| 【発明の名称】 |
コンバインにおける選別装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】松川 雅彦 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】前処理部の駆動速度に応じて選別能力が調節され、前処理部の駆動速度の増加時に選別能力が増加するコンバインにおける選別装置を提供することを課題としている。
【解決手段】脱穀装置6に、選別能力の調節が可能に構成された選別装置10を設け、選別能力の調節を前処理部8の駆動速度に連動させ、走行速度に対して前処理部8が高速駆動される高速速度追従手段によって前処理部8が駆動されている場合に、走行速度に対して前処理部8が標準的な速度で駆動される標準速度追従手段によって前処理部8が駆動されている場合と比較して選別能力が上がるように構成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 穀稈を刈り取り脱穀装置(6)側に搬送する前処理部(8)を設け、上記脱穀装置(6)に、扱胴(12)により脱穀された後の処理物の選別を行う選別装置(10)を設け、該選別装置(10)が、選別能力の調節が可能に構成されたコンバインにおいて、上記選別装置(10)が、前処理部(8)の駆動速度に連動して、自動的に選別能力の調節が行われるように構成されたコンバインにおける選別装置。 【請求項2】 穀稈を刈り取り脱穀装置(6)側に搬送する前処理部(8)を設け、前処理部(8)の駆動速度を走行速度に対して所定の比率で追従させる標準速度追従手段と、前処理部(8)を上記標準速度追従手段によって設定される速度より高速駆動する比率で走行速度に対して追従させる高速速度追従手段とを設け、上記脱穀装置(6)に、扱胴(12)により脱穀された後の処理物の選別を行う選別装置(10)を設け、該選別装置(10)が、走行速度に連動して自動的に選別能力の調節が行われるように構成されたコンバインにおいて、上記選別装置(10)を、高速速度追従手段によって前処理部(8)が駆動されている場合に、標準速度追従手段によって前処理部(8)が駆動されている場合と比較して選別能力が上がるように構成したコンバインにおける選別装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、コンバインの脱穀装置における選別装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来穀稈を刈り取り脱穀装置側に搬送する前処理部を設け、上記脱穀装置に、扱胴により脱穀された後の処理物の選別を行う選別機構を設けたコンバインが公知となっている(例えば特許文献1及び2参照)。特許文献1の選別機構は、処理物の濾過を行う濾過装置(チャフシーブ)を備え、該濾過装置の濾過量を調節することによって選別能力を調節することが可能に構成されている。 【0003】 特許文献2のコンバインは前処理部の駆動速度をコンバインの走行速度に比例的に追従させるように構成されている。特にコンバインの走行速度と前処理部の駆動速度との比率を圃場状態や穀稈の状態に応じて変更することが可能となっている。 【特許文献1】特開2000−166366号公報 【特許文献2】特開2004−049183号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 上記特許文献1におけるチャフシーブは、コンバインの走行速度に連動してフィンの開度を自動調節して濾過量を調節するように構成されている。このチャフシーブを特許文献2のように前処理部の駆動速度がコンバインの走行速度に比例的に追従するものに適応すると、コンバインの走行速度に対してチャフシーブの濾過量が自動調節され、例えば通常の標準的な刈取り脱穀作業において刈取り処理量に応じた処理物の濾過量が自動的確保される。 【0005】 しかしながらコンバインの走行速度と前処理部の駆動速度との比率を、上記標準的なの刈取り脱穀作業の比率(標準比率)とは異なるものとしたとき、例えば倒伏穀稈の刈り取り作業を効率良く行うために、前処理部の駆動速度が、上記標準比率での前処理部の駆動速度に比較して増速されるような速度比率で、走行速度に対して前処理部を駆動した場合、チャフシーブの濾過量が不足し、円滑な脱穀処理ができない場合があるという欠点がある。 【0006】 また上記のように倒伏穀稈の処理を行う場合、倒伏穀稈は地面についたりして濡れている場合が多いため、濡れ材となっている場合が多く、処理物の濾過量が上記標準的なものでは、濾過量が不足する可能性があるという欠点もあった。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記課題を解決するための本発明のコンバインにおける選別装置は、穀稈を刈り取り脱穀装置6側に搬送する前処理部8を設け、上記脱穀装置6に、扱胴12により脱穀された後の処理物の選別を行う選別装置10を設け、該選別装置10が、選別能力の調節が可能に構成されたコンバインにおいて、上記選別装置10が、前処理部8の駆動速度に連動して、自動的に選別能力の調節が行われるように構成されたことを第1の特徴としている。 【0008】 第2に、穀稈を刈り取り脱穀装置6側に搬送する前処理部8を設け、前処理部8の駆動速度を走行速度に対して所定の比率で追従させる標準速度追従手段と、前処理部8を上記標準速度追従手段によって設定される速度より高速駆動する比率で走行速度に対して追従させる高速速度追従手段とを設け、上記脱穀装置6に、扱胴12により脱穀された後の処理物の選別を行う選別装置10を設け、該選別装置10が、走行速度に連動して自動的に選別能力の調節が行われるように構成されたコンバインにおいて、上記選別装置10を、高速速度追従手段によって前処理部8が駆動されている場合に、標準速度追従手段によって前処理部8が駆動されている場合と比較して選別能力が上がるように構成したしたことを特徴としている。 【発明の効果】 【0009】 以上のように構成される本発明の構造によると、標準的な刈取り脱穀作業時において、コンバインの走行速度に追従する前処理部の駆動速度に対して選別装置の選別能力が自動調節され、上記標準的な刈取り脱穀作業において刈取り処理量に応じた処理物の選別能力が自動的に確保されるだけでなく、例えば倒伏穀稈の刈り取り作業時において、コンバインの走行速度に追従する前処理部の駆動速度が、上記通常の刈取り脱穀作業における駆動速度に比較して大きく設定され、脱穀装置側での脱穀処理量が増加した場合でも、脱穀処理量に対応した処理物の選別能力が自動的に確保され、様々な作業ケースで円滑な脱穀作業を行うことができるという効果がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 図1は本発明を選別装置を採用したコンバインの側面図、図2は前方側の要部平面図である。機体フレーム1に左右のクローラ走行装置2が取り付けられている。機体フレーム1上には右側前方に運転席3が設けられている。該運転席3の後方にはグレンタンク4が設けられている。該グレンタンク4の側方には脱穀装置6が設けられている。脱穀装置6の側方にはフィードチェン5が設けられている。 【0011】 機体フレーム1の前方側には上下回動駆動自在に縦フレーム9が支持されている。縦フレーム9は、運転席3の側方、且つ脱穀装置6の前方に位置して前方に突出している。縦フレーム9に前処理部8が取り付けられている。前処理部8は縦フレーム9の上下回動によって上下昇降駆動される。 【0012】 上記構成により、本コンバインは、従来同様、前処理部8により穀稈を刈取り、その後フィードチェーン5に受け継がせ、該フィードチェーン5によってフィードチェーン5の回転速度で穀稈の穂先を脱穀装置6の扱室に供給し、扱室11内の扱胴12によって脱穀を行う。 【0013】 脱穀後の処理物(脱穀粒とわら屑等の混合物)は、脱穀装置6内の揺動選別体13に送られ、揺動選別体13において順次後方に送られてチャフシーブ14によって濾過され、選別室16に送られる。選別室16において、唐箕ファン17や排塵ファン18等によって起風される選別風によって1番物と2番物とに風選され、1番物が1番物収容部に、2番物が2番物収容部に収容される。 【0014】 その後上記1番物は、1番物収容部内からグレンタンク4に排出される。また2番物は2番物収容部内から揺動選別体13に還元される。なお脱穀選別時に発生するワラ屑等は排塵ファン18によって機外に排出される。上記チャフシーブ14を含む揺動選別体13,唐箕ファン17,排塵ファン18等によって脱穀装置6における選別装置10が構成される。 【0015】 上記チャフシーブ14は、前後方向に所定間隔を介して並設されるフィン19を備えている。該フィン19は上端側が揺動選別体13の枠体側に揺動自在に軸支されている。各フィン19の下端側は連結杆21を介して一連状に連結されている。チャフシーブ14は、フィン19の開閉により開度(濾過量)が設定調節される。 【0016】 本コンバインには、エンジン22からの駆動力を前処理部8に伝動する前処理伝動系に、前処理部8及びフィードチェーン5を駆動するための作業機トランスミッション23が設けられている。 【0017】 上記作業機トランスミッション23のミッションケース24には、エンジン22からの駆動力を無段階に変速して作業機トランスミッション23に入力する無段変速装置(作業機HST)26が一体的に取り付けられている。図3の伝動線図に示されるように、作業機HST26の入力軸26a及び出力軸26bは、ミッションケース24内に突出している。 【0018】 一方ミッションケース24のエンジン22側の側面からは動力入力軸27が突出している。該動力入力軸27と作業機HST26の入力軸26aとがミッションケース24内においてギヤ28を介して伝動連結されている。作業機HST26の出力軸26bはミッションケース24内に設けられた中間軸29とギヤ31を介して伝動連結されている。 【0019】 動力入力軸27のエンジン22側の端部には入力プーリ32が軸支されている。該入力プーリ32には、エンジン22の出力軸33に軸支された出力プーリ34からベルト36及び作業機クラッチ37を介して駆動力が伝動されている。 【0020】 またミッションケース24からは、前処理部8側への駆動力出力用の前処理駆動軸38と、フィードチェーン5側への駆動力出力用のフィードチェーン駆動軸39とがそれぞれ突出している。ミッションケース24内において、前処理駆動軸38には中間軸29からギヤ41を介して駆動力が入力されている。 【0021】 さらに前処理駆動軸36のギヤ42から中間軸29に遊嵌されたスプロケット一体タイプのギヤ43に駆動力が伝動されている。そして該ギヤ43に一体のスプロケット44からチェーン46とフィードチェーン駆動軸39に軸支されたスプロケット47とを介してフィードチェーン駆動軸39に駆動力が伝動されている。 【0022】 上記前処理駆動軸38の端部には前処理出力プーリ48が設けられている。該前処理出力プーリ48から前処理部8への駆動力の入力プーリ49にベルト51と前処理クラッチ52を介して駆動力が伝動されている。 【0023】 前述の縦フレーム9には前処理部8側に駆動力を伝動する伝動機構が内装されており、入力プーリ49は、縦フレーム9に設けられている。 フィードチェーン駆動軸39からフィードチェーン5の駆動スプロケット53に駆動力が伝動されている。 【0024】 上記動力入力軸27には脱穀出力プーリ54も軸支されている。該脱穀出力プーリ54から、脱穀装置6の唐箕ファン17に、該唐箕ファン17の駆動軸(唐箕軸)56に軸支された脱穀入力プーリ57とベルト58を介して駆動力が伝動されている。 【0025】 脱穀装置6においては、唐箕軸56からプーリ59,61とベルト62を介して扱胴12の駆動力入力軸63に駆動力が伝動されている。また唐箕軸56からプーリ64,66とベルト67を介して揺動選別体13に駆動力が伝動されている。 【0026】 上記前処理伝動系の構成により、作業機クラッチ37を入り作動させることによって、動力入力軸27にエンジン22から直接駆動力が入力されると、該駆動力は作業機HST26に伝動されて無段階に変速され、前処理駆動軸38とフィードチェーン駆動軸39から出力される。これにより前処理装置8及びフィードチェーン5が連動して無段階に変速駆動されるとともに、動力入力軸27から唐箕軸56に駆動力が伝動され、脱穀装置6が駆動される。 【0027】 上記作業機HST26側には、作業機HST26のトラニオン軸26cを操作して当該作業機HST26の変速操作を行うアクチュエータとして変速モータ68が取り付けられている。前処理部8及びフィードチェーン5の作動速度は該変速モータ68の作動によって後述するように制御される。 【0028】 なお作業機クラッチ37の入り切りによって、前処理装置8,フィードチェーン5,脱穀装置6の駆動を同時に入り切りすることができるが、特に作業機トランスミッション23への駆動力の入力状態(作業機クラッチ37の入り状態)においては、上記前処理クラッチ52によって前処理部8の駆動を単独で入り切りすることが可能となっている。 【0029】 一方エンジン22からの駆動力をクローラ走行装置2に伝動する走行伝動系には、クローラ走行装置2用の走行トランスミッション69がエンジン22の前方下方に設けられている。走行トランスミッション69には、クローラ走行装置2の変速駆動用の油圧無段変速装置(走行HST)71が一体的に設けられている。 【0030】 上記走行HST71の入力軸72には、入力プーリ73が取り付けられている。該入力プーリ73には、エンジン22の走行出力プーリ74からベルト76と走行クラッチ77を介して駆動力が入り切り自在に伝動されている。走行トランスミッション69は、ミッションケース78内において走行HST71の出力を副変速機構79を介して副変速してクローラ走行装置2の駆動軸81に出力する。 【0031】 走行HST71は運転席3側に設けられる主変速レバー82の前後及び左右揺動切換操作によって操作される。副変速機構79は主変速レバー82の側方に設けられる副変速レバー83の前後揺動切換操作によって操作される。主変速レバー82と副変速レバー83の組み合わせ操作によってコンバインの走行速度が決定される。 【0032】 前述の作業機トランスミッション23には、前処理駆動軸38の出力回転を検出する作業機回転センサ84が取り付けられている。これに対して上記走行トランスミッション69には、副変速後の出力回転を副変速出力軸86から検出する走行回転センサ87が設けられている。 【0033】 図4に示されるように、主変速レバー82の把持部82aには、モーメンタリスイッチからなる強制掻込みスイッチ88と倒伏スイッチ89とが備えられている。図5に示されるように、上記走行回転センサ87,作業機回転センサ84,強制掻込みスイッチ88,倒伏スイッチ89は、前述の変速モータ68を制御するマイコンユニットからなる制御部91の入力側に接続されている。制御部91には倒伏スイッチ89を入りにすることにより点灯する倒伏ランプ92が接続されている。 【0034】 上記制御部91は、走行速度や、両スイッチ88,89の入り切りに基づいて前処理部8及びフィードチェーン5の駆動速度をコンバインの走行速度に追従させて設定する速度設定プログラムを備えている。制御部91は、速度設定プログラムに基づき作動することによって、速度設定手段として機能する。 【0035】 上記速度設定手段によって、 前処理装置8及びフィードチェーン5の駆動速度が、変速モータ68を介した作業機HST26の自動変速操作によって設定され、コンバインの走行速度に追従する。なお速度設定手段は、前処理部8の速度制御のみでも良い。 【0036】 上記速度設定手段は、強制掻込みスイッチ88が切り状態であれば、倒伏スイッチ89の切り状態においては、標準モードで作動し、図6に示されるように、前処理部8及びフィードチェーン5の駆動速度が走行速度に所定の比例定数(標準比例定数)で比例して追従するように変速モータ68を駆動する。 【0037】 また強制掻込みスイッチ88が切り状態で、倒伏スイッチ89が入り状態の場合は、倒伏モードで作動し、図6に示されるように、上記標準比例定数より大きな値の比例定数(高速比例定数)で、前処理部8及びフィードチェーン5の駆動速度が走行速度に比例して追従するように変速モータ68を駆動する。 【0038】 なお強制掻込みスイッチ88が入り状態の場合は、強制掻込みモードで作動し、走行速度の変化に無関係に、前処理部8及びフィードチェーン5の駆動速度が所定の一定速度に保持されるように変速モータ68を駆動する。 【0039】 これによりに強制掻込みスイッチ88及び倒伏スイッチ89の何れも押さない状態(切り状態)とすると、標準の速度比率(標準比例定数)で走行速度に対して前処理部8とフィードチェーン5の駆動速度が追従する。これにより両速度の連動によって刈り取り及び搬送が走行速度に応じた処理量に対応し、標準的な刈取り脱穀作業を安定して行うことが可能となる。 【0040】 また倒伏スイッチ89のみを押した状態(入り状態)とすることによって、上記標準モードの速度比率に比較して増速された速度比率(高速比例定数)で走行速度に対して前処理部8とフィードチェーン5の駆動速度が追従する。これにより倒伏穀稈の刈り取り作業を効率良く行うことができる。 【0041】 なお強制掻込みスイッチ88を押した状態(入り状態)とすることによって、前処理部8とフィードチェーン5の駆動速度が一定に維持される。これにより例えば枕地等において走行が停止した状態で前処理部8及びフィードチェーン5を一定速度で駆動して穀稈を掻き込む強制掻込みを行うことができる。 【0042】 本実施形態においては、前述のチャフシーブ14における連結杆21の前方には、連結杆21に連係されたフィン駆動モータ93が設けられている。該フィン駆動モータ93の駆動によって連結杆21が前後に駆動されてフィン19が開閉され、チャフシーブ14の開度(濾過量)が調節されるように構成されている。 【0043】 本コンバインの選別装置10は、フィン駆動モータ93の駆動によるチャフシーブ14の開度(濾過量)の調節によって選別能力の調節制御を行うことが可能となっている。なお唐箕ファン17や排塵ファン18の回転数を調節して選別装置の選別能力の調節制御を行うように構成することもできる。 【0044】 脱穀装置6における選別室16の終端部上方には、排塵室天板94が設けられている。該排塵室天板94は、選別風を排塵ファン18側に導く選別風路を形成している。上記排塵室天板94には、選別風の風量や風圧等を検出するための風量センサ96が設けられている。選別風の風量や風圧等はチャフシーブ14上に溜まる処理物の量に応じて変化するため、風量センサ96によってチャフシーブ14の処理状況を検出することができる。 【0045】 上記フィン駆動モータ93は、上記走行回転センサ87からのデータに基づくコンバインの走行速度と、風量センサ96からのデータに基づくチャフシーブ14の処理状況に応じてコントローラによって駆動制御される。コントローラにはフィン駆動モータ93の制御を行うモータ制御プログラムが備えられている。 【0046】 コントローラは、モータ制御プログラムに基づき作動することによってフィン駆動モータ93を制御し、チャフシーブ14の開度をコンバインの走行速度やチャフシーブ14の処理状況に応じて自動的に制御する選別性能制御手段として機能する。 【0047】 選別性能制御手段により、チャフシーブ14の開度がコンバインの走行速度やチャフシーブ14の処理状況に応じて自動的に制御され、チャフシーブ14は処理物の濾過を円滑に行う。例えばコンバインの走行速度が上昇すると、コンバインの走行速度に追従して前処理部8の駆動速度が上昇し、脱穀装置6側での脱穀処理量が増加するため、チャフシーブ14の濾過量を増加させ、濾過不足を回避する。 【0048】 ただし選別性能制御手段には、前述の標準モード時に、走行速度やチャフシーブ14の処理状況に応じたチャフシーブ14の開度制御を行うための標準フィン制御と、倒伏モード時に、走行速度やチャフシーブ14の処理状況に応じたチャフシーブ14の開度制御を行う倒伏時フィン制御の2つの制御モードとが備えられている。 【0049】 選別性能制御手段による選別性能制御は、図7に示されるように、まずステップS1において走行回転センサ87のデータを読み込み、ステップS2に進み、ステップS2において風量センサ96のデータを読み込む。その後ステップS3に進み、倒伏スイッチ89の入り切り(ON,OFF)をチェックする。 【0050】 ステップS3において、倒伏スイッチ89がOFFの場合は、標準モードと判断してステップS4に進み、フィン駆動モータ93を標準フィン制御する。ステップS3において、倒伏スイッチ89がONの場合は、倒伏モードと判断してステップS5に進み、フィン駆動モータ93を倒伏時フィン制御する。 【0051】 標準フィン制御は、標準モード時に、走行回転センサ87や風量センサ96からのデータに基づき、コンバインの走行速度やチャフシーブ14の処理状況に応じて、穀稈の処理量に対応するようにチャフシーブ14の開度を設定する制御である。 【0052】 倒伏時フィン制御は、倒伏モード時に、走行回転センサ87や風量センサ96からのデータに基づき、コンバインの走行速度やチャフシーブ14の処理状況に応じて、穀稈の処理量に対応するようにチャフシーブ14の開度を設定する制御である。 【0053】 倒伏モード時はコンバインの所定の走行速度に対して前処理部8の駆動速度が、標準モード時に比較して高速となり、標準モード時と倒伏モード時とで同一の走行速度の場合、倒伏モード時のほうが脱穀処理量が増加するため、この前処理部8の高速作動(脱穀処理量)に対応するように、倒伏時フィン制御は、チャフシーブ14の開度を、上記コンバインの所定の走行速度での標準モード時に比較して大きく設定制御し、選別性能を向上させる。 【0054】 上記のようにチャフシーブ14の開度の制御が、コンバインの走行速度だけでなく、前処理部8の駆動速度にも対応して行われるため、コンバインが倒伏モードで走行し、標準モード時に比較して脱穀処理量が増加したり、倒伏穀稈に多い濡れ材の場合であっても、チャフシーブ14の濾過量が増加して選別性能が向上しているため、チャフシーブ14の濾過量不足が発生せず、選別精度が向上し、円滑且つ安定した脱穀作業が行われる。 【0055】 一方図8に示されるように、前述のフィン駆動モータ93を設けず、チャフシーブ14の開度を自動制御しない構成とすることもできる。この場合、最前方のフィン19Fの上端側の支点軸97には、側面視(図7)において略く字状をなすアーム98の上端部分が回動自在に支持されている。アーム98は上記支点軸97を軸心に前後揺動可能である。 【0056】 該アーム98には上記支点軸97の下方位置において、最前方のフィン19Fと連結杆21との連結軸99が支持されている。上記アーム98の後方には、受けアーム101が揺動選別体13の枠体側に支点軸102を介して回動自在に軸支されている。該受けアーム101は上記支点軸102を軸心に前後揺動可能である。 【0057】 一方作業機HST26のトラニオン軸26cには、扇形ギヤ103が取り付けられている。該扇形ギヤ103が変速モータ68のギヤと噛合している。変速モータ68は機体フレーム1側に取り付けられたブラケット104に取り付けられている。 【0058】 これにより変速モータ68の駆動によって扇形ギヤ103が回転し、扇形ギヤ103と一体的にトラニオン軸26cが回転して作業機HST26が変速される。変速モータ68側にはポテンショメータ106が取り付けられており、変速モータ68の回転角度、つまりトラニオン軸26cの回転角度を管理している。 【0059】 上記扇形ギヤ103とアーム98とに、ワイヤ107におけるインナ108の両端が連結されている。該ワイヤ107のアウタ109の両端はブラケット104側と、受けアーム101とに取り付けられている。上記アーム98は戻しバネ111によって前方側に付勢されている。これによりチャフシーブ14のフィン19は閉じ方向に付勢される。 【0060】 上記構造により、前処理部8の駆動速度が変更されると、扇形ギヤ103が揺動するため、扇形ギヤ103の揺動によってワイヤ107のインナ108が操作される。このワイヤ107のインナ108によってアーム98が前後に揺動操作され、チャフシーブ14の開度(濾過量)が自動調節される。 【0061】 なおアーム98にはインナ108を連結することができる連結部112が上下に複数(本実施形態においては2つ)設けられている。インナ108の連結部112を変更することにより、前処理部8の駆動速度の変化量に対するチャフシーブ14の開度の変化量を調節することができる。 【0062】 また受けアーム101の下方には揺動選別体13の枠体側に向かう爪部113が設けられている。これに対して揺動選別体13の枠体側には、上記爪部113を係合させることができる孔(係合部)114が左右方向に複数設けられている。爪部113を所定の孔114に係合させることによって、受けアーム101の揺動角度を調節して所定角度に固定する調節部が構成される。受けアーム101の揺動角度を調節部によって調節することによってアウタ109の前後位置が調節され、初期状態でのチャフシーブ14の開度を調節することができる。 【0063】 これにより走行速度に無関係に前処理部8の駆動速度に応じてチャフシーブ14のフィン19が比例的に開閉し、前処理部8の駆動速度の増加に伴い、チャフシーブ14の濾過量が増加する。これにより前述の倒伏モード時には、標準モード時に比較してチャフシーブの濾過量が増加し、円滑且つ安定した脱穀作業が行われる。 【0064】 なお前述のように前処理部8の駆動速度は走行速度に対して比例して設定されるため、チャフシーブ14の開度は基本的には走行速度に対して自動設定される。ただしチャフシーブ14の開度は、前処理部8の駆動速度を基準に設定されるため、走行速度の変化を伴わない前処理部8の駆動速度の増減にも対応してチャフシーブ14の濾過量の設定制御が行われる。 【図面の簡単な説明】 【0065】 【図1】コンバインの側面要部断面図である。 【図2】コンバインの前方側の要部平面図である。 【図3】コンバインの伝動線図である。 【図4】(a)は主変速レバーの要部正面図、(b)は要部側面図である。 【図5】変速モータ周りのブロック図である。 【図6】前処理部の速度とコンバインの走行速度の関係を示すグラフ図である。 【図7】選別性能制御のフローチャート図である。 【図8】フィン開閉制御の他の実施形態を示す概要図である。 【符号の説明】 【0066】 6 脱穀装置 8 前処理部 10 選別装置 12 扱胴
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
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| 【出願日】 |
平成17年5月19日(2005.5.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081673 【弁理士】 【氏名又は名称】河野 誠
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| 【公開番号】 |
特開2006−320268(P2006−320268A) |
| 【公開日】 |
平成18年11月30日(2006.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願2005−147381(P2005−147381) |
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