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【発明の名称】 着脱式自動灌漑給水管理装置
【発明者】 【氏名】中川 久美子
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【氏名】清水 修一
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【氏名】下村 義一
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【氏名】門田 千昭
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【氏名】橋本 祥治
【住所又は居所】大阪府大阪市淀川区西中島4丁目2番21号 共立金属工業株式会社内

【要約】 【課題】給水マスに囲われた給水栓の手動バルブの開閉操作が容易で、且つ、前記制御手段を給水マスに簡単に着脱することができる自動灌漑給水管理装置を提供することを課題とする。

【解決手段】灌漑用水を給水する給水栓6からの給水を制御する制御手段10と、該給水栓6の周りを囲う、上方が開放された給水マス2と、を備えた自動灌漑給水管理装置1であって、前記制御手段10は前記給水マス2の上面縁部に着脱自在に取り付けられる構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
灌漑用水を給水する給水栓からの給水を制御する制御手段と、
該制御手段を固定して、上方が開放された給水マスに載置するための基台と、
該給水マス内に配置された給水栓と、
を備えた自動灌漑給水管理装置であって、
前記基台上に前記制御手段を配置し、該基台より下方に給水マスへの挟持固定手段を配置し、該給水マスの上面縁部に着脱可能に取り付けられることを特徴とする着脱式自動灌漑給水管理装置。
【請求項2】
前記給水栓の手動バルブと、前記制御手段とは、平面視でラップしない位置に取付可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の着脱式自動灌漑給水管理装置。
【請求項3】
前記挟持固定手段は、
基台の水平部位端部から下方へ突出した垂直部位に螺装したネジと、
前記水平部位から下方へ垂設した凸部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の着脱式自動灌漑給水管理装置。



【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、水田等に灌漑用水を給水する給水栓に簡単に着脱できる着脱式自動灌漑給水管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
灌漑用水を給水する給水栓からの給水を制御する自動灌漑給水管理装置としては、例えば、特許文献1に開示されているような技術があり、この特許文献1に開示されている自動灌漑給水管理装置は、パイプ灌漑水路を給水状態と給水停止状態とに切り替えするよう開閉作動する給水弁と、電池を動力源として給水弁の開閉作動を駆動する電動アクチュエータと、水田の水位が所定の低水位又は高水位に達したことを水田内に設置したエアトラップ内の圧力感知により電動アクチュエータを駆動するようスイッチ作動する圧力スイッチとを構成し、圧力スイッチが所定の低水位に達したことを感知すると給水弁を開くよう電動アクチュエータを駆動させ、圧力スイッチが所定の高水位に達したことを感知すると給水弁を閉じるよう電動アクチュエータを駆動させるように構成されている。
【0003】
この給水弁は、パイプ灌漑水路を給水状態と給水停止状態とに切り替えする弁装置で、操作信号圧の信号を受けて弁の開度を操作するダイアフラム弁を採用し、この操作信号圧を制御する信号圧制御弁を備えた信号圧制御流路を構成させている。信号圧制御流路は、ダイアフラム弁の位置より水源側のパイプ灌漑水路を取水位置とし信号圧制御弁をつなぐ導入流路と、信号圧制御弁から大気中に放出する放出流路と、信号圧制御とダイアフラム弁をつなぐ信号圧流路と、で構成されている。この信号圧制御弁は、電動アクチュエータを構成する給水ソレノイドと給水停止ソレノイドを一体的に組み込んだ一個の電磁弁としての構成形態としており、信号圧制御流路は、給水ソレノイドと給水停止ソレノイドによる駆動により導入流路から信号圧流路へ流れる流路と、信号圧流路を逆に流れて放出流路へ流れ出る流路とに切り替えられるように構成されている。
【0004】
ダイアフラム弁は、弁座をパイプ灌漑水路に臨ませ、ダイアフラムの変位に連動する弁棒により弁を弁座に離接させて開閉するように構成されている。ダイアフラムは、信号圧制御流路より送信される操作信号圧とダイアフラムの有効面積との積に相当する力にばねの反力が加わった力と、パイプ灌漑水路の断面積と水圧との積に相当する力を受ける弁に加わる力とが平衝する位置を保つので、ダイアフラムに加わる操作信号圧が低下すると弁が次第に水路を開き、操作信号圧が上昇すると弁が次第に水路を閉じるようにダイアフラムは変位するように構成されている。
【特許文献1】特開平10−327688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような構造は複雑で、それ専用の給水栓を構成する必要があり、既存の給水栓には取り付けることができなかった。
そこで、給水マスの上方の開口を塞ぐようにして蓋部材が取り付けられ、該蓋部材上に給水栓からの給水を制御する制御手段(電磁バルブや該電磁バルブの開閉を制御するコントローラ等)が取り付けられた構成の自動灌漑給水管理装置が同一出願人により提案されているが、給水栓は給水マスに囲まれ、上方の開口が蓋部材で閉じられるため手動バルブの開閉操作ができず、また、給水マスの大きさが変わると蓋部材を取り付けることができないという不具合があった。
【0006】
本発明では、このような点を鑑み、給水マスに囲われた給水栓の手動バルブの開閉操作が容易で、且つ、前記制御手段を給水マスに簡単に着脱することができる自動灌漑給水管理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上のとおりであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
まず、請求項1に記載のように、灌漑用水を給水する給水栓からの給水を制御する制御手段と、該制御手段を固定して、上方が開放された給水マスに載置するための基台と、該給水マス内に配置された給水栓と、を備えた自動灌漑給水管理装置であって、前記基台上に前記制御手段を配置し、該基台より下方に給水マスへの挟持固定手段を配置し、該給水マスの上面縁部に着脱可能に取り付けられる構成とする。
【0008】
また、請求項2に記載のように、前記給水栓の手動バルブと、前記制御手段とは、平面視でラップしない位置に取付可能に構成する。
【0009】
そして、請求項3に記載のように、前記挟持固定手段は、基台の水平部位端部から下方へ突出した垂直部位に螺装したネジと、前記水平部位から下方へ垂設した凸部と、を備えた構成とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、以上のように構成したことにより、次のような効果を奏する。
まず、請求項1に記載の発明では、灌漑用水を給水する給水栓からの給水を制御する制御手段を給水マスの上面縁部に簡単な構成で取り付け取り外しすることができ、また、給水マスに囲われた給水栓の手動バルブの開閉操作は給水マスの上方から容易に行うことができて、利便性が向上する。また、この制御手段は簡単に着脱することができることから、転作等で他の給水栓への移設も簡単に行うことができ、利便性が向上するとともに、コスト面で有利である。
【0011】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、給水マスに囲われた給水栓の手動バルブの開閉操作は該手動バルブの直上方から容易に行うことができ、利便性が向上する。
【0012】
そして、請求項3に記載の発明では、挟持固定手段を簡単な構成で構成することができ、ネジにより容易に締め付けることができて、利便性が向上するとともに、コスト面で有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明に係る着脱式自動灌漑給水管理装置1の実施の一形態を、図面を参照しながら説明する。
図1、図2、図3に示すように、着脱式自動灌漑給水管理装置1は、灌漑用水を給水する既設の給水栓6と、該給水栓6から分岐させた補助バルブ8と、該補助バルブ8からの給水を制御する制御手段10と、該既設の給水栓6の周りを囲う、上方が開放された給水マス2と、を備え、該制御手段10は該給水マス2の上面縁部に着脱自在に取り付けられるように構成されている。
【0014】
給水栓6は、灌漑用水が流れる配管から立設される主管6Mと、該主管6Mの上下中途部から分岐する「L」字状の給水管6Sと、該主管6Mの上端に配置されるガイド板6bとメインバルブ7と、を具備し、該給水管6Sは、主管6Mから分岐する水平部位と、該水平部位の先端から立設される立設部位と、該立設部位の上端から反主管6M側に水平に突出する給水口6aとから成り、該主管6Mの上端部に配置されるメインバルブ7を開けると主管6Mの上端からガイド板6bに跳ね返されて吸水マス2内に流れるようにしている。前記給水管6Sの立設部位の上端部には給水管6Sを流れる水量を調節する補助バルブ8が設けられている。このメインバルブ7と補助バルブ8は、必要に応じ、管6M・6Sの開度を調節するための弁を操作するための手動式のハンドルを有するバルブである。
【0015】
給水マス2は円筒状の形状で、その外周部の上半部が一部切り欠かれて排水口2aとしている。この切り欠かれた部位に給水栓6の給水口6aの開口側が配置されて、給水口6aに放水ホース14を取り付けて制御手段10側へ延設できるようにしている。この給水マス2は、給水栓6の周りを囲むように配置されて、給水栓6から灌漑用水を水田等に排出できるようにするとともに、給水栓6を保護するように構成されている。
本実施の形態では、給水マス2は円筒状に形成しているが、断面四角形や六角形等の筒状の構成でもよく、給水マス2の形状は特に限定はしないものとする。
【0016】
前記制御手段10は、給水栓6の給水口6aと着脱自在に接続される放水経路と、該放水経路に介設された電磁バルブ12と、該電磁バルブ12の開閉を制御する制御装置としてのコントローラ11と、放水経路の放水側端部の放水口15と電磁バルブ12とコントローラ11等を備え、これらは前記給水マス2の上面縁部に着脱自在に取り付けられる基台18上に固定される。前記放水経路は、屈曲自在なゴム製の放水ホース14と、該放水ホース14の一端側に電磁バルブ12を介して取り付けられた金属製の放水口15と、で構成されている。
【0017】
このコントローラ11は、設定した時間、または、設定した時間毎に、または、設定した時期に給水信号を発し、電磁バルブ12を開いて、灌漑用水を、給水栓6の主管6Mから、給水管6S、放水ホース14、電磁バルブ12、放水口15を経て、供給し、設定した時間が経過すると、電磁バルブ12を閉じて給水を停止するように構成されている。但し、水田に水位を計測するフロートセンサを配置して、該フロートセンサにより水田の水位が所定高さまで低下したと検出されると、該コントローラ11は給水信号を発して電磁バルブ12を開いて給水し、所定高さまで上昇したと検出すると、コントローラ11は給水停止信号を発して電磁バルブ12を閉じて給水を停止するように構成することも可能である。
【0018】
図1、図2、図4に示すように、前記基台18は鋼板や合成樹脂等で構成された板状の部材で、その一端部が水平方向から垂直下方に折り曲げられており、この垂直に折り曲げられた垂直部位18bに、後述する給水マス2の側面に取り付けるための締結手段であるネジ9・9が螺装されている。
【0019】
基台18の水平部位18a上において、コントローラ11は垂直部位18b側の端部上に締結固定されており、電磁弁12と放水口15とは反垂直部位18b側の端部上に締結固定されて、この水平部位18aの垂直部位18b側が給水マス2の上面縁部に載置され、垂直部位18b側のコントローラ11と、反垂直部位18b側の電磁弁12と放水口15とが、給水マス2の内と外の両側に配置されて重量バランスが保たれるように構成されている。
【0020】
言い換えれば、コントローラ11と電磁弁12と放水口15との重心位置が、給水マス2の上面縁部に位置するように取り付けられ、基台18上にコントローラ11と、電磁弁12及び放水口15との間位置より下方に後述する係止手段である係止ピン20・20が基台18の水平部位18aの下面より突設されている。
【0021】
図2、図3に示すように、この基台18の水平部位18aの反垂直部位18b側の側部は、給水マス2の内径の3分の1程度突出しており、給水栓6のメインバルブ7及び補助バルブ8と、基台18上の制御手段10とは、平面視で、ラップしない構成とされている。つまり、給水マス2内に配置されるメインバルブ7及び補助バルブ8の位置する部分を避けて、給水マス2の内側で水平部位18aを配置することができるようにそれぞれの大きさが設定されている。よって、基台18をメインバルブ7及び補助バルブ8と反対側の上方に設置することで、平面視で両者は重複することがなく、メインバルブ7及び補助バルブ8を操作するために手を容易に給水マス2の上方より挿入して操作できる。また、制御手段10のコントローラ11は給水マス2の外側に配置されて、水が上方へ吹き上がっても給水マス2内に突出している水平部位18aで遮られてかからないようにしている。
【0022】
該基台18は給水マス2の上面縁部に上に位置調整可能に取り付けることができるが、メインバルブ7及び補助バルブ8は給水マス2内で偏心した位置に配置され、その反対側の上方に取り付けることで、メインバルブ7及び補助バルブ8の操作が行い易くなる。また、放水口15は平面視で、給水栓6の主管6Mの側方に位置して、該放水口15から給水マス2内に放水が行われて、直接メインバルブ7及び補助バルブ8に水が直接かかることもない。なお、給水マス2の上方開口面積が小さいほど基台18の占める面積は大きくなるので、最も小さい仕様の給水マス2で基台18を取り付けたときにメインバルブ7及び補助バルブ8を操作できる広さとする。
【0023】
また、図1に示すように、放水ホース14の他端部と、給水栓6の給水口6aとは連結手段であるマチノ式金具を介して接続されるように構成され、簡単に取り付け取り外しができるように構成されている。
【0024】
次に、基台18の給水マス2への挟持固定手段の構成について詳述する。
前述のように、前記水平部位18aの外側端部から下方に垂直部位18bが下方に延設され、該垂直部位18bに締結手段であるネジ9・9が螺装されている。本実施の形態では、基台18の垂直部位18bに2本のネジ9・9を配置しているが、1本又は3本以上のネジで締結するように構成してもよい。また、ネジ9は蝶ネジを使用して手で容易に回動できるようにしているが、ノブボルトや六角ボルト等を使用することも可能である。
【0025】
また、基台18の垂直部位18bから所定長さ離れた水平部位18aの底面から下方に凸部が形成され、本実施例では係止ピン20・20が垂設されている。この垂直部位18bと係止ピン20までの長さは給水マス2の厚さより長く設定しており、給水マス2の直径が小さくなるほどその長さは長くする必要があるが、給水マス2の直径の仕様は略決まっているので、最小径の給水マス2に合わせた長さとする。なお、係止ピン20の代わりにボルトや板体や棒体等を下方へ突設する構成とすることも可能である。
【0026】
このようにして、基台18の水平部位18aよりも下方に、給水マス2への挟持固定手段となる締結手段(ネジ9)と凸部(係止ピン20)を配置して、基台18を給水マス2上に載置する時に、垂直部位18bと係止ピン20・20の間に給水マス2の上部円周の一部が位置するように載置する。そして、ネジ9・9をねじ込むことにより、ネジ9・9の先端が給水マス2の側面に当接し、更にネジ9・9を締め付けることにより基台18を給水マス2に固定することができるのである。そして、取り外す場合には、ネジ9・9を緩めることにより容易に上方へ持ち上げて取り外すことができるのである。
【0027】
なお、基台18の取付構成は、本実施の形態では、図4に示すように、基台18の垂直部位18bに水平方向にネジ9・9を螺入して、該ネジ9・9と係止ピン20・20により給水マス2の側面を挟んで締め付けて取り付けるように構成しているが、垂直部位18bと係止ピン20の何れか一方または両方をバネ部材で構成して、両者で給水マス2の外周を挟み込み固定する構成としてネジを省く構成とすることも可能である。また、基台18の上方に係止ピンの垂直部位を延設して、水平部位の上方位置でネジを締め付ける構成とすることもできる。
【0028】
以上のような構成で、制御手段10の基台18を、給水マス2の上面縁部に簡単な構成で取り付け取り外しすることができるようになっており、また、給水マス2に囲まれた給水栓6のメインバルブ7、補助バルブ8の開閉操作は、給水マス2の上方から容易に行うことができて、利便性が向上する。また、また、この制御手段10の基台18は簡単に着脱することができることから、転作等で他の給水栓への移設も簡単に行うことができ、利便性が向上するとともに、コスト面で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】自動灌漑給水管理装置1の正面上方からの斜視図。
【図2】自動灌漑給水管理装置1の斜上方からの斜視図。
【図3】自動灌漑給水管理装置1の下方からの斜視図。
【図4】給水マス2と基台18の正面断面図。
【符号の説明】
【0030】
1 自動灌漑給水管理装置
2 給水マス
6 給水栓
6M 主管
6S 給水管
6a 給水口
7 メインバルブ
8 補助バルブ
9 ネジ
10 制御手段
11 コントローラ
12 電磁バルブ
14 放水ホース
15 放水口
18 基台
18a 水平部位
18b 垂直部位
19 マチノ式金具
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
【識別番号】593043347
【氏名又は名称】共立金属工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市淀川区西中島4丁目2番21号
【出願日】 平成17年3月2日(2005.3.2)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎

【公開番号】 特開2006−238768(P2006−238768A)
【公開日】 平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願番号】 特願2005−58009(P2005−58009)