| 【発明の名称】 |
人工浮島 |
| 【発明者】 |
【氏名】福田 千蔵 【住所又は居所】島根県出雲市大津町1778−1 株式会社イズコン内
【氏名】玉木富士夫 【住所又は居所】島根県出雲市大津町1778−1 株式会社イズコン内
【氏名】山根光二 【住所又は居所】島根県出雲市大津町1778−1 株式会社イズコン内
【氏名】阿部公平 【住所又は居所】島根県出雲市大津町1778−1 株式会社イズコン内
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| 【要約】 |
【課題】コンクリート製人工浮島は、水面に浮遊させて植物を生育させることにより、水質浄化作用や景観保護を図ることを目的とする。しかし、植物の生育に必要な成分は水質汚染の原因となり、生育にかなりの期間を要したり、充分に育たないまま枯死させてしまうことが多い。しかも、水生植物の根や茎周り、浮島本体の多孔質空間に棲息する微生物の有機物分解作用に依存する水質浄化能力は低くかつ不安定となる。また、コンクリート製人工浮島は、コンクリートに発泡樹脂骨材などを混合して軽量で且つ連続空隙構造にする必要があり、構造的に非常に脆弱となり破損しやすくなる。
【解決手段】発泡体を混合して連続空隙を形成したコンクリートブロックを水面に浮遊させることによって植物を育成させる植生基盤であって、植生基盤本体は、リン吸着材を設けると共に枠状の緩衝体の内部に配して繋留する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 発泡体を混合して連続空隙を形成したコンクリートブロックを水面に浮遊させることによって植物を育成させる植生基盤であって、植生基盤本体は、リン吸着材を設けると共に枠状の緩衝体の内部に配して繋留することを特徴とする人工浮島。 【請求項2】 リン吸着材は、ハイドロタルサイト化合物である請求項1記載の人工浮島。 【請求項3】 発泡体は、廃ガラス瓶を焼成して成型した発泡ガラスである請求項1又2記載の人工浮島。 【請求項4】 緩衝体は、木枠である請求項1記載の人工浮島。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、リン吸着材を設けた連続空隙を有するコンクリート製植生基盤を、水面に浮遊させることにより、水面緑化及び水質浄化を目的とした人工浮島の改良に関するものである。 【背景技術】 【0002】 生活排水や産業排水などの流入によって発生する富栄養化現象を原因とする水質汚濁が広域化の一途をたどっている。富栄養化は、水中に多量の有機物や窒素及びリンが含まれることによって発生する。これら水質汚濁の原因となる物質の除去は、物理的処理法、化学的処理法、生物学的処理法、或いはこれらの組み合わせによって行われる。 【0003】 従来より、岸辺に繁茂するヨシなどが河川のリンや窒素など汚濁原因となる物質を吸収して、河川の水質を浄化する機能があることが知られており、このような浄化作用を人工的に行わせることを目的とした浮島がある。例えば、特許文献1に開示されているような、発泡樹脂骨材をコンクリートに混合して形成した植栽コンクリートブロックである。 【0004】 コンクリートで形成した植生基盤は、水面に浮遊させることにより、微生物の棲息環境を提供することができる。特に、水生植物などを植栽することで、有機物の分解や植物によるリンや窒素の吸収を行うことが可能となる。さらに、植物の遮光による植物プランクトンの発生抑制の他、魚・水生動物・昆虫などの産卵・生育場所の提供など、その効果は多岐に渡っている。 【特許文献1】特開平10−017379号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 このようなコンクリート製人工浮島においては、水面に浮遊させた状態で植物を生育させることによって、水質浄化作用や景観保護を図ることが主目的であるものの、植生基盤として植物の生育に必要な成分を充分供給できない問題がある。つまり、これらの成分は水質汚染の原因となるためであり、生育にかなりの期間を要したり、充分に育たないまま枯死させてしまうことが多い。しかも、水質浄化作用は、水生植物の根や茎周り、さらに、浮島本体の多孔質空間に棲息する微生物の有機物分解作用に依存しているため、その水質浄化能力は低くかつ不安定となる。 【0006】 また、浮遊させることを目的とする植生基盤においては、コンクリートに発泡樹脂骨材などを混合して軽量で且つ連続空隙構造にする必要があるが、構造的に非常に脆弱となり破損しやすい欠点がある。特に、人工浮島の特徴は水面に浮かせることにより、水面が荒れやすく水位の変動が激しい河川や湖沼に対応できる点にあるものの、護岸、流木、他の人工浮島などとの衝突が不可避で、破損によって浮島として機能しなくなる。 【0007】 一般的に、人工浮島は岸辺や水中に沈めたアンカーにワイヤで連結して繋留されるが、一部が破損することで水没したり水没しやすくなり植物の枯死に繋がる。また、植物が枯死した状態で漂流することもあり、却って汚染原因を作り出してしまうことや、景観を著しく損なう原因となっていた。 【課題を解決するための手段】 【0008】 そこで本発明者は上記問題に鑑み鋭意研究の結果、本発明を成し得たものであり、その特徴とするところは、発泡体を混合して連続空隙を形成したコンクリートブロックを水面に浮遊させることによって植物を育成させる植生基盤であって、植生基盤本体は、リン吸着材を設けると共に枠状の緩衝体の内部に配して繋留することにある。 【0009】 ここで、本明細書中でいう「発泡体」とは、植生基盤本体を構成するもので、コンクリートやモルタルに骨材として混合することにより、軽量化を図ると共に連続空隙を形成させるための部材をいう。本発明においては、軽石や発泡樹脂など特に限定するものではないが、ガラス瓶などの廃ガラスを焼成して成型した発泡ガラスを利用することでリサイクルに寄与することができる。発泡体の混合割合は、植生基盤本体の空隙率が約30%前後となるように混合する。例えば、発泡ガラスでは植生基盤本体1m3に対して約600kgの割合となる。 【0010】 「リン吸着材」とは、河川等の水中に存在するリンを吸着する機能を有する材料をいう。これらを発泡体と共にコンクリートやモルタルに配合して、上述したコンクリートブロックを成型する。発泡体とリン吸着剤により、生物学的水質浄化能力と化学的水質浄化能力の双方の機能をコンクリートブロックに付与させることができる。つまり、発泡ガラスやコンクリートに形成した多孔質空間に棲息する微生物による生物学的水質浄化作用のみならず、リン吸着剤による化学的水質浄化作用による高い水質浄化作用が得られる。また、含有させたリン吸着材は、水中のリン吸着のみならず、吸着したリンを植栽した植物に供給してその育成にも大きく寄与する。リン吸着材としては、例えばハイドロタルサイト化合物や火山灰などである。これらの配合割合は、空隙率を約30%とした植生基盤本体1m3に対し、ハイドロタルサイト化合物を約70kg程度配合する。リン吸着材は、コンクリートやモルタルに配合する他、コンクリートブロックの表面に設けるようにしてもよい。例えば、リン吸着材を混合したモルタルやコンクリート、或いはペースト(リン吸着材+セメント+水)を塗布や吹き付ける場合である。 【0011】 リンは枯渇が懸念されている貴重な資源であり、これをコンクリートブロック中に蓄えさせることによって、多段階に再利用して資源循環構造の構築に資することが可能となる。例えば、リンを吸着した人工浮島は、海域でアワビ礁、藻礁、魚礁、法面などの植生基盤、土壌改良材などとして有効に再利用できる。再利用する場合は、そのままの製品形状で利用する他、破砕してもよい。また、破砕塊や破砕時に生じる粉砕物をコンクリート成型品に混合してもよい。 【0012】 「緩衝体」とは、植生基盤本体の周囲に配することにより、該植生基盤本体を保護する枠状部材をいう。緩衝体は、木やプラスチックなど水に浮く浮力体で形成し、枠の内部に植生基盤本体を収納させる。このため、植生基盤本体は必ずしも比重1以下にする必要はなく、緩衝体に係合させることで水面に浮遊させてもよい。係合手段としては、緩衝体に支持部を設けたり、植生基盤本体に鍔を設けて緩衝体に載置させる。支持部としては、ワイヤ、ロープ、釣り糸など別体の係合具を設けて支持させてもよい。緩衝体と植生基盤本体との係合は、植生基盤本体の下方からの支持による沈み込みを防止だけでなく、上方から支持する飛び出し防止を図る場合も含む。基本的には、植生基盤本体に植生した植物の根による水中の窒素やリンの吸収、微生物や水生動物の棲息を妨げないように、できるだけ植生基盤本体の底面を覆わないように緩衝体と係合させる。また、植生基盤本体によるリン吸着機能を高めるため、周面も緩衝体と間隔を開けておくのが好ましい。 【発明の効果】 【0013】 本発明に係る人工浮島は、発泡体を混合して連続空隙を形成したコンクリートブロック製の植生基盤本体に、ハイドロタルサイト化合物などのリン吸着材を設けたことにより、生物学的水質浄化作用と共に化学的水質浄化作用を付与させることができる。特に、植生基盤本体の連続空隙により水との接触面積が大きくなって水中のリン吸着効率が極めて高く、しかも吸着したリンを植生植物に供給してその育成に供することができる相乗効果を得ることができる。 【0014】 さらに、植生基盤本体を枠状の緩衝体で保護したことにより、植生基盤本体の破損による漂流、植物の枯死、水没などを防止することができ、浮島としての本来の機能を長期に渡って維持することが可能となるなど極めて有益な効果を有するものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 本発明は、枠状緩衝体の内部に、リン吸着材を設けた連続空隙構造のコンクリートブロック製植生基盤本体を配した構造としたことにより、上述課題を解決した。 【実施例1】 【0016】 図1は、本発明に人工浮島1の実施例を示すものであり、発泡ガラスとリン吸着材としてハイドロタルサイト化合物を混合して形成した直方体状の植生基盤本体2を、木枠3の内部に配した構造である。この人工浮島1を河川に浮遊させて繋留させることにより、ハイドロタルサイト化合物を混入した植生基盤本体2が、イオン交換によってリンや重金属などの水中の汚濁原因物質を吸着する。また、植生基盤本体2に吸着されたリンは、これに植生された植物4に供給され生育を促進させることができる。さらに、本発明においては、木枠3の内部に植生基盤本体2を設けているため、該木枠3の緩衝機能により該植生基盤本体2を保護することができ、損傷による植物4の枯死や浮島としての形態保存を図っている。 【実施例2】 【0017】 植生基盤本体2は、図2(a)に示すように植栽部5として3つの陥凹部を設けており、ここに水生植物などの苗を置いて植栽する。植物4は、生育すると根が植生基盤本体2の連続空隙を通って図1のように水中まで伸び、水中のリンや窒素などの有機物を吸収して水質浄化が図られる。植生基盤本体2と木枠3との関係においては、植生基盤本体2の底面側にはできるだけ何も存在させず、しかも植生基盤本体2によるリン吸着機能を損なわないように周面と木枠3との間に隙間を設けるのが好ましい。 【0018】 木枠3としては、例えば同図(b)のように田型にして4つの植生基盤本体2を内部に配する。木枠3の植生基盤本体2収納部には、植生基盤本体2を保護するため各内側コーナー部にゴム製の緩衝部材6を設けている。また、木枠3には繋留用のフック7や吊り上げ用の吊鐶8を設けている。 【実施例3】 【0019】 植生基盤本体2は、単に木枠3の内部に配して水面に浮遊させるだけでもよいが、図3(a)(b)のように釣糸9で係合させてもよい。本例では、釣糸9を植生基盤本体2の上面及び底面に架け渡すことによって、植生基盤本体2の水没や波による飛び出しを防止している。このように、木枠3には緩衝機能の他に浮力体としての機能があり、植生基盤本体2が比重1以上であっても水面に浮遊させることができる。特に、植生基盤本体2は多量のリンを含むため、比重1以上にすることにより藻礁や魚礁などへの有効利用が可能となる。木枠3と植生基盤本体2との係合手段としては、図4のように植生基盤本体2に鍔部10を設け、該鍔部10を木枠3に載置させるようにしてもよい。 【実施例4】 【0020】 木枠3の内部に植生基盤本体2を配した人工浮島1は、例えば図5(a)(b)のように適宜間隔を開けて岸辺11と水底に設けたアンカー12にワイヤ13で連結して繋留される。 【図面の簡単な説明】 【0021】 【図1】本発明に係る人工浮島の一実施例を示す断面図である。(実施例1) 【図2】(a)は植生基盤本体の他の例を示す斜視図、(b)は木枠の他の例を示す平面図である。(実施例2) 【図3】本発明に係る人工浮島の他の実施例を示すもので、(a)は平面図、(b)は側面図である。(実施例3) 【図4】本発明に係る人工浮島のさらに他の実施例を示す断面図である。 【図5】本発明に係る人工浮島の使用状態を示すもので、(a)は概略横断面図、(b)は概略平面図である。(実施例4) 【符号の説明】 【0022】 1 人工浮島 2 植生基盤本体 3 木枠 4 植物 5 植栽部 6 緩衝部材 7 フック 8 吊鐶 9 釣糸 10 鍔部 11 岸辺 12 アンカー 13 ワイヤ
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| 【出願人】 |
【識別番号】391054143 【氏名又は名称】株式会社イズコン 【住所又は居所】島根県出雲市大津町1778−1
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| 【出願日】 |
平成16年7月2日(2004.7.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080724 【弁理士】 【氏名又は名称】永田 久喜
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| 【公開番号】 |
特開2006−14676(P2006−14676A) |
| 【公開日】 |
平成18年1月19日(2006.1.19) |
| 【出願番号】 |
特願2004−196686(P2004−196686) |
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