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【発明の名称】 散水システム
【発明者】 【氏名】原田 良一
【住所又は居所】愛知県小牧市応時二丁目250番地 シーケーディ 株式会社内

【要約】 【課題】散水制御の信頼性の高い散水システムを得ること。

【解決手段】主制御装置1には親局通信部5を、散水装置2には子局通信部15を設けて、両者の間で無線による双方向通信を可能とした。そして、散水装置2は指令信号を受信すると、受信確認信号を主制御装置1に送信し、主制御装置1はその受信確認信号を受信するまで指令信号の送信を継続するように構成した。これにより、散水装置2は指令信号をより確実に受信できることになり、散水システムにおける散水装置2の制御に関する信頼性を向上させることができる。しかも、散水装置2では間欠受信状態で待機する構成としたため、消費電力も抑えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
散水を行う散水装置と、
その散水装置に指令信号を送信して、その指令に基づき散水装置を遠隔制御する主制御装置とを備え、
前記主制御装置には親局通信部を、前記散水装置には子局通信部を設けて、両者の間で無線による双方向通信を可能とし、親局通信部から子局通信部に前記指令信号を送信し、その指令信号に基づく散水装置の遠隔制御に、子局通信部から親局通信部に送信された散水装置側の情報を反映させるように構成したことを特徴とする散水システム。
【請求項2】
前記散水装置側の情報は、前記指令信号を受信したことを確認する受信確認信号であることを特徴とする請求項1に記載の散水システム。
【請求項3】
散水ノズルにつながる配管に設けた散水バルブと、その散水バルブの開閉を制御する散水コントローラとを有し、散水コントローラにより散水バルブを開状態とすると散水ノズルに水が供給されて散水が行われ、散水バルブを閉状態とすると散水ノズルへの水の供給が停止されて散水が停止する散水装置と、
前記散水コントローラに指令信号を送信して、その指令に基づいて散水コントローラに散水バルブの開閉制御をさせる主制御装置とを備え、
前記主制御装置には親局通信部を、前記散水装置には子局通信部を設けて、両者の間で無線による双方向通信を可能とし、親局通信部から子局通信部に前記指令信号を送信し、それに対する子局通信部からの受信確認信号を受信するまで、指令信号の送信を継続するように構成したことを特徴とする散水システム。
【請求項4】
前記子局通信部は間欠受信状態で待機するように構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の散水システム。
【請求項5】
前記指令信号には散水終了時間を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の散水システム。
【請求項6】
前記散水装置には、散水装置周辺における気象状況を検出する気象検出手段を設け、気象検出手段により検出された気象情報を前記散水装置側の情報としたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の散水システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、散水システムに関するものであり、具体的にはゴルフ場、温室、ビニールハウス等の園芸施設、公園、屋上緑化などでの散水管理に好適な散水システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフ場、園芸施設、公園、屋上緑化などでは、散水を管理する散水システムが使用されている。この散水システムの中には主制御装置と、散水場所ごとに設けられる複数の散水装置とを備え、主制御装置によって各散水装置を管理する散水システムがある。主制御装置はCPUからなる中央制御部を備え、設定された散水プログラムにしたがって散水装置に散水指令を出す。一方、散水装置は、スプリンクラー等の散水ノズルと、そのノズルに水を供給する配管に設けられた散水バルブと、前記主制御装置からの指令に基づいて散水バルブの開閉を制御する散水制御部とを有している。そして、散水制御部により散水バルブが開状態されると散水ノズルに水が供給され、同ノズルから水が噴出して周囲に水がまかれる。また、散水バルブが閉状態とされると散水ノズルへの水供給が停止され、水まきも停止される。
【0003】
ここで、近年では、主制御装置及び散水装置にそれぞれ親局通信部、子局通信部が設けられ、無線通信によって主制御装置から指令を送信する散水システムが提案されている(特許文献1)。この散水システムは、ゴルフ場など主制御装置と散水装置が離れた場所に設置されている場合に適しており、現に利用されている。
【0004】
しかしながら、従来の無線を利用した散水システムでは、散水装置は主制御装置から指令を受けるだけであり、主制御装置は散水装置に送信した指令をその散水装置が受信したか否か確認していなかった。このため、受信障害が生じて散水装置が指令を受け取れなかった場合でも、そのような事態への対処ができず、散水が行われない状態のまま放置されてしまう。
【0005】
また、従来の散水システムでは、主制御装置は散水装置への指令、具体的には散水バルブを開状態とする開信号、散水バルブを閉状態とする閉信号を別々に送信していた。すなわち、散水開始時間となると散水装置へまず開信号を送信し、散水終了時間になると閉信号を送信していた。このため、主制御装置が開信号を送信した後に主制御装置自身が故障したり、電波障害などにより無線通信に不具合が生じたりすると、散水装置は閉信号を受信しないため、散水終了時間になっても散水が継続され、散水が停止できなくなってしまう。
【0006】
このように、従来の散水システムは散水制御の信頼性を低下させるいくつかの問題を抱えていた。
【特許文献1】特開昭63−310658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、散水制御の信頼性が高い散水システムを提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段につき、作用、効果を示しつつ説明する。
【0009】
手段1.散水を行う散水装置と、
その散水装置に指令信号を送信して、その指令に基づき散水装置を遠隔制御する主制御装置とを備え、
前記主制御装置には親局通信部を、前記散水装置には子局通信部を設けて、両者の間で無線による双方向通信を可能とし、親局通信部から子局通信部に前記指令信号を送信し、その指令信号に基づく散水装置の遠隔制御に、子局通信部から親局通信部に送信された散水装置側の情報を反映させるように構成したことを特徴とする散水システム。
【0010】
手段1によれば、主制御装置に設けられた親局通信部と、散水装置に設けられた子局通信部との間で、無線による双方向通信が可能となり、散水装置側の情報が子局通信部から主制御装置に送信される。その得られた散水装置側の情報を反映させながら、主制御装置は指令信号を送信し、その指令によって散水装置の遠隔制御が行われることになる。これにより、単に指令信号を送信するだけであった従来のものに比べ、散水装置側の情報を反映できる分、散水システムにおける散水装置の制御に関する信頼性を向上させることができる。
【0011】
手段2.前記散水装置側の情報は、前記指令信号を受信したことを確認する受信確認信号であることを特徴とする手段1に記載の散水システム。
【0012】
手段2によれば、子局通信部により、指令信号を受信したことを確認する受信確認信号が送信されるため、主制御装置はその受信確認信号を受信することで、指令信号が確実に散水装置に伝わったことを把握できる。主制御装置はそれを踏まえて次の処理に移ることができる。また、仮に不具合が生じて指令が伝わらない場合でもその伝わらないという事態を主制御装置が把握できるから、伝わるまで指令信号を送信しつづけるといったように不具合への早期対処が可能となる。このため、指令信号が伝わったか把握できなかった従来のものに比べ、散水システムにおける散水装置の制御に関する信頼性をより一層向上させることができる。
【0013】
このような手段は、ゴルフ場などの広大な敷地に散水するような場合に、特に好適である。それというのも、広大な敷地に設置された散水システムの場合、敷地内に点在する散水装置のすべてを保守点検するには手間がかかり、頻繁には行えない。このため、主制御装置からの指令信号が散水装置に伝わらず散水が行われない事態が生じても、それを直ちに確認することは困難である。この点、前述の手段によれば、指令信号の送信に不具合が生じれば、それを主制御装置において把握できるから、早期の対処が可能となる。これにより、広大な敷地に設置された場合でも、植物を枯らしてしまうといった問題の発生を解消できる。
【0014】
手段3.散水ノズルにつながる配管に設けた散水バルブと、その散水バルブの開閉を制御する散水コントローラとを有し、散水コントローラにより散水バルブを開状態とすると散水ノズルに水が供給されて散水が行われ、散水バルブを閉状態とすると散水ノズルへの水の供給が停止されて散水が停止する散水装置と、
前記散水コントローラに指令信号を送信して、その指令に基づいて散水コントローラに散水バルブの開閉制御をさせる主制御装置とを備え、
前記主制御装置には親局通信部を、前記散水装置には子局通信部を設けて、両者の間で無線による双方向通信を可能とし、主制御装置を、親局通信部から子局通信部に前記指令信号を送信し、それに対する子局通信部からの受信確認信号を受信するまで、指令信号の送信を継続するように構成したことを特徴とする散水システム。
【0015】
手段3によれば、主制御装置に設けられた親局通信部と、散水装置に設けられた子局通信部との間で、無線による双方向通信が可能となる。そして、親局通信部から子局通信部に指令信号が送信され、子局通信部から親局通信部に指令信号を正常に受信した旨の受信確認信号が送信される。主制御装置は受信確認信号を受信するまで、指令信号の送信を継続することになる。散水装置側が指令信号を正常に受信すると、その指令信号に基づいて散水コントローラにより散水バルブの開閉制御がなされる。その結果、散水バルブが開状態とされれば、散水ノズルに水が供給されて散水が行われ、散水バルブが閉状態とされれば散水ノズルへの水の供給が停止されて散水が停止する。
【0016】
このように、手段3によれば、単に指令信号を送信するだけであった従来のものと違い、その指令信号が散水装置側に伝わったか否かを主制御装置が把握でき、正常に伝わったことを確認するまで指令信号の送信が継続されることになる。これにより、散水装置が指令信号をより確実に受信できることになり、散水システムにおける散水装置の制御に関する信頼性を向上させることができる。
【0017】
手段4.前記子局通信部は間欠受信状態で待機するように構成したことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の散水システム。
【0018】
手段4によれば、子局通信部は、例えば、5秒に数ミリ秒のみ動作するという間欠受信状態で待機することになるため、常時受信状態とする構成に比べて低消費電力化が可能となる。これにより、乾電池等の小型電源を用いることができることになり、散水装置を小型化できる。
【0019】
手段5.前記指令信号には散水終了時間を含むことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の散水システム。
【0020】
手段5によれば、主制御装置から送信される指令信号には散水開始時間だけでなく、散水終了時間も含まれている。このため、主制御装置が指令信号を送信した後に、主制御装置自身が故障したり、電波障害などにより無線通信に不具合が生じたりしても、受信した指令信号に基づき、散水装置における散水コントローラは散水終了時間になれば散水を停止させる。このため、散水システムの制御に関する信頼性をより一層向上させることができる。
【0021】
手段6.前記散水装置には、散水装置周辺における気象状況を検出する気象検出手段を設け、気象検出手段により検出された気象情報を前記散水装置側の情報としたことを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の散水システム。
【0022】
手段6によれば、気象検出手段により、散水装置周辺における雨量や湿度等の気象状況を主制御装置に送信することができる。このため、主制御装置では、予め記憶されたデータや広範囲にわたる地域の気象予報ではなく、その時々における散水装置周辺の気象状況を把握でき、それを散水装置に対する制御に利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、発明を具体化した一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態ではゴルフ場に設置された散水システムについて具体化しており、それを図1に基づいて説明する。なお、図1は散水システムの構成を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すように、散水システムは主制御装置1、複数の散水装置2、中継器3を備えている。主制御装置1はゴルフ場の管理事務所に設置され、汎用品のパーソナルコンピュータ4(以下、汎用PC4と略す。)を備えている。この汎用PC4には商用電源等の外部電源6が接続され、この外部電源6により、汎用PC4や同汎用PC4に接続された各種機器の駆動に必要な電力が賄われている。また、汎用PC4には図示しない入力装置やディスプレイが接続されている。そして、この入力装置によって散水システムの制御に必要な各種情報の入力が行われ、ディスプレイには散水システムを制御する上での各種画面が表示される。また、汎用PC4には無線通信用の親局通信部も接続されている。さらに、汎用PC4は図示しない記憶装置を備えており、散水システムを制御する制御プログラム、散水スケジュールを作成するアプリケーションソフト、無線通信の記録その他各種のデータが記憶されている。そして、この汎用PC4の操作により、複数の散水装置2についてそれそれ、散水スケジュール、すなわち散水する曜日、散水する時間(散水開始時間と散水終了時間)が設定される。
【0025】
汎用PC4では、この設定された散水スケジュールにしたがって、散水装置2ごとに、散水する曜日、散水開始時間及び散水終了時間からなるスケジュールデータが生成される。そして、このスケジュールデータとそのデータに対応する散水装置2の識別データとを含んだ指令信号が、汎用PC4により親局通信部5から各散水装置2に送信される。
【0026】
なお、この汎用PC4は図示しないネット通信部を備えており、そのネット通信部により汎用PC4がインターネットに接続された状態となっている。このため、システム管理者が散水スケジュールを作成する際、インターネットを介して入手した天気等の各種情報をディスプレイ上で参照可能となっている。
【0027】
次に、前記複数の散水装置2は、例えばゴルフ場のホール毎に設けられ、第1散水装置2aは1番ホールに、第2散水装置2bは2番ホールに、第18散水装置2rは18番ホールに設置される。そして、各散水装置2a〜2rは図示しないスプリンクラー等の散水ノズルと、そのノズルに水を供給する配管に設けられた散水バルブ11と、前記主制御装置1からの指令に基づいて散水バルブ11の開閉を制御する散水制御部12とを備えている。
【0028】
前記散水ノズルは一つの散水装置2a〜2rに対して複数設けられ、それぞれがフェアウェイ、グリーン、それらの周囲の緑化部に水が均等にまかれるように設置されている。前記散水バルブ11は電磁弁によって構成される周知のものであり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0029】
また、前記散水制御部12は、バッテリにより構成された電源13を備えており、散水装置2を構成する各部の動作に必要な電力はこの電源13によって賄われる。電源13への充電は商用電源、太陽光などを利用できる。そして、この電源13には散水コントローラ14が接続されている。散水コントローラ14は散水バルブ11の開閉を制御するものである。散水コントローラ14には前記親局通信部5と双方向で無線通信を行う子局通信部15が設けられている。子局通信部15は散水コントローラ14によって、例えば5秒に数ミリ秒というように間欠的に起動するように制御され、起動している間だけ親局通信部5から送信された指令信号を受信可能となっている。これを、間欠受信状態という。
【0030】
そして、子局通信部15が起動中に親局通信部5から送信された指令信号を受信すると、指令信号に含まれる識別データを基に、その指令信号が自局宛かどうか散水コントローラ14により判別される。自局宛と判別された場合には、指令信号に含まれるスケジュールデータに基づき散水バルブ11の開閉が散水コントローラ14によって制御される。また、その場合、散水コントローラ14により、指令信号を受信した旨の受信確認信号が子局通信部15から親局通信部5に送信される。
【0031】
前記中継器3は、親局通信部5と子局通信部15との間の無線通信を補助するものである。この中継器3が親局通信部5から送信された指令信号を受信すると、その指令信号は子局通信部15に向けて転送される。また、中継器3が子局通信部15から受信確認信号を受信すると、その受信確認信号は親局通信部5に向けて転送される。広大な敷地を有するゴルフ場においては、このような中継器3を設けることで、信号の送受信に障害が生じるおそれを低減できる。
【0032】
次に、上記の如く構成された散水システムの動作について、図2及び図3に基づいて説明する。なお、図2は主制御装置1で行われる処理を示すフローチャートであり、図3は散水装置2で行われる処理を示すフローチャートである。
【0033】
図2に示すように、まず、主制御装置1において、システム管理者は汎用PC4を操作して散水装置2a〜2rごとの散水スケジュールを設定する(ステップS1)。例えば、第1散水装置2aについて、「曜日:毎日,時間:散水開始9:00,散水終了10:00」とか、「曜日:月、水、金曜日,時間:散水開始10:00,17:00,散水終了11:00,18:00」というようにである。そして、その設定に際しては、システム管理者はインターネットを介して入手した天気等の情報や記憶装置に記憶されている各種情報をディスプレイ上で参照することが可能となっている。
【0034】
次いで、汎用PC4は、設定された散水スケジュールにしたがって、散水装置2a〜2rごとにスケジュールデータを作成する(ステップS2)。そして、汎用PC4はそのスケジュールデータとそのデータに対応する散水装置2a〜2rの識別データを含んだ指令信号を親局通信部5から無線で各散水装置2a〜2rに送信する(ステップS3)。散水装置2a〜2rは、その指令信号を受信すると受信確認信号を送信するようになっているため、汎用PC4は指令信号を送信後、その受信確認信号を親局通信部5で受信したか否かを判別する(ステップS4)。受信確認信号を受信した場合には、散水スケジュールに基づくスケジュールデータを散水装置2a〜2rに正常に送信した旨を送信記録として記憶装置に記憶する(ステップS5)。一方、受信確認信号の受信がなければ、汎用PC4はステップS3に戻り、再度、指令信号を送信する。そして、この指令信号の再送信は、受信確認信号を受信するまで行われる。
【0035】
以上が主制御装置1における処理動作であり、散水スケジュールが変更されると、汎用PC4は上記の処理を再度繰り返すことになる。
【0036】
次に、図3に示すように、散水装置2a〜2rにおいては、まず、間欠受信状態で待機している(ステップS11)。そして、散水コントローラ14は散水装置2a〜2rが起動している間に自局宛の指令信号を受信したか否かを判別する(ステップS12)。自局宛の指令信号を受信した場合には、散水コントローラ14は受信確認信号を子局通信部15から親局通信部5に送信する(ステップS13)。一方、自局宛の指令信号の受信がなければ、ステップS11に戻り、散水コントローラ14は、間欠受信状態での待機を継続する。
【0037】
受信確認信号を送信した後、散水コントローラ14はスケジュールデータに基づいて、散水バルブ11の開閉を制御する(ステップS14)。すなわち、散水開始時間になると散水コントローラ14は散水バルブ11を開状態とする。これにより散水ノズルに水が供給され、同ノズルから水が噴出して水がまかれる。また、散水終了時間になると散水コントローラ14は散水バルブ11を閉状態とする。これにより散水ノズルへの水供給が停止され、水まきも停止される。
【0038】
散水が停止されると、散水コントローラ14は間欠受信状態での待機を再開し、上記の処理が繰り返される。そして、散水スケジュールが変更され、その変更によるスケジュールデータを再度受信するまで、変更前のスケジュールデータに基づいて散水コントローラ14による散水制御が継続されることになる。
【0039】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、以下の優れた効果を有する。
【0040】
本実施の形態では、主制御装置1と散水装置2a〜2rとの間で無線による双方向通信を可能となっており、散水装置2a〜2rは、主制御装置1からの指令信号を受信すると、受信確認信号を子局通信部15から主制御装置1に送信するようになっている。主制御装置1はその受信確認信号を受信することで、指令信号が正常に散水装置2a〜2rに伝わったことを把握でき、それを踏まえて次の処理に移ることができる。また、不具合が生じて指令が伝わらない場合でもその伝わらないという事態を把握でき、本実施の形態ではそのような事態に対して、伝わるまで指令信号を送信しつづけるという対応が採られている。このため、単に指令信号を送信するだけでその信号が伝わったかを把握していなかった従来のものに比べ、散水システムにおける散水装置2a〜2rの制御に関する信頼性をより一層向上させることができる。
【0041】
また、本実施の形態では、子局通信部15は、例えば、5秒に数ミリ秒のみ動作するという間欠受信状態で待機することになっているため、常時受信状態とする構成に比べて低消費電力化が可能となる。これにより、電源13を乾電池等の小型ものとすることができ、散水装置2a〜2rを小型化できる。
【0042】
また、本実施の形態では、主制御装置1から送信される指令信号は、散水開始時間だけでなく、散水終了時間も含まれたスケジュールデータとなっている。このため、主制御装置1が指令信号を送信した後に、主制御装置1自身が故障したり電波障害などにより無線通信に不具合が生じたりしても、終了時間に関する指令も受けている散水コントローラにより、終了時間になれば散水バルブ11が閉じられ、散水が停止される。したがって、この点でも、散水システムの制御に関する信頼性がより一層向上している。
【0043】
なお、実施の形態は上記した内容に限定されない。例えば、次のように実施することも考えられる。
【0044】
本実施の形態では、散水装置2a〜2rから送信される信号は受信確認信号だけであるが、気象検出手段としての雨量センサを散水コントローラ14に接続し、その雨量センサで検出された散水装置2a〜2rの周辺での雨量情報を、主制御装置1に送信するように構成してもよい。雨量情報だけでなく、その他湿度等の気象状況に関する情報を送信するように構成することも可能である。こうすることで、主制御装置1では、予め記憶されたデータや広範囲にわたる地域の気象予報ではなく、その時々における散水装置2a〜2r周辺の気象状況に合わせて制御を行える。例えば、雨天の際、散水スケジュールにある散水開始時間において所定の雨量が既に確保されていれば、散水動作を自動的に停止するといった制御が可能であるし、逆に、乾燥等の気象状況により急な散水が必要な場合にはスケジュールになくても散水を直ちに開始するといった制御も可能である。これにより、気象状況に合わせて植物の細かな育成上の管理を行うことができる。
【0045】
また、スケジュールデータに基づいた散水が行われるごとに、散水が正常に行われたことの確認として散水情報を主制御装置1に送信するようにしてもよい。これによれば、主制御装置1は送受信が正常に行われたことだけでなく、スケジュールデータに基づく散水動作も正常に行われたか否かを確認できる。したがって、散水システムの制御に関する信頼性をより一層向上させることができる。しかも、その散水情報を汎用PC4の記憶装置に記憶させておき、適宜ディスプレイ上に表示可能としておけば、新たな散水スケジュールを作成する際に参考とすることもできる。
【0046】
本実施の形態では、電源13としてバッテリを用いたが、それ以外に商用電源などの外部から供給される電源を用いてもよいし、これらを併用してもよい。
【0047】
本実施の形態では、ホール毎に一つの散水装置2a〜2rを設けたが、ホール毎に複数の散水装置2を設けてもよいし、ゴルフ場内の敷地を複数の区域に区画し、その区域ごとに散水装置2を設けてもよい。また、一つの散水装置2につき、散水ノズルは一つであってもよい。
【0048】
本実施の形態では、散水装置2a〜2rからの受信確認信号がないと、受信確認信号があるまで主制御装置1は指令信号を再送信するようになっている。そのような再送信が何度も繰返されるようであれば、受信障害又は散水装置2a〜2rの故障が考えられるため、再送信が所定回数を超えるとディスプレイ上に警報画面が表示されるように構成するのが好ましい。これにより、受信障害や散水装置2a〜2rの故障をシステム管理者が早期に発見できるようになるからである。
【0049】
本実施の形態では、散水スケジュールとして散水する曜日、開始時間と終了時間とからなる散水時間を設定しているが、散水スケジュールとして設定する内容はそれに限定されない。例えば、曜日ではなく日を設定するようにしてもよい。
【0050】
本実施の形態では、図1に中継器3を一つだけ設けた場合を図示したが、各ゴルフ場における電波の送受信の状況に応じて複数設けることも、中継器3を省略することも可能である。また、図1ではすべて中継器3を介して送受信されるケースを図示したが、特定の散水装置2について中継器3を介することなく送受信することも可能である。
【0051】
本実施の形態では、散水システムをゴルフ場に設置した場合を例として説明したが、ゴルフ場以外でも、温室、ビニールハウス等の園芸施設、公園、屋上緑化などに用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】散水システムの構成を示すブロック図。
【図2】主制御装置で行われる処理を示すフローチャート。
【図3】散水装置で行われる処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0053】
1…主制御装置、2…散水装置、5…親局通信部、11…散水バルブ、14…散水コントローラ、15…子局通信部。
【出願人】 【識別番号】000106760
【氏名又は名称】シーケーディ株式会社
【住所又は居所】愛知県小牧市応時二丁目250番地
【出願日】 平成16年10月20日(2004.10.20)
【代理人】 【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強

【公開番号】 特開2006−115725(P2006−115725A)
【公開日】 平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願番号】 特願2004−305383(P2004−305383)