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【発明の名称】 水産用資材
【発明者】 【氏名】佐藤 潤一
【住所又は居所】東京都品川区東品川2丁目2番20号 ニチモウ株式会社内

【氏名】永岡 賢三
【住所又は居所】北海道紋別市南が丘町8丁目6番地1 株式会社自然環境綜合研究所内

【要約】 【課題】黒鉛珪石を多量にしかも水に直接触れるように保有して魚や海苔の育成を大きく向上させることができるとともに、繊維状、ロープ状、網状等の水産用資材としての耐引張力性も高く、しかも水産用資材に加工する場合においても切断等が起きず、加工性にも優れている水産用資材を提供すること。

【解決手段】少なくとも1本のストランドによって形成されている水産用資材であって、少なくとも一本のストランドの内部に黒鉛珪石を水に直接触れるように保有していることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1本のストランドによって形成されている水産用資材であって、少なくとも一本のストランドの内部に黒鉛珪石を水に直接触れるように保有していることを特徴とする水産用資材。
【請求項2】
前記黒鉛珪石はストランドを構成する複数のヤーンの間に保持されていることを特徴とする水産用資材。
【請求項3】
前記水産用資材はロープ状または組紐状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水産用資材。
【請求項4】
請求項3に記載の水産用資材を用いて網状に形成されていることを特徴とする水産用資材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、海苔や魚の養殖等に用いられる水産用資材に係り、特に黒鉛珪石を多量に取り入れた好適な水産用資材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、海苔や魚の養殖等を行う水産業においては、生産効率を向上させるために海苔や魚等の生物自体の育成を促進させることや、生息環境を改善させて最終的には生物自体の育成を促進させることが試みられている。
【0003】
一方、生物の健康維持や育成に対して好影響を与えるものとして黒鉛珪石が近年注目されてきている。黒鉛珪石は遠赤外線を放射したりその他の機能により生物に好影響を与えるのと考えられている。
【0004】
このような機能を有する黒鉛珪石を海苔や魚の養殖に上手く適用するためには、既に提案されている海苔網(例えば、特許文献1参照)や、生け簀用網や、ロープや、繊維その他の種々の漁具等からなる水産用資材に黒鉛珪石を適用することが要望されている。
【0005】
【特許文献1】特許第3217390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、水産用資材として利用されている漁具の中には、ロープや網や繊維のように長尺で大きな引張力が作用するものがある。
【0007】
このような長尺な水産資材を、例えば樹脂に黒鉛珪石を混練りしてほぼ均一に配合した素材によって形成しようとすると、繊維やロープや網に作用する引張力に耐える作用を発揮する部分が樹脂の部分のみであるために、混練りする黒鉛珪石の量が多いと繊維やロープや網が小さな引張力によって簡単に切断されてしまうために、黒鉛珪石の混合量が低く抑えられてしまうという不都合があった。更に、これらの水産用資材を樹脂によって繊維状若しくはロープ状等に形成する生産過程において、長手方向に大きな延伸力を付与して強制的に延伸するために、黒鉛珪石の混合量が低く抑えられてしまうものであった。このように黒鉛珪石の混合量が低く抑えられてしまうと、その生物の生存に対する好影響を発揮する機能も相対的に低く抑えられてしまうという不都合があった。
【0008】
更に、黒鉛珪石の保有する生物の生存に対する好影響を発揮するという機能は、黒鉛珪石が水に直接触れて電子の流れを生成することにより発揮されることも考えられている。ところが、黒鉛珪石を樹脂内に混練りすると、表面に露出している黒鉛珪石以外の黒鉛珪石は水に直接触れないものとなり、生物の生存に対する好影響を発揮するという機能が十分に発揮されないという不都合があった。
【0009】
そこで、本発明はこれらの点鑑みてなされたものであり、黒鉛珪石を多量にしかも水に直接触れるように保有して魚や海苔の育成を大きく向上させることができるとともに、繊維状、ロープ状、網状等の水産用資材としての耐引張力性も高く、しかも水産用資材に加工する場合においても切断等が起きず、加工性にも優れている水産用資材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するため、請求項1の本発明の水産用資材は、少なくとも1本のストランドによって形成されている水産用資材であって、少なくとも一本のストランドの内部に黒鉛珪石を水に直接触れるように保有していることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の本発明の水産用資材は、前記黒鉛珪石がストランドを構成する複数のヤーンの間に保持されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の本発明の水産用資材は、前記水産用資材はロープ状または組紐状に形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の本発明の水産用資材は、請求項3に記載の水産用資材を用いて網状に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の水産用資材はこのように構成されているために、黒鉛珪石を多量にしかも水に直接触れるように保有して魚や海苔の育成を大きく向上させることができるとともに、繊維状、ロープ状、網状等の水産用資材としての耐引張力性も高く、しかも水産用資材に加工する場合においても切断等が起きず、加工性にも優れている等の優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図1から図3について説明する。
【0016】
図1および図2は本発明の水産用資材の1実施形態を示している。
【0017】
図1に示す本実施形態の水産用資材1は、トワイン状に形成されている。更に説明すると、複数のヤーン2、2を撚って形成されている複数のストランド3、3を更に撚ってトワイン4が形成されている。そして、少なくとも1本(本実施形態においては全部)のストランド3は、図2に示すように、複数本のヤーン2を撚る時に、ヤーン2の間に細かい粉末状に形成されている黒鉛珪石5を撚り込んで、ヤーン2の間に黒鉛珪石5を保有させるようにして形成されている。これにより粉末状の黒鉛珪石5はヤーン2の間を通して侵入してくる水に直接触れることができる。
【0018】
このように形成されている水産用資材1を更に利用する場合には、図1に示すトワイン4をそのまま用いるか、複数のトワイン4、4を更に撚ってロープ状に形成したり、トワイン4若しくはストランド3を組紐状に形成するとよい。通常ストランド3、トワイン4およびロープは、ヤーン2、ストランド3およびヤーン4のS・Zの撚り方向を順に逆転させるとよい。また、撚り方向を変えないで同方向としてもよい。
【0019】
ヤーン2の素材としては、一般的に水産用資材に用いられている樹脂材を用いるとよい。また、ヤーンとしては、従来公知のものを利用することができ、形態状分類されているフィラメントヤーン(更にマルチフィラメントヤーンとモノフィラメントヤーンに分類されている)やスパンヤーンを用いることができる。また、ヤーン2として、糸状のものの他に合成樹脂フィルムから作られるスリットヤーン(フラットヤーンともいう)やスプリットヤーンを用いることができる。一方のスリットヤーンは、合成樹脂のフィルムを細幅にカットして延伸したものである。他方のスプリットヤーンは、一方のスリットヤーンをフィブリル化し、これに衝撃作用を加えて、縦方向に無数の裂け目を生させて、繊維の集合体を形成させたものである。このような裂け目のあるスプリットヤーンに黒鉛珪石の微小粒子や粉末等を撚り込むようにしてヤーンを形成するとよい。黒鉛珪石をヤーン2の間に撚り込むには、水溶性の接着剤と一緒に黒鉛珪石5をヤーン2の外面に付着させた物を撚り、水中の使用時に水溶性の接着剤を溶かし出すようにしてもよい。更に、黒鉛珪石5を薄い幅広のヤーン2に包むようにして結果として黒鉛珪石5をストランド3に撚り込むとよい。
【0020】
網状の水産用資材6を形成するには、図3に示すように、網脚7としてロープ状若しくは組紐状の水産用資材1を用いて形成するとよい。
【0021】
このように本発明の水産用資材1、6は、少なくとも1本のストランド2内に黒鉛珪石5を水と直接ふれることができるように保有しているので、水中に設置されると黒鉛珪石5にふれた水に電子を流すことができ、当該黒鉛珪石5の有する生物自身に対する育成促進効果および生存環境の健全化効果が十分に発揮されることとなり、魚や海苔等の水産物の育成を大きく向上させることができる。更に、水産用資材1、6としての耐引張力性等の強度は、ストランド3を形成する各ヤーン2の素材を一般的に水産用資材に用いられている樹脂材とすることにより確保されている。また、ストランド3をトワイン4と形成する前のストランド単独の形状で水産用資材として用いてもよい。
【0022】
また、更に、例えば、図3に示す網状の水産用資材6を用いて海苔網とし、有明海の海苔養殖に用いたところ、本実施形態の水産用資材6としての海苔網においては、海苔が健康にかつ多量に十分に生育した。ところが、本実施形態の海苔網を用いない比較例としての従来からの一般の海苔網においては、海苔に赤ぐされ等の病気か発生した。本実施形態の海苔網によって収穫した海苔を板海苔として製造したところ最高級の品質の板海苔が得られた。これらは、ストランド3の内側に多量に保有されている黒鉛珪石2が保有している生物の育成促進機能、水の浄化機能等が相乗的に作用しているものと考えられる。
【0023】
本実施形態の水産用資材の用途は広く、海苔網、魚礁を囲む網、生け簀用の網、ロープ等の長尺物を水産用に利用する部分に適用することができる。
【0024】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の水産用資材の1実施形態を示す分解斜視図
【図2】本発明の水産用資材のストランドの細部を示す説明図
【図3】網状の水産用資材の構成を示す斜視図
【符号の説明】
【0026】
1 水産用資材
2 ヤーン
3 ストランド
4 トワイン
5 黒鉛珪石
6 網状の水産用資材
【出願人】 【識別番号】000110882
【氏名又は名称】ニチモウ株式会社
【住所又は居所】東京都品川区東品川2丁目2番20号
【識別番号】599125571
【氏名又は名称】株式会社自然環境綜合研究所
【住所又は居所】北海道札幌市西区山の手7条8丁目6番3号
【出願日】 平成16年7月13日(2004.7.13)
【代理人】 【識別番号】100081282
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 俊輔

【識別番号】100085084
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 高英

【識別番号】100095326
【弁理士】
【氏名又は名称】畑中 芳実

【識別番号】100115314
【弁理士】
【氏名又は名称】大倉 奈緒子

【識別番号】100117190
【弁理士】
【氏名又は名称】玉利 房枝

【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之

【識別番号】100123858
【弁理士】
【氏名又は名称】磯田 志郎

【公開番号】 特開2006−25627(P2006−25627A)
【公開日】 平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願番号】 特願2004−205401(P2004−205401)