| 【発明の名称】 |
セラミック製植木鉢の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】小山内 東 【住所又は居所】愛知県知多郡武豊町字上山1丁目76番地 杉江製陶株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】セラミック製でありながら、円柱形状のものや立方体形状のものを容易に作製できる植木鉢の製造方法を提供する。
【解決手段】前後に筒状に伸びた本体1の内壁の4隅に前後に亘り設けた帯状突起7と、対向する内壁に前後に亘り架け渡されて内部空間を分断する隔壁体6を設けた成形体を押出成形により成形し、その成形体を適宜長さで切断した。切断した成形体の一方の切断面から、削ぎ刃8aを挿脱操作して帯状突起7及び隔壁体6の不要部を切除して底部を作製し、他方の切断面に脚部を作製した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前後に筒状に伸びた本体の内壁の複数箇所に前後に亘り設けた帯状突起と、前記本体の対向する内壁間に前後に亘り架け渡されて内部空間を分断する隔壁体とのうち、少なくとも帯状突起を備えた粘土製成形体を押出成形する押出成形工程と、 押出成形した成形体を適宜長さで切断する切断工程と、 切断した成形体の前記帯状突起及び前記隔壁体のうち、植木鉢底部を構成する一部を残して一方の切断面から不要部分を除去する底部形成工程と、 底部を形成した成形体を焼成する焼成工程と、 を有することを特徴とするセラミック製植木鉢の製造方法。 【請求項2】 底部形成工程は、線状の削ぎ刃を成形体の一方の切断面から挿脱操作して不要部を切除して実施する請求項1記載のセラミック製植木鉢の製造方法。 【請求項3】 底部形成工程の前後、或いは同時に植木鉢の脚部を形成する脚部形成工程を有し、脚部は成形体の他方の切断面の脚配置部以外の不要部を除去して作成される請求項1又は2記載のセラミック製植木鉢の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は植木鉢の製造方法に関し、詳しくは下部から上部先端にかけて同一径で形成されたセラミック製植木鉢の製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 現在流通しているプランターや植栽ポット等の植木鉢は、セラミック製とプラスチック製の2種類に大きく分類できる。セラミック製のものは、ろくろ成形、プレス成形、鋳込み成形等により作製され、腐食することがなくまた環境に優しいため、広く使用されている。また、プラスチック製のものは、射出成形により作製され、安価に作製できるしデザインし易く耐久性もあるので、これもまた広く採用されている(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】特開平11−289875号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上述するように、プラスチック製の鉢は、従来からある形状の上方に広がり形成された円錐形のものに加えて横長のものやお椀形等様々な形のものがあるが、セラミック製のものは、円錐形状のものが主流で、セラミックの性質上或いはその製法から、例えば立方体形状のような角形のもの、或いは上下に亘り同一径のものはコスト高になるため生産そのものが少なかった。しかし、セラミック製の植木鉢は上述するように環境に優しいため、デザイン性に優れたセラミック製の植木鉢が望まれていた。 そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、セラミック製でありながら、円柱形状のものや、立方体形状のものを容易に作製できる植木鉢の製造方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0004】 上記課題を解決する為に、請求項1に記載の発明は、前後に筒状に伸びた本体の内壁の複数箇所に前後に亘り設けた帯状突起と、前記本体の対向する内壁間に前後に亘り架け渡されて内部空間を分断する隔壁体とのうち、少なくとも帯状突起を備えた粘土製成形体を押出成形する押出成形工程と、押出成形した成形体を適宜長さで切断する切断工程と、切断した成形体の前記帯状突起及び前記隔壁体のうち、植木鉢底部を構成する一部を残して一方の切断面から不要部分を除去する底部形成工程と、底部を形成した成形体を焼成する焼成工程とを有することを特徴とする。 この発明により、円筒状或いは立方体形状等の上下に亘り同一径の植木鉢を容易に作製することが可能となる。また、底部の構成は帯状突起のみか、帯状突起と隔壁体を有するだけで大きな開口を形成できるので、軽量化を図る事ができる。また、成形段階では隔壁体が梁の作用を奏して成形体の形状を保持するため、作業し易い。 【0005】 請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、底部形成工程は、線状の削ぎ刃を成形体の一方の切断面から挿脱操作して不要部を切除して実施することを特徴とする。 この発明により、帯状突起や隔壁体の不要部を無理なく切除でき、変形する事が無いしバリの発生を少なくできる。 【0006】 請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、底部形成工程の前後、或いは同時に植木鉢の脚部を形成する脚部形成工程を有し、脚部は成形体の他方の切断面の脚配置部以外の不要部を除去して作成されることを特徴とする。 この発明により、別途脚部材を設ける必要が無くなるし、脚部は容易に作製できる。 【発明の効果】 【0007】 このように、本発明によれば、円筒状或いは立方体形状等の上下に亘り同一径の植木鉢を容易に作製することが可能となる。また、底部に大きな開口を形成できるので、軽量化を図ることができる。更に、成形段階では隔壁体が梁の作用を奏して成形体の形状を保持するため、作業し易い。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るセラミック製植木鉢の製造方法により作製した植木鉢の一例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 図示するように、略長方形で筒状の本体1と、本体底部を構成する底枠2、支持突起3、そして脚部4から構成され、本体1は何れの部位も横断面は同一形状であり、上下に亘り同一径同一厚みで筒状に形成されている。底枠2は棒状体を格子状に組んだ形状で形成され、支持突起3は本体1の4隅に設けられ、底部は大きく開口形成されている。また、寸法は、高さHが200mm、幅Wが344mm、奥行きLが240mmで作製されている。 【0009】 尚、この植木鉢は、別途用意した板体で底部が閉塞されて使用され、底枠2及び支持突起3は、この板体を支持するために設けられている。この場合、板体は、プラスチック製で本体1の内底部全体を覆うよう形成され、水を通過させる孔が適宜位置に設けられたものが使用される。また、枠体2の交差部の丸孔2aは焼成により発生する歪みを考慮して設けられているし、本体1外側面に設けられた複数の縦溝5はデザイン上の観点から設けられている。 【0010】 図2はこの植木鉢の製造手順の説明図であり、以下図2を基に製造方法を説明する。まず、押出成形機(図示せず)を使用して、図2(a)に示すような所望する形状の粘土成形体を押し出す。この押出成形により、植木鉢の本体1を成し押出方向に開口した筒状の外枠が形成されると共に、同時にその内部に底枠2の基となる隔壁体6(6a,6b)、及び支持突起3の基となる帯状突起7が押出方向に亘り一様に形成される。尚、ここでは本体1の開口形状が略長方形を成しているため、隔壁体6は長辺側には2本、短辺側には1本設けて強度バランスを図っている。 【0011】 このように作製された成形体は所定の長さで切断された後、不要となる隔壁体6、帯状突起7を除去して、底枠2、支持突起3を作製する工程、更に脚部4を作製する工程に入る。これらの工程は特に順番があるわけではなく同時に実施しても良いが、ここでは隔壁体6の除去、次に帯状突起7の除去、そして脚部4を作製している。 【0012】 まず隔壁体6の除去に際して、成形体は切断開口部を横向きに配置し、且つ短辺側を上下に配置する。こうすることで、長辺側に設けられた2本の隔壁体6a,6aが水平に配置され、この水平に配置された2本の隔壁体6a,6aの除去から行われる。 隔壁体6の除去に使用される治具は、図3に示すように平行な2本の腕体8bの先端に線状の焼き入れ研磨プレートで形成された削ぎ刃8aを腕体8bに対して直交するよう取り付けた切削治具8が使用され、この削ぎ刃8aにより成形体の一方の開口部から不要部が切断して除去される。 水平に配置される2段の隔壁体6a,6aの切断は、図2(b)に示すように削ぎ刃8aを縦に配置した切削治具8を上下及び左右に4つ配置したものが使用される。左右の切削治具8同士は、削ぎ刃8aが本体1の開口部の幅に合わせて配置され、上下の切削治具8の間隔は、隔壁体6の間隔に合わせて配置されている。 【0013】 このように配置した削ぎ刃8aを、水平な個々の隔壁体6aに位置合わせし、本体1の所定深さまで本体1に平行に挿入して行く。そして、所定深さに達したら左右の削ぎ刃8aを互いに内側に平行移動し、中央に垂直に配置された隔壁体6bの近傍まで移動する。この操作は、例えばエアシリンダ等の流体シリンダを腕体に組み付けることで良好に実施できる。こうして、中央の隔壁体6b近傍に達したら引き抜く。ここで、所定深さは底枠2の高さで決定される。 図4は、この工程の説明図で、S1は削ぎ刃8aの挿入開始位置を示し、S2は引き抜き位置を示している。この切断操作により、水平に配置された隔壁体6aは奥部(底部)を残して切除される。 【0014】 次に、中央に残った縦の隔壁体6bを除去する。この工程では、図2(c)に示すように水平に配置した削ぎ刃8aを上下2段設けて切断操作される。2段の削ぎ刃8aは連動し、下段の削ぎ刃8aを隔壁体6bの下端から挿入すると、上段の削ぎ刃8aは隔壁体6bの中央より僅かに下の位置に挿入される。挿入は本体1に平行に行われ、所定の深さまで挿入されたら上方に平行移動し、上段の削ぎ刃8aが隔壁体6bの上端に達したら本体1に平行に引き出す。 図5はこの切削操作を示し、T1が下段の削ぎ刃8aの挿入開始位置を示し、T2は上段削ぎ刃8aの引き出し位置を示している。更にT3は上段削ぎ刃8aの挿入開始位置、T4は下段削ぎ刃8aの引き出し位置を示している。この切断により、縦の隔壁体6bの不要部には全体に切り込みが入り、分離された隔壁体6bを引き抜くことで本体1内に大きな空間が形成される。同時に、底枠2が形成される。 【0015】 このように、水平に設けられた隔壁体に対しては外側から削ぎ刃を挿入して内側から引き抜くことで、本体にバリが発生することがない。また、水平に配置された隔壁体を最初に除去することで、残された縦に配置された隔壁体の変形が少なく、結果として外壁の変形を小さくできる。そして、縦に配置された隔壁体の除去工程は、下部に一箇所バリが発生するだけで済む。 【0016】 帯状突起7の除去は次のように実施される。帯状突起7の除去は、図6に示す治具により行われ、腕体9bの先端に腕体9bに直交する方向に焼き入れ研磨プレート(削ぎ刃)9aを備えた切削治具9が使用される。この削ぎ刃9aは、本体1隅部の曲率に合わせた曲率を設けて形成され、切削治具9は帯状突起7の位置に合わせて、図7(a)に示すように個々の帯状突起7に合致するように4つ配置され、4箇所同時に切除操作される、上記図2(b)に示す隔壁体6の切除と同様に、夫々の帯状突起7に挿入後、所定深さに達したら図7(b)に示すように左右の削ぎ刃9aを互いに内側にスライド移動することで、不要な帯状突起7が切除される。こうして、開口部にバリが発生することなく支持突起3が形成される。 【0017】 最後に、脚部4を形成する。図8は脚部形成工程の説明図であり、図8(a)は成形体の底面説明図、図8(b)は右側に底面を配置した側面説明図を示し、図8に示すハッチング部を除去して形成される。図において、10は削ぎ刃10aを備えた切削治具を示し、図3に示す切削治具8と同様の形状であり、不要部は切除して除去される。但し、削ぎ刃10aは本体1の長辺側の幅より長く形成され、この治具を用いて不要部を切断して脚部4は形成される。 【0018】 詳しくは、まず成形体の他方の開口部に削ぎ刃10aを平行に且つ水平に配置し、上下に移動操作してM1に示す部位を切除する。続いて、削ぎ刃10aを垂直に配置して左右に移動操作してM2に示す部位を切除する。こうして、本体1の4隅に脚部4が形成される。同時に、本体1及び隔壁体6の不要な部位が切除され、植木鉢の成型は終了する。その後、通常の乾燥、焼成工程を経ることで、植木鉢は完成する。 尚、削ぎ刃10aで切除する際、底枠2となる残された隔壁体6の変形を防止するために、底枠10aの形状に合致するよう形成した枠板を隔壁体6を取り除いた一方の開口部から挿入して底枠2に当てがうと良い。また、脚部4は周囲を切除して作製せず、別途作製した脚部材を本体底面に接合して作製しても良く、接合は、陶器の接合と同様に、成形体と同一組成の粘土を使用することで容易に実施できる。また、脚部を特に設けず、水抜き用の凹部を本体底面に設けるだけでも良い。 【0019】 このように、押出成形により作製した成形体の不要部を切除するだけの簡易な作業で作製でき、上下に亘り同一径の植木鉢を容易に作製することができる。また、底部の構成は帯状突起と隔壁体を有するだけで大きな開口部を有しているので、軽量化を図る事ができるし、成形段階では隔壁体が梁の作用を奏して成形体の形状を保持するため、作業がし易い。 更に、不要部は線状の削ぎ刃により切除するので、帯状突起や隔壁体の不要部を無理なく切除でき、変形する事無くまたバリの発生を少なくできるし、脚部も底部の不要部を切除して形成するので容易に作製でき、別途脚部材を設ける必要が無い。 【0020】 図9〜図11は、この製造方法により作製される植木鉢の他の例を示している。何れも平面図を示し、図9は開口部が正方形に形成され、本体は立方体形状に形成されたもの、図10は開口部が真円形状で本体周囲に縦溝12が形成されたもの、図11は開口部が長方形に形成され、本体は直方体形状に形成されたものを示している。正方形状のもの、円形のものは底枠2が十字状に形成され、長方形状のものは長辺間に2本の底枠2が平行に配設されている。 このように、円筒状或いは立方体形状等の上下に渡り同一径である様々な形状のものを良好に作製できる。但し、底枠の本数や太さ、支持突起の個数は本体の形状や大きさに応じて変わる。 【0021】 尚、小さい径の植木鉢に関しては、本体1内壁に設けた支持突起3だけで、内部に敷く板体を良好に支持できるので、底枠2は無くても良い。但し、成形工程において、形状を良好に保持させるためには、隔壁体を設ける方が良く、結果として底枠はある方が好ましい。 また、上記実施形態の隔壁体6等の除去工程は、成形体を横向きに配置して、横方向から削ぎ刃8a.9a,10aを挿入して、不要部分の切除を行ったが、成形体を縦に配置して、開口部を上下に向けて上方から削ぎ刃8a.9a,10aを挿入して切除作業を行ってもよい。この場合、重力の作用を受け難くなるので成形体の変形を更に小さくできる。 また、削ぎ刃は上記実施形態では、焼き入れ研磨プレートとしたが、直線状の削ぎ刃に関してはピアノ線が使用できる。 【図面の簡単な説明】 【0022】 【図1】本発明に係るセラミック製植木鉢の製造方法により作製された植木鉢を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 【図2】図1のセラミック製植木鉢の製造方法の工程図であり、(a)は押出成形により作製された成形体を示し、(b)は不要部の除去工程を示し、(c)は同様に不要部の除去工程を示している。 【図3】隔壁体を切断する切削治具の説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 【図4】水平に配置された隔壁体の除去手順を示す説明図である。 【図5】垂直に配置された隔壁体の除去手順を示す説明図である。 【図6】帯状突起を切除する切削治具の説明図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 【図7】図6の切除治具による帯状突起除去の説明図であり、(a)は切除開始及び切除中、(b)は切除終了状態を示している。 【図8】脚部作製手順を示す説明図であり、(a)は除去部位を示す成形体の底面説明図、(b)は側面説明図である。 【図9】本発明の方法により作成された植木鉢の他の形状を示す平面図である。 【図10】本発明の方法により作成された植木鉢の他の形状を示す平面図である。 【図11】本発明の方法により作成された植木鉢の他の形状を示す平面図である。 【符号の説明】 【0023】 1・・植木鉢の本体、2・・底枠、3・・支持突起、4・・脚部、6・・隔壁体、7・・帯状突起、8a,9a,10a・・削ぎ刃。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000193830 【氏名又は名称】杉江製陶株式会社 【住所又は居所】愛知県知多郡武豊町字上山1丁目76番地
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| 【出願日】 |
平成16年11月29日(2004.11.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078721 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 喜樹
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| 【公開番号】 |
特開2006−149277(P2006−149277A) |
| 【公開日】 |
平成18年6月15日(2006.6.15) |
| 【出願番号】 |
特願2004−344441(P2004−344441) |
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