| 【発明の名称】 |
緑化用保水マット |
| 【発明者】 |
【氏名】柿崎 芳信
【氏名】清水 真琴
【氏名】日比 文秀
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、保水性、耐久性に優れ、しかも軽量で取り扱い性の良好な人工緑化に適した緑化用保水マットを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の緑化用保水マットは、ガラス繊維を主体とした積層体内に膨張性マイクロカプセルを分散状態にて含有させ、該膨張性マイクロカプセルを膨張させてなることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガラス繊維を主体とした積層体内に膨張性マイクロカプセルを分散状態にて含有させ、該膨張性マイクロカプセルを膨張させてなることを特徴とする緑化用保水マット。 【請求項2】 前記膨張性マイクロカプセルを含有した積層体は、前記ガラス繊維を主体とし前記膨張性マイクロカプセルを混合抄造してなるものであることを特徴とする請求項1記載の緑化用保水マット。 【請求項3】 前記ガラス繊維は、平均繊維径が0.2〜5μmの微細ガラス繊維であることを特徴とする請求項1又は2記載の緑化用保水マット。 【請求項4】 前記膨張後の膨張性マイクロカプセルは、膨張によって、その外殻に透水性を付与されつつ形状を維持していることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の緑化用保水マット。 【請求項5】 前記膨張性マイクロカプセルは、外殻が熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の緑化用保水マット。 【請求項6】 前記膨張性マイクロカプセルが、前記積層体中に1〜70質量%含有されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の緑化用保水マット。 【請求項7】 植物育成機能を有する粉体が30質量%以下含有されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の緑化用保水マット。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、植物の育成が可能となる人工土壌等の植栽基盤と併用し、植物に必要な水分を保有して前記植栽基盤に供給する緑化用保水マットに関し、特に、土木構造物の法面、建築物の屋上、壁面若しくは道路の中央分離帯等の人工緑化に適した緑化用保水マットに関する。 【背景技術】 【0002】 近年、都市のヒートアイランド化現象の影響から、土木構造物の法面、建築物の屋上若しくは壁面、道路の中央分離帯等の沿道等、植栽基盤の設置等が困難であり、緑化が難しかったスペースも有効に活用する人工緑化技術が着目されている。このような人工緑化技術においては、建築物や構造物に対する負荷軽減や、施工作業性及び施工コストの面から、まず第一に軽量であることが必要であり、天然土壌よりも軽量な人工土壌が用いられている。また、人工緑化を実現しようとする場所は、建物屋上や道路の中央分離帯のように、乾燥し易い場所であることに加えて水分の供給が困難な場所であり、而も、土木構造物の法面や建築物の壁面等のように給水しても水分が流れ易く保水が困難である場所の場合が多い。このような場所に軽量な人工土壌等の植栽基盤を敷設し、植物を植えたとしても、水分の供給が十分に行われず、植物が枯死し易い等の問題があった。このため、乾燥し易い場所に植えられた植物にも生育に必要な水分が十分に供給されるように、軽量な人工土壌等の植栽基盤と併用する保水マットの開発が進んでいる。 【0003】 例えば、特許文献1には、植栽基盤の下部に敷設される保水マットとして、千鳥状に配置された保水溝を有する合成樹脂からなる保水マットが開示されている。この保水マットは、前記保水溝に貯留させた水分を、前記保水マットの上部に設置された植栽基盤に供給するようにしている。また、特許文献2には、ヤシ繊維ブロックを吸水材とし、この吸水材を上面が透水材からなり、下面及び側面が遮水材からなる袋体に収容させた保水マットが開示されている。この保水マットをコンクリート面等に敷設して保水層とし、植栽基盤として無機質粒体層を前記保水層の上部に設置し、保水マットに吸収させた水分を透水材を通じて前記無機質粒体層に供給するようにしている。また、特許文献3には、コケ植物の固形体であるコケ植物配偶体をパルプ等を高吸水性樹脂等で結合したシート状の保水性部材に固定し、コケ植物の生育に必要な水分を保水性部材から供給する保水性緑化用部材が開示されている。 【特許文献1】特開2000−14246号公報 【特許文献2】特開2002−360061号公報 【特許文献3】特開平8−228590号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、特許文献1に開示の保水マットは、法面等の傾斜面や壁面等の垂直面に設置すると、保水溝に水分を貯留させおくことができず、法面や壁面の人工緑化には適さないという問題があった。また、特許文献2に開示の保水マットは、吸水材であるヤシ繊維ブロックが脆く壊れ易いという問題があり、形状が維持できないため別部材である袋体に収容しなければならないという問題があった。また、乾燥してしまったヤシ繊維ブロックは撥水性があり、水分を吸水しにくいという問題があることが分かっている。また、特許文献3に開示の保水性部材は、水分を吸収させると高吸水性樹脂が吸水膨張してパルプ等の結合を破断又は弛緩するため長期間の形状維持が困難で、長期間の使用に耐え得る耐久性が低いという問題があった。 また、建物の屋上や壁面等の緑化に用いられる保水マットは、建物の積載荷重の基準値を満たすために軽量であることが必要であり、施工等の作業性の観点からも軽量で耐久性を有する製品が望まれている。 そこで、本発明は、保水性、耐久性に優れ、しかも軽量で取り扱い性の良好な人工緑化に適した緑化用保水マットを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明の緑化用保水マットは、前記課題を解決するべく、請求項1に記載の通り、ガラス繊維を主体とした積層体内に膨張性マイクロカプセルを分散状態にて含有させ、該膨張性マイクロカプセルを膨張させてなることを特徴とする。 また、請求項2記載の緑化用保水マットは、請求項1記載の緑化用保水マットにおいて、前記膨張性マイクロカプセルを含有した積層体は、前記ガラス繊維を主体とし前記膨張性マイクロカプセルを混合抄造してなるものであることを特徴とする。 また、請求項3記載の緑化用保水マットは、請求項1又は2記載の緑化用保水マットにおいて、前記ガラス繊維は、平均繊維径が0.2〜5μmの微細ガラス繊維であることを特徴とする。 また、請求項4記載の緑化用保水マットは、請求項1乃至3の何れかに記載の緑化用保水マットにおいて、前記膨張後の膨張性マイクロカプセルは、膨張によって、その外殻に透水性を付与されつつ形状を維持していることを特徴とする。 また、請求項5記載の緑化用保水マットは、請求項1乃至4の何れかに記載の緑化用保水マットにおいて、前記膨張性マイクロカプセルは、外殻が熱可塑性樹脂からなることを特徴とする。 また、請求項6記載の緑化用保水マットは、請求項1乃至5の何れかに記載の緑化用保水マットにおいて、前記膨張性マイクロカプセルが、前記積層体中に1〜70質量%含有されていることを特徴とする。 また、請求項7記載の緑化用保水マットは、請求項1乃至6の何れかに記載の緑化用保水マットにおいて、植物育成機能を有する粉体が30質量%以下含有されていることを特徴とする。 【発明の効果】 【0006】 本発明の緑化用保水マットは、親水性を有するガラス繊維を主体とした積層体からなり、この積層体のガラス繊維同士の絡み合いによって形成される隙間が、水分確保に適しているため、保水性が高く、併用する植栽基盤に水分を十分に供給することができる。また、前記積層体がガラス繊維同士の絡み合いによってなるものであるため、形状が変化しにくく、長期間の使用に耐え得る耐久性に優れている。また、前記緑化用保水マットは、ガラス繊維を主体とした積層体内に膨張性マイクロカプセルを分散状態にて含有させ、該膨張性マイクロカプセルを膨張させてなるので、積層体内に空間が多く形成され、密度が小さく軽量なことから、取り扱い性に優れ、建物屋上や壁面に設置する場合、作業性を著しく低下させるようなことがなく、建物の積載荷重の基準値を超える危険性も少ないため、屋上や壁面等の人工緑化に用いる緑化用保水マットとして最適である。 また、前記緑化用保水マットを構成する積層体が、前記ガラス繊維を主体とし前記膨張性マイクロカプセルを混合抄造してなるものである場合は、該積層体全体に前記膨張性マイクロカプセルが略均一分散状態にて含有されるため、膨張後の積層体が略均一厚さに整えられ密度や保水率等が均質な緑化用保水マットとなり、水分や栄養分を緑化用保水マット全体に均一に行き渡らせることができ、該緑化用保水マットから植栽基盤に略均等に水分を供給することができる。 また、前記緑化用保水マットを構成する前記ガラス繊維の平均繊維径が0.2〜5μmの微細ガラス繊維である場合は、保水性がより高められる。 また、前記膨張後の膨張性マイクロカプセルが、膨張によってその外殻に透水性を付与されつつ形状を維持している場合は、軽量性を高めるために膨張性マイクロカプセルの含有量を多くした場合であっても、膨張後の膨張性マイクロカプセル内部にも水分を吸収、保持することが可能となるため、膨張性マイクロカプセルがガラス繊維同士の間隙を埋めることによる保水性の低下を補い、前記積層体の保水性が維持あるいは高められる。 また、前記緑化用保水マットは、ガラス繊維を構成主体としガラス繊維自体の絡みによって形成された積層体からなるので、建物屋上や外壁等に設置した場合でも、風雨による飛散や流出の虞がなく、強風や紫外線等の天候の影響に耐え得る耐候性や、長期間の設置に耐え得る耐久性を有することができる。 また、前記緑化用保水マットは、ガラス繊維を構成主体としていることから、廃棄に際して有害物質を排出する虞がなく安全に廃棄できる。 また、前記緑化用保水マットに植物育成機能を有する粉体を30質量%以下含有させた場合は、水分のみならず、栄養分も、併用する植栽基盤に供給可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0007】 本発明の緑化用保水マットは、ガラス繊維を主体とした積層体内に膨張性マイクロカプセルを分散状態にて含有させ、該膨張性マイクロカプセルを膨張させてなるものである。 また、前記膨張性マイクロカプセルを含有した積層体は、前記ガラス繊維を主体とし前記膨張性マイクロカプセルを混合抄造してなるものであることが好ましい。このようにした積層体では、前記膨張性マイクロカプセルが、前記積層体の全体に略均一分散状態に含有されるようになる。 また、前記積層体は、ガラス繊維の交絡により間隙が形成されるため、この間隙に水分を吸収し、保水性を確保することができる。尚、後述するように、ガラス繊維として平均繊維径が0.2〜5μmの微細ガラス繊維を使用するようにすれば、保水性はより高まる。更に、膨張後の膨張性マイクロカプセルの外殻に透水性を付与させるようにすれば、軽量性を高めるために膨張性マイクロカプセルの含有量を多くした場合であっても、膨張性マイクロカプセル内部にも水分を吸収、保持することが可能となるため、膨張性マイクロカプセルがガラス繊維の交絡によってできた間隙を埋めることによる保水性の低下を補い、前記積層体の保水性が維持あるいは高められ、良好な緑化用保水マットとして機能し得る。 【0008】 前記ガラス繊維としては、例えば、耐酸性のCガラスを溶融、紡糸後、バーナの火炎で吹き飛ばして得られるガラス短繊維、あるいは、Cガラスを溶融後、長繊維として紡糸されるガラス長繊維を使用することができる。 これらのガラス繊維は、平均繊維径が0.2〜5μmの微細ガラス繊維であることが好ましい。これは、ガラス繊維の平均繊維径が0.2μm未満であると、前記緑化用保水マットを構成する積層体の透水性、製造時の歩留まり、生産性及び原料価格の観点から好ましくなく、5μmを超えると、前記緑化用保水マットの保水性の観点から好ましくないからである。また、ガラス短繊維を用いる場合は、保水性、透水性、生産性及び原料価格の各観点のバランスを考慮すると、平均繊維径は1μm程度が好ましい。 【0009】 前記積層体内に含有させる膨張性マイクロカプセルとしては、耐薬品性、耐候性を有し、カプセル即ち殻の中に、例えば加熱により膨張する膨張性材料を内包した構造のものを用いるのがよい。 このような膨張性マイクロカプセルの外殻の材料としては、耐薬品性、耐候性を有し、形状を維持できる程度の強度を示すものが選ばれる。特に、本発明の緑化用保水マットの保水性をより高めるためには、膨張後の膨張性マイクロカプセル内にも保水できる構造とすべきことから、膨張後の膨張性マイクロカプセルの外殻に透水性を付与させることが必要であり、この場合、外殻は透水性を得ながらもカプセルとしての形状を維持している必要がある。このような条件に当てはまる材料としては、膨張性を有する熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル(PAN)系が挙げられるが、耐薬品性に優れる点と、膨張後の形状維持が良好な点からPAN系が好ましい。 前記膨張性マイクロカプセルの外殻内に内包する前記膨張性材料としては、加熱により膨張する熱膨張性材料、例えば、低沸点炭化水素等が使用できる。尚、前記膨張性材料は、カプセルから漏出したとしても緑化用保水マットと併用する植栽基盤や植物等に悪影響を与えないものを選択する。 また、膨張前の前記膨張性マイクロカプセルの大きさは、抄造時の均一分散性を考慮すると、直径が数十μm以下であることが好ましい。 【0010】 前記積層体中に含有される膨張性マイクロカプセルの含有量は、1〜70質量%であることが好ましい。これは、膨張性マイクロカプセルの含有量が1質量%未満であると、緑化用保水マットの軽量化、保水性の向上が図れないため好ましくなく、70質量%を超えると、抄造による積層体シートの形成が困難になるため好ましくないからである。 尚、膨張後の積層体の状態であるが、積層体に含まれる膨張性マイクロカプセルは基本的にはその全量が、膨張によって外殻に透水性を付与されつつ形状を維持していることが望ましいが、このような制御を完璧に行うことは難しいことから、例えば、膨張性マイクロカプセルの全量の中に、膨張によっても外殻に透水性を得られなかったカプセルが一部存在したり、膨張によって形状を維持し切れずに破裂あるいは破壊してしまったカプセルが一部存在していてもよい。また、カプセルの膨張によって外殻に持たせる透水性であるが、必ずしも外殻の全体が透水性を有している必要はなく、外殻の少なくとも1箇所が透水性を有していればよい。 【0011】 前記膨張性マイクロカプセルを含有した積層体は、上記したように、前記ガラス繊維を主体とし前記膨張性マイクロカプセルを混合抄造してなることが好ましいが、具体的には、例えば、次のような方法により製造することができる。 微細ガラス繊維を主体として、膨張前の熱膨張性マイクロカプセルを所定量添加し、ミキサー、パルパー等の分離機により、水中で均一に分散・混合後、カチオン系吸着剤として例えばポリアクリルアミド系吸着剤を適量添加し、ガラス繊維に膨張前の熱膨張性マイクロカプセルを分散状態に吸着・担持させ、抄紙原料液を得る。続いて、該抄紙原料液を円網、長網又は傾斜式抄紙機を用いて抄造し、ガラス繊維を主体とし膨張前の熱膨張性マイクロカプセルを略均一分散状態に含有した積層体シートを得る。 尚、この後、前記膨張前の熱膨張性マイクロカプセルを膨張させ本発明の緑化用保水マットシートを得るには、例えば、上記で得られた積層体シートを適当な温度に加熱処理して、熱膨張性マイクロカプセルを所定の膨張率に膨張させればよい。これにより、積層体内に略均一分散状態に含有された熱膨張性マイクロカプセルが膨張して、該積層体の厚みが略均一に膨張し、本発明の緑化用保水マットシートが得られる。 また、上記方法にて得られた積層体シートを厚み方向に膨張させても、目的とする緑化用保水マットの厚さに満たない場合は、上記方法で得られた膨張前のシート若しくは膨張後のシートを何層か積層して用いるようにしてもよい。積層方法としては、抄造時に積層する方法即ち抄合せ法や抄重ね法、一旦抄造シートを得た後に積層する方法等が挙げられる。もちろん、これらの方法の組合せでもよい。 【0012】 また、前記緑化用保水マットには、植物育成機能を有する粉体を30質量%以下含有させてもよい。 前記植物育成機能を有する粉体としては、天然土壌から採取される粉体を用いることが可能である。天然土壌から採取される粉体は、天然土壌から採取された、肥沃土、黒土、赤土、珪藻土等が挙げられる。また、土壌小動物の排泄物からなる耐水性団粒を含有する動植物系有機質土壌等を使用することも可能である。 また、前記植物育成機能を有する粉体としては、親水性無機質土壌改良材を用いることが可能である。親水性無機質改良材としては、カリウム、カルシウム、リン酸カルシウム、これらの材料を複合した化学肥料等が挙げられる。 前記緑化用保水マットに、このような植物育成機能を有する粉体を30質量%以下含有させることで、併用する植栽基盤に植えられた植物に水分のみならず、栄養分も供給できるようになり、良好に植物を育成できる緑化用保水マットとすることができる。 尚、前記緑化用保水マットに含有される植物育成機能を有する粉体の含有量が30質量%を超える場合は、相対的に、緑化用保水マットの基本をなす前記ガラス繊維や前記膨張性マイクロカプセルの含有量が少なくなるので好ましくない。 【0013】 前記緑化用保水マットと併用する植栽基盤としては、一般に用いられる土壌の他に、パーライト、三次元的に繊維が絡んだ草炭、泥炭等を使用することができる。尚、壁面等の垂直面に設置することを考慮すると、構造が崩れないシート状の草炭、泥炭を主体とした植栽基盤を使用することが好ましい。 【実施例】 【0014】 次に、本発明の実施例を比較例及び従来例と共に説明する。 (実施例1) ガラス繊維として平均繊維径1μmの微細ガラス繊維90質量%と、熱膨張性マイクロカプセルとして松本油脂製薬株式会社製の「マツモトマイクロスフェアーF−55」10質量%を水中で分散・混合後、アクリルアミド系吸着剤を添加してガラス繊維に膨張前の熱膨張性マイクロカプセルを吸着・担持させた後、通常の抄紙機にて抄造し、95℃で乾燥してガラス繊維と膨張前の熱膨張性マイクロカプセルからなる積層体シートを得た。次いで、該積層体シートを120℃に加熱処理して、積層体中の熱膨張性マイクロカプセルを膨張させ、該カプセルの外殻に透水性を付与するとともに、積層体を厚み方向に膨張させて、緑化用保水マットシートを得た。このシートを複数枚積層して、厚さ30mmの緑化用保水マットとした。 【0015】 (実施例2) 実施例1において、前記ガラス繊維の配合量を80質量%、前記熱膨張性マイクロカプセルの配合量を20質量%としたこと以外はすべて、実施例1と同様にして、厚さ30mmの緑化用保水マットを得た。 【0016】 (実施例3) 実施例1において、前記ガラス繊維の配合量を50質量%、前記熱膨張性マイクロカプセルの配合量を50質量%としたこと以外はすべて、実施例1と同様にして、厚さ30mmの緑化用保水マットを得た。 【0017】 (比較例) 平均繊維径1μmの微細ガラス繊維100質量%を水中で分散後、通常の抄紙機にて抄造し、95℃で乾燥してガラス繊維のみからなる積層体シートを得、これを複数枚積層して厚さ30mmの緑化用保水マットとした。 【0018】 (従来例) 質量比で新聞古紙:叩解パルプ:ガラス繊維=10:30:60の組成としたセルロース繊維とガラス繊維からなるシートを抄造し、このシートの間に、高吸水性樹脂として吸水前の平均粒子径が320μmのポリアクリル酸塩系樹脂の粉体と接着剤を混ぜて挟みサンドイッチ構造として、厚さ30mmの緑化用保水マットを得た。 【0019】 次に、上記にて得られた実施例1〜3、比較例、従来例の各緑化用保水マットについて、坪量、密度、保水率、保水時の形状変化を測定した。結果を表1に示す。尚、試験方法については以下のようにした。 [坪量] 前記緑化用保水マットを0.1m角に切り取り試料とし、この試料を105±5℃で約30分間乾燥し、デシケータに入れ放冷後、重量を測定し、得られたデータを10倍して、坪量(1m2当たりの重量)とした。 [保水率] 前記緑化用保水マットを0.1m角に切り取り試料とし、この試料を105±5℃で約30分間乾燥し、デシケータに入れ放冷後、重量(W1)を測定した。次いで、前記試料を室温において純水中に10分間浸漬した後、ピンセットで取り出し、垂直に吊り下げ、滴下する水滴間隔が5秒以上となった時点で、湿潤重量(W2)を測定した。次式に従い保水率を求めた。 保水率(%)=(W2−W1)/W2×100 [保水時の形状変化] 前記緑化用保水マットを0.1m×0.5mのサイズに切り取り試料とし、水中に約1時間浸漬した後、垂直に吊して、前記試料の形状変化(変形、チギレ、切断の有無等)を観察した。 【0020】 【表1】
【0021】 表1から以下のようなことが分かった。 (1)実施例1〜3の緑化用保水マットの保水率は、高吸水性樹脂を使用した従来例の緑化用保水マットに比べ16%以上向上でき、ガラス繊維100%で構成した比較例の緑化用保水マットに比べても6〜7%向上できており、良好な保水性が得られることが確認できた。これは、積層体を形成するガラス繊維同士の間隙が有する保水力に加え、膨張した膨張性マイクロカプセルが透水性を有しつつ形状を維持できていることで、カプセル内部にも吸水が可能となったことによるものと考えられる。 (2)実施例1〜3の緑化用保水マットの密度は、膨張性マイクロカプセルを含有せずガラス繊維100%で構成した比較例の緑化用保水マットに比べて43〜65%低減でき、また、高吸水性樹脂を使用した従来例の緑化用保水マットに比べても65〜77%低減でき、低密度性が優秀であることが確認できた。これにより、厚さ30mm時の坪量も同様に低減が図れ、軽量性に優れることが確認できた。 (3)実施例1〜3の緑化用保水マットは、保水時においても形状変化が起こらず原形を維持できることが確認できた。これに対し、比較例及び従来例の緑化用保水マットは、保水時に膨張変形や切断が発生した。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004008 【氏名又は名称】日本板硝子株式会社
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| 【出願日】 |
平成16年7月1日(2004.7.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087745 【弁理士】 【氏名又は名称】清水 善廣
【識別番号】100098545 【弁理士】 【氏名又は名称】阿部 伸一
【識別番号】100106611 【弁理士】 【氏名又は名称】辻田 幸史
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| 【公開番号】 |
特開2006−14651(P2006−14651A) |
| 【公開日】 |
平成18年1月19日(2006.1.19) |
| 【出願番号】 |
特願2004−195291(P2004−195291) |
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