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【発明の名称】 未成熟木材を産出しない間伐方法
【発明者】 【氏名】渡邊 定治

【氏名】田口 和憲

【要約】 【課題】旧態依然とした林業の施業方法を見直し、新たな伐採方式を盛り込んだ新しい施業方法を提供する。

【解決手段】間伐時、林地においては伐採後、枝切り、玉切り、集積を通常行うが、本発明では加熱加圧瞬間減圧粉砕装置による間伐方法を開発し、これを導入して強度の間伐を行う事で、ムダを省き健全な林地に仕立て直す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種針葉樹林、各種広葉樹林、各種混交林の天然林、天然林の人工誘導林、人工林において、木材の産出をしないことを特徴とする間伐方法。
【請求項2】
各種針葉樹林、各種広葉樹林、各種混交林の天然林あるいは人工林において、間伐作業において産出される間伐材を、間伐林地内において伐採と同時に加熱加圧瞬間減圧粉砕装置によりチップ化する間伐方法。
【請求項3】
間伐林地内において伐採と同時にチップ化したチップの飼料化ならびに肥料化の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、林地において伐採と伐採後の材のチップ化を同時に行う事により、特に間伐により産出される用途の少ない未成熟木を林地から持ち出す労力を無くし、しかもチップは林地の肥料あるいは家畜の飼料となり、優良な森林に育成する事を可能にする間伐方法に関する。
【0002】
本発明は、伐採装置・方法そのものを刷新したものである。このため森林に限らず、人家密集地など第三者への安全性の懸念から伐倒不可能と思われていた地域でも植生密度のコントロールを可能にする技術に関する。
【0003】
本発明は、チップ化した木材を現地で家畜飼料化・有機肥料化することを可能にする技術に関する。
【背景技術】
【0004】
我が国において針葉樹は建築重要樹種であり、造林においても大きな割合を占めている。しかし実際の森林管理が適正に実施されているところは少なく、手遅れになっている林地も多いのが現状である。現在の施業方法の多くは、木が売れに売れていた時代の名残を引きずっており、無駄な作業が多く、新しい林業の施業形態がながく求められていた。
【0005】
間伐すると必ず間伐材が発生すると言う呪縛があった。これは未成熟木に商品価値が全くなく、しかも過剰な経費がかかるにも関わらず伐採したら山出しするということが伝統的に行うべき作業として固定化してしまっていて、抜け出せないでいた。
【0006】
木材のチップを現地で飼料化・肥料化する概念及び技術はなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
1:荒廃した間伐手遅れ林の減少と回復
スギ・ヒノキなどの人工針葉樹林は間伐遅れのため林床が暗くなり、下草や潅木が見られず土が露出している斜面も多い。この現象の解消。このような森林は他の動植物が暮らせないばかりか、保水力も乏しく、木の根の張りも弱いため土砂崩れなどの災害を誘発する。また光合成量や養分が乏しいので、ひょろ長い木が多く、大雪や台風の際に折れることがあり、これは本来の目的である木材生産の点からも好ましくない。
2:花粉症対策_単一樹種の極端な増加
一斉伐採→単一樹種の一斉造林によって人為的に誕生した広大なスギ林は花粉症の原因となっており、その放置も問題となっている。これは一刻も早く解決しなければならない問題である。
3:難解な間伐作業
t間伐すると必ず間伐材が発生し、しかもそれらは金にならない現実とその呪縛があった。これは未成熟木に商品価値がないのであって、利用間伐と除伐が混同されていることが大半である。従事者でさえ混同したことをかたくなに信じている場合が多い。
4:間伐材の利用方法
木材形状での利用にとらわれすぎている問題がある。
5:環境林・治山に対する認識不足の解消
6:時代に合っていない林業施行方法を明らかにする
本発明は、これらの課題を解消するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、今まで開発されてきたあらゆる育林施業方法、間伐施行方法下においても有効である。
施業方法
1:樹高を測り形状比(樹高÷胸高直径)を算出し、形状比70以下の木を残し、加熱加圧瞬間減圧粉砕装置を用い強度の切り捨て間伐を行なう。
同時に枝打ちを併用する。
林地に風と光を入れ、一気に草や雑木を生やし、5〜10年放置しても大丈夫な林地に仕立てる。
不要な木(枯れた木・折れた木・曲がり木・病気や虫に侵された木、傷のある木、二股木)を伐り、林分を確認し、見通しを良くする。
残したい優良木の胸高直径を測りそれに対して、下記数値を目安に半径4メートル円内に残す本数を割りだす。
(胸高直径(cm)に対する半径4m円内の本数(本);14cm/10本・18/6・24/4・30/3・35/2・44/1)
2:伐採
半径4mの円内本数を守りながら、残す木に目印をつけて、作業林地すべての選木をする。
選木が終わったら一気に加熱加圧瞬間減圧粉砕装置で伐採を行う。この装置は一カ所が縦全体に開き、ベルクロで密閉できるようになっている蛇腹構造で不透過性のケブラー製である。上下に金属製の固定リングがあり、伐採する木の根元付近にいったん装着し、上部を樹冠付近までのばして粉砕作業を行う。この方法は樹冠部分の枝など枝葉の一部を除きすべてチップ化するので枝切り、玉切り、集積等が不要である。
粉砕されないものはそのまま放置することにより熊や鹿などの大型獣も入りにくくなり、皮剥などの獣害も防げる。また間伐手遅れで線香林化した林分で、多くが形状比が80以上の時は残存木を風雪害から守るために巻き枯らし間伐を併用する。
チップは林内に敷き詰める事で肥料になる。また余剰チップはセルロース分解酵素を混入し分解を促進する事で家畜飼料への利用も可能となる。
3:枝打
強度の間伐を実施するので枝打ちが不可欠となる。間伐と同時か同じシーズンに枝打ちを終えておく。枝打ちは樹高の半分まで、枝座を残して行う。鉈や斧は高い技術を要求されるので、枝打ちにはアサリの出ていない改良鋸を使う。
【発明の効果】
【0009】
林業の施業方法全体を見直すことでムダの多かった業務を改善できるため、施業後の林地の景観や経済効果を予測しやすくなる。以下、本発明の実施効果について記す。
【実施例1】
【0010】
本発明の方法で間伐を完了すれば、5年〜10年と放置するにつれ環境的にも材を採る上でも理想的な森林になるばかりか、無駄を省いた施業法のため、現行の間伐補助金制度でも十分やっていける。さらに選木がある程度システム化できるので、リーダーを養成すればボランティアでも十分可能な方法である。例えば急斜面の40年生の間伐ておくれ林などは、プロでも手を焼いているが、加熱加圧瞬間減圧粉砕装置を利用すれば女性や子供の参加も可能である。
本来なら間伐材を搬出して、資源として有効に使うのが本筋であるが、現在の経済情勢では難しいため、無理に山出しすることもなく経費がかからない。本発明の方法はチップ化することで肥料や飼料に転換できるので、搬出も容易である。現在行なわれている施業方法の多くは、木が売れ続けた時代の名残りを引きずっていて、無駄な作業が多い。また皆伐→一斉造林という従来の方法は、本来の自然のサイクルから外れ、山にストレスを与えるばかりか、その後の地拵え・植林・下刈りに多大な労力を必要とする。大径木を育て、常に間伐や抜き伐りをくり返しながら、スポットに植えていくという考え方がこの方法により確固たるものになり、新しい林業のあり方を形成してゆくものである。
まずは健全な森林の姿であらねばならない。この発明では、作業後2年、5年、10年と森が美しい姿であり続けることである。
動物たちは下に生えた広葉樹を補食し依存する。良材を生み出しながら、保水力を持って安定した沢水を流し出すという、未来につなげる森林形態なの黄金率である。戦後の拡大造林地が、いま全国各地で間伐の手が入るのを待っている。
近年、集中豪雨による土砂崩れ・水害が各地で多発している。このまま放置すれば雪折れ・台風による被害もますます増え続けることであろう。また、むやみに造林したスギ林が原因といわれている花粉症の問題も深刻である。そして、管理という名の放置。これらは本発明によりなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】施業前と後の理想的林相
【図2】伐採対象木選定基準の参考図
【図3】伐採残存本数の決め方の参考図
【図4】形状比の目測による樹高の測定の仕方
【図5】本発明の間伐後の林内の理想図
【図6】加熱加圧瞬間減圧粉砕装置使用例
【出願人】 【識別番号】505153487
【氏名又は名称】特定非営利活動法人健康福祉サポートシステム
【出願日】 平成17年3月30日(2005.3.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−271361(P2006−271361A)
【公開日】 平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願番号】 特願2005−127053(P2005−127053)