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【発明の名称】 屋上緑化構造
【発明者】 【氏名】中尾 敏弘
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー株式会社内

【氏名】加藤 栄治
【住所又は居所】大阪府吹田市千里万博公園13番35号 株式会社グリーンスタジオ内

【要約】 【課題】潅水を不要として、維持管理を容易とする屋上緑化構造を提供することを課題とする。

【解決手段】建築物の屋上に土壌5を敷き詰めて、該土壌5に植物6を植栽する屋上緑化構造において、土壌5表面を突部11と溝部15とが交互に形成される波形のカバー10で覆い、該カバー10の突部11上端に植物6を通す開口部11aを設け、さらにカバー10の突部11と突部11との間の溝部15に孔15a・15a・・・を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の屋上に土壌を敷き詰めて、該土壌に植物を植栽する屋上緑化構造において、土壌表面を突部と溝部とが交互に形成される波形のカバーで覆い、該カバーの突部上端に植物を通す開口部を設けたことを特徴とする屋上緑化構造。
【請求項2】
建築物の屋上に土壌を敷き詰めて、該土壌に植物を植栽する屋上緑化構造において、土壌表面を半球状の突部を所定間隔ごとに備えるカバーで覆い、該カバーの突部上端に植物を通す開口部を設けたことを特徴とする屋上緑化構造。
【請求項3】
カバーの突部と突部との間に孔を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の屋上緑化構造。
【請求項4】
建築物の屋上に土壌を敷き詰めて、該土壌に植物を植栽する屋上緑化構造において、土壌表面をカバーで覆い、該カバーに植物の植付位置を中心に円弧状の切目を設けたことを特徴とする屋上緑化構造。
【請求項5】
建築物の屋上に土壌を敷き詰めて、該土壌に植物を植栽する屋上緑化構造において、土壌表面をカバーで覆い、該カバーに植物の植付位置を中心に放射状の切目を設けたことを特徴とする屋上緑化構造。
【請求項6】
前記土壌として高保水材料を用いたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の屋上緑化構造。
【請求項7】
カバーを高熱伝導率材で構成したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の屋上緑化構造。
【請求項8】
カバーを低熱伝導率材で構成したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の屋上緑化構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、屋上緑化を行うために建築物の屋上に施工する屋上緑化構造に関し、特に無潅水で植物を生育できる屋上緑化構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建築物の屋上に土壌を敷き詰め、該土壌に植物を植栽して屋上の緑化を行うことによって、屋上への日光の直射を低減させて温度上昇を抑制し、省エネルギー化の促進やヒートアイランド現象の改善が図られている。屋上緑化は、例えば屋上スラブ上面に防水層、防根層、保水及び排水層、透水層、土壌などを順に形成して屋上緑化構造を構成し、土壌に植物を植栽することで行われる。
【0003】
このような屋上緑化構造を施した建築物の屋上においては、潅水設備が設けられ、該潅水設備を用いて土壌に潅水を行うなどして、植物の維持管理がなされていた。しかし、屋上緑化構造に付随して潅水設備を設ける必要があることから、施工費が高くなり、さらに土壌に定期的に潅水を行う必要があるため、維持費もかかり費用が嵩むという問題が発生していた。また、植物の維持管理が手間のかかる作業となって煩わしいという問題などがあった。そこで、このような問題を解消するために、無潅水で植物を生育可能とした屋上緑化構造が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−159596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されるような屋上緑化構造では、建築物の屋上に雨水などを貯水する貯水プールを設け、該貯水プール上に屋上緑化構造を施して、植物がプールから直接吸水するように構成することで、無潅水での植物の生育を可能としているが、施工が大掛りなものとなり、施工費が高くなるという問題がある。また、建築物の屋上の構造上、貯水プールを設けることができない場合には、無潅水での植物の生育が不可能となり、利用できる建築物が限られていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
即ち、請求項1においては、建築物の屋上に土壌を敷き詰めて、該土壌に植物を植栽する屋上緑化構造において、土壌表面を突部と溝部とが交互に形成される波形のカバーで覆い、該カバーの突部上端に植物を通す開口部を設けたものである。
【0007】
請求項2においては、建築物の屋上に土壌を敷き詰めて、該土壌に植物を植栽する屋上緑化構造において、土壌表面を半球状の突部を所定間隔ごとに備えるカバーで覆い、該カバーの突部上端に植物を通す開口部を設けたものである。
【0008】
請求項3においては、カバーの突部と突部との間に孔を設けたものである。
【0009】
請求項4においては、建築物の屋上に土壌を敷き詰めて、該土壌に植物を植栽する屋上緑化構造において、土壌表面をカバーで覆い、該カバーに植物の植付位置を中心に円弧状の切目を設けたものである。
【0010】
請求項5においては、建築物の屋上に土壌を敷き詰めて、該土壌に植物を植栽する屋上緑化構造において、土壌表面をカバーで覆い、該カバーに植物の植付位置を中心に放射状の切目を設けたものである。
【0011】
請求項6においては、前記土壌として高保水材料を用いたものである。
【0012】
請求項7においては、カバーを高熱伝導率材で構成したものである。
【0013】
請求項8においては、カバーを低熱伝導率材で構成したものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
請求項1においては、昼夜の気温差により生じるカバー内外の温度差によって、カバー内側の空気に含まれる水蒸気のうち、飽和した水蒸気が凝結し、水滴として突部の内側側面に付着させ、該水滴を突部の開口部付近から、又は突部の内側側面を伝ってその縁部から下方の土壌に落下させて、土壌に給水を行うことができる。したがって、別途潅水設備を設けて潅水を行う必要がなくなり、無潅水で植物を生育することができるため、植物の維持管理が容易なものとなるとともに、費用を低減できる。また、建築物の屋上の構造に関わらず簡単に施工できるため、さまざまな建築物に広く利用することができる。
【0016】
請求項2においては、昼夜の気温差により生じるカバー内外の温度差によって、カバー内側の空気に含まれる水蒸気のうち、飽和した水蒸気が凝結し、水滴として突部の内側側面に付着させ、該水滴を突部の開口部付近から、又は突部の内側側面を伝ってその縁部から下方の土壌に落下させて、土壌に給水を行うことができる。したがって、別途潅水設備を設けて潅水を行う必要がなくなり、無潅水で植物を生育することができるため、植物の維持管理が容易なものとなるとともに、費用を低減できる。また、建築物の屋上の構造に関わらず簡単に施工できるため、さまざまな建築物に広く利用することができる。
【0017】
請求項3においては、孔によりカバー内側の通気性及び通水性を確保することができる。また、カバーの表面に強い風が吹き付けられた場合に、突部の内外の気圧差により突部の内側側面に水滴を発生させることができる。
【0018】
請求項4においては、植物が成長するに従って上方にカバーを膨らませて、切目を植物を通すことができる最小限度の大きさに開口することができる。これにより、カバー内側の空気に含まれる水分がカバー外側の空間に逃げるのを防止でき、また昼夜の気温差により生じるカバー内外の温度差により飽和した水蒸気を凝結し、水滴としてカバーの内側側面に付着させ、該水滴を開口部付近から土壌に落下させて、土壌に給水を行うことができる。したがって、別途潅水設備を設けて潅水を行う必要がなくなり、無潅水で植物を生育することができるため、植物の維持管理が容易なものとなるとともに、費用を低減できる。また、建築物の屋上の構造に関わらず簡単に施工できるため、さまざまな建築物に広く利用することができる。
【0019】
請求項5においては、植物が成長するに従ってカバーの中心部を植物を通すことができる最小限度の大きさに開口することができる。これにより、カバー内側の空気に含まれる水分がカバー外側の空間に逃げるのを防止でき、また昼夜の気温差により生じるカバー内外の温度差により飽和した水蒸気を凝結し、水滴としてカバーの内側側面に付着させ、該水滴を開口部付近から土壌に落下させて、土壌に給水を行うことができる。したがって、別途潅水設備を設けて潅水を行う必要がなくなり、無潅水で植物を生育することができるため、植物の維持管理が容易なものとなるとともに、費用を低減できる。また、建築物の屋上の構造に関わらず簡単に施工できるため、さまざまな建築物に広く利用することができる。
【0020】
請求項6においては、土壌に含まれる水分の蒸発を抑えることができる。よって、土壌の保水量が長期間にわたって保持されるため、潅水を行う必要がなくなり、植物を無潅水で確実に生育することができる。
【0021】
請求項7においては、カバー内外の温度差をより高くすることができ、カバーの内側側面に付着する水滴の量を増加させることができる。
【0022】
請求項8においては、建築物に対する断熱効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0024】
図1は本発明の一実施例に係る屋上緑化構造の構成を示す断面図、図2はカバーの一部拡大断面図、図3はカバーの斜視図、図4は別実施例の屋上緑化構造の構成を示す断面図、図5はカバーの一部拡大断面図、図6はカバーの斜視図、図7は別実施例の屋上緑化構造の構成を示す平面図、図8はカバーの膨らんだ状態を示す斜視図、図9は別実施例の屋上緑化構造の構成を示す平面図、図10はカバーの中心部がめくれた状態を示す斜視図である。
【0025】
建築物の屋上において、図1に示すように、屋上スラブ1上に防水シート2が敷設されて防水層が形成され、該防水シート2上に保水・排水器3が敷設されて保水・排水層が形成されている。保水・排水器3上には透水シート4が敷設されて透水層が形成され、該透水シート4上に土壌5が敷き詰められて屋上スラブ1上に積層状に屋上緑化構造が構成されている。そして、土壌5に樹木や草花などの植物が植栽されて、屋上緑化が行われる。
【0026】
前記屋上緑化構造においては、さらに土壌5の上にカバー10が設けられ、該カバー10により土壌5の表面が覆われている。図1、図3に示すように、カバー10は平面視矩形状の板状部材からなり、突部11と溝部15とが交互に形成されて断面視波形に構成されている。そして、カバー10が土壌5に敷設されたときに、突部11・11・・が植物6の植付位置6aの上方に位置するものとされている。
【0027】
図2に示すように、各突部11は断面視で略半円形状に構成され、上方に突出されて、その内側に空間12を形成している。突部11の上端には開口部11aが設けられ、該開口部11aを介して突部11内側の空間12とカバー10外側の空間とが連通されている。そして、開口部11aの径が植物6が通過できる最小限の大きさとされ、該開口部11aを通って植物6が突部11内側の空間12からカバー10外側の空間に伸長可能とされる一方、突部11内側の空気に含まれる水分がカバー10外側の空間へできるだけ逃げないように構成されている。
【0028】
また、開口部11aは突部11の長手方向に植物6の植付位置6aに合わせて所定の数だけ設けられる。本実施例では、一つの突部11に五つの開口部11a・11a・11a・11a・11aが所定間隔ごとに設けられ、各開口部11aを通って突部11内側の空間12から植物6がカバー10外部の空間に伸長可能とされている。なお、開口部11aは土壌5に植え付けられた植物6の種類や数に応じて任意の数に変更可能とされている。さらに、突部11と突部11との間隔も植物6の種類や植付位置6aの間隔に合わせて調整される。
【0029】
前記突部11と突部11との間に形成される溝部15は断面視で略半円形状に構成され、下方に突出されて、その内側に空間16を形成している。溝部15の下端には孔15aが長手方向に一つ又は複数設けられ、孔15aを介して溝部15内側の空間16と突部11内側の空間12とが連通可能とされている。こうして、孔15aを通って降雨などにより溝部15に溜まった水や外気が溝部15内側の空間16から土壌5や突部11内側の空間12に流入可能とされ、カバー10内側の通水性及び通気性が確保されている。
【0030】
また、前記屋上緑化構造において、カバーは次のように構成することもできる。図4、図6に示すように、カバー20は、複数の突部21・21・・・と平面視矩形状の板状の基部25とから構成されている。突部21・21・・・は基部25に一体的に形成され、カバー20が土壌5に敷設されたときに、植物6の植付位置6aの上方に位置するように配置されている。
【0031】
図5に示すように、各突部21は略半球状に構成されており、上方に突出されて、その内側に空間22を形成している。突部21の上端には開口部21aが設けられ、該開口部21aを介して突部21内側の空間22とカバー20外側の空間とが連通されている。そして、開口部21aの径が植物6が通過できる最小限の大きさとされ、該開口部21aを通って植物6が突部21内側の空間12からカバー10外側の空間に伸長可能とされる一方、突部21内側の空気に含まれる水分がカバー20外側の空間へできるだけ逃げないように構成されている。
【0032】
また、突部21・21・・・は基部22上に植物6の植付位置6aに合わせて所定数だけ設けられる。こうして、各植付位置6aで生育する植物6が突部21内側の空間22から開口部21aを通ってカバー20外側の空間に伸長可能とされている。なお、突部21は土壌5に植付けられた植物6の数に応じて任意の数に変更可能とされている。さらに、突部11と突部11との間隔も植物6の植付位置6aの間隔に合わせて調整される。
【0033】
前記基部25の突部21・21・・・の間に複数の孔25a・25a・・・が設けられている。孔25a・25a・・・は基部25の任意位置に配置され、これらの孔25a・25a・・・を介してカバー20外側の空間と突部21内側の空間22とが連通可能とされている。こうして、各孔25aを通ってカバー20外側の空間から降雨などによる水や空気がカバー20内側の空間に流入可能とされ、カバー20内側の通水性及び通気性が確保されている。
【0034】
このようにカバー10・20を設けて屋上緑化構造を構成することで、各カバー10・20において、昼夜の気温差によりカバー10・20内側の温度が高く、外側の温度が低くなってカバー10・20内外に温度差が生じ、該温度差によってカバー10・20の突部11・21内側の空気に含まれる水蒸気のうち、飽和した水蒸気が凝結し、水滴となって突部11・21の内側側面に付着する。こうして発生した水滴が突部11・21の開口部11a・21a付近から、又は突部11・21の内側側面を伝ってその縁部から下方の土壌5に落下し、土壌5へ給水が行われることになる。
【0035】
また、カバー10・20の表面に強い風が吹き付けられた場合には、それぞれの突部11・21表面が冷やされると共に、突部11・21の孔11a・21a・・・から内側の空気が吸い出されることにより負圧となり、突部11・21内面に結露が生じる。この水滴が突部11・21の内側側面を伝ってその縁部から下方の土壌5に落下して、土壌5に給水が行われることになる。
【0036】
このようにして、カバー10・20内側において、空気中の水分が結露して水滴の状態となって土壌に染み込むと、後述する保水性の高い土壌に水分が貯められるとともに、植物6の根から水分が吸収される。そして、日中では気温が上がり、突部11・21内も温められて孔11a・21aから水蒸気を含む外気が吸入される。また、風が止まったときも同様に外気が吸入される。そして、夜になり気温が下がると、または、強風が吹くと前記のように結露が生じて土壌に水分が貯められる。この状態が繰り返えされて、毎日のように土壌5に給水が自動的に行われることになる。
【0037】
したがって、本発明の屋上緑化構造によって、別途潅水設備を設けて潅水を行う必要がなくなり、無潅水で植物6を生育することができるため、植物の維持管理が容易なものとなるとともに、費用を低減できる。また、建築物の屋上の構造に関わらず簡単に施工できるため、さまざまな建築物に広く利用することができる。
【0038】
また、屋上緑化構造において、カバーは次のように構成することもできる。図7、図8に示すように、カバー30は柔軟性を有する部材から構成されており、該カバー30に一点を中心として円弧状に切目30a・30a・・・が設けられている。そして、これらの切目30a・30a・・・の中心が植物6の植付位置6aと一致するように、カバー30は土壌5に敷設される。なお、本実施例では、複数のカバー30・30・・・を植付位置6aごとに配置しているが、カバーを一つとして植付位置6aごとに切目30a・30a・・・を設けるように構成することもできる。
【0039】
カバー30は植付位置6aで生育する植物6を覆うことのできる大きさとされ、植物6が成長するに従って、該植物6に押されて上方に膨らむように構成されている。そして、カバー30が膨らんだ際に、図8に示すように、各切目30aが開口されて開口部30bを形成し、該開口部30bを通ってカバー30内側の空間32から植物6がカバー30外側の空間に伸長可能とされている。この際、開口部30bは植物を通過可能とする最小限の大きさとなり、該開口部30bを通ってカバー30内側の空気に含まれる水分がカバー30外側の空間に逃げるのを防いでいる。
【0040】
さらに、屋上緑化構造において、カバーは次のように構成することもできる。図9、図10に示すように、カバー36は柔軟性を有する部材から構成されており、該カバー36に一点を中心として放射状に切目36a・36a・・・が設けられるとともに、切目36a・36a・・・の隣り合う外側端点を結ぶように折目36b・36b・・・が設けられている。そして、これらの切目36a・36a・・・の中心が植物6の植付位置6aと一致するように、カバー36は土壌5に敷設される。
【0041】
また、カバー36の切目36a・36aと折目36bで囲まれる部分が屈曲部36cとして折目36bに沿って上方に屈曲可能とされ、隣接する屈曲部36c・36cが所定間隔ごとに紐37などで結束されている。なお、屈曲部36cと屈曲部36cとの結束は、屈曲部36c・36cに所定の力が作用すると簡単に解ける、または切断されるように構成されている。また、本実施例では、複数のカバー36・36・・・を植付位置6aごとに配置しているが、カバーを一つとして植付位置6aごとに切目36a・36a・・・及び折目36b・36b・・・を設けるように構成することもできる。
【0042】
そして、カバー36は屈曲部36c・36c・・・にて植付位置6aで生育する植物6を覆うことのできる大きさとされ、植物6が成長するに従って、該植物6に押されて屈曲部36c・36c・・・が屈曲し、中心側から順に上方にめくれるように構成されている。こうして、屈曲部36c・36c・・・がめくれた際に、図10に示すように、切目36a・36a・・・によりカバー36の中心部に開口部36dが形成され、該開口部36dを通ってカバー36内側の空間から植物6がカバー36外側の空間に伸長可能とされている。このとき、開口部36dは屈曲部36c・36c・・・の紐37による結束によって、一度に大きく開かず、植物を通過可能とする最小限の大きさとなるようにカバー36の中心部から徐々に開き、該開口部36dを通ってカバー36内側の空気に含まれる水分がカバー36外側の空間に逃げるのを防いでいる。
【0043】
このようにカバー30・36を構成することによって、昼夜の気温差によりカバー30・36内側の温度が高く、外側の温度が低くなってカバー30・36内外に温度差が生じ、該温度差によってカバー30・36内側の空気に含まれる水蒸気のうち、飽和した水蒸気が凝結し、水滴となってカバー30・36の内側側面に付着する。こうして発生した水滴が切目30a・36aによる開口部30b・36c付近から下方の土壌5に落下し、土壌5に給水が行われることになる。したがって、前述の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0044】
そして、以上のような屋上緑化構造において、カバー10・20・30を熱伝導率の高い高熱伝導率材で構成することで、外気によりカバー10・20・30が外気温度に近い温度まで冷却されるため、カバー10・20・30内外の温度差がより高くなり、カバー10・20・30の内側側面に付着する水滴の量を増加させることができる。逆に、カバー10・20・30を熱伝導率の低い低熱伝導率材で構成すると、カバー10・20・30の内側側面に付着する水滴の量は減少するが、建築物に対する断熱効果を高めることができる。
【0045】
また、前記土壌5として保水作用の高い高保水材料、例えば珪藻土などからなる多孔質土壌を用いることで、土壌5に含まれる水分の蒸発を抑えることができる。よって、土壌5に植物6の生育に必要な量の水が長期間にわたって保水されるため、潅水を行う必要がなくなり、植物を無潅水で確実に生育することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施例に係る屋上緑化構造の構成を示す断面図。
【図2】カバーの一部拡大断面図。
【図3】カバーの斜視図。
【図4】別実施例の屋上緑化構造の構成を示す断面図。
【図5】カバーの一部拡大断面図。
【図6】カバーの斜視図。
【図7】別実施例の屋上緑化構造の構成を示す平面図。
【図8】カバーの膨らんだ状態を示す斜視図。
【図9】別実施例の屋上緑化構造の構成を示す平面図。
【図10】カバーの中心部がめくれた状態を示す斜視図。
【符号の説明】
【0047】
5 土壌
6 植物
6a 植付位置
10 カバー
11 突部
11a 開口部
15 溝部
15a 孔
20 カバー
21 突部
21a 開口部
25 基部
25a 孔
30 カバー
30a 切目
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
【識別番号】500514258
【氏名又は名称】株式会社グリーンスタジオ
【住所又は居所】大阪府吹田市千里万博公園13番35号
【出願日】 平成16年12月24日(2004.12.24)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎

【公開番号】 特開2006−174792(P2006−174792A)
【公開日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願番号】 特願2004−373441(P2004−373441)