トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 障害土壌検出改良方法
【発明者】 【氏名】笠原 敬介

【氏名】金澤 晋二郎

【氏名】山下 泰寿

【要約】 【課題】障害のある検査対象土壌の障害原因を特別の分析や装置を用いることなく、現場において正確に発見でき、その対策を具体的に示すことができる障害土壌検出改良方法を提供する。

【解決手段】障害のある検査対象土壌2とこれに対処手段を混在させた実験用土壌を入れたボトル1a,1A等を準備し、これに同一の種子又は苗を植付ける。この両者の発芽,生育状態を観察し、差があれば、対処手段を基にしてその検査対象土壌2の障害がわかる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発芽状態の悪い障害土壌検出方法であって、該方法は、検出対象土壌に発芽障害の原因を検出するための対処手段を混合させた実験用土壌をあらかじめ作り、該実験用土壌と前記検出対象土壌とに同一の種子又は苗を植設し、両者の発芽状態の観察と前記対処手段の内容から前記検出対象土壌の障害の原因を検出することを特徴とする障害土壌検出改良方法。
【請求項2】
前記対処手段が、炭添加,殺菌,ろ過,多量要素添加,微量要素添加,消石灰添加であり、前記両土壌に発芽状態の差が観察された場合、前記検出対象土壌が前記対処手段に対応して、炭添加の場合は塩濃度障害,病原菌障害,重金属障害であり、殺菌の場合は病原菌障害であり、ろ過の場合は塩濃度障害,多肥障害であり、多量要素添加の場合は少肥障害であり、微量要素添加の場合は少肥障害であり、消石灰添加の場合は病原菌障害,PH障害であることを特徴とする請求項1に記載の障害土壌検出改良方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、色々の原因で発芽の状態がよくない障害土壌の障害の原因を検出する検出方法に係り、特に、現場において比較的容易に、かつ短時間に行われる障害土壌検出改良方法に関する。
【背景技術】
【0002】
土壌には色々の植物栄養素が混在しているが、その土壌が植付けられる種子又は苗に適合したものであるが不明のため、植種をした後にのみその土壌がその種子等に適合していないことがわかり、大きな障害を生じる問題点があった。この問題点の解決のため、従来でも「特許文献1」,「特許文献2」に示すような発芽試験が行われ、土壌の適合性の事前判断を行うものがあったが、従来の発芽試験は一般の人々が行うには難しく、かつ馴染の薄いものであり、かつ障害に対する適切な対応処置が不明確であった。また、発芽試験により各種のデータが出るものの、その土壌の改良方法が明確指示できず、当業者の経験に頼るしかなかった。
【0003】
その結果、栄養過剰土壌なのに更に施肥をしたり、微量栄養が足りないのに多量栄養ばかりを施肥したり、粘土土壌なのに水を切りすぎり酸欠をおこしたり、塩濃度障害が進行しているのに更に化学肥料を施肥したり、未熟堆肥の施肥でガス害がでているのに更に未熟堆肥を投入したり、土がかたくなり保温性や通気性が悪くなるという物性の問題なのに更に液肥をかけたり、土中の残留根とかの腐敗でカビ等の菌が繁殖しているのに殺菌及び拮抗菌したり、アルカリ土であるにも拘らず土壌改良として消石灰を入れたり、重金属障害にもかかわらずそのまま栽培を続けたりする余分で害のある行動がとられていた。以上の行動をおこさせる原因としては、植物が育たないのは栄養不足であるという固定概念があること、窒素,リン酸,カリだけで植物が育つと思っていること、水をたくさんあげた方がよいと思っていること、ハウスは雨がかからず土を休ませない場合が多いことを知らないこと、堆肥の良し悪しがわからず、生に近いほうが効くと思っていること、液肥では土壌改良ができないことを理解していないこと、有機物は全て栄養になると思っていること、殺菌方法がわからないこと、土壌改良は消石灰混合と思っていること、工場跡地やごみ埋立地跡であったかの認識の薄いこと等の思い違いによるためである。
【特許文献1】特開2002−281809(全文)
【特許文献2】特開平10−304714(全文)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
植物生育の障害とその障害があった場合の植物の発育状態としては次の点に主に絞られ、かつその対策としては[表1]に示すものが挙げられる。
【0005】
【表1】


【0006】
「表1」に示した対策は有効のものであるが、原因発見に時間がかかりすぎて現場的でない。そこで、「表1」に示した対策を現場的に、かつ短期間に見出す検出方法が求められていた。
【0007】
本発明は、以上の事情に鑑みて発明されたものであり、障害土壌の障害の検出と、その改良のため対応が容易に、かつ正確にできる障害土壌検出改良方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記「表1」に示した1から10までの対策を現場で対応できる対処方法にする置換え処置を「表2」に示す。
【0009】
【表2】


【0010】
本発明は、以上の現場での置換処置を参考にして作り出した検出改良方法である。即ち、本発明の請求項1は、発芽状態の悪い障害土壌検出方法であって、該方法は、検出対象土壌に発芽障害の原因を検出するための対処手段を混合させた実験用土壌をあらかじめ作り、該実験用土壌と前記検出対象土壌とに同一の種子又は苗を植設し、両者の発芽状態の観察と前記対処手段の内容から前記検出対象土壌の障害の原因を検出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項2は、前記対処手段が、炭添加,殺菌,ろ過,多量要素添加,微量要素添加,消石灰添加であり、前記両土壌に発芽状態の差が観察された場合、前記検出対象土壌が前記対処手段に対応して、炭添加の場合は塩濃度障害,病原菌障害,重金属障害であり、殺菌の場合は病原菌障害であり、ろ過の場合は塩濃度障害,多肥障害であり、多量要素添加の場合は少肥障害であり、微量要素添加の場合は少肥障害であり、消石灰添加の場合は病原菌障害,PH障害であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1の障害土壌検出改良方法によれば、対処手段を混合した実験用土壌を作り、この実験用土壌と検出対象土壌とに同一の種や苗を植付けてその発芽や発育状態を観察することによって、その検出対象土壌の障害が正確にわかり障害への対処を行うことが容易にできる。
【0013】
また、本発明の請求項2の障害土壌検出改良方法によれば、請求項2に記載する対処手段を用いた実験用土壌と検出対象土壌の発芽発育を比較することにより、障害原因が明確にわかり、対処が具体的に行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の障害土壌検出改良方法の実施の形態を図面及び表を参照して詳述する。「表2」に示した現場での置換処置は重複項目があるため、これを整理すると次の6項目となる。即ち、「対処手段」としては1.炭添加、2.殺菌、3.ろ過、4.多量要素添加、5.微量要素添加、6.消石灰添加となる。
【0015】
まず、図1に示すように「対処手段」の6項目に対応して6個のボトル1a,1b,1c,1d,1e,1fを準備すると共に、これに対応して1A,1B,1C,1D,1E,1Fなる同形のボトルを準備する。この12個のボトルに検出対象土壌2を夫々同量だけ入れると共にボトル1aには「炭添加」( で示す)をし、ボトル1bには「殺菌」( で示す)をし、ボトル1cには「ろ過」( で示す)をし、ボトル1dには「多量要素添加」( で示す)をし、ボトル1eには「微量要素添加」( で示す)をし、ボトル1fには「消石灰添加」( で示す)を夫々行う。
【0016】
次に、ボルト1a〜1f及びボトル1A〜1Fに同一の種又は苗を植える。勿論、生長に必要の水を混在させることも必要である。なお、具体的のやり方としては、検出対象土壌を水に溶解し、その溶液をボトルに脱脂綿等を介して入れ、その上に種子や苗を播くことが望ましい。
【0017】
以上が終了したら、夫々のボトルにおける発芽や生育の状態を観察する。図2はボトル1aとこれに対応するボトル1Aの発芽や生育の状態を示すものであり、ボトル1aの種子がボトル1Aの種子よりも発芽や生育がよかったとする。勿論、他のボトル1b〜1f及び1B〜1Fについても同様の比較をし、ボトル1b〜1fの種子がすべてボトル1B〜1Fのものより発芽や生育がよいものになったとする。以上により「表3」の反応表が作成される。
【0018】
【表3】


【0019】
「表3」は対処手段( 〜 )の添加に実験用土壌(1a〜1f)と検出対象土壌(1A〜1F)発芽や生育に差がついた障害原因を示すものであり、〇印が障害原因を示す。即ち、 の「炭添加」の場合は、検査対象土壌1Aが塩濃度障害と病原菌障害と重金属障害があることがわかる。また、 の「殺菌」の場合は、検査対象土壌1Bが病原菌障害があることがわかる。同様に、 の「ろ過」の場合は塩濃度障害と多肥障害があり、 の「多量要素添加」では少肥障害があり、 の「微量要素添加」では少肥障害があり、 の「消石灰添加」では病原菌障害があることがわかる。
【0020】
以上のように、その検査対象土壌の障害原因がわかったならば、次のような対策がとられる。即ち、塩濃度障害や多肥障害の場合は、塩濃度障害物及び多肥物質を水でながし、濃度を薄くする処置をとる。また、病原菌障害は病原菌を熱処理して殺菌して土壌改善を計る。また、病原菌障害,塩濃度障,重金属障害の場合は、炭を吸着材及び緩衝材として行うことにより障害が緩和される。また、多量要素不足障害は、窒素,リン酸,カリを添加することで生育栄養分が補われる。また、微量要素不足障害の場合はミネラル分を添加することにより生育障害が補われる。また、PH障害は消石灰や硫量を添加しPH調整する。以上の対応により、検査対象土壌に適切の処置が行われ、検査対象土壌の改質が行われる。
【0021】
以上の障害土壌検出方法は現場的に行われ、土壌の改質処置が具体的に示されるため、素人でもその改質処置を簡単に行うことができ、従来技術のように当業者の経験や特別の分析やテストが必要でなくなる。以上により、この障害土壌検出方法は現場的の「シーズセンサ」として便利に適用されることになる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、障害土壌の障害原因の発見としてその改質の対策を与えるものであるが、障害土壌についてはすべてのものに対応でき、その利用範囲は広い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】検査対象土壌対処手段を入れた実験用ボトルとそれに対応する検査対象土壌を入れたボトルを示す断面図。
【図2】実験用ボトルと検査対象土壌のボトルにおける発芽及び生育の差を示す模式図。
【符号の説明】
【0024】
1a ボトル
1b ホトル
1c ボトル
1d ボトル
1e ボトル
1f ボトル
1A ボトル
1B ボトル
1C ボトル
1D ホトル
1E ボトル
1F ボトル
2 検査対象土壌
【出願人】 【識別番号】502073496
【氏名又は名称】笠原 敬介
【識別番号】301033293
【氏名又は名称】金澤 晋二郎
【識別番号】505108557
【氏名又は名称】山下 泰寿
【出願日】 平成17年3月24日(2005.3.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−262792(P2006−262792A)
【公開日】 平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願番号】 特願2005−86278(P2005−86278)