| 【発明の名称】 |
農業用遮光剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】町田 稔巳
【氏名】井上 希望
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| 【要約】 |
【課題】農業用塩化ビニルフィルムへ塗布する遮光塗布液として、農業用ハウス等に白色顔料である無機物の皮膜を形成させ遮光を行う場合に、雨などにより簡単に流れ落ちることがないよう、遮光塗膜に持続性を持たせると共に、不要となったときは、アルカリ性除去剤にて簡単に除去し得る遮光塗布液を提供すること。
【解決手段】ヒンダートアミン系化合物を0.05〜0.3重量部含有する塩化ビニル系農業用フィルムに塗布され、白色顔料と樹脂エマルジョンからなり、形成された遮光層がアルカリ性除去剤にて除去可能であることを特徴とする農業用遮光剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヒンダートアミン系化合物を0.05〜0.3重量部含有する塩化ビニル系農業用フィルムに塗布され、白色顔料と樹脂エマルジョンからなり、形成された遮光層がアルカリ性除去剤にて除去可能であることを特徴とする農業用遮光剤。 【請求項2】 白色顔料が、炭酸カルシウム、酸化チタンから選択される少なくとも一種であり、樹脂分が酸価30〜300の水系樹脂エマルジョンであることを特徴とする請求項1に記載の農業用遮光剤。 【請求項3】 ヒンダートアミン系化合物を0.05〜0.3重量部含有する塩化ビニル系農業用フィルムに、白色顔料と樹脂エマルジョンからなる農業用遮光剤を塗布して、アルカリ性除去剤にて除去可能である遮光層を形成することを特徴とする農業用遮光剤の塗工方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ハウス栽培あるいはトンネル栽培に使用する塩化ビニル系農業用樹脂フィルムに適用する農業用遮光剤に関する。 【背景技術】 【0002】 ハウス栽培あるいはトンネル栽培に関し、農業用塩化ビニルフィルムハウス内で栽培される作物にとって、透過する太陽光線が強すぎ、作物に焼けなどの悪影響を与える場合がある。特に夏場の作物の焼けを防止するため、遮光ネット(シート)を農業用ハウスに被覆し、遮光する手段、あるいは、石灰などの無機物を水に分散させ、農業用ハウスフィルム吹きかけて石灰などの無機物の皮膜を形成させ、遮光するという手段が採用されてきている。 【0003】 しかしながら、例えば、遮光ネット(シート)を農業用フィルムハウスに被覆する方法では、遮光ネット自体が高価なものであり、またその設置ならびに取り外しが簡単に行なうことができず、労力を必要とする欠点があった。また、石灰などの無機物の皮膜を形成させて、遮光するという方法では、フィルム上に均一に皮膜を塗布することが困難であり、また、石灰などの無機物の皮膜が、雨が降ると簡単に流れ落ちてしまい、散布を繰り返し行なければならない等の欠点があった。 【0004】 そこで、最近になって、顔料含有の遮光用ペイント(遮光塗料)を農業用フィルムにスプレーで散布・塗布し、フィルム上に遮光塗膜を形成させ、遮光を行なう方法が提案されている(特許文献1)。この農業用フィルムに遮光ペイントを散布・塗布する方法にあっては、特定の粘度に調整した顔料含有の白色水性エマルジョン塗料を使用するものであり、フィルム上への遮光塗膜の形成は優れたものであるが、塗膜の持続性が不十分であり、塗膜を容易に除去することができないものであった。 【0005】 この遮光塗布膜が不要になった場合には塗布した遮光塗料を除去しなければならないが、これら塗布膜を形成するエマルジョン塗料自体は、不要時の除去を可能とする処方で配合されているものではない。例えば、冬場においてハウス内に太陽光線の透過を必要とする場合には、界面活性剤を含有する強力な除去液あるいは有機溶媒等で遮光塗膜を除去するか、新たな農業用フィルムを展張する必要があった。 【特許文献1】特開2002−119148号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明は、上記問題点に鑑み、農業用フィルム、特に塩化ビニル系農業用樹脂フィルムへ塗布する遮光剤として、農業用ハウス等に白色顔料である無機物の皮膜を形成させ遮光を行なう場合に、雨などにより簡単に流れ落ちることがないよう、遮光塗膜に持続性を持たせると共に、不要となったときは、アルカリ性除去剤にて簡単に除去し得る農業用遮光剤を提供することを課題とする。 【0007】 かかる課題を解決するべく鋭意検討した結果、塩化ビニル系農業用樹脂フィルムとしてヒンダートアミン化合物を含有させた塩化ビニル系農業用樹脂フィルムを使用した場合には、その結果、フィルム表面に塗布する遮光剤の遮光塗膜は、長期に亘って持続性が保持され、また不要となった場合、アルカリ性除去液で簡単に除去し得る農業用遮光剤が得られることを確認し、本発明を完成させるに至った。 【課題を解決するための手段】 【0008】 したがって本発明は、その基本的態様としては、ヒンダートアミン系化合物を0.05〜0.3重量部含有する塩化ビニル系農業用フィルムに塗布され、白色顔料と樹脂エマルジョンからなり、形成された遮光層がアルカリ性除去剤にて除去可能であることを特徴とする農業用遮光剤である。 【0009】 また、より具体的な本発明は、白色顔料が、炭酸カルシウム、酸化チタンから選択される少なくとも一種であり、バインダーが水系樹脂バインダーであり、樹脂分が酸価30〜300の樹脂エマルジョンであることを特徴とする上記の農業用遮光剤である。 【0010】 また本発明は、別の態様として、ヒンダートアミン系化合物を0.05〜0.3重量部含有する塩化ビニル系農業用フィルムに、白色顔料と樹脂エマルジョンからなる農業用遮光剤を塗布して、アルカリ性除去剤にて除去可能である遮光層を形成することを特徴とする農業用遮光剤の塗工方法である。 【発明の効果】 【0011】 本発明は、特に、遮光剤を塗布する農業用塩化ビニル樹脂フィルムとして、ヒンダートアミン系化合物を含有させた塩化ビニル系樹脂フィルムを使用する点に特徴を有するものであり、かかる塩化ビニル系樹脂フィルムを使用することにより、遮光剤が均一にフィルム上に形成され、形成された遮光塗膜は、持続性に優れたものとなる。したがって、降雨などによっても無機物の皮膜が流されることなく、長期間に亘って遮光効果を得ることができる。また、遮光塗膜が不要となった場合には、アルカリ性除去液にて簡単に除去し得るものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 本発明で使用する塩化ビニル系農業用樹脂フィルムを構成する樹脂としては、ポリ塩化ビニルホモポリマーおよび塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−エンカビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−アルキル、シクロアルキルまたはアルキルマレイミド共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重合体などの塩化ビニル共重合体が挙げられる。 【0013】 また、本発明で使用される塩化ビニル系樹脂としては、以下の重合体とのブレンド品であってもよい。そのような重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−3−メチルブテンなどのα−オレフィン重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィンおよびこれらの共重合体、ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレンと他の単量体(例えば、無水マレイン酸、ブタジエン、アクリロニトリルなど)との共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン等が挙げられる。 【0014】 かかる塩化ビニル系樹脂に対する柔軟性を付与するために、本発明で使用する塩化ビニル系樹脂には可塑剤を添加され、そのような可塑剤としては、ジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジラウリルフタレート、ジデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジトリデシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、なかでもジ−n−オクチルフタレート(DOP)を使用するのが好ましい。さらに、他の可塑剤として、トリキシリルホスフェート(TXP)、トリクレジルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤を混合して使用することもできる。 【0015】 本発明で使用する農業用遮光剤を塗布する塩化ビニル系農業用樹脂フィルムにあっては、光安定化剤としてヒンダートアミンを添加するのが肝要である。その添加量は、0.05〜0.3重量部添加するのがよい。添加量が0.05未満であるとフィルム上に形成された遮光塗布膜の持続性が悪く、また添加量が0.3を超えた場合でもそれ以上の効果が無く、かえって無駄となる。 【0016】 そのようなヒンダートアミンとしては、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ヘキサメチレンジアミジン、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブテンンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジン)ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス{1,1、−ジメチル−2−[トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキシサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキシサスピロ[5,5]ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス[4,6−ビス[N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,5,8,12−テトラアザデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−tert−オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N‘−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合化合物等のヒンダートアミン系化合物が挙げられる。 【0017】 また、本発明で使用する塩化ビニル系樹脂にあっては、目的とする性能を損なわない限り、種々の添加剤を含有するものであってもよい。そのような添加剤としては、安定化剤、滑剤、粘着防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、無機重点剤等の各種添加剤を挙げることができる。これらの添加剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.5から0重量部、好ましくは1〜5重量部である。 【0018】 以上のような構成に基づく本発明で使用する塩化ビニル系樹脂組成物を用いて塩化ビニル系農業用樹脂フィルムとするには、従来から汎用されているカレンダー法、押出法、インフレーション法等の公知の手段でフィルム化すればよい。なお、フィルム化するときの温度等の加工条件は、従来のポリ塩化ビニルフィルムを製造する場合と同様でよい。また、フィルムの厚みとしては0.1mm程度であればよい。 【0019】 一方、本発明が提供する遮光剤中に含有される、遮光性を確保するために添加される白色顔料としては、チタン白、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、マイカ、硫酸バリウム等をあげることができる。本発明にあってはそのなかでも特に、炭酸カルシウムが効果的なものであることが判明した。 【0020】 この炭酸カルシウムの粒子径は得に限定されるものではなく、平均粒子径が1μm未満のものから、平均粒子径が100μm程度までのものを巾広く使用することができる。なお、平均粒子径が1μm未満の炭酸カルシウムは、バインダーである樹脂エマルジョンと共に農業用ハウスフィルムに塗布された場合には、樹脂中へ微細な粒子状としての分散していることからフィルム上に強固な無機物皮膜を形成し、その耐水性を向上し得るものであるが、不要となった場合の除去性に難点がある。 【0021】 一方、平均粒子径が1μm以上の炭酸カルシウムは、バインダーである樹脂エマルジョンと共に農業用ハウスフィルムに塗布された場合には、耐水性が乏しいものとなる。したがって本発明においては、この両者の特性を生かし平均粒子径を決定することができ、適宜平均粒子形の異なる炭酸カルシウムを複数混合して、目的に応じて使用することもできる。 【0022】 本発明にあっては、かかる炭酸カルシウムの含有量としては、遮光剤として所望の遮光効果を発揮し得る量であればよいが、バインダーとしての樹脂エマルジョン中への分散性を考慮した場合、樹脂分と炭酸カルシウムである無機物の比が、固形分比で1:0.3〜1:15であるのがよいことが判明した。すなわち、炭酸カルシウムの配合比が0.3に満たない場合には所望の遮光効果を得ることが困難となり、また15を超えて添加してもそれ以上の遮光効果が得られず、かえって不経済であり、さらに遮光剤をスプレー塗布する際に目詰まりを生じ易く、好ましいものではない。 【0023】 また、本発明が提供する農業用フィルムに適用する遮光剤においては、遮光剤中に含有される樹脂としては、フィルム上に塗布された遮光剤が乾燥し、無機物を均一に保持するバインダーとしての樹脂膜を形成するものである樹脂が使用される。 【0024】 当該樹脂としては、その酸価が30〜300である水性樹脂エマルジョンを使用するのがよい。そのような水分散性の樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等をあげることができるが、なかでも特に酸価が30〜300である水分散性アクリル系樹脂、水分散性ウレタン系樹脂が好ましく使用される。 【0025】 この酸価は、ポリマー系バインダーについて、1連鎖あたりの遊離カルボン酸基の平均数と関係するものであり、酸価が大きなものであればあるほど、耐水性がなくなり水に溶けやすくなる。また、酸価が小さなものであれば、水に溶けにくい性質を有している。本発明にあっては、水性樹脂エマルジョンとして、樹脂成分が、その酸価が30〜300のものを使用し、ある程度の耐水性を確保し、必要とされる遮光塗布膜の保持期間を満たすことができる。 【0026】 この酸価が30未満であると、形成された塗膜の耐水性には問題ないが、除去性の面で塗膜が除去液で容易に除去できなくなり、好ましくない。また、酸価が300を越える大きな値であると、樹脂膜の耐水性が低下し、長期間にわたって被覆し得るべき遮光剤としての性能が低下し、好ましくない。 【0027】 また、樹脂エマルジョンとしての樹脂の平均粒径が0.01〜0.5μmであることが好ましいことが判明した。平均粒径が0.01μmに満たない場合にはエマルジョンとしての機能を発揮できず、また0.5μmを超える場合には、フィルム上に塗布した樹脂が流れてしまい好ましいものではない。 【0028】 本発明が提供する農業用遮光剤中における当該樹脂エマルジョンの含有量は、配合する白色顔料である無機物との配合比との兼ね合いがあるが、水100重量部に対して、樹脂固形分として0.1〜10重量部添加するのがよい。0.1重量部未満であるとフィルム上への塗膜の形成が不十分なものとなり、また10重量部を超える場合には、塗布作業性が低下するとともに、塗布後の乾燥に時間がかかり、それに反して塗膜の持続性はそれほど向上せず経済的ではない。 【0029】 本発明の遮光剤には、上記した白色顔料、特に炭酸カルシウムあるいは酸化チタンの他に、必要に応じて、さらに硬化剤、防腐剤、増粘剤、減粘剤、分散剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、アルコール類等を添加することができる。 【0030】 かくして調製された塩化ビニル系農業用樹脂フィルムに対する本発明の遮光剤の塗布量は、固形分として0.1〜50g/m2程度になる程度が好ましい。0.1g/m2未満であると、充分な遮光効果を得ることができない。また50g/m2を超える場合には、塗工作業中に農業用フィルムから樹脂の落滴が生じ、好ましいものではない。 【0031】 かくして、本発明の炭酸カルシウムを含有し、その酸価が30〜300を有するバインダーとしての樹脂エマルジョンおよび水性溶媒として水を含有する遮光剤は、塩化ビニル系農業用の樹脂フィルム上にスプレー散布あるいは塗布されて、持続性に優れた無機物の塗膜を形成し、簡便にその遮光効果を得ることができる。 一方、その遮光塗膜が不要となったときには、有機溶媒を多量に使用することなく、アルカリ性の除去液にて簡単に除去し得るものである。 【実施例】 【0032】 以下に本発明を実施例および比較例により、より詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【0033】 実施例1〜5: 下記表1に記載の処方(重量部)により、カレンダー法により塩化ビニル系農業用樹脂フィルム(厚み0.1mm)を調製した。 得られた塩化ビニルフィルムを用いて、農業用ビニルハウスに展張して、表中に示した本発明の農業用遮光剤を、スプレー塗工し、その時形成された塗膜の状態、塗膜の持続性および除去性を一定の基準により評価し、その結果をあわせて表1中に示した。 【0034】 【表1】
【0035】 *1:DS401:フッ素系界面活性剤(ダイキン工業社製) *2:ヒンダートアミン系化合物:LA−63(旭電化工業社製) *3:酸価60;分子量20万以上;固形分47%のアクリル系樹脂エマルジョン *4:酸価200;分子量20万以上;固形分32%のアクリル系樹脂エマルジョン *5:酸価400;分子量20万以上;固形分30%のアクリル系樹脂エマルジョン 【0036】 *6:遮光塗膜の持続性については、以下の測定により評価した。 屋外に展張した前記フィルムへ各遮光剤を噴霧器にて、30%遮光になるように噴霧し均一に吹付けた。吹付け後屋外にて約1ヶ月間放置し、遮光塗布膜の落ちた程度を、目視により以下の基準で判定した。 ◎:塗膜が80%以上残っている。 ○:塗膜が60〜80%未満残っている。 □:塗膜が40〜60%未満残っている。 △:塗膜が10〜40%未満残っている。 ×:塗膜が10%未満しか残っていない。 【0037】 *7:遮光塗膜の除去性は、遮光剤を農業用フィルムに吹付け乾燥後屋外にて1ヶ月後の塗膜に対し、除去液として、pH11のアンモニア水溶液100重量部に対して、ベンジルアルコール5重量部、ジエタノールアミン0.2重量部を混合して得た除去液をフィルムに噴霧し、5分間放置後、水で洗い流した際の塗膜の落ちる程度を、目視により以下の基準で判定した。 ◎:塗膜が80%以上落ちた。 ○:塗膜が60〜80%未満落ちた。 □:塗膜が40〜60%未満落ちた。 △:塗膜が10〜40%未満落ちた。 ×:塗膜が10%未満しか落ちない。 【0038】 比較例1〜6: 下記表2に記載の処方(重量部)により、カレンダー法により塩化ビニル系農業用樹脂フィルム(厚み0.1mm)を調製した。 得られた塩化ビニルフィルムを用いて、農業用ビニルハウスに展張して、表中に示した本発明の農業用遮光剤を、スプレー塗工し、その時形成された塗膜の状態、塗膜の持続性および除去性を一定の基準により評価し、その結果をあわせて表2中に示した。 なお、表2中の注記は、表1中のものと同一である。 【0039】 【表2】
【0040】 *8:遮光塗膜が降雨により落ちてしまい、判定不能。 【0041】 以上の実施例1〜5および比較例1〜6の結果からも明らかなように、本発明の遮光剤は、ヒンダートアミン系化合物を含有する塩化ビニル系農業用樹脂フィルムへの塗布することで、良好な遮光塗膜の持続性が得られていることが判明する。これに対し、ヒンダートアミン系化合物を含有しない比較例2の塩化ビニル系農業用樹脂フィルムにあっては、本発明の遮光剤は、農業用塩化ビニル樹脂フィルムの表面に、遮光塗膜を形成することができないものであった。また、本発明の遮光塗膜は、不要時の除去性に優れたものであることが理解される。 【産業上の利用可能性】 【0042】 以上記載したように、本発明は、特に、農業用遮光剤を塗布する農業用塩化ビニル樹脂フィルムとして、ヒンダートアミン系化合物を含有する塩化ビニル系農業用樹脂フィルムを使用することにより、遮光剤が均一にフィルム上に形成されるものである。そのうえ、樹脂フィルム上に形成された遮光塗膜は、持続性に優れたものとなる。したがって、降雨などによっても無機物の皮膜が流されることなく、長期間に亘って遮光効果を得ることができる利点を有しており、また、遮光塗膜が不要となった場合には、有機溶媒を使用することなく、アルカリ性除去液にて簡単に除去し得るものであり、ハウス、トンネル等の被覆材を廃棄、交換する必要が無くなり、農業従事者に対して、多大な経費節減をもたらす利点を有している。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000077 【氏名又は名称】アキレス株式会社
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| 【出願日】 |
平成16年7月16日(2004.7.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083301 【弁理士】 【氏名又は名称】草間 攻
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| 【公開番号】 |
特開2006−25698(P2006−25698A) |
| 【公開日】 |
平成18年2月2日(2006.2.2) |
| 【出願番号】 |
特願2004−209328(P2004−209328) |
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