| 【発明の名称】 |
樹脂製植栽用容器およびそれを用いた非平坦屋根緑化工法 |
| 【発明者】 |
【氏名】西岡 武美 【住所又は居所】埼玉県久喜市河原井町9番地 三井化学産資株式会社埼玉工場内
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| 【要約】 |
【課題】折板屋根などの非平坦屋根の屋上緑化を、煩雑な工事を必要とせずに可能とする植栽用容器、およびそれを用いた非平坦屋根緑化工法を提供すること。
【解決手段】両端が閉じられた樹脂製網状筒状体よりなり、少なくとも一つの開口部を有する植栽用容器が提供される。該樹脂製網状筒状体が、樹脂の押出成形によって、内面の一部がフィルムによって被覆されているかまたは被覆されていない、断面円形の網状筒状体を成形して、所望によってその後異なる断面形状に成形して得られたものである植栽用容器は、好ましい態様である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 両端が閉じられた樹脂製網状筒状体よりなり、少なくとも一つの開口部を有する植栽用容器。 【請求項2】 前記樹脂製網状筒状体の断面が、台形であることを特徴とする請求項1に記載の植栽用容器。 【請求項3】 前記樹脂製網状筒状体の両端部において、外周縁より内方に凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の植栽用容器。 【請求項4】 前記樹脂製網状筒状体の両端が、網目状部分を有するキャップによって閉じられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の植栽用容器。 【請求項5】 前記樹脂製網状筒状体が、内面の一部がフィルムによって被覆されているものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の植栽用容器。 【請求項6】 前記樹脂製網状筒状体が、樹脂の押出成形によって、内面の一部がフィルムによって被覆されているかまたは被覆されていない、断面円形の網状筒状体を成形して、所望によってその後異なる断面形状に成形して、得られたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の植栽用容器。 【請求項7】 常緑性植物を定植した請求項1〜6のいずれかに記載の植栽用容器を複数個、非平坦屋根の凹部に配置することを特徴とする非平坦屋根緑化工法。 【請求項8】 前記植栽用容器の植物定植培地上面の面積の合計が、緑化対象面積の1〜50%となるように非平坦屋根面に配置することを特徴とする請求項7に記載の非平坦屋根緑化工法。 【請求項9】 前記非平坦屋根が折板屋根であって、請求項1〜6のいずれかに記載の植栽用容器を折板屋根の凹部に落とし込むように載置することを特徴とする請求項7または8に記載の非平坦屋根緑化工法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、表面に凹凸を有する非平坦屋根の緑化に適した樹脂製植栽用容器およびそれを用いた非平坦屋根緑化工法に関する。さらに詳しくは、網状樹脂製植栽用容器およびそれを用いた非平坦屋根緑化工法に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、緑地の減少、コンクリート建造物の増加、エアコンによる外気放熱など種々の要因による都市部の異常な高温化が社会問題になってきている。このようなヒートアイランド現象を、直射日光の遮断効果や植物の蒸散作用により抑制するために、ビルの屋上を緑化しようとする機運が高まっている。このような屋上緑化設備としては、屋上庭園タイプと薄層緑化タイプが実用化されている。ところが従来の屋上緑化工法においては、緑化面の全面に植物を生育させることが考えられており、そのため緑化部分の全面に、土のような育成培地を設けることが必要であった。 【0003】 この場合、屋上のように日光と風の影響を強く受ける環境において植物を健全に育成するためには、十分な深さの培養土が必要であり、軽量土を使用した場合でも、建物の耐荷重を増加させることが必要になることが多かった。また防水や排水のために種々の工夫が必要であり、緑化工事が煩雑であると共に施工費用が高価であった。 【0004】 工場等の折板屋根の緑化方法も種々提案されている。例えば、特開2000−166375号公報には、折板屋根の谷部を栽培容器部として、該谷部内に植物植生材料がセットする方法が提案されており、特開2004−89090号公報では、折板屋根の凹溝の内面に、防水塗膜層を形成させ、その上に耐根シートを敷設した上に培土を敷き均す方法が提案されている。これらの緑化方法では、谷部に培土をセットするので、降雨水の排水が円滑になされず、降雨水量が多くなると培土が降雨水とともに流失すること、湿潤な培土が折板屋根に常時接触しているので、折板屋根が傷み易くなることなどの問題があった。 【0005】 また特開2004−135650号公報には、折板屋根の山部の頂部に複数本の根太フレームを固定設置し、そこに略平坦な網状部材を敷設固定した上に植栽層を設けた屋上緑化設備が提案されている。しかしながら、ここに提案されている方法では大掛かりで煩雑な工事を必要とするという問題があった。 【0006】 特開2004−137895号公報には、折板屋根の凸状部に止め金具を設け、凹状部に間隙部を有してプランター状のユニット又はプランターを配置して、凸状部に固定して一体化した緑化構造が提案されているが、ここに提案されている方法では風で培養土が飛散するため常に培養土の補充が必要となるほか、飛散した培養土によって樋が詰まるなどの問題があった。 折板屋根の屋上緑化を、簡便な工法で可能とする方法は未だ提案されていない。 【0007】 【特許文献1】特開2000−166375号公報 【特許文献2】特開2004−89090号公報 【特許文献3】特開2004−135650号公報 【特許文献4】特開2004−137895号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 本発明者らは、折板屋根などの非平坦屋根の屋上緑化を、簡便な工法で可能とする技術について鋭意研究した結果、本発明に到達したものである。 本発明は、折板屋根などの非平坦屋根の屋上緑化を、煩雑な工事を必要とせずに可能とする植栽用容器を提供するものである。 本発明は、折板屋根などの非平坦屋根の屋上緑化を、煩雑な工事を必要とせずに屋上緑化を可能とし、形状、大きさおよび開口面積を自由に成形しうる植栽用容器を提供する。 また本発明は、該植栽用容器を用いた煩雑な工事を必要としない折板屋根などの非平坦屋根の屋上緑化工法を提供するものである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明により、両端が閉じられた樹脂製網状筒状体よりなり、少なくとも一つの開口部を有する植栽用容器が提供される。 前記樹脂製網状筒状体の断面が台形である植栽用容器は、本発明の好ましい態様である。 【0010】 前記樹脂製網状筒状体の両端部において、外周縁より内方に凹部が形成されていること前記した植栽用容器は、本発明の好ましい態様である。 前記樹脂製網状筒状体の両端が、網目状部分を有するキャップによって閉じられている植栽用容器もまた、本発明の好ましい態様である。 【0011】 前記樹脂製網状筒状体が、内面の一部がフィルムによって被覆されているものである前記した植栽用容器は、本発明の好ましい態様である。 【0012】 前記樹脂製網状筒状体が、樹脂の押出成形によって、内面の一部がフィルムによって被覆されているかまたは被覆されていない、断面円形の網状筒状体を成形して、所望によってその後異なる断面形状に成形して、得られたものである植栽用容器は、本発明の好ましい態様である。 【0013】 また本発明は、常緑性植物を定植した請求項1〜6のいずれかに記載の植栽用容器を複数個、非平坦屋根に配置する非平坦屋根の緑化工法を提供する。 【0014】 前記植栽用容器の植物定植培地上面の面積の合計が、緑化対象面積の1〜50%となるように非平坦屋根面に配置する前記非平坦屋根緑化工法は、本発明の好ましい態様である。 【0015】 前記非平坦屋根が折板屋根であって、前記した植栽用容器を折板の凹溝に落とし込むように載置する非平坦屋根緑化工法は、本発明の好ましい態様である。 【発明の効果】 【0016】 本発明によれば、煩雑な工事を必要とせずに非平坦屋根の緑化を可能とする樹脂製植栽用容器が提供される。 本発明により形状、大きさおよび開口面積を自由に成形しうる、非平坦屋根の緑化に好適な樹脂製植栽用容器が提供される。 本発明によれば、強風や大雨でも培土が飛び出しにくい非平坦屋根緑化に好適な樹脂製植栽用容器が提供される。 本発明により、樹脂製植栽用容器を用いた煩雑な工事を必要としない非平坦屋根緑化工法が提供される。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 本発明は、両端が閉じられた樹脂製網状筒状体よりなり、少なくとも一つの開口部を有する植栽用容器を提供する。本発明はまた、常緑性植物を定植した本発明の植栽用容器を、複数個屋上面に分散配置する非平坦屋根緑化工法を提供する。 【0018】 本発明でいう非平坦屋根とは、表面に凹凸を有する屋根をいい、折板屋根、波型屋根などを包含するものである。なかでも、折板工法によって施工される折板屋根がその典型であり、本発明の植栽用容器は、特に折板屋根においてよりよくその特徴を発揮する。 【0019】 まず本発明の植栽用容器を、図面を参照しながら説明する。本発明の植栽用容器両端が閉じられた樹脂製網状筒状体よりなる。 本発明の樹脂製網状筒状体の断面は、円形や、正方形、長方刑、台形などの四角形や、その他の多角形の形態をとりうる。また多角形の一つまたは二以上の辺が円弧などの曲面であってもよい。なかでも、断面が逆台形である樹脂製網状筒状体は、折板屋根の凹部に容易に落とし込むことができるので、最も好ましい形状である。 【0020】 本発明の植栽用容器は、樹脂製網状筒状体から構成されているので、植物育成培地に対して適度の通気性と透水性を確保することができるので、培土を不織布で包んで容器に挿入するなどの煩雑な作業は不要となる。 【0021】 本発明の樹脂製網状筒状体における網目のサイズは、使用する培土の粗さなどの合わせて適宜選択することができる。網目のサイズを開口率で表せば5〜70%程度、好ましくは10〜50%程度であることが望ましい。 【0022】 本発明の樹脂製網状筒状体は、少なくとも一つの開口部を設け、両端を閉じて植栽用容器が形成される。 開口部は、植物を植栽するためのものであり、また培土を容器に挿入するためにも使用されるものであって、通常は上方に向けた開口部であることが好ましい。開口部の形状には特に制限がなく、その数は、植栽する植物の種類や、植栽密度に合わせて適宜選択することができる。通常2または3個程度の上方開口部を有することが好ましい。 【0023】 植栽用容器の開口部は、植物の植栽に十分な大きさであればよいが、作業性や作業効率を考慮すると、開口部が円形の場合には、直径が5〜15cm程度であることが好ましい。 【0024】 本発明の植栽用容器は適度の網目開口率を有するので、強風や大雨でも培土が飛び出しにくい植栽用容器である。 【0025】 図2に本発明の植栽用容器の好ましい例が示されている。図2の植栽用容器1は断面逆台形の樹脂製網状筒状体からなり、台形の長辺に当たる上面には、円形の開口部3が設けられており、端部はキャップ4によって閉じられている。 【0026】 本発明の植栽用容器の長さは、要望に合わせていかなるサイズにても製造することができるが、通常1〜1.5m程度であることが好ましい。この程度の大きさであれば、容易に人手で植栽用容器を移動させ、屋根に載置することが可能である。 【0027】 樹脂製網状筒状体の端部を閉じる方法には特に制限がなく、適宜選択した適当な方法を採用することができる。たとえば、網状筒状体の外側に被せるキャップ形状のものであってもいいし、網状筒状体の内側に押し込む形状のキャップであってもよい。キャップは樹脂製網状筒状体の形状に合わせて成形されたものである。 樹脂製網状筒状体の端部のキャップは、接着剤や融着の方法で筒状体を一体化させることもできるが、着脱可能の状態にしておくこともできる。着脱可能であれば、キャップをはずしてそこから培土を挿入したり、培土を交換したりすることができるので、培土の取り扱いがより容易になる。 【0028】 キャップが網状筒状体の内側に押し込む形状のキャップであるとき、キャップの端部が網状筒状体の外端部で停止するよう、キャップ端部に外方に広がるつばを設けてもよい。つばがあると、つばが網状筒状体の端縁に当接する結果キャップが網状筒状体外端部でキチンと停止させることができる。 【0029】 キャップの網状筒状体の内側に面する平面部には、所望によって小孔を有する網目状部を設けることができる。網目状部は平面部の一部であっても全面であってもよい。網目状部を設けることによって、キャップにも通気性と透水性を持たせることができる。したがって、網目状部が平面部の一部に形成されるときは、植栽用容器の下部に当たる部分に形成させることが好ましい。 【0030】 図3は、樹脂製網状筒状体の端部に取り付けるキャップの一例を示す斜視図である。図3のキャップ4には、平面部の下部に複数の小孔を有する網目状部5が設けられている。 図3に示すキャップが、樹脂製網状筒状体の端部の内側に押し込めて端部を閉じている様子は図2の植生用容器の端部に示されている。 図4は同じくキャップの一例を示す図であるが、図4のキャップには外端縁に外方に広がるつば6が設けられている。 【0031】 本発明の植栽用容器の両端部において、外周縁より内方に凹部が形成されていると、植栽用容器を運搬するときに指がかかるので、運搬し易い。図2の植栽用容器1では、端部はキャップ4を内側に押し込める形で閉じられているので、キャップによって植栽用容器の外端縁から内方に凹部が形成されている。外から植栽用容器を覆う形でキャップが被せられているときには、キャップ外側の形状を指がかかるような凹部を形成するものとすることが好ましい。 【0032】 本発明の植栽用容器には、植物を植栽するための開口部が設けられているが、この開口部とは別に肥料などを培土に供給するための小孔を別途設けてもよい。 【0033】 本発明の樹脂製網状筒状体は、従来公知の方法、例えば樹脂の押出し成形法で、断面円形の網状筒状体を成形することによって得ることができる。断面円形の樹脂製網状筒状体は、このようにして成形されたものを適当な長さに切断し、使用することができる。 【0034】 断面が四角形など円形でない形状の樹脂製網状筒状体は、断面円形の網状筒状体を成形した後、熱時にサイジングダイやサイジングプレートなどを用いてサイジングし、所望の断面形状に成形することができる。予め形成された断面円形の樹脂製網状筒状体を、加熱して同様にサイジングして所望の断面形状にする方法や、樹脂製網状シートを加熱して折り曲げ所望の形状の筒状体に成形する方法を採用することも可能である。 断面円形の網状筒状体を成形した後、熱時にサイジングする方法が熱効率の点から最も好ましい成形方法である。この場合、筒状体は連続成形体として得られるので、所望の長さに切断して使用する。そのため植栽用容器として使用する態様に応じて長さを容易に調整することができる。 【0035】 本発明において、樹脂としては熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が使用できる。成形の容易さの観点から熱可塑性樹脂が好ましく、通常熱可塑性樹脂として知られている樹脂から適宜選択して使用することができる。熱可塑性樹脂としてはポリオレフィンやナイロンなどが好適に使用されるが、中でもポリエチレン、ポリプロピレンなどがより好ましく使用される。特には高密度または中密度ポリエチレンが好適に使用される。 このような樹脂は、剛性があるので、それから成形される植栽用容器の運搬や設置場所での取り扱いが容易となる。 【0036】 図5には、樹脂の押出し成形法で成形された断面円形の網状筒状体(パイプ)7が示されている。網状筒状体の径、厚み、網目開口率などは成形条件を適宜選択することにより、所望のパイプとすることができる。 図6は、押出し成形法で得られた断面円形の網状筒状体7を、熱時にサイジングして断面台形の網状筒状体に成形することによって得られた断面台形の網状筒状体8が示されている。 【0037】 樹脂の押出し成形法で断面円形の網状筒状体を成形する際に、網状筒状体内面の一部がフィルムで被覆されるように成形ダイを調整することができる。このように内面の一部がフィルムで被覆された網状筒状体を用いて、本発明の植栽用容器を製造することによって、植栽用容器の網目開口率を部分的制御することができる。 【0038】 たとえば本発明の植栽用容器の底部および/または側部がフィルムで被覆された植栽用容器である場合、底部および側部からの乾燥や透水性を制限することができるので、植栽用容器全体の乾燥や透水性を制御することができることとなる。網状筒状体内面の一部がフィルムで被覆された網状筒状体を用いる植栽用容器は、本発明の好ましい態様である。 【0039】 フィルムで被覆される部分は、網状筒状体の網目開口率や、大きさ、設置環境、培土など使用条件に合わせて適宜設定することができる。設定されたフィルム被覆となるように断面円形の網状筒状体の成形条件,所望によりセイジング条件を調整すれば、容易に所定の内面の一部がフィルムで被覆された網状筒状体を得ることができる。それによって所望の内面の一部がフィルムで被覆された植栽用容器を得ることができる。 【0040】 内面の一部がフィルムで被覆された植栽用容器の好ましい態様例は、図7に示されている。図7は後記で詳述する植栽用容器の載置例を示す概略図であるが、植栽用容器1の黒く表示した部分9がフィルムで被覆された部分である。図7では、底部及び側面がフィルムで被覆された植栽用容器が示されている。 【0041】 次に、本発明の植栽用容器を非平坦屋根に本発明の植栽用容器を設置して、非平坦屋根を緑化する工法について説明する。屋根としては、非平坦屋根の代表として、その好ましい例である折板屋根について説明する。 【0042】 図1は、折板屋根に常緑性植物を定植した植栽用容器を載置した一例を示す部分斜視図である。図1において、折板屋根10の凹部に落とし込むように植栽用容器1が載置されている。図1では、植栽用容器の容器側面が折板屋根凹部と密接する結果固定されており、植栽用容器の下部には空間11が形成されている。植栽用容器に定植した常緑性植物20が折板屋根を覆うように生育している。 【0043】 本発明の植栽用容器1が、折板屋根10の凹部に落とし込む結果、図7に示すように植栽用容器1の側面が折板屋根10の凹部傾斜13と密接して固定されるように、植栽用容器の断面形状を設計することが好ましい。この場合、固定された植栽用容器1の下方に折板屋根凹部の空間11が形成されていることが好ましい。 【0044】 このような空間11が形成されていると、植栽用容器1が折板屋根凹部を閉塞することもなく、降雨時の排水が円滑に行われる。 【0045】 なお、植栽用容器1の断面形状が、植栽用容器側面が折板屋根10の凹部傾斜13と密接して固定されるような形状でない場合でも、植栽用容器の端部が折板屋根の凹部傾斜に当接する結果、植栽用容器が固定される態様であっても、本発明の目的は達成される。この場合でも、固定された植栽用容器の下方に折板屋根凹部の空間が形成されていることが好ましい。 【0046】 したがって、断面円形の網状筒状体を成形し、その形状のまま植栽用容器を製造された断面円形の植栽用容器も、本発明の一態様として使用することが可能である。 【0047】 このように本発明の植栽用容器は、折板屋根凹部で固定されるので、植栽用容器を折板屋根に固定する設備は必要ないが、安全のために植栽用容器を折板屋根に固定できる設備を用いて固定してもよい。このような固定できる設備は、公知の技術から適宜選択することができる。 【0048】 本発明の植栽用容器を折板屋根凹部に載置する態様は、特に制限がなく、植栽用容器を折板屋根凹部に連続して並ぶように載置してもいいし、適当な間隔をあけて分散載置してもよい。 【0049】 通常折板屋根の緑化工法においては、常緑性植物を定植した植物育成培地を、該植物定植培地上面の面積の合計が、折板屋根の投影面積の1〜50%、好ましくは3〜20%となるように屋上面に規則的に分散配置するのが好ましい。 【0050】 本発明の植栽用容器を、分散載置しても屋上面を植物の枝葉で覆うためには、植栽する植物としては、常緑性のものであって、生育が容易で枝葉が繁茂し易い地被植物、とくにつる性の植物が好ましく、例えばウコギ科ヘデラ属の植物の中、ヘリックス種、カナリエンシシス種、アルジェニシス種、コルシカ種、ハイバニカ種などを好適例として例示することができる。 【0051】 このような緑化工法を施す非平坦屋根上面は、防水塗工されていることが望ましい。防水塗工としては、シート防水工法、アスファルト防水工法、樹脂吹き付け防水工法など、肥料、農薬等による腐食への耐久性と耐候性を有する屋根面を形成するものであれば、いずれの工法でもよい。 【0052】 本発明の非平坦屋根の緑化工法において給水設備を設けてもよい。給水方法には特に制限がなく、適宜選択可能な給水方法を採用することができる。給水設備として貯水タンクを設けてそこから随時水が供給されるようにすることができるし、また貯水タンクを用いないで直接水道水を供給する方式であってもよい。植栽用容器内の湿潤状態をセンサーで感知し、必要な時に給水するように構成することもできる。 【実施例】 【0053】 以下に本発明の植栽用容器を用いて折板屋根を緑化する具体的態様例を示すが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。 【0054】 <植栽用容器の製造と植栽> ポリエチレンを押出し成形して、開口率が15%の断面円形の網状筒状体(パイプ)を成形し、続いて断面が台形の樹脂製網状筒状体に成形した。断面形状は、深さ15cm、ピッチ25cmの台形折板屋根に底が3cm浮く状態で載置できるような形状に設計した。パイプ成形の際に成形ダイを調整して、植栽面(台形の上部長辺)になる部分以外の面にはパイプ内面をフィルムがコートして塞ぐようにした。得られた断面台形の樹脂製網状筒状体を、1m長にカットし、両端からそれぞれ20cmのところに直径5cmの円形開口部を設けた。中に培土を充填し、両端に蓋をした。開口部からヘデラヘリックスを植栽した。 ヘデラヘリックスを植栽した容器を、深さ15cm、ピッチ25cmの台形折板屋根の凹部に載置したところ、容器側面が折板屋根凹部と密接して、設計どおり底が3cm浮く状態で固定された。 【0055】 <繁茂状態> 植栽から3ケ月後に繁茂状態を観察したところ、折板屋根全体にヘデラヘリックスが程よく繁茂しており、外観では緑化効果上問題ない状態であった。 【0056】 <遮熱効果> また、緑化しない部分の屋根の表面温度が53℃の時、繁茂下部の同温度は41℃であり、遮熱効果も確認できた。 【0057】 <培土の飛散> 市販の上面がオープンな園芸用ポットと同サイズの本発明の容器に培土を充填し、植生なしで屋外に並べて放置し、30日後に重量変化を調べた。その結果園芸用ポットの減量が145gに対し、本発明の容器の減量はわずか10gであった。 また、上記容器のそれぞれにほぼ全面が覆われる程度にヘデラヘリックスを植栽し、30日後に重量減を調べたところ、市販ポットでは90gであったのに対し、本発明の容器では5gの減量に留まり、土の飛散防止効果が確認された。 【産業上の利用可能性】 【0058】 本発明により提供される樹脂製植栽用容器は、煩雑な工事を必要とせずに非平坦屋根の緑化を可能とする樹脂製植栽用容器である。 本発明により樹脂製植栽用容器は、形状、大きさおよび開口面積を自由に成形しうる、非平坦屋根の緑化に好適な樹脂製植栽用容器が提供される。 本発明によれば、強風や大雨でも培土が飛び出しにくい非平坦屋根緑化に好適な樹脂製植栽用容器が提供される。 本発明により、樹脂製植栽用容器を用いた煩雑な工事を必要としない非平坦屋根緑化工法が提供される。 本発明により提供される植栽用容器は、開口面積を自由にコントロールできるので、強風や大雨でも培土が飛び出しにくく、屋上緑化に好適な植栽用容器である。 また本発明によれば、剛性があって、運搬や設置場所での取り扱いが容易な植栽用容器が提供される。 本発明によって、上記したすぐれた樹脂製植栽用容器を用い、煩雑な工事を必要とせずに折板屋根などの非平坦屋根を緑化する工法が提供される。 【図面の簡単な説明】 【0059】 【図1】折板屋根の凹部に常緑性植物を定植した樹脂製網状植栽用容器を載置した一例を示す部分斜視図である。 【図2】本発明の樹脂製網状植栽用容器の一例を示す斜視図である。 【図3】断面円形の樹脂製網状筒状体の一例を示す斜視図である。 【図4】断面台形の樹脂製網状筒状体の一例を示す斜視図である。 【図5】本発明の樹脂製網状植栽用容器の端部に取り付けるキャップの一例を示す斜視図である。 【図6】図5のキャップでつばを有するキャップの一例を示す斜視図である。 【図7】本発明の樹脂製網状植栽用容器が、折板屋根の凹部に側面を密着させて固定されている様子を示す概略図である。 【符号の説明】 【0060】 1 樹脂製網状植栽用容器 2 折板屋根 3 植栽用容器開口部 4 キャップ 5 キャップ平面部の網状部 6 キャップのつば 7 断面円形樹脂製網状筒状体 8 断面台形樹脂製網状筒状体 9 網状筒状体内面がフィルムで被覆された部分 10 折板屋根 11 折板屋根凹部 12 折板屋根凹部空間 13 折板屋根凹部斜面 20 常緑性植物
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| 【出願人】 |
【識別番号】000175021 【氏名又は名称】三井化学産資株式会社 【住所又は居所】東京都文京区湯島3丁目39番10号
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| 【出願日】 |
平成17年3月29日(2005.3.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075524 【弁理士】 【氏名又は名称】中嶋 重光
【識別番号】100070493 【弁理士】 【氏名又は名称】山口 和
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| 【公開番号】 |
特開2006−271236(P2006−271236A) |
| 【公開日】 |
平成18年10月12日(2006.10.12) |
| 【出願番号】 |
特願2005−93427(P2005−93427) |
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