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【発明の名称】 土壌消毒装置
【発明者】 【氏名】安井 俊介

【要約】 【課題】牽引するだけで土壌を蒸気加熱によって消毒することができるものでありながら、消毒対象土壌の深い部分から浅い部分までの全体を均等かつ迅速に加熱処理することができる土壌消毒装置を提供する。

【解決手段】機体横方向に並ぶ複数本の機体上下向きの蒸気供給管3の下端側の湾曲管部6に、機体上下方向に並ぶ複数の蒸気噴出孔7を設けてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
牽引装置に連結される連結部を有した機体フレームに上端側が連結されるとともに機体横方向に並んだ複数本の機体上下向きの蒸気供給管を備え、
前記各蒸気供給管に、機体上下方向に並んだ複数個の蒸気噴出孔を設けてある土壌消毒装置。
【請求項2】
前記各蒸気供給管の下端側に、機体側面視で下端側ほど機体前方側に位置する状態に湾曲した湾曲管部を備えてあるとともに、前記各蒸気供給管の前記湾曲管部に、前記複数個の蒸気噴出孔を設けてある請求項1記載の土壌消毒装置。
【請求項3】
前記連結部をロータリ耕耘機の耕耘装置に連結されるように構成し、土壌消毒装置が耕耘装置に連結された状態において、機体側面視で前記各蒸気供給管の前記湾曲管部の先端側が耕耘装置の耕耘ロータの下方に位置した状態で各蒸気供給管が前記耕耘ロータの後方に位置するように前記各蒸気供給管を構成してある請求項2記載の土壌消毒装置。
【請求項4】
前記蒸気供給管よりも機体後方側で機体横方向に並んで前記機体フレームに支持された複数本の後蒸気供給管を備えるとともに、機体前後方向視において前記複数本の蒸気供給管の隣り合う一対の蒸気供給管の間に前記後蒸気供給管の一本が位置するように前記蒸気供給管及び後蒸気供給管を配置してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の土壌消毒装置。
【請求項5】
前記機体フレームと前記蒸気供給管の上端側との間に、蒸気供給管に設定値以上の土壌抵抗が作用することによって蒸気供給管が機体フレームに対して作業姿勢から機体後方側に回動することを許容する回動連結部を設けてある請求項1〜4のいずれか1項に記載の土壌消毒装置。
【請求項6】
前記複数本の蒸気供給管の上端側に連通されて各蒸気供給管に蒸気を分配供給する蒸気分配管を備えるとともに、前記蒸気分配管と前記各蒸気供給管との間に、蒸気供給管を蒸気分配管に対して脱着する脱着部を設けてある請求項1〜5のいずれか1項に記載の土壌消毒装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌に内部から蒸気を供給して土壌消毒する土壌消毒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記土壌消毒装置として、特許文献1に示されるように、ホース本体2の長手及び周方向に並ぶ蒸気噴出孔3,4,5をホース本体2に備えさせ、蒸気供給ホース9をボイラ12に接続するとともに土壌に埋設することによって、蒸気噴出孔3,4,5から蒸気を土壌内に噴出することができるように構成した蒸気供給ホース9を先に開発した。
【0003】
また、従来、たとえば特許文献2に示されるように、巻取機に連結するための取手4を前方に有した蒸気溜1の底下に数本の蒸気放出管2が蒸気溜1の内部と連絡して設けられ、放出管2は、蒸気溜1から消毒すべき土壌の深さ下方に伸び、直角に曲折して後方へ伸び、放出管2の水平部分に蒸気放出孔13が設けられ、蒸気溜1の上方に固着された蒸気供給管8より蒸気を供給しながら巻取機で装置を前方に引いて移動させて蒸気を土壌中に噴出させるように構成された土壌消毒装置があった。
【0004】
【特許文献1】特開2003−49980号公報(段落〔0022〕−〔0028〕、図1,4,5)
【0005】
【特許文献2】特公昭50−33941号公報(第2−3欄、第1、2、3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に示されるものにあっては、消毒処理の際に土壌内に埋め、消毒処理の後に土壌内から掘り出す作業が必要になっていた。
【0007】
また、特許文献2に示されるものにあっては、蒸気放出管(蒸気供給管に相当)の水平部分に複数の蒸気放出孔(蒸気噴出孔に相当)を設けられていて、土壌内の同一深さに位置することになる複数の蒸気放出孔から蒸気を噴出する技術を採用されており、蒸気放出管が入り込んだ土壌層のうちの土壌表面にも蒸気による加熱作用が及ぶようにするには、一つの蒸気放出孔が同一箇所で長時間にわたって蒸気を噴出するように蒸気放出管が土壌内を移動する速度を遅くする必要があり、作業能率が悪くなりがちであった。また、蒸気放出管が入り込んだ土壌層の深い部分の加熱温度が浅い部分の加熱温度よりも高くなるという加熱むらが発生しがちであった。
【0008】
蒸気放出管の水平部分に蒸気放出管の移動方向に並んで位置する蒸気放出孔の数を多くすると、蒸気放出管が土壌内を比較的迅速に移動しても蒸気による加熱作用が土壌層の浅い部分にも及びやすくなるが、蒸気放出管の水平部分の長さが長くなり、消毒装置の前後長さが長くなっていた。
【0009】
また、ロータリ耕耘機による耕耘後の土壌内を蒸気放出管が移動するように土壌消毒装置をロータリ耕耘機の耕耘装置に連結し、蒸気放出管の蒸気放出孔から蒸気が設定圧で噴出するように構成すると、噴出される蒸気のために土壌が流動して土壌の加熱が迅速かつ均等に行なわれやすくなる。この場合、一本の蒸気放出管が備える蒸気放出孔の数が多くなると、土壌消毒装置に機体横方向に並べて備えさせることができる蒸気放出管の数量が少なくなり、土壌消毒装置によって消毒処理することができる機体横方向での作業幅が狭くなる。
【0010】
すなわち、土壌消毒装置に蒸気供給する蒸気発生装置による供給可能な蒸気量には限界があることから、一本の蒸気放出管が備える蒸気放出孔の数が多いにもかかわらず、機体横方向に並ぶ蒸気放出管の数量を多くすると、装置全体としての蒸気放出管の数量が多くなって各蒸気放出孔から噴出される蒸気圧が設定圧よりも低下して土壌流動が発生しなくなるので、各蒸気放出孔から噴出される蒸気圧が設定圧よりも低下しないように装置全体として備える蒸気放出管の数量を規制する必要があり、消毒処理できる機体横方向での作業幅が狭くなる。
【0011】
本発明の目的は、上記した加熱むらが少ない消毒処理を能率よく行なうことができるとともにコンパクトに得ることができ、また、土壌流動を発生させながら消毒処理する場合でも広い範囲にわたって消毒処理することができる土壌消毒装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本第1発明による土壌消毒装置にあっては、牽引装置に連結される連結部を有した機体フレームに上端側が連結されるとともに機体横方向に並んだ複数本の機体上下向きの蒸気供給管を備え、前記各蒸気供給管に、機体上下方向に並んだ複数個の蒸気噴出孔を設けてある。
【0013】
すなわち、ロータリ耕耘機などの牽引装置に連結部によって連結し、各蒸気供給管に蒸気を供給しながら、各蒸気供給管が消毒対象土壌の内部を移動していくようにして牽引させ、各蒸気供給管の複数の蒸気噴出孔から土壌内に蒸気を噴出させるものである。
【0014】
複数の蒸気噴出孔は、機体上下方向に並んでいることにより、蒸気供給管が入り込む土壌層の深い部分から浅い部分の全体にわたって深さ方向に分散して位置する状態になって消毒対象土壌層の深い部分から浅い部分までの全体にわたって均等に蒸気を供給するようになる。これにより、蒸気供給管が土壌内を移動する速度を比較的速くしても、また、蒸気供給管に備える蒸気噴出孔の数を比較的少なくしても、消毒対象土壌層の深い部分から浅い部分までの全体が均等かつ迅速に加熱される。
【0015】
蒸気供給管に備える蒸気噴出孔の数を比較的少なくしても消毒対象土壌層の深い部分から浅い部分までの全体が均等かつ迅速に加熱されることにより、土壌に流動が発生する圧力での蒸気が噴出されるように装置全体としての蒸気噴出孔の数量を規制しても、比較的数多くの蒸気供給管を機体横方向に並べて備えることができる。
【0016】
従って、本第1発明によれば、牽引装置によって牽引させるだけで蒸気供給管が土壌にその内部から蒸気を供給していき、装置を土壌内に埋めたり土壌内から掘り出したりする作業を必要としないで楽にかつ能率よく消毒作業を行なうことができるものでありながら、消毒対象土壌層の深い部分から浅い部分までの全体にわたって均等に蒸気供給するようにして移動させて、消毒処理される土壌層の深さ方向での加熱むらが少ない仕上がり精度のよい消毒作業を行なうことができる。しかも、消毒対象土壌層の深い部分から浅い部分までの全体にわたって迅速に加熱させることができるとともに、蒸気供給管が土壌内を迅速に移動するように牽引させることができ、この面からも能率よく作業を行なうことができる。
【0017】
蒸気供給管に備える蒸気噴出孔の数を比較的少なくしながら消毒対象土壌層の深い部分から浅い部分までの全体が均等かつ迅速に加熱されるようにできることにより、蒸気供給管の装備に必要な機体前後方向でのスペースが小であるようにコンパクト化し、取り扱いや操縦が行いやすくなる。
【0018】
また、蒸気供給管に備える蒸気噴出孔の数を比較的少なくしながら消毒対象土壌層の深い部分から浅い部分までの全体が均等かつ迅速に加熱されるようにできることにより、蒸気供給管から蒸気が適切な圧力で噴出されるように装置全体に備える蒸気噴出孔の数量を規制する場合でも、極力数多くの蒸気供給管を機体横方向に並べて備えさせ、土壌に噴出蒸気による流動を発生させてより加熱むらがない土壌加熱をより迅速に行なわせるとともに、この土壌加熱を数多い蒸気供給管によって機体横方向での広範囲にわたって行なわせ、より能率よく消毒作業することができる。
【0019】
本第2発明による土壌消毒装置にあっては、本第1発明による構成において、前記各蒸気供給管の下端側に、機体側面視で下端側ほど機体前方側に位置する状態に湾曲した湾曲管部を備えてあるとともに、前記各蒸気供給管の前記湾曲管部に、前記複数個の蒸気噴出孔を設けてある。
【0020】
すなわち、湾曲管部は、下端側ほど機体前方側に位置する状態に湾曲していることにより、土壌による持ち上げ作用を受けず、持ち上げ作用を受けた場合の如く土壌への入り込み深さが変化することが少ない状態で土壌内を移動していく。これにより、蒸気供給管が土壌内を移動する速度を速くしても、また、蒸気供給管に備える蒸気噴出孔の数を比較的少なくして蒸気供給管の機体前後方向での長さを比較的短くしても、消毒対象土壌層の深い部分から浅い部分までの全体が均等かつ迅速に加熱される。
【0021】
従って、本第2発明によれば、蒸気供給管が土壌による持ち上げを受けて深さ変化する事態が発生しにくく、消毒処理される土壌層の深さ変化が少ない仕上がり精度のよい消毒作業を行なうことができる。
【0022】
本第3発明にあっては、本第2発明の構成において、前記連結部をロータリ耕耘機の耕耘装置に連結されるように構成し、土壌消毒装置が前記耕耘装置に連結された状態において、機体側面視で前記各蒸気供給管の前記湾曲管部の先端側が耕耘装置の耕耘ロータの下方に位置した状態で各蒸気供給管が前記耕耘ロータの後方に位置するように前記各蒸気供給管を構成してある。
【0023】
すなわち、土壌消毒装置をロータリ耕耘機に連結して牽引させ、蒸気供給管が耕耘装置によって耕起された後の土壌内を移動して蒸気供給するように消毒作業するものである。これにより、蒸気供給管の蒸気噴出孔から蒸気が適切な圧力で噴出されるように蒸気供給しながら作業すると、消毒対象の土壌層に蒸気圧による土壌流動が発生して消毒対象土壌層の深い部分から浅い部分までの全体にわたって均等かつ迅速に加熱処理されるようにしながら作業することができる。
【0024】
さらに、各蒸気供給管の湾曲管部の先端側が耕耘ロータの下方に位置した状態に土壌消毒装置が耕耘装置に接近して連結し、土壌消毒装置を連結した状態での機械全体の前後長さが短くなる。
【0025】
従って、本第3発明によれば、消毒対象土壌装置に噴出蒸気による土壌流動を発生させて消毒対象土壌層の全体にわたって均等かつ迅速に加熱処理させ、加熱むらがより一層すくない仕上がり精度のよい消毒作業を行なうことができ、しかも、機械全体の前後長さが短くて操縦面などで有利に作業を行なうことができる。
【0026】
本第4発明にあっては、本第1〜3発明のいずれか一つの構成において、前記蒸気供給管よりも機体後方側で機体横方向に並んで前記機体フレームに支持された複数本の後蒸気供給管を備えるとともに、機体前後方向視において前記複数本の蒸気供給管の隣り合う一対の蒸気供給管の間に前記後蒸気供給管の一本が位置するように前記蒸気供給管及び後蒸気供給管を配置してある。
【0027】
すなわち、機体横方向に並ぶ蒸気供給管の配置間隔が小になると、隣り合う一対の蒸気供給管の間に土が詰まりやすくなり、機体横方向に並ぶ蒸気供給管の配置間隔が大になると、隣り合う一対の蒸気供給管の間に加熱漏れ箇所が発生しやすくなる。本第4発明にあっては、蒸気供給管と後蒸気供給管が機体前後方向に並ぶとともに機体前後方向視で隣り合う一対の蒸気供給管の間に後蒸気供給管が位置するものだから、機体前方側に位置する蒸気供給管の配置間隔も、機体後方側に位置する後蒸気供給管の配置間隔も、土詰まりが発生しにくい大間隔になるようにして、装置全体として機体横方向に並ぶ蒸気供給管の配置間隔としては、蒸気供給管の間に加熱漏れ箇所が発生しにくい小間隔になるようにして蒸気供給管を備えることができる。
【0028】
従って、本第4発明によれば、蒸気供給管どうしの間における土詰まりも加熱漏れ箇所も発生しにくいことから、土壌消毒装置を迅速に牽引して消毒漏れが発生しにくい仕上がり精度のよい消毒作業を能率よく行なうことができる。
【0029】
本第5発明にあっては、本第1〜第4発明のいずれか一つの構成において、前記機体フレームと前記蒸気供給管の上端側との間に、蒸気供給管に設定値以上の土壌抵抗が作用することによって蒸気供給管が機体フレームに対して作業姿勢から機体後方側に回動することを許容する回動連結部を設けてある。
【0030】
すなわち、蒸気供給管の強度などを考慮して前記設定値を適切に設定すれば、蒸気供給管に設定値以上の大きな土壌抵抗が掛からない限り、回動連結部が作用しなくて蒸気供給管が作業姿勢を維持して所定の蒸気供給を行なっていくことができる。蒸気供給管が石や土塊に当たるなどして蒸気供給管に設定値以上の大きな土壌抵抗が掛かると、この土壌抵抗のために回動連結部が作用して蒸気供給管が作業姿勢から機体後方側に回動し、蒸気供給管に無理な力が掛かって変形や破損が発生する事態を回避しやすくなる。
【0031】
従って、本第5発明によれば、消毒対象箇所に石や土塊などの障害物が存在していて蒸気供給管が当たることがあっても、回動連結部の作用によって蒸気供給管が変形や破損することを回避しながら作業することができる。
【0032】
本第6発明にあっては、本第1〜第5発明のいずれか一つの構成において、前記複数本の蒸気供給管の上端側に連通されて各蒸気供給管に蒸気を分配供給する蒸気分配管を備えるとともに、前記蒸気分配管と前記各蒸気供給管との間に、蒸気供給管を蒸気分配管に対して脱着する脱着部を設けてある。
【0033】
すなわち、蒸気分配管に蒸気供給すれば、蒸気分配管の分配作用によって複数本の蒸気供給管に蒸気供給することができる。それでありながら、複数本の蒸気供給管のうちの一部の蒸気供給管が変形や破損した場合、変形や破損した蒸気供給管のみを脱着部にて蒸気分配管から取り外して交換することができる。
【0034】
従って、本第6発明によれば、各蒸気供給管に蒸気ホースを接続しなくても蒸気分配管に蒸気ホースを接続すれば各蒸気供給管に蒸気供給することができるものでありながら、蒸気供給管の変形や破損が発生した場合、変形や破損した蒸気供給管のみを交換して安価に修理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図2,4,5などに示すように、複数本の連結ネジ11が装備された連結部10を上面側に有した帯状板金で成る機体フレーム1、この機体フレーム1の下面側に機体横向きの一本の連結杆21を有した回動連結部20を介して連結された機体平面視で矩形ループの蒸気分配管2、この蒸気分配管2の機体前後方向に並ぶ一対の機体横向き管部2a,2bのうちの機体前方側に位置する前側横向き管部2aの下部に機体横方向に並べて連結された機体上下向きの複数本の前蒸気供給管3、蒸気分配管2の前記一対の機体横向き管部2a,2bのうちの機体後方側に位置する後側横向き管部2bの下部に機体横方向に並べて連結された機体上下向きの複数本の後蒸気供給管4を備えて、土壌消毒装置Aを構成してある。
【0036】
図2,4に示すように、蒸気分配管2は、前記前側横向き管部2a、前記後側横向き管部2b、前記前側横向き管部2aと後側横向き管部2bの機体左側の端部を連通させている左連通管部2c、前記前側横向き管部2aと後側横向き管部2bの機体右側の端部を連通させている右連通管部2dを備えて構成してある。蒸気分配管2の前記後側横向き管部2bの機体横方向での中央部に、後側横向き管部2bから機体上方向きに延出した短管で成る蒸気入り口5を設けてある。
【0037】
各前蒸気供給管3の上端側は、蒸気分配管2の前記前側横向き管部2aの下部の機体横方向に並ぶ複数箇所に前側横向き管部2aから機体下方向きに延出する短管を前側横向き管部2aに対する連通状態にして連結して設けた連結部2eの一つに連結するとともに連通させてある。各後蒸気供給管4の上端側は、蒸気分配管2の前記後側横向き管部2bの下部の機体横方向に並ぶ複数箇所に後側横向き管部2bから機体下方向きに延出する短管を後側横向き管部2bに対する連通状態にして連結して設けた連結部2fの一つに連結するとともに連通させてある。前側横向き管部2a及び後側横向き管部2bの前記連結部2e,2fは、図4,5に示す配列及び配置間隔で機体横方向に並んでいる。
【0038】
これにより、複数本の前蒸気供給管3及び後蒸気供給管4は、蒸気分配管2及び前記回動連結部20を介して機体フレーム1に支持されている。また、前蒸気供給管3及び後蒸気供給管4は、前蒸気供給管3の配置間隔D3と、後蒸気供給管4の配置間隔D4が同一になり、かつ、機体前後方向視において隣り合う一対の前蒸気供給管3の間の中心に一本の後蒸気供給管4が位置した配列で機体横方向に並んだ状態で蒸気分配管2の前側横向き管部2aや後側横向き管部2bの下部から機体下方向きに延出している。前蒸気供給管3及び後蒸気供給管4の配置間隔D3,D4は、隣り合う一対の前蒸気供給管3の間や、隣り合う一対の後蒸気供給管4の間に土が詰まりにくいように約24cmにしてある。
【0039】
図2に示すように、各前蒸気供給管3も各後蒸気供給管4も、上端側が直管になり、下端側が湾曲管になるように曲げ成形した一本の屈曲管によって構成することにより、各前蒸気供給管3及び各後蒸気供給管4の下端側に、機体側面視で下端側ほど機体前方側に位置する状態に湾曲した湾曲管部6を備えてある。図6に明示するように、各前蒸気供給管3及び各後蒸気供給管4の前記湾曲管部6の両横側に、機体の上下方向及び前後方向に並ぶように湾曲管部6の長手方向に沿って並んだ複数個の蒸気噴出孔7を設けてある。
【0040】
前蒸気供給管3及び後蒸気供給管4から噴出される蒸気圧が適切であると、前蒸気供給管3及び後蒸気供給管4が耕耘ロータ32による耕起後の土壌内に蒸気噴出すると、土壌層の前蒸気供給管3や後蒸気供給管4の周囲に噴出蒸気のために土壌流動B(図3参照)が発生し、土壌層の前蒸気供給管3や後蒸気供給管4の先端が位置する深い部分から土壌表面までの全体にわたって均等かつ迅速に蒸気による加熱作用が及ぶようになる。このため、蒸発量500kg/hでの水蒸気が前蒸気供給管3及び後蒸気供給管4に供給されると、前蒸気供給管3及び後蒸気供給管4から噴出される蒸気圧が土壌流動Bを発生させる蒸気圧になるように、各前蒸気供給管3及び各後蒸気供給管4の蒸気噴出孔7の大きさ、及び、土壌消毒装置全体としての蒸気噴出孔7の数量を設定してある。すなわち、各蒸気噴出孔7を直径が約5mmの噴出孔にし、前蒸気供給管3と後蒸気供給管4の合計本数を約13本にし、各前蒸気供給管3及び各後蒸気供給管4に、片側で約15個、両横側で約30個の蒸気噴出孔7を備えてある。
【0041】
図2,6に示すように、各前蒸気供給管3及び各後蒸気供給管4、並びに、蒸気分配管2の前記各連結部2e、2fに、蒸気供給管3,4や連結部2e,2fの前部から機体前方向きに延出するとともに蒸気供給管3,4及び連結部2e,2fの全長にわたって存在する板体で成る補強体に兼用の土切り体8を設けてある。
【0042】
図2,4などに示すように、前記回動連結部20は、蒸気分配管2の横方向での複数箇所で前側横向き管部2aと後側横向き管部2bとに連結された連結部材22を介して蒸気分配管2に連結された機体横向きの丸鋼管材で成る前記連結杆21、この連結杆21の機体横方向での複数箇所で連結杆21を前記機体フレーム1に締め付け連結しているUボルト23を備えて構成してある。
【0043】
前蒸気供給管3及び後蒸気供給管4に掛かる総合での土壌抵抗が複数本のUボルト23による締め付け力によって決まる設定値以上になるまでは、図7に二点鎖線で示す如く回動連結部20は、前蒸気供給管3及び後蒸気供給管4を上端側の直管部が鉛直又はこれに近くなった作業姿勢に維持し、前蒸気供給管3及び後蒸気供給管4に掛かる総合での土壌抵抗が前記設定値以上になると、図7に実線で示す如く回動連結部20は、前蒸気供給管3及び後蒸気供給管4が変形や破損しにくいように連結杆21と共にこの連結杆21の機体横向きの軸芯まわりで機体フレーム1に対して機体後方側に回動することを許容する。
【0044】
図1,2,5に示すように、連結部10は、機体フレーム1の機体横方向での中央部に連結された板金部材で成る連結枠12と、この連結枠12の前部に機体横方向及び機体前後方向に並べて装着される脱着自在な前記複数本の連結ネジ11を備えて構成してあり、図1,2に示す如く土壌消毒装置Aをロータリ耕耘機30aの耕耘装置31の後部に連結するようになっている。
すなわち、連結枠12の前部に機体前方向きに開口したヒッチ嵌入溝13を備えてあり、このヒッチ嵌入溝13に前記耕耘装置31が有するバー形のヒッチ33が入り込むように連結枠12をヒッチ33に対して位置合わせし、連結枠12とヒッチ33にわたって前記複数本の連結ネジ11が装着されることにより、連結部10は、耕耘装置31のヒッチ33に連結されて土壌消毒装置Aを耕耘装置31に連結するようになっている。図1に示すように、土壌消毒装置Aが耕耘装置31に連結された状態では、土壌消毒装置Aは、機体側面視で各前蒸気供給管3の前記湾曲管部6の先端側が耕耘装置31の耕耘ロータ32の下方に位置した連結姿勢になるように、前蒸気供給管3の大きさや形状、前蒸気供給管2aと連結部10の配置関係を設定してある。
【0045】
つまり、この土壌消毒装置Aは、野菜や花などが栽培される土壌を水蒸気によって加熱して消毒する作業を行なうものであり、図1,2に示す如くして消毒作業するようになっている。
【0046】
すなわち、ロータリ耕耘機30aにおける耕耘装置31のヒッチ33に連結部10によって連結し、消毒対象箇所の端部など、適宜箇所に設置されたボイラを有した蒸気発生装置(図示せず)からの蒸気ホース9を蒸気分配管2の蒸気入り口5に接続して蒸気分配管2に蒸気を供給してこの蒸気分配管2によって各前蒸気供給管3及び各後蒸気供給管4に蒸気を分配供給しながら、各前蒸気供給管3及び各後蒸気供給管4の下端側の湾曲管部6が耕耘装置31によって耕起された後の消毒対象土壌の内部を移動していくように土壌消毒装置Aをロータリ耕耘機30aによって牽引させ、各前蒸気供給管3及び各後蒸気供給管4から蒸気を土壌内に噴出して噴出蒸気による加熱によって土壌を消毒していく。
【0047】
このとき、蒸発量500kg/hでの蒸気を供給することにより、土壌層の前蒸気供給管3及び後蒸気供給管4のまわりに前蒸気供給管3や後蒸気供給管4から噴出される蒸気のために土壌流動Bが発生し、消毒対象土壌の前蒸気供給管3や後蒸気供給管4の先端が位置する深い部分から土壌表面までの全体にわたって均等かつ迅速に蒸気による加熱作用が及ぶようにしながら消毒作業を行なうことができる。
【0048】
また、土壌の土質、水分や有機質の量などに変化があると、ロータリ耕耘機30aの走行速度を調節することにより、前蒸気供給管3及び後蒸気供給管4が土壌内を移動する速度が変化し、土質、水分量、有機質量の変化などにかかわらず土壌が適切に消毒処理されるように蒸気による加熱温度を調節することができる。
【0049】
また、前蒸気供給管3や後蒸気供給管4が石や土塊に当たって前蒸気供給管3や後蒸気供給管4に前記設定値以上の土壌抵抗が掛かった場合、回動連結部20が作用して前蒸気供給管3及び後蒸気供給管4が連結杆21の機体横向き軸芯のまわりで機体フレーム1に対して作業姿勢から機体後方側に回動し、前蒸気供給管3や後蒸気供給管4に無理な力が掛かって変形や破損が発生することを回避しやすくなる。
【0050】
図2などに示すように、前記各前蒸気供給管3と、蒸気分配管2の前側横向き管部2aとの間、及び、前記各後蒸気供給管4と、蒸気分配管2の後側横向き管2bとの間に、複数本の連結ネジ41を備えた脱着部40を設けてある。
【0051】
各脱着部40は、前蒸気供給管3や後蒸気供給管4の前記上端側直管部分の端部に設けたフランジ42、蒸気分配管2の前記前側横向き管部2aや後側横向き管部2bの前記連結部2e,2fの下端部に設けたフランジ43、両フランジ42,43を分離自在に連結する脱着自在な前記連結ネジ41を備えて構成してあり、複数本の前蒸気供給管3や後蒸気供給管4の一部に変形や破損が発生した場合、変形や破損した前蒸気供給管3や後蒸気供給管4のみを脱着部40によって蒸気分配管2から取り外して交換することを可能にする。
【0052】
図8,9,10は、別の実施形態を備えた土壌消毒装置Aを示し、この土壌消毒装置Aにあっては、ロータリ耕耘機30aの耕耘装置31に連結される連結部10を有した機体フレーム1、蒸気供給管3に掛かる土壌抵抗が設定値以上になると蒸気供給管3が作業姿勢から機体後方側に回動することを許容する回動連結部20、複数本の蒸気供給管3の上端側に連通されて各蒸気供給管3に蒸気を分配供給する蒸気分配管2、機体横方向に並ぶ複数本の蒸気供給管2を備えて成る点においては、図2,4などに示される土壌消毒装置Aと一致しているが回動連結部20、蒸気分配管2及び蒸気供給管3の点においてのみ図2,4などに示される土壌消毒装置Aとは相違している。
【0053】
すなわち、蒸気分配管2は、機体横方向の一本の直管によって構成してある。複数本の蒸気供給管3は、図2,4などに示される土壌消毒装置Aの如く機体前方側に位置する供給管列と、機体後方側に位置する供給管列とに分散せず、一列の供給管列に纏まって機体横方向に並ぶ状態に配置してある。
【0054】
回動連結部20は、前記蒸気分配管2、この蒸気分配管2の機体横方向での複数箇所を機体フレーム1に連結しているUボルト23を備えて構成してあり、蒸気供給管3に掛かる総合での土壌抵抗が複数本のUボルト23による締め付け力によって決まる設定値以上になると、蒸気供給管3が蒸気分配管2と共に蒸気分配管2の機体横向きの軸芯まわりで機体フレーム1に対して作業姿勢から機体後方側に回動することを許容する。
【0055】
〔別実施例〕
上記各実施形態では、連結部10をロータリ耕耘機30aの耕耘装置31に連結するように構成してあるが、ウインチや可搬型ボイラに連結するように構成して実施しても、本発明の目的を達成することができる。従って、ロータリ耕耘機30a、ウインチ、可搬型ボイラなどを総称して牽引装置30と呼称する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】消毒作業要領を示す側面図
【図2】土壌消毒装置の縦断側面図
【図3】蒸気供給管の後面図
【図4】土壌消毒装置全体の平面図
【図5】土壌消毒装置全体の後面図
【図6】蒸気供給管の断面図
【図7】蒸気供給管の回動状態を示す側面図
【図8】別の実施形態を備えた土壌消毒装置の縦断側面図
【図9】別の実施形態を備えた土壌消毒装置全体の平面図
【図10】別の実施形態を備えた土壌消毒装置全体の後面図
【符号の説明】
【0057】
1 機体フレーム
2 蒸気分配管
3 蒸気供給管
4 後蒸気供給管
6 湾曲管部
7 蒸気噴出孔
10 連結部
20 回動連結部
30 牽引装置
30a ロータリ耕耘機
31 耕耘装置
32 耕耘ロータ
40 脱着部
A 土壌消毒装置
【出願人】 【識別番号】000111292
【氏名又は名称】ネポン株式会社
【出願日】 平成16年11月8日(2004.11.8)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎

【公開番号】 特開2006−129808(P2006−129808A)
【公開日】 平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願番号】 特願2004−323955(P2004−323955)