによって組立式栽培容器1が形成される。折り曲げ溝11は、組立シート10に対して押圧処理を施すことにより形成されている。
【0038】
上記組立シート10は、例えば、合成樹脂材料からなる板状部材を型に合わせて切り抜くことによって形成すればよい。組立シート10は、図3に示すように、リブ22によって形成される細長い空間であるリブ孔23を有しており、当該リブ孔23は互いに略平行に並んでいる。このリブ孔23により中空構造が実現されている。
【0039】
中空部材を用いることにより、組立式栽培容器1の断熱性を高めることができる。この断熱効果は、リブ孔23に満たされた空気によって熱が遮断されるからである。また、中空構造とすることにより、組立シート10の可撓性を高めるとともに軽量化を図ることができる。
【0040】
組立シート10の厚さは、1.5〜5mmが好ましく、2.5〜4mmがより好ましい。組立シート10の厚さが5mmを超えると、組立シート10を加工しにくくなり、逆に、2.5mmよりも薄くなると強度が低下するからである。
【0041】
上記組立シート10を構成している材料である合成樹脂材料としては、ポリプロピレンやポリカーボネートを挙げることができるが、これらに限定する必要はなく、加工のしやすさ、可撓性、断熱性等を考慮して選択すればよい。本実施の形態では、住化プラステック社製のポリプロピレン製ダンボール(商品名「サンプライ」、1.5m×2m程度)を用いている。
【0042】
組立シート10の色は、特に限定されないが、耐久性を考慮すれば黒色が好ましい。黒色にすることにより、白色にする場合よりも組立シート10の耐久性(紫外線等に対する耐性)は向上する。組立シート10を着色する場合には、上記合成樹脂材料に染料や顔料を混合することにより着色してもよいし、上記板状部材の成型後または組立式栽培容器1の組立後に塗装、フィルム素材の接着等の加工を施してもよい。
【0043】
前背面部12は、組立状態において栽培槽6の前面2または背面3を形成する部分であり、組立状態において側面4と隣接する辺において、略矢印形状の突出部A17を有している。
【0044】
側面部13は、組立状態において栽培槽6の側面4を形成する部分であり、組立状態において前面2または背面3と隣接する辺の近傍に溝孔A18を有している。組立時に、この溝孔A18に突出部A17が挿入される。さらに、側面部13は、底面部14と隣接する辺の付近に溝孔B21を有している。溝孔B21は、組立時に後述する突出部B20を受け入れる。
【0045】
底面部14は、組立状態において栽培槽6の底面を形成する部分であり、複数の排水孔19が設けられている。排水孔19は、直径5mmであり、例えば、千鳥状に配置されている。排水孔19から植物栽培のための水または培養液を排出することができる。排水孔19の大きさおよび配置は、上記のものに限定されず、効率良く排水できることを考慮して穿設されればよい。
【0046】
支持部15は、底面部14と隣接している辺とは反対側の、側面部13の辺、換言すると、組立シート10を組み立てて組立式栽培容器1としたときの側面の上端部を形成する辺と隣接しており、その表面に湾曲形成溝8を有している。この湾曲形成溝8は、側面部13と支持部15とを区切る折り曲げ溝と略平行に形成されている。
【0047】
湾曲形成溝8が支持部15に設けられていることにより、支持部15を湾曲させることができ、支持部15は、図1に示すように、組立状態において支持体7となる。
【0048】
湾曲形成溝8の間隔は、例えば、1cm程度の間隔で設ければよいが、一定間隔で設ける必要は必ずしもなく、所望する湾曲面の曲率半径を実現するために適宜調節すればよい。具体的には、組立式栽培容器1の外側に向かって湾曲形成溝8の間隔が徐々に小さくなるように、当該湾曲形成溝8を形成してもよい。
【0049】
湾曲形成溝8は、図3に示すように、折り曲げ溝11よりも浅い溝であることが好ましい。湾曲形成溝8および折り曲げ溝11は、組立シート10に対して押圧処理を施すことにより形成されており、湾曲形成溝8を形成する際の押圧力は、折り曲げ溝11を形成する際の押圧力よりも小さい。そのため、湾曲形成溝8は、折り曲げ溝11よりも浅くなっている。この違いにより湾曲形成溝8は、折り曲げ溝11よりも折れ曲がりにくくなっており、なめらかな湾曲面を支持体7に形成することができる。つまり、湾曲形成溝8を形成する際の押圧力を折り曲げ溝11を形成する際の押圧力よりも小さくすることにより、湾曲形成溝8を完全に折り曲げることなく、なだらかな曲面(湾曲面)を形成することができる。
【0050】
また、湾曲形成溝8は、図3に示すように、リブ孔23の伸長方向に対して直角に形成されている。湾曲形成溝8(または折り曲げ溝11)をリブ孔23の伸長方向に対して略平行な方向に設けた場合には、上記溝に沿って組立シート10を折り曲げようとしても、折り目が直線状になるように折り曲がらない場合が多く、支持部15をなめらかに湾曲させることも困難となる。それゆえ、リブ孔23の伸長方向に対して略直角に湾曲形成溝8を設けることにより、組立シート10を折り目が直線状になるように折り曲げることができ、その結果、支持部を秩序正しく湾曲させることができる。
【0051】
位置決め底面部16は、側面部13と隣接している辺とは反対側の、支持部15の辺から延出しており、支持部15と隣接している辺とは反対側の辺において突出部B20を有している。この突出部B20は、組立時に側面部13が有する溝孔B21に挿入される。
【0052】
位置決め底面部16(組立状態においては位置決め底面9)の役割は、支持部15(組立状態においては支持体7)の、側面4に対する相対位置を固定することである。支持体7の位置を側面4に対して固定することにより、支持体7の形状も固定される。それゆえ、組立式栽培容器1を移動させた場合でも支持体7の湾曲形状が変化する可能性を低減することができる。
【0053】
上述したように、組立シート10を折り曲げ溝11に沿って折り曲げることにより、図1に示す組立式栽培容器1を形成することができる。組立式栽培容器1は、前面2、背面3、側面4、底面5によって形成される、上部が開口した略箱形状の栽培槽6、支持体7、位置決め底面9(固定手段)を備えている。
【0054】
前面2、背面3、側面4は互いに、それぞれの面が有する溝孔または突出部(接続手段)によって隣接する面と結合されている。
【0055】
栽培槽6は、培養土を入れる容器であり、ここで植物を栽培する。
【0056】
支持体7は、その表面に前述の湾曲形成溝8を有しているため、なめらかに湾曲することができる。支持体7が有する湾曲面は、側面4の上端部を視点とすると徐々に傾斜が大きくなっていく面である。換言すれば、側面4の上端部と、側面4の上端部と隣接する辺とは反対側の支持体7の辺(支持体7の末端部)とを含む平面を基準平面とすれば、支持体7が有する湾曲面は、上記基準平面を隔てて側面4が存在する空間とは反対側の空間において上記基準平面に対してふくらんだ形状を有している。さらに換言すれば、支持体7が有する湾曲面は、栽培槽6の外側に向かって緩やかに下降するように湾曲している。
【0057】
支持体7がなだらかな湾曲面を有しているため、果梗が伸びる植物、例えばイチゴ、を栽培する場合には、伸長した果梗および果実を支持体7で支えることができ、これにより果梗が折れる可能性を低減できる。また、支持体7は、位置決め底面9を介して栽培槽6に固定されているため、支持体7の栽培槽6に対する相対位置は略固定されている。そのため、外部からの衝撃、例えば、作業者の体が触れることによる衝撃、によって支持体7の湾曲形状が大きく変化することを防ぐことができ、支持体7の湾曲形状の変化に伴って果梗または果実が傷付く可能性を低減することができる。
【0058】
支持体7の湾曲形状は、当該支持体7の長さ(支持部15の、湾曲形成溝8に対して垂直な方向の長さ)に加えて、位置決め底面9の幅9aをどの程度の長さにするのかによって変化する。例えば、幅9aを大きくすれば、支持体7の傾斜はなだらかになり、逆に、幅9aを小さくすれば、支持体7の傾斜は急になる。支持体7の傾斜をなだらかにすると、組立式栽培容器1の占有面積が増えることになり、支持体7の傾斜を急にし過ぎると、支持体7の、果梗および果実を支持する能力が低下する。そのため、占有面積と果梗および果実の支持能力とを考慮して幅9aを設定する必要がある。本実施の形態の組立式栽培容器1では、支持体7と位置決め底面9とによって、支持体7と位置決め底面9との境界付近において形成される角度9bは、略65度である。
【0059】
また、支持体7の表面を光反射率の高い銀色にしてもよい。支持体7の表面に光を反射させる特性を持たせることにより、果実に効率良く光を照射することが可能となる。
【0060】
以上のように、本実施の形態の組立式栽培容器1は、少なくとも1枚の組立シート10からなり、組立シート10は、折り曲げ溝11において折り曲げられることにより栽培槽6を形成し、栽培槽6は、当該栽培槽6の側面4の上端部を形成する辺から延出する支持体7を備えており、支持体7の表面には、上記辺に対して略平行な方向に延びる複数の湾曲形成溝8が設けられており、湾曲形成溝8によって、支持体7に湾曲形状が形成される構成である。
【0061】
そのため、支持体7によって果梗および果実を支持することにより、当該果梗および果実が損傷することを防ぐことができるとともに、組立式の容器であるが故に、当該容器の輸送コストを削減し、保管スペースを節約することができる。
【0062】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
図4は、本実施形態の組立式栽培容器30の構成を示す斜視図である。なお、図4は、高架栽培用のフレーム32に組立式栽培容器30を設置した状態を示している。組立式栽培容器1との違いは、組立式栽培容器30においては、前面2および背面3が底面5から分離されているとともに、底面5に連結部31(連結手段)が設けられている点である。
【0064】
連結部31は、底面5の、側面4と接していない辺の少なくとも一辺に設けられている。この連結部31は、組立式栽培容器30を連結する際に、接続対象となる他の組立式栽培容器30の底面5の表面に重ね合わせられる。さらに連結部31と底面5との重層部分を公知の留め具、例えば、先割れピン、ステープル等、により固定すれば、組立式栽培容器30同士の連結は強固なものとなる。
【0065】
連結された組立式栽培容器30の長手方向の末端部には、前面2および背面3が着装され、この着装により栽培槽6が形成される。上記着装は、前面2または背面3が有する突出部A17を側面4が有する溝孔A18に挿入することにより行われる。
【0066】
上記連結の際に、側面4と支持体7とによって形成される空間にフレーム32を通すことにより、複数の組立式栽培容器30を直線的に連結させていくことが容易になる。
【0067】
以上の構成により、複数の組立式栽培容器30を長手方向に連結することが容易となり、圃場の形状に合った長さの栽培容器を実現することができる。そのため、圃場のスペースを無駄なく、効率的に使用することができる。
【0068】
なお、上述においては、組立シート10は、合成樹脂材料からなるものが好ましいとしているが、組立シート10の材料は合成樹脂に限定されない。合成樹脂と同等以上の可撓性、強度を有する材料であればよい。
【0069】
また、上記の構成では、連結部31は、底面5に備えられているが、側面4に設けられていてもよいし、その両方に設けられていてもよい。また、底面5の、側面4と接していない辺の一辺に連結部31を受け入れる凹部を設け、当該凹部と連結部31とを嵌合させることにより組立式栽培容器30同士を連結させてもよい。また、連結部31とは異なる連結手段によって組立式栽培容器30を連結してもよい。上記連結手段としては、蝶番、ステープル等が挙げられる。
【0070】
また、組立式栽培容器30に前面2および背面3を取り付ける作業を容易にするために、連結部31を切り取ることが容易な構成にしてもよい。例えば、連結部31と底面5との境界線にミシン線が設けられていてもよい。
【0071】
また、上記の構成では、支持体7は、栽培槽6の両側面の上端部から延出しているが、片側側面のみから延出していてもよい。また、支持体7の位置決めを行う手段も位置決め底面9に限定されない。例えば、支持体7は、当該支持体7を、組立式栽培容器1が載置されている台、床、地面等に固定するための部材を有していてもよい。また、位置決め底面9とは異なる部材を介して、支持体7を栽培槽6に固定してもよい。
【0072】
また、折り曲げ溝11および湾曲形成溝8は、組立シート10の両側表面に形成されていてもよい。また、折り曲げ溝11および湾曲形成溝8は、同じ形状の溝であってもよい。
【0073】
また、上記の構成では、突出部A17およびB20、さらに、これらの突出部を受け入れる溝孔A18およびB21は、一辺に1つずつしか設けていないが、それぞれ複数設けてもよい。また、突出部A17およびB20の形状も、略矢印形状に限定されず、適宜変更してもよい。
【0074】
さらに、上記突出部および上記溝孔を用いずに、その他の固定用の部材を用いて面と面とを結合させてもよい。上記固定用の部材としては、蝶番、ボルトおよびナット、先割れピン、ステープル、角縁結合部材等が挙げられる。
【0075】
また、上記の構成では、側面4と位置決め底面9とがなす角度は鋭角であるが、側面4と位置決め底面9とがなす角度は直角であってもよい。すなわち、栽培槽6の形状は、略直方体または略立方体であってもよい。
【0076】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
植物栽培、特にイチゴ栽培に適した組立式容器として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本実施形態の組立式栽培容器の構成を示す斜視図である。
【図2】本実施形態の組立シートを示す平面図である。
【図3】本実施形態の組立シートに設けられた湾曲形成溝の配置および構造を示す斜視図である。
【図4】本実施形態の組立式栽培容器の別の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0079】
1 組立式栽培容器
7 支持体
8 湾曲形成溝
9 位置決め底面(固定手段)
10 組立シート
15 支持部
16 位置決め底面部
17 突出部A(接続手段)
18 溝孔A(接続手段)
20 突出部B(接続手段)
21 溝孔B(接続手段)
23 リブ孔(複数の溝孔)
30 組立式栽培容器
31 連結部(連結手段)
【出願人】 【識別番号】596005964
【氏名又は名称】住化農業資材株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目6番17号
【識別番号】391065781
【氏名又は名称】第一大宮株式会社
【住所又は居所】大阪府摂津市鳥飼新町1丁目6番25号
【出願日】 平成17年4月26日(2005.4.26)
【代理人】 【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人原謙三国際特許事務所

【公開番号】 特開2006−304629(P2006−304629A)
【公開日】 平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願番号】 特願2005−128340(P2005−128340)