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【発明の名称】 動物忌避効果のある航空機による種苗散布緑化方式の開発
【発明者】 【氏名】甲斐 雅貴

【要約】 【課題】砂漠や耕地の緑化をおこなう場合、小動物による食害にて、散布した多くの種子が失われている。このような小動物による食害を防ぐとともに航空機等の散布によっても飛散しない種子による緑化方法を提供すること。

【解決手段】小動物等に忌避効果のある、木酢液、竹酢液、タール等の臭いをもつものおよび/またはカプサイシン、故障粉、カラシ等の味をもつものを多孔性物質に吸収させ粘性ある土壌とともに周りを保護された種苗により砂漠や耕地を緑化する方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小動物等に忌避効果のある木酢液、竹酢液、タール等の煙成分の匂いを持つものを部材に含浸させ、種苗等の食害を防ぐ砂漠や耕地の緑化方法。
【請求項2】
小動物等に忌避効果のあるカプサイシン、胡椒粉、カラシ等の辛味成分の味を持つものを部材に含浸、塗布し、種苗等の食害を防ぐ砂漠や耕地の緑化方法。
【請求項3】
請求項1と請求項2に記載の部材のうち、いずれか若しくは両方を多孔質物質に吸収させ、粘性のある土類を昆練して種苗の周りを保護して、発芽育苗に水分の補給と栄養供給をおこなうことを目的とした耕地の緑化資材。
【請求項4】
請求項3の緑化資材を生分解性のある竹や木綿の木質不織布で覆い、飛散を防ぐと同時に、保温、吸湿、防流効果を持った緑化資材。
【請求項5】
請求項1と請求項2と請求項3と請求項4に記載した方式によって航空機や車両により、広範囲に砂漠や耕地を緑化する砂漠の緑化方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は砂漠の緑化方式、さらに詳細には広範囲な耕地を、簡単でしかも安価な工法で種苗散布でき、動物の食外を防ぎ、その結果、効率よく砂漠や耕地の緑化を図ることのできる方式の開発に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、地球環境の変化による砂漠化が大きな国際問題となっており、中央アジアやアフリカに存在する既存の砂漠がすさまじい速度で拡大している。
【0003】
また、砂漠化の「人為的要因」としては、過放牧、薪炭材の過剰採集、過開墾、不適切な水管理による塩類集積などがあげられる。これらは植生の減少、土壌侵食の増大、表層土壌への塩類集積を引き起こし、土壌の劣化、土地の生産力の減退をもたらしている。
【0004】
このままの状態で放置した場合、地球人口の増加、環境条件の変化などにより、近い将来、地球の緑の殆どが砂漠化する危険性が大である。そのため、地球規模で砂漠の拡大及び発生を防ぎ、次世代の人類にすばらしい地球を継承するのは我々現代人の義務である。
【0005】
現在、砂漠化対策のため、国際的に砂漠への治水工事、植林、植物の伐採の制限などの対応策がとられており、徐々にではあるが、砂漠の拡大及び発生が抑えられつつある。
しかしながら広大な砂漠や耕地に対して、人力による緑化作業は容易ではない。しかし、近年、航空機の使用により種苗散布が広範囲におこなわれるようになり省力化が進められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来は、種苗の発芽と生育のため、水分のある粘土団子に数十種の種子を混ぜ、航空機より広範囲に散布し、発芽させるものが主流であった。しかし、散布したもの多くが、小動物等が粘土団子の中から種子を取り出し食べられてしまうことが多く、やっと発芽しても新芽のうちに根の部分から食べられてしまい、土に根付くのは、わずかである場合も多い。
【0007】
これらの食外を防ぐため粘土団子の中に殺鼠剤等を混入することも考えられるが、地球環境を守るための行為に害獣といえども殺戮することは好ましくない。
【0008】
そのため、これら問題点を解決することのできる砂漠や耕地の緑化方式の実現が望まれていた。
【0009】
本発明の目的は、広範囲な砂漠や耕地に、簡単でしかも安価な工法で種苗散布ができ、その結果、効率の良い砂漠の緑化を図ることのできる方式を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために代表的な構成部材を例に挙げて説明するが、それにより本発明が本説明の形態に限定されるものではない。
【0011】
前記目的を達成するため、発明者らは、砂漠や耕地への種苗散布及び植林問題について鋭意研究努力を重ねた結果、散布する種苗に動物忌避効果のある天然素材を混ぜることによって食害を防止するとともに、種の部分についても容易に取り出せず、しかも、航空機から投下しても、発芽して根付くまでに十分な水分の供給が可能な方法を見出した。
【0012】
本発明は、小動物の嫌う臭気をもつ木酢液、竹酢液、リモネンなど植物由来臭気物質に、カプサイシン等の忌避味覚物質を混入させ、木炭、竹炭、ゼオライト、クリンカ等多孔質部材に含浸させ、植物の種子と土を混入させる。
【0013】
前記、植物由来臭気物質は、小動物のきらう匂いを強烈に発するものであり、一方、植物の生育は阻害しない物質であり、従来、地力回復剤や植物生育助剤等にも使用されている。
【0014】
また、忌避味覚物質のカプサイシン等は、天然のトウガラシ辛味成分であり、植物生育には影響を及ぼさない。
【0015】
以下本発明をさらに詳しく説明する。
【0016】
上述のように、本発明の砂漠や耕地の緑化方式は、易吸水性・難放水性を有する多孔質部材に、動物忌避効果のある物質を含浸させて、砂漠や耕地に航空機より広範囲に散布し発芽させるもので、小動物等の食害を受けにくい加工と、竹の不織布による飛散防止の加工を施している。
【0017】
元来、動物は匂いや味覚で餌を判別するものが多く、種子や苗に嫌いな匂いや味のあるものは餌として選択することはない。さらに、忌避味覚物質として、カプサイシン等の混入しているものでは、匂いの面を克服しても味覚で種子や苗を忌避することとなる。
【0018】
一方、水分の少ない砂漠や降雨の少ない耕地においては、発芽するまでもしくは苗が台地に活着するまでの水分が必要となるので、易吸水性・難放水性を有する多孔質部材に、前記物質と水と肥料を含浸させることで、活着までの水分補給と施肥が十分におこなわれる。木炭、竹炭、ゼオライト、クリンカ等多孔質部材は、その一例であり、多孔質であれば何でもよく、本発明の多孔質部材に、これが限定されるものではない。
【0019】
さらに、本発明では航空機より散布される種苗と多孔質部材、忌避成分、肥料や土が飛散しないように、竹の不織布で包む構造をとった。竹の不織布は適度な強さと分解して大地に吸収される、生分解性を必要とするために使用したものであり、上記の特性を示すものであれば、これに限定されるものではない。
【0020】
木炭、竹炭、ゼオライトクリンカ等多孔質部材に含浸させる成分には、木酢液、竹酢液、リモネンなど植物由来臭気物質に、カプサイシン等の忌避味覚物質が混合させてある。さらに植物の生育に必要な肥料塩類が含浸させてあるが、等多孔質部材に肥料塩類は別に含浸させても良い。
【0021】
本発明によれば、肥料塩類は潮解性をもち、空気中の水分を凝集して保存する性質を持つ。砂漠や耕地等で、日中の温度上昇で過酷な乾燥状態になっても、夜間、夜露などの水分が地表近くに凝集すれば、効率よくこれを凝集する。また、これまで緑化に使用されてきた、稲藁、草、植物繊維等が腐敗して栄養分となるまで待たなくても、現在よりはるかに多くの植物種を育成することが出来る。
【0022】
ここで、砂漠といっても全く雨が降らないわけではない。降る時には、かなりの量の雨が降るが地面に保水効果がないために流れ去ってしまい、降らない時には全く降らないため、乾燥状態となって砂漠化が進行する。
【0023】
そのため、この降雨による水分を木炭、竹炭、ゼオライト、クリンカ等多孔質部材等に、肥料塩類の持つ潮解性を利用して、有効に水分を蓄積することが可能となれば、砂漠の灌水にも、大きく貢献することができる。従って、本方式による多孔質部材等の散布は、砂漠や耕地の水分供給に大きな意味を持つ。
【実施例1】
【0024】
図1−1に示す竹の不織布にくるまれた多孔質部材2の三分の二に、木酢液、竹酢液、リモネンなど植物由来臭気物質に、カプサイシン等の忌避味覚物質を混入させたものを含浸させた。
【0025】
さらに、三分の一の多孔質部材2には、肥料塩類を水に希釈させたものを含浸させた。
【0026】
植物の種子3は、木酢液、竹酢液、リモネンなど植物由来臭気物質に、カプサイシン等の忌避味覚物質を混入させたもので混練した粘土で粘土団子をつくり、これを中心になるように配置し、木酢液、竹酢液、リモネンなど植物由来臭気物質に、カプサイシン等の忌避味覚物質を混入させたものを含浸させた多孔質部材2を外側に配置する形で竹の不織布で覆った。
【0027】
竹の不織布で覆う場合、覆われる内容物と覆う竹の不織布の間には十分空隙のある形態で包み込むことで、航空機から落下させた時の破裂を防ぐことができる。
【0028】
また、図2に示すごとく、大地4の上に小石5等が多い場合であっても、空隙のあることで竹の不織布が自由に変形し、大地4に密着する形で着地する。
【0029】
竹の不織布等は、きわめて強靭で、それ自身に伸縮性がある上に、容易に水分を吸収し、植物の育成に好適である。また、植物が発芽した場合、容易に不織布等を突き破り、生育に支障のないことも確認している。
【0030】
また、竹の不織布等は、化学繊維と違い、生分解性物質であり、数ヵ月後には、大地に吸収され肥料となる。
【0031】
本発明は、植物や動物に害がなく、大量に市販されている部材を原料として、実験をおこなった。竹の不織布等は、発明者らが抗菌マスク部材として開発中のものであり、安価に普及可能である。本発明では多孔質部材に、含浸させるものは何を使用しても良く、砂漠の性状によって使い分けることが望ましい。従って、動物忌避効果があり、潮解性を持ち植物の成育に有効なら、含浸させる物体は、本出願に記載の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように、本発明では、これまでの航空機による種苗散布に問題であった動物の食害を避ける効果と、潮解性をもつ多孔質部材を併用することで、夜間における凝縮水分や、降雨による水分を効率よく、種苗に供給することができる。
【産業上の利用分野】
【0033】
本発明は砂漠や耕地の航空機による緑化方式、さらに詳細には広範囲な砂漠を、簡単でしかも安価な工法で種苗散布ができ、動物の食害も防ぐことができる。その結果、地球上の緑化に大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】部材断面説明図である。
【図2】部材が着地した説明図である。
【符号の説明】
▲1▼ 不織布
▲2▼ 多孔質部材
▲3▼ 植物種子+動物忌避剤粘土
▲4▼ 大地
▲5▼ 小石等
【出願人】 【識別番号】500362992
【氏名又は名称】甲斐 雅貴
【識別番号】505026608
【氏名又は名称】吉田 義臣
【識別番号】504380220
【氏名又は名称】吉田 美佳
【出願日】 平成16年12月17日(2004.12.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2006−174810(P2006−174810A)
【公開日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願番号】 特願2004−382636(P2004−382636)