| 【発明の名称】 |
廃培養土の再生方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】木村 龍之 【住所又は居所】愛媛県大洲市多田甲185 日泉化学株式会社大洲工場内
【氏名】斎宮 晃 【住所又は居所】愛媛県新居浜市新田町3丁目7番17号 日泉化学株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】従来リサイクルが行なわれていなかった使用済みの廃培養土を一般家庭園芸に好適な培養土に再生する廃培養土の再生方法を提供する。
【解決手段】植物栽培に使用した廃培養土を篩い分けして植物残渣やゴミを除去すると共に、その水分含有率が35重量%〜50重量%の範囲となるように水分調整し、水分調整した廃培養土を加熱殺菌し、然る後、殺菌した廃培養土100重量部に対して10乃至100重量部の範囲でクリンカアッシュを添加する。これにより、廃培養土中の肥料成分を保持したまま、その保水性,保肥性および排水性が調整でき、廃培養土を一般家庭園芸用培養土として好適なものへと再生することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物栽培に使用した廃培養土を篩い分けして植物残渣やゴミを除去すると共に、その水分含有率が35重量%〜50重量%の範囲となるように水分調整し、 水分調整した廃培養土を加熱殺菌し、然る後、殺菌した廃培養土100重量部に対して10乃至100重量部の範囲でクリンカアッシュを添加することを特徴とする廃培養土の再生方法。 【請求項2】 前記クリンカアッシュが粒径3mm未満の小粒画分と、粒径3mm以上で且つ12mm未満の中粒画分との少なくとも一方であり、廃培養土の保水性、保肥性および排水性に応じて添加するクリンカアッシュの粒径を調節することを特徴とする請求項1に記載の廃培養土の再生方法。 【請求項3】 クリンカアッシュの添加後、更に有機資材を配合することを特徴とする請求項1又は2に記載の廃培養土の再生方法。 【請求項4】 クリンカアッシュの添加後、更に緩効性の化成肥料を配合することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の廃培養土の再生方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、使用済みの廃培養土を一般園芸に好適な培養土に再生する廃培養土の再生方法に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、経済活動の進展に伴い、一般廃棄物や産業廃棄物などを埋め立て処理する管理型処理場が不足するといった問題が顕在化しており、廃棄物利用やリサイクルなど廃棄物低減に対する社会的要請が一段と高まっている。 【0003】 このような背景を踏まえ、一般廃棄物を利用する技術として、破砕した生ゴミに微生物活動抑制剤及び吸水材を加えて土壌改良材として利用する技術(例えば、特許文献1参照)などが、また、産業廃棄物を利用する技術として、製鉄スラグや火力発電にて使用した石炭灰を植物育成用人工土壌として利用する技術(例えば、特許文献2および3参照。)などが開発されている。 【0004】 これに対し、育苗業者や農家で業務用として使用された培養土(すなわち廃培養土)は、育苗後や定植後に再利用されることなく短期間(具体的には約1週間から1ヶ月程度)で産業廃棄物として廃棄処分されている。 【特許文献1】特開2004−263040号公報 【特許文献2】特開2004−173596号公報 【特許文献3】特開平7−327481号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 この業務用の培養土は、様々な無機質(バーミキュライト,ゼオライト,パーライトおよびベントナイト等)及び有機質(ピートモス,バーク堆肥および炭等)からなる土壌資材や肥料等で構成されており、保水性,排水性,肥料成分およびpH等が厳しく管理されたものである。このため、業務用の培養土がリサイクルされない理由として、(1)育苗後や定植後の廃培養土はその組成が使用前のものから変化しており、構成成分や肥料分の再調整が困難である、(2)再利用するために廃培養土を殺菌した場合、殺菌後の廃培養土中の構成成分に変質の生じる恐れがある、(3)廃培養土は基本的にはヒトにとって無害であり、埋め立て処理しても周辺環境への負荷が低い、などの点が挙げられる。 【0006】 しかしながら、この廃培養土にはまだ植物の生育に有用な肥料成分が多く残っている場合が多く、かかる有用な成分を廃棄物として捨ててしまうのは不経済であり、資源を有効利用して持続可能な社会を築くといった社会的要請にも反することとなる。 【0007】 それゆえ、この発明の主たる課題は、従来リサイクルが行なわれていなかった使用済みの廃培養土を一般家庭園芸に好適な培養土に再生する廃培養土の再生方法を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 請求項1に記載した発明は、「植物栽培に使用した廃培養土を篩い分けして植物残渣やゴミを除去すると共に、その水分含有率が35重量%〜50重量%の範囲となるように水分調整し、水分調整した廃培養土を加熱殺菌し、然る後、殺菌した廃培養土100重量部に対して10乃至100重量部の範囲でクリンカアッシュを添加する」ことを特徴とする廃培養土の再生方法である。 【0009】 育苗業者などから排出された廃培養土には、葉や茎などの植物残渣およびポットやプレートや接ぎ木クリップ等のゴミ(不要物)が含まれているため、この発明では、まず篩い分けして廃培養土中の有機残渣やゴミを除去する。 【0010】 続いて、篩い分けした廃培養土を加熱殺菌するが、この加熱殺菌の前に廃培養土の水分含有率が35重量%〜50重量%の範囲となるように水分調整しているので、加熱時に加熱手段の内部温度が急上昇して殺菌作用よりも廃培養土の乾燥が先に進行することや、熱によって当該培養土の構成成分や肥料分が変質することを防止でき、蒸気殺菌の要領で効果的に廃培養土を殺菌することができる。 【0011】 そして、加熱殺菌した廃培養土に産業廃棄物由来のクリンカアッシュを添加することによって、殺菌した廃培養土の保水性,保肥性および排水性を調整することができ、一般家庭園芸用として好適な培養土に再生することができる。また、比重の高いクリンカアッシュを混合することによって、ある程度の気相を保持しつつ培養土全体が引き締まったものとなり、植物の茎や支柱の直立性を向上させることができる。 【0012】 ここで、廃培養土に添加するクリンカアッシュの添加割合は、廃培養土100重量部に対して10乃至100重量部の範囲であることが好ましい。クリンカアッシュの配合割合が10重量部未満の場合には、クリンカアッシュ添加による保水性,保肥性および排水性の調整効果が期待できず、逆に、100重量部より多い場合には、再生した培養土全体の重量が増加し、一般家庭園芸用としてホームセンター等で販売する際にその持ち運び性が悪くなると共に、再生した培養土に含まれる(廃培養土由来の)肥料分が相対的に減少し、植物の生育が悪くなるからである。また、クリンカアッシュの添加割合が100重量部より多い場合には、培養土全体のpHがアルカリ性側に傾き、植物生育に支障をきたすようになるからである。 【0013】 請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の廃培養土の再生方法においては、「クリンカアッシュが粒径3mm未満の小粒画分と、粒径3mm以上で且つ12mm未満の中粒画分との少なくとも一方であり、廃培養土の保水性、保肥性および排水性に応じて添加するクリンカアッシュの粒径を調節する」ことを特徴とするものである。 【0014】 クリンカアッシュは一般的に多孔質であることから保水性に優れており、また、吸水性を有しない無機物で構成されていることから排水性にも優れているが、粒径によってその機能が異なる。具体的には、保水性は粒子が小さいほど向上し、粒子が大きいほど低下する。逆に排水性は粒子が大きいほどが向上し、粒子が小さいほど低下する。 【0015】 そこで、この発明では、クリンカアッシュとして粒径3mm未満の小粒画分と、粒径3mm以上で且つ12mm未満の中粒画分との少なくとも一方を用いるようにしているので、殺菌した廃培養土の保水性が高く排水性に乏しい場合には、クリンカアッシュの中粒画分を用い(或いは中粒画分を多く混合し)、逆に殺菌した廃培養土の排水性が高く保水性に乏しい場合にはクリンカアッシュの小粒画分を用いる(或いは小粒画分を多く配合する)ことによって、再生した廃培養土の保水性及び排水性を一般家庭園芸に好適なものに調整することができる。 【0016】 請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載の廃培養土の再生方法において、「クリンカアッシュの添加後、更に有機資材を配合する」ことを特徴とするもので、これにより、廃培養土毎の肥料成分の違いや物性の違いを緩和できると共に、栽培中期から持続的な肥料効果を発揮できるようになるので、追肥等の余分な作業を減らすことができ、一般家庭園芸用の培養土として付加価値の高いものを提供することができる。 【0017】 請求項4に記載した発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の廃培養土の再生方法において、「クリンカアッシュの添加後、更に緩効性の化成肥料を配合する」ことを特徴とするもので、これにより、再生した廃培養土に栽培開始から終了まで(概ね4〜6カ月程度)一定の肥料効果を持たせることができる。 【発明の効果】 【0018】 本発明によれば、育苗業者等から排出される廃培養土を篩い分けして高温で加熱殺菌した後、石炭火力発電所等から排出されるクリンカアッシュを添加することによって、廃培養土中の肥料成分を保持したまま、当該廃培養土を保水性,保肥性および排水性が調整された一般家庭園芸用培養土に再生することができる。しかも、再生した廃培養土のマトリックスは廃棄物のみを利用したものであることから廃棄物の低減に資することもできる。 【0019】 また、比重の高いクリンカアッシュを混合することにより再生した廃培養土は培養土全体が引き締まり、植物の茎や支柱の直立性が増すことから、本発明の方法で再生した廃培養土を用いれば、ボリューム感のあるしっかりとした苗に生育させることができ、果菜類のプランター栽培においては、支柱を安定して挿すことができ、継続的に苗を直立させることができる。 【0020】 そして、有機資材や化成肥料を加えることによって、培養土の肥料成分や物性の均一化をより一層高めることができると共に、肥料成分の持続的な効果が期待できる。またこれらの配合量を調整することによって一般的な作物全般に適合する汎用的な培養土組成にすることや栽培する植物毎に特化した専用の培養土とすることもでき、廃培養土の利用可能性をさらに拡げることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0021】 本発明の実施の形態について具体例を示しながら以下に詳述する。 【0022】 本発明の廃培養土の再生方法は、廃培養土を水分調整した後、加熱殺菌し、これにクリンカアッシュ及び必要に応じて有機資材と化成肥料とを配合するものである。 【0023】 まず、本発明の廃培養土の再生方法に使用する廃培養土は、育苗業者などから排出された業務用のもの、或いは一般家庭園芸に用いられたものなどいずれであっても良いが、原料としての集荷が容易であり且つ廃培養土中の肥料残存量が多い業務用のものを用いるのが好ましい。 【0024】 ここで、育苗業者などが業務用に使用する培養土は、育苗業者及び対象植物等の違いにより保水性能や内包される肥料成分にバラツキがある。例えば果菜類の接ぎ木苗を製造する業者が用いる培養土では、播種から幼苗までの育成が目的であり、灌水頻度を極端に減らすため非常に保水性の高い配合になっており、使用済みの培養土を殺菌しただけで一般植物に適用した場合、排水性に乏しいため根腐れを起こしたりカビ病が発生したりする。一方、ラン科植物や多肉植物を出荷する業者が用いる培養土では、植物自体が過湿を嫌うため排水性の高い配合としており、保水効果に乏しい。また、同じ目的で使用される培養土であっても、季節によって配合を変えており、保水性や排水性は異なっているのが普通である。したがって、殺菌した廃培養土を一般家庭向けの園芸用培養土として使用するためには保水性・保肥性及び排水性を調整することが不可欠である。 【0025】 クリンカアッシュは、石炭火力発電所等で石炭を燃やしたときに排出される石炭灰の落下粒子が相互に凝集して塊となったものを破砕・粒度調整した多孔質無機粒状物である。このクリンカアッシュは、かさ比重が約1.0程度であり、その表面には無数の小孔が存在し、保水性,保肥性および排水性の改良効果を有している。また、このクリンカアッシュは、従来、産業廃棄物(石炭の燃え滓)として処分されていたものであることから、非常に安価な材料である。なお、クリンカアッシュは破砕後、市場に出される際に篩い分けされており、主に、3mmの篩を通過した粒径3mm未満の小粒画分,12mmの篩は通過できるが3mmの篩は通過できない粒径3mm以上で且つ12mm未満の中粒画分,12mmの篩を通過できない粒径12mm以上の大粒画分および未篩品の4種類が一般的に流通している。このうち本発明では、保水性,保肥性および排水性の改良効果が大きい小粒画分と中粒画分とを用いている。具体的には、クリンカアッシュは粒径によってその保水性及び排水性が異なっており、保水性は粒子が小さいほど向上し、逆に排水性は粒子が大きいほど向上する。したがって、廃培養土の保水性が高く排水性に乏しい場合にはクリンカアッシュの中粒画分を用い(或いは中粒画分を多く混合し)、逆に殺菌した廃培養土の排水性が高く保水性に乏しい場合にはクリンカアッシュの小粒画分を用いる(或いは小粒画分を多く配合する)ことによって、再生した廃培養土(以下、「再生廃培養土」という。)の保水性及び排水性を一般家庭園芸に好適なものに調整することができる。 【0026】 ここで、再生廃培養土に添加するクリンカアッシュの添加割合は、廃培養土100重量部に対して10乃至100重量部の範囲であることが好ましい。クリンカアッシュの配合割合が10重量部未満の場合には、クリンカアッシュ添加による保水性,保肥性および排水性の調整効果が期待できず、逆に、100重量部より多い場合には、再生培養土の重量が増加し、一般家庭園芸用としてホームセンター等で販売する際にその持ち運び性が悪くなると共に、再生廃培養土に含まれる(廃培養土由来の)肥料分が相対的に減少し、植物の生育が悪くなるからである。また、クリンカアッシュの添加割合が100重量部より多い場合には、培養土全体のpHがアルカリ性側に傾き、植物生育に支障をきたすようになるからである。 【0027】 有機資材は、再生廃培養土に持続性の肥料成分として配合するものであり、具体的にはバーク堆肥やピートモスなどがこれに該当する。 【0028】 かかる有機資材を配合する理由としては以下の点が挙げられる。すなわち、元来、育苗用の培養土は苗を作るという観点から速効性の肥料成分が配合されている。一方、クリンカアッシュには肥料を吸着する能力のあることが知られている。このため、廃培養土にクリンカアッシュを添加すると、廃培養土が含有する速効性肥料の一部がクリンカアッシュの微多孔内に入り込み、その後微多孔内に入り込んだ肥料が緩やかに放出されて肥料効果を発揮するようになる。したがって、殺菌した廃培養土とクリンカアッシュとの混合のみでも栽培初期から終期にかけて必要な肥料成分は確保されており、培養土として十分使用できる。 【0029】 しかしながら、前述のように廃培養土は育苗業者及び対象植物、使用季節等の違いにより、含有している肥料成分にバラツキがある。とりわけ性質の異なる廃培養土を混合して用いる場合には、クリンカアッシュ混合による保肥効果だけでは栽培開始後の肥料成分が安定しないことが考えられる。また、再生廃培養土を一般家庭園芸用培養土とする場合には、栽培初期だけではなく栽培期間中なるべく肥効が継続し、追肥等の余分な作業を減らすことができれば、さらに付加価値を上げることができる。 【0030】 そこで、クリンカアッシュを添加した再生廃培養土にさらに有機資材を配合するのである。このように再生廃培養土に有機資材を配合することで、栽培中期以降も持続的な肥料効果を発揮できるほか、廃培養土毎の肥料成分の違いや物性の違いを緩和させ、また、廃培養土のpHを緩衝させることができる。特にピートモスに関してはそのpHが約4程度の酸性であり、混合したクリンカアッシュ(アルカリ性)のpH緩衝効果が期待できる。 【0031】 ここで、再生廃培養土に配合する有機資材の配合割合は、再生廃培養土100重量部に対して100重量部以下、より好ましくは70重量部以下である。有機資材の配合割合が100重量部より多くなると再生廃培養土に予め含まれている肥料の効果が有機資材にかき消され、かえって生育が悪くなると共に、クリンカアッシュを混合して調整した再生廃培養土の保水性および排水性のバランスが崩れ、植物栽培時の水管理が困難になるからである。 【0032】 なお、有機資材の配合方法については、再生廃培養土の性質に応じて、バーク堆肥やピートモスなどを各々単独で配合するようにしてもよいし、複数のものを混合して配合するようにしてもよい。 【0033】 化成肥料は、上述した有機資材と同様に再生廃培養土に配合する肥料成分である。この化成肥料としては、再生廃培養土を用いて植物栽培する際、栽培開始から終了までの全期間(概ね4〜6カ月程度)において、ゆっくりと分解することにより再生廃培養土に所定の肥料効果を与え続ける緩効性のものが好適である。 【0034】 かかる緩効性の化成肥料を配合する理由としては以下の点が挙げられる。すなわち、前述のように廃培養土は育苗業者,対象植物および使用季節等の違いにより、肥料成分や水分の含有量が異なっており、中には肥料成分が十分でないものも存在している。このような肥料成分が十分でない廃培養土を再生して植物栽培に使用した場合、栽培初期に肥料不足の問題が生じる。また、再生廃培養土を果菜類(トマト,ナス,ピーマンおよびキュウリ等)の栽培や一般家庭園芸におけるプランター栽培に使用する場合には、肥料管理の手間を防ぐ等の観点から一定の肥料効果を持続させることが必要である。それ故、これらの課題を解決するために緩効性の化成肥料を配合するのである。 【0035】 ここで、添加する化成肥料については、緩効性のものであれば如何なるものであってもよく、複合肥料や農薬成分入りのものでもよい。また、その成分や効果持続期間については適用する植物種により適宜選択し、混合量も適用する植物種により適宜調整する。このように化成肥料の配合方法を調整することによって再生廃培養土を一般的な作物全般に適合できる汎用的な培養土組成にすることもできるし、植物毎の栽培に特化した専用の培養土組成にすることもできる。 【0036】 次に、以上のような材料を用いて廃培養土を再生する際には、まず、育苗業者などから排出された廃培養土を篩機にかけて葉や茎などの植物残渣およびポットやプレートや接ぎ木クリップ等のゴミ(不要物)を除去する。 【0037】 ここで、箭機は振動により自動的に篩い分けできるものが好ましく、また、篩の網目の大きさ(直径)は、篩にかける廃培養土の水分量および粒度により適宜選択するが、10mm〜25mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは15mm〜20mmである。網目の大きさが10mmより小さい場合には篩が目詰まりを起こし作業性が極端に悪くなり、逆に25mmより大きい場合には篩を通過した廃培養土中に植物残渣やゴミなどが多数混入するようになるからである。 【0038】 続いて、篩を通過した廃培養土の水分含有率が35重量%〜50重量%の範囲となるように水分調整する。 【0039】 通常、廃培養土には既に30重量%〜50重量%程度の水分が含まれているので、これを加熱すれば廃培養土中から水蒸気が発生し、蒸気殺菌の要領で廃培養土を殺菌できる。しかしながら、廃培養土中の水分含有率が30%より少ない場合には、加熱を行なう炉の内部温度が急上昇し、殺菌作用よりも廃培養土の乾燥が進み、熱によって廃培養土の構成成分(とりわけ有機成分や肥料分)が変質する恐れがある。このため廃培養土の水分含有率が低い場合には、加熱殺菌する前に予め散水等の作業により35%程度の水分量にしておく必要がある。逆に廃培養土中の水分含有率が50重量%よりも多い場合には、加熱殺菌する際に多量の熱エネルギーを投入しなければならず、また、培養土の流動性が悪くなり作業効率が低下する。したがって、この場合には天日乾燥などで廃培養土中の水分含有率を50重量%以下に調整する必要がある。 【0040】 続いて、水分調整が完了した廃培養土を市販のロータリーキルン(傾斜回転ドラム式加熱炉)等の加熱手段に投入し、廃培養土を加熱殺菌する。加熱手段としてロータリーキルンを用いる場合、加熱条件の設定は、炉内温度・投入スクリューおよびロータリーキルンの回転速度でおこなうが、キルン出口付近の廃培養土温度が概ね60℃以上であれば殺菌は完了しており栽培に支障がない。なお、乾燥前の廃培養土の含有水分や粒度により乾燥条件を設定し、乾燥後の水分量を調整することも可能である。 【0041】 そして、加熱殺菌が完了した廃培養土にクリンカアッシュを添加して廃培養土の保水性,保肥性および排水性を調整し、更に必要に応じて所定量の有機資材および緩効性の化成肥料を配合することによって一般家庭園芸用培養土への再生が完了する。 【0042】 本発明の廃培養土の再生方法によれば、育苗業者等から排出される廃培養土を篩い分けして高温で加熱殺菌した後、石炭火力発電所等から排出されるクリンカアッシュを添加することによって、廃培養土中の肥料成分を保持したまま、当該廃培養土を保水性,保肥性および排水性が調整された一般家庭園芸用培養土に再生することができる。しかも、再生した廃培養土のマトリックスは廃棄物のみを利用したものであることから、廃棄物の低減に資することもできる。 【0043】 また、比重の高いクリンカアッシュを混合することによって、ある程度の気相を保持しつつ再生廃培養土全体が引き締まったものとなり、植物の茎や支柱の直立性が増すことから、本発明の方法で再生した廃培養土を用いれば、ボリューム感のあるしっかりとした苗に生育させることができ、果菜類のプランター栽培においては、支柱を安定して挿すことができ、継続的に苗を直立させることができる。 【0044】 さらに、通常、培養土は袋詰めして出荷されるが、製造工場や販売店の屋外にて雨ざらしで放置される可能性がある。このような場合、袋に小孔が開いていると当該小孔より雨水が流入・流出し、培養土中の肥料成分が消失或いは変質する恐れがある。しかしながら、本発明の廃培養土の再生方法では肥料の吸着能力を有するクリンカアッシュを添加しているので、肥料成分の流出や変質を防ぐことができ、製造後袋詰めの状態で屋外にて保存した場合であっても肥料成分を保持したまま長期保存が可能である。 【0045】 そして、有機資材や化成肥料を加えることによって、培養土の肥料成分や物性の均一化をより一層高めることができると共に、肥料成分の持続的な効果が期待できる。またこれらの配合量を調整することによって一般的な作物全般に適合する汎用的な培養土組成にすることや栽培する植物毎に特化した専用の培養土とすることもでき、廃培養土の利用可能性をさらに拡げることができる。 【実施例】 【0046】 以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。 [廃培養土の再生] 廃培養土として接ぎ木用の幼苗育成に使用した廃培養土を準備し、傾斜型の振動篩機(サイズ:900mm×1800mm,篩目20mm角,モーター:3.7kw×4基)を用いて篩い分けし、廃培養土中の植物残渣やゴミ等を除去した。なお、この廃培養土は保水性が非常に高く、約40〜50重量%の水分を含有していた。 【0047】 続いて、篩い分けした廃培養土をロータリードライヤー(ドラム寸法:内径1000mm×長さ4600mm、モーター:5.5kw)に投入し、出口温度が60℃前後となるような条件にて加熱殺菌を行なった。この際、加熱殺菌後の廃培養土中の水分含有率は概ね35重量%であった。 【0048】 そして、加熱殺菌後の廃培養土に対して、表1に示す配合割合でクリンカアッシュ,有機資材および化成肥料を添加して実施例1〜5の再生廃培養土を得た。ここで、本実施例で使用した廃培養土は保水性が高いためクリンカアッシュとして中粒画分を用いた。また、有機資材としてバーク堆肥とピートモスとを1:1で配合したものを用い、化成肥料として住友化学(株)社製のスミカエース(登録商標)EX14を用いた。 【0049】 なお、比較例として市販の軽量培養土(市場価格600円/14リットル程度のもの;比較例1)および何ら処理を行なっていない上記廃培養土(比較例2)を用意した。 【0050】 [栽培試験] 上述した各実施例および比較例の培養土を9cmポットに充填し、各ポットにコマツナ(小松菜)の種を1つ播いて栽培し、播種から1カ月後の苗の生重量を測定した。得られた結果を表1に示す。なお、表1における生重量は各例それぞれ3苗ずつ測定した値の平均値であり、「生育比」とは比較例の苗の生重量を100%とした場合における各実施例の苗の生重量比率を表したものである。 【0051】 【表1】
【0052】 表1より、実施例1〜5の再生廃培養土によれば、市販の培養土である比較例1及び廃培養土をそのまま用いた比較例2に比べて同等若しくはそれ以上の植物生育効果があることが分かる。特に、栽培開始から培養土に肥料効果を与える化成肥料が配合された実施例3では、化成肥料を添加しない実施例2や比較例1及び2に比べて約2倍の生育効果があることが窺える。 【0053】 なお、上述したとおり各実施例ではクリンカアッシュとして中粒画分を用いたが、これを小粒画分に替えた場合、その生重量は約2割程度減少した。これは本実施例の試験に用いた廃培養土は保水性が高く、小粒画分のクリンカアッシュを添加することで排水性が悪化し、根腐れ状態になったためと考えられる。 【0054】 [長期保存性の評価] 実施例2(表1参照)の組成の再生廃培養土について、袋詰めして1年間保存したものと再生直後のものとを同時に使用して上記[栽培試験]と同様の方法でコマツナの栽培試験を行なった。その結果、両者に生重量に差異は認められず、袋詰めにて長期保存しても肥料分の流出や変化がないことが分かった。 【0055】 [支柱直立性の評価] 実施例2の再生廃培養土および比較例の市販培養土をそれぞれ20リットル用深型プランターに充填すると共に、これに支柱を立ててトマト苗およびキュウリ苗を植付け栽培した。その結果、各苗の生育速度に有意な違いは認められなかったものの、比較例の市販培養土では生長するに従って地上部の重みで支柱ごと茎が曲がってしまった。これに対し、実施例2の再生廃培養土では支柱の曲がりが全く起こらず、茎は直立したままの状態であった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591025082 【氏名又は名称】日泉化学株式会社 【住所又は居所】愛媛県新居浜市西原町2丁目4番34号
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| 【出願日】 |
平成17年3月28日(2005.3.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082429 【弁理士】 【氏名又は名称】森 義明
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| 【公開番号】 |
特開2006−271222(P2006−271222A) |
| 【公開日】 |
平成18年10月12日(2006.10.12) |
| 【出願番号】 |
特願2005−91766(P2005−91766) |
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