| 【発明の名称】 |
屋上緑化で用いる保水排水基盤材を屋上に固定するための固定構造とそれを用いた屋上緑化設備 |
| 【発明者】 |
【氏名】山下 剛志
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| 【要約】 |
【課題】屋上防水層保護コンクリートにではなく屋上防水層に保水排水基盤材を固定するようにした、屋上緑化のための保水排水基盤材の固定構造において、植物の根から屋上防水層を十分に保護できるようにする。
【解決手段】屋上防水層2の上に底面積の広い台座13を接着固定する。その上に防根シート3を敷き、かつ台座13にスタッドボルト10に立設固定する。そのスタッドボルト10に筒状部材14を取り付け、内部にシール材15を充填する。スタッドボルト10を利用して保水排水基盤材30を取り付け、その上に土壌36を入れ、植裁する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 屋上緑化で用いる保水排水基盤材を屋上に固定するための固定構造であって、屋上防水層の上に固定された台座と、該台座に立設したスタッドボルトと、該スタッドボルトを突出させた状態で屋上防水層の上に敷設された防根シートと、前記スタッドボルトの周囲の防根シートを押さえ付けるようにしてスタットボルトに留め付けられた筒状部材と、該筒状部材内に充填されたシール材と、前記スタッドボルトを利用して固定された保水排水基盤材、とを少なくとも備えることを特徴とする固定構造。 【請求項2】 屋上防水層と台座との間にクッション材が介装されていることを特徴とする請求項1に記載の固定構造。 【請求項3】 請求項1〜2に記載の固定構造により固定された保水排水基盤材の上に植物が植生されていることを特徴とする屋上緑化設備。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、屋上緑化で用いられる保水排水基盤材を屋上に固定するための固定構造とそれを用いた屋上緑化設備に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、都市緑化の一環として、あるいはヒートアイランド対策として、ビルの屋上や工場の屋根の上に植物を栽培する、いわゆる屋上緑化が進められている。既存のビルの場合、屋上にはアスファルト層のような屋上防水層が形成され、その上に押さえコンクリートを打ち込んで屋上防水層を保護するようにしており、屋上緑化に当たっては、この屋上防水層保護コンクリートにスタッドボルトのようなアンカーを打ち込み、そのアンカーを利用して樹脂発泡体等で造られている保水排水基盤材を固定し、その上に屋上緑化用の土壌や土壌を含んだ植生マット等を配置して、屋上緑化設備を構成するようにしている。保護コンクリートの上に防根シートを敷設し、その上に保水排水基盤材をアンカーを利用して固定することも行われる。 【0003】 屋上緑化の場合、屋上には荷重制限があり、緑化に十分な土壌を確保することが難しい場合もある。その対策として、保護コンクリートを使用せずに、屋上防水層の上に保水排水基盤材を直接設置して屋上緑化を図ることが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2など参照)。この場合には、保護コンクリート分の重量を緑化に必要な土壌に回すことができるので、緑化に必要な十分な土壌を確保することができる。しかし、屋上防水層を保護するコンクリート層を形成しないので、何らかの手段で屋上防水層を保護すること、および保水排水基盤材等が風で吹き飛ばないようにしっかりと屋上に固定することが必要となる。 【0004】 特許文献1に記載の植裁装置では、屋上防水層に対して防根シートを貼り付けて屋上防水層の保護を行い、防根シートの上に保水排水基盤の裏面を接着固定するようにしている。保水排水基盤は一部に突起部を有し、該突起部に育苗パンの凹部を勘合させてビス止めすることにより、育苗パンの固定を行っている。 【0005】 特許文献2に記載の植裁設置構造では、屋上に多数の保水排水基盤(植栽トレー)を、背面側とトレー連結隙間とに通気空間が形成されるようにして並べると共に、トレー同士の連結およびトレーの屋上への固定を、屋上防水層に接着した取付治具およびスタッドボルトを用いて行うようにしている。 【特許文献1】特開2001−54321号公報 【特許文献2】特開2004−24045号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 特許文献1に記載の植裁装置では、屋上緑化を行なう場合、まず屋上防水層の上面に防根シートを貼り付け、この防根シートに対して保水排水基盤を貼り付けて固定する構成であることから、保水排水基盤を屋上に安定的に固定しておくためには、防根シートの全面を屋上防水層に接着固定することが必要であり、貼り付け施工が困難であると共に、改修時などに剥がすのも容易でない。さらに、接着剤の使用量が多くなりコストも高くなる。 【0007】 特許文献2に記載の植裁設置構造では、多数の植栽トレーを屋上防水層の上に格子状に並べていき、その間に形成される隙間を利用して取付治具およびスタッドボルト等からなる固定手段を配置し、その固定手段により植裁トレーを固定するようにしており、屋上防水層の全面を保護することは容易でない。また、屋上防水層は表面が露出した状態にあり、植物種子が飛来して発根したり、植裁トレーからの根が付着した場合に、屋上防水層に棄損が生じる恐れもある。 【0008】 本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、屋上防水層保護コンクリートにではなく屋上防水層に保水排水基盤材を固定するようにした、屋上緑化のための保水排水基盤材の固定構造において、構築が容易であり、かつ植物の根から屋上防水層を十分に保護できるようにした、固定構造とそれを用いた屋上緑化設備を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明による固定構造は、屋上緑化で用いる保水排水基盤材を屋上に固定するための固定構造であって、屋上防水層の上に固定された台座と、該台座に立設したスタッドボルトと、該スタッドボルトを突出させた状態で屋上防水層の上に敷設された防根シートと、前記スタッドボルトの周囲の防根シートを押さえ付けるようにしてスタットボルトに留め付けられた筒状部材と、該筒状部材内に充填されたシール材と、前記スタッドボルトを利用して固定された保水排水基盤材、とを少なくとも備えることを特徴とする。 【0010】 上記の固定構造では、屋上防水層の上に接着剤等を用いて所要個数の台座を固定し、そこに立設したスタットボルトが上方に突出するようにして屋上防水層の上に敷設した防根シートにおける、前記スタッドボルトの周囲の部分をスタットボルトに留め付けた筒状部材で押さえ付けるようにしているので、屋上防水層に防根シートを接着剤等で全面接着しなくても、防根シートを安定的に屋上防水層の上に配置することができる。そのために、作業はきわめて簡素化する。 【0011】 さらに、スタッドボルトの周囲の防根シートを押さえ付けるようにしてスタッドボルトに取り付けられている筒状部材内にはシール材が充填されており、筒状部材内部とスタッドボルトの間の空間を水や植物の根が通過するのは阻止されるので、屋上防水層と防根シートの間に水や植物の根が侵入することはなく、屋上防水層が棄損することも生じない。 【0012】 そのようにして立設固定されたスタットボルトを利用して保水排水基盤材を固定する。保水排水基盤材は、従来の屋上緑化や人工地盤緑化で使用されている保水排水基盤材を適宜用いればよい。スタッドボルトへの保水排水基盤材の取り付け方法は任意であるが、保水排水基盤材にスタッドボルト貫通孔を設け、上下のナットで保水排水基盤材を挟み込むようにして固定する態様は、作業の容易性から好ましい。 【0013】 本発明による固定構造において、屋上防水層と台座との間にクッション材を介装することは好ましい態様である。この態様では、横風等の影響で保水排水基盤材に横向荷重が作用してスタッドボルトが傾斜するような場合に、台座に生じる傾動をクッション材によって吸収することができ、台座が食い込んで屋上防水層が棄損するのを効果的に阻止することができる。また、台座を屋上防水層に接着固定する場合に、接着剤として弾性接着剤を用いることによっても、屋上防水層の損傷を防止することができる。さらに、台座とスタッドボルトとの接続部に可撓性を持たせることによっても、屋上防水層の損傷を防止することができる。 【0014】 本発明による固定構造において、筒状部材内に充填されるシール材として、接着性のあるものが好ましく、アスファルト、ウレタン、あるいはポリエチレンやポリプロピレンのようなオレフィン系樹脂などが好ましい。根の嫌う薬剤(例えば、バイエル社製、商品名「プリベントール」等)を混入することも推奨される。 【0015】 本発明は、さらに、上記した固定構造により固定された保水排水基盤材の上に植物が植生されていることを特徴とする屋上緑化設備をも開示する。保水排水基盤材の上に植物を植裁する態様は任意であり、特に制限はない。一例として、保水排水基盤材の上に、目の細かいフィルターを敷き詰め、その上に土壌や植生マットを敷き、さらにその上に、必要な場合には、防護ネットを配置した後、全体をスタッドボルトを利用して一体に固定するような態様であってもよい。土壌や植生マットに植物の種子を植え込み、あるいは植物の苗を植え込み、散水して植物を育成する。散水された水の一部は土壌や植生マットに留まり、一部は保水排水基盤材に落下して、そこに滞留する。保水排水基盤材は、一定箇所で散水した水が保水排水基盤材内を流動して、温情に取り付けた保水排水基盤材の全体に自然と流動していくような形態のものでもよく、各保水排水基盤材ごとに、その場で滞留しているような形態のものでもよい。 【発明の効果】 【0016】 本発明による屋上緑化設備では、これまでのように、屋上防水層を保護するための保護コンクリートを打設することはないので、許容される屋上荷重の範囲内で、植生に必要な十分な量の土壌を保水排水基盤材の上に配置することができ、良好な屋上緑化を行うことができる。また、防根シートの取り付けも容易であり、かつ屋上防水層は防根シートで完全に覆われているので、屋上防水層にも長期間にわたり棄損等が生じない。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 以下、図面を参照しながら、本発明を実施の形態に基づき説明する。図1aは本発明による固定構造とそれを用いた屋上緑化設備の一例示す概略断面図であり、図1bは図1aに円で囲んだ部分の拡大図である。図2は固定構造で使用する固定用部材の一例を分解して示している。 【0018】 図1aにおいて、1はビルの屋上スラブを作っているコンクリート層であり、その上に例えばアスファルト層あるいはポリエチレンやポリプロピレンのようなオレフィン系樹脂層による屋上防水層2が形成されている。本発明による屋上緑化設備は、従来のように屋上防水層2の上に屋上防水層保護コンクリートを打設することなく、屋上防水層2の上に直接、図2に示す固定部材を用いて施工される。 【0019】 以下、施工手順とともに、本発明を説明する。最初に、既設の防水層もしくは新しく施工した防水層2に対して、保水排水基盤材30を固定するときに用いるスタッドボルト10の固定位置の墨だしを行い、その位置に、好ましくは発泡ポリエチレンシートのようなクッション材11を変性シリンコ系やゴム系の接着剤を用いて貼り付ける。その上に、中心部にナット12を取り付けた台座13を同様な接着剤を用いて貼り付け固定する。クッション材11および台座13は図では矩形であるが、所要の大きさの面積を備えることを条件に、形状は自由である。また、台座13はステンレス板が耐腐食性に点から望ましいが、他の金属であってもよく、強度的に満足できれば樹脂板であってもよい。なお、クッション材11は省略可能である。 【0020】 所要箇所に複数個のクッション材11および台座13を取り付けた後、防根シート3を敷き詰め、両面テープや重石を載せるなどして仮固定と位置決めを行う。防根シート3は従来知られたものでよいが、発泡ポリエチレン製シートにポリスチレンをラミネートしたものは好ましい。仮置きした防根シート3の台座13におけるナット12に相当する箇所に穴をあけ、該穴を通してスタッドボルト10の下端をナット12にねじ込み、固定立設する。 【0021】 立設したスタッドボルト10に筒状部材14をスタッドボルト10がほぼ中心にくるようにして取り付ける。筒状部材14は所要の強度を備えることを条件に金属製または樹脂製のリングであることが好ましい。また、筒状部材14の内径は、少なくとも防根シート3に設けた穴の全体が内側に入り込むことのできる大きさとされる。形状は図示のように円形のリングであってもよく、長円形や多角形であってもよい。 【0022】 配置した筒状部材14の内部にシール材15を充填する。シール材は防根シート3に形成した穴を経由して植物の根や水が裏側に入り込むのを防止するためのものであり、上記したように、アスファルトやウレタン、あるいはポリエチレンやポリプロピレンのようなオレフィン系樹脂などが好ましい。シール材15を充填した後、筒状部材14の上蓋を兼ねる閉鎖ナット16をスタッドボルト10にねじ込み、筒状部材14の下面で防根シート3を押さえ付けるようにして、筒状部材14をスタッドボルト10に固定する。 【0023】 この作業をすべてのスタッドボルト10に対して行うことにより、防水層2を痛めることなく、スタッドボルト10の立設と、防根シート3の固定を行うことができる。防根シート3を防水層2の上に留め付けるのに、接着剤を使用しないので、施工は大きく簡素化できる。同時に、防水層を植物の根からも保護することができる。 【0024】 上記のようにして固定立設したスタッドボルト10を利用して、保水排水基盤材30を取り付ける。保水排水基盤材30の形状と構造は任意であるが、この例では、上面側に多数の保水溝31を備えた矩形状の発泡樹脂成形品を用い、隣接する保水排水基盤材30のそれぞれのコーナー部に形成した貫通孔32を互いに重ね合わせた状態として、そこにスタッドボルト10を通すことにより、多数の保水排水基盤材30を相互に繋ぎ合わせた状態で、安定的に取り付けている。 【0025】 図1に示す例では、保水排水基盤材30は、保水排水基盤材30の裏面に筒状部材14および閉鎖ナット16が入り込むことのできる穴を形成することにより、保水排水基盤材30の底面を防根シート3に密着させた姿勢で、屋上面に取り付けてあり、保水排水基盤材30の底面の凹溝33が排水路Sとなる。図示しないが、保水排水基盤材30の底面が筒状部材14の固定に用いた閉鎖ナット16の上面に載るようにして取り付け、保水排水基盤材30の底面と防根シート3との間に排水路となる空間Sを形成することもできる。 【0026】 取り付けた保水排水基盤材30の上に植物を植裁する態様は任意である。図示の例では、保水排水基盤材30の上に目の細かいフィルター35を敷き詰め、それをワッシャ17とナット18で固定した後、その上に土壌36を入れ、さらにその上に、防護ネット37を配置した後、全体をワッシャ19とナット20を利用して一体に固定するようにしている。土壌に替えて、従来知られた適宜の植生マットを用いることもできる。土壌36に植物の種子を植え込み、あるいは植物の苗を植え込み、散水して植物40を育成することにより、屋上緑化が進行する。 【0027】 上記のように、本発明による、屋上緑化で用いる保水排水基盤材30を屋上に固定するための固定構造では、スタッドボルト10の固定立設に底面積の広い台座13を用いるようにしており、防水層2の上に直接保水排水基盤材30を固定する構造としても、安定した固定構造が得られ、また、屋上防水層2に損傷を与えることもない。 【図面の簡単な説明】 【0028】 【図1】図1aは本発明による固定構造とそれを用いた屋上緑化設備の一例示す概略断面図であり、図1bは図1aに円で囲んだ部分の拡大図である。 【図2】固定構造で使用する固定用部材の一例を分解して示す図。 【符号の説明】 【0029】 1…ビルの屋上スラブを作っているコンクリート層、2…屋上防水層、3…防根シート、10…スタッドボルト、11…クッション材、12…ナット、13…台座、14…筒状部材、15…シール材、16…閉鎖ナット、17、19…ワッシャ、18、20…ナット、30…保水排水基盤材、31…保水溝、32…縦穴、35…フィルター、36…土壌、37…防護ネット、40…植物
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002440 【氏名又は名称】積水化成品工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成16年12月27日(2004.12.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091096 【弁理士】 【氏名又は名称】平木 祐輔
【識別番号】100105463 【弁理士】 【氏名又は名称】関谷 三男
【識別番号】100099128 【弁理士】 【氏名又は名称】早川 康
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| 【公開番号】 |
特開2006−180764(P2006−180764A) |
| 【公開日】 |
平成18年7月13日(2006.7.13) |
| 【出願番号】 |
特願2004−377082(P2004−377082) |
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