トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】村山 昌章
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー株式会社内

【要約】 【課題】選別部の機体長手方向長さを短縮化させつつ、チャフシーブの全域に効果的に選別風を供給し得るコンバインを提供する。

【解決手段】チャフシーブ220を含む揺動選別機構150Aと、前方側に位置する傾斜板及び後方側に位置する第1流穀板によって側面視凹状とされた一番樋310と、前記チャフシーブの前方且つ下方に配設された唐箕ファン410と、ファンケース本体421及び風路ケース422を有する唐箕ファンケース420と、前記揺動選別機構より選別風の流れ方向上流側に配設された第1風向板であって、選別風を上方風及び下方風に分割する第1風向板710とを備える。該第1風向板は、選別風流れ方向上流側の端部が前記風路ケース内に位置し、且つ、選別風流れ方向下流側の端部が該風路ケースの後端部から後方へ突出するように配設され、さらに、前記下方風を前記第1流穀板へ向かわせるように、側面視において上向き凸状とされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀部によって脱穀された被脱穀物から穀粒を選別するチャフシーブを有する揺動選別機機構と、
前記チャフシーブの下方に配設された一番樋であって、前方側に位置する傾斜板及び後方側に位置する第1流穀板によって側面視凹状とされた一番樋と、
前記チャフシーブの前方且つ下方に配設され、前記揺動選別機構に対して選別風を送出する唐箕ファンと、
前記唐箕ファンを囲繞するファンケース本体と、前端部が該ファンケース本体に流体接続され且つ後端部が前記揺動選別機構へ向かって開口する風路ケースとを有する唐箕ファンケースと、
前記揺動選別機構より選別風の流れ方向上流側に配設された第1風向板であって、選別風を上方風及び下方風に分割する第1風向板とを備え、
前記第1風向板は、選別風流れ方向上流側の端部が前記風路ケース内に位置し、且つ、選別風流れ方向下流側の端部が該風路ケースの後端部から後方へ突出するように配設され、さらに、該第1風向板は、前記下方風を前記第1流穀板へ向かわせるように、側面視において上向き凸状とされていることを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記チャフシーブと前記一番樋との間に配設されたグレンシーブをさらに備え、
前記第1風向板は、該グレンシーブより下方に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記上方風を、最上方を流れる第1上方風と、該第1上方風及び前記下方風の間を流れる第2上方風とに分割する第2風向板が、前記第1風向板の上方に配設されており、
前記第2風向板は、選別風流れ方向上流側の端部が前記風路ケース内に位置し、且つ、選別風流れ方向下流側の端部が該風路ケースの後端部から後方へ突出するように配設され、さらに、該第2風向板は、前記第2上方風を前記第1流穀板へ向かわせるように、側面視において上向き凸状とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記揺動選別機構の上方に位置する吸引ファンであって、前記唐箕ファンからの選別風を吸引して機外に排出させる吸引ファンと、
前記チャフシーブの後方に配設され、不要物を機体後方の排出通路へ搬送するストローラックと、
機体の長手方向に関し前記チャフシーブと前記ストローラックとの間に、前記唐箕ファンからの選別風を前記吸引ファンへ案内するように、機体幅方向に延びる第3風向板とを備えていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のコンバイン。
【請求項5】
前記第3風向板の下端部は、前記第1流穀板に近接するように、前記チャフシーブの下端部よりも下方に位置していることを特徴とする請求項4に記載のコンバイン。
【請求項6】
互いの間に間隙を存しつつ機体の長手方向に並設された複数の前記第3風向板を備え、
該複数の第3風向板は、最も前方に位置する風向板から、前記第1流穀板によって案内される選別風を最も多く案内する風向板へ行くに従って、上端部が上方に位置するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のコンバイン。
【請求項7】
互いの間に間隙を存しつつ機体の長手方向に並設された複数の前記第3風向板を備え、
該複数の第3風向板は、前方側に位置する風向板から後方に位置する風向板へ行くに従って、下端部が下方に位置するように構成されていることを特徴とする請求項4から6の何れかに記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインは、穀稈を刈り取る刈取部と、該刈取部によって刈り取った穀稈を脱穀する脱穀部と、該脱穀部によって脱穀した被脱穀物から穀粒を選別する選別部とを備えている。
前記選別部は、穀粒の選別を行うチャフシーブを含む揺動選別機構と、前記揺動選別機構に対して選別風を送出する唐箕ファンを含む風選別機構とを備えている。
【0003】
ところで、前記唐箕ファンは、前記チャフシーブの前方且つ下方に配設されている(特許文献1参照)。
即ち、該唐箕ファンは、前記チャフシーブに対して、前方且つ下方から後方且つ上方へ斜めに選別風を供給するように構成されており、該チャフシーブを通過した選別風は、所望により又は仕様に応じて備えられる吸引ファンによって、塵等の軽い不要物と共に機外に排出するようになっている。
【0004】
しかしながら、唐箕ファンがチャフシーブの前方且つ下方に配設される構成においては、前記選別部の機体長手方向の長さを短縮化させる為に、前記チャフシーブを機体長手方向に関し前記唐箕ファンに近接させる(即ち、前記チャフシーブを前方へ配置させる)と、前記チャフシーブの全域、特に、前方部分に選別風が供給され難くなり、チャフシーブの選別作用が悪化する。
他方、前記チャフシーブの全域に選別風を供給する為に、チャフシーブを機体長手方向に関し前記唐箕ファンから離間させる(即ち、前記チャフシーブを後方へ配置させる)と、前記選別部の機体長手方向長さが長大化する。
【特許文献1】特開2004−97164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、選別部の機体長手方向長さを短縮化させつつ、チャフシーブの全域に効果的に選別風を供給し得るコンバインの提供を、一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記目的を達成するために、脱穀部によって脱穀された被脱穀物から穀粒を選別するチャフシーブを有する揺動選別機機構と、前記チャフシーブの下方に配設された一番樋であって、前方側に位置する傾斜板及び後方側に位置する第1流穀板によって側面視凹状とされた一番樋と、前記チャフシーブの前方且つ下方に配設され、前記揺動選別機構に対して選別風を送出する唐箕ファンと、前記唐箕ファンを囲繞するファンケース本体及び前端部が該ファンケース本体に流体接続され且つ後端部が前記揺動選別機構へ向かって開口する風路ケースを有する唐箕ファンケースと、前記揺動選別機構より選別風の流れ方向上流側に配設された第1風向板であって、選別風を上方風及び下方風に分割する第1風向板とを備えたコンバインを提供する。
前記第1風向板は、選別風流れ方向上流側の端部が前記風路ケース内に位置し、且つ、選別風流れ方向下流側の端部が該風路ケースの後端部から後方へ突出するように配設され、さらに、該第1風向板は、前記下方風を前記第1流穀板へ向かわせるように、側面視において上向き凸状とされている。
【0007】
一態様においては、前記チャフシーブと前記一番樋との間に配設されたグレンシーブをさらに備え得る。
斯かる態様においては、前記第1風向板は、該グレンシーブより下方に配設される。
【0008】
好ましくは、前記上方風を、最上方を流れる第1上方風と、該第1上方風及び前記下方風の間を流れる第2上方風とに分割する第2風向板であって、前記第1風向板の上方に配設された第2風向板を備えることができる。
該第2風向板は、選別風流れ方向上流側の端部が前記風路ケース内に位置し、且つ、選別風流れ方向下流側の端部が該風路ケースの後端部から後方へ突出するように配設され、さらに、該第2風向板は、前記第2上方風を前記第1流穀板へ向かわせるように、側面視において上向き凸状とされる。
【0009】
前記種々の態様において、前記揺動選別機構の上方に位置する吸引ファンであって、前記唐箕ファンからの選別風を吸引して機外に排出させる吸引ファンと、前記チャフシーブの後方に配設され、不要物を機体後方の排出通路へ搬送するストローラックと、機体の長手方向に関し前記チャフシーブと前記ストローラックとの間に、前記唐箕ファンからの選別風を前記吸引ファンへ案内するように、機体幅方向に延びる第3風向板とを備えることができる。
【0010】
好ましくは、前記第3風向板の下端部は、前記第1流穀板に近接するように、前記チャフシーブの下端部よりも下方に位置される。
より好ましくは、互いの間に間隙を存しつつ機体の長手方向に並設された複数の前記第3風向板を備えることができ、該複数の第3風向板は、最も前方に位置する風向板から、前記第1流穀板によって案内される選別風を最も多く案内する風向板へ行くに従って、上端部が上方に位置するように構成される。
【0011】
又、好ましくは、前記複数の第3風向板は、前方側に位置する風向板から後方に位置する風向板へ行くに従って、下端部が下方に位置するように構成され得る。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明においては、揺動選別機構より選別風の流れ方向上流側に配設された第1風向板であって、選別風を上方風及び下方風に分割する第1風向板を、選別風流れ方向上流側の端部が風路ケース内に位置し、且つ、選別風流れ方向下流側の端部が風路ケースの後端部から後方へ突出するように配設すると共に、前記下方風を前記第1流穀板へ向かわせるように、側面視において上向き凸状としている。
斯かる構成によれば、前記下方風を第1流穀板に反射させて、略垂直下方から上方へ向かわせることができる。
従って、選別部の機体長手方向の長さを短縮化させるべく、チャフシーブを機体長手方向に関し唐箕ファンに近接させても(即ち、チャフシーブを前方へ配置させても)、前記チャフシーブの全域に有効に選別風を供給させることができる。
【0013】
前記チャフシーブと前記一番樋との間にグレンシーブが配設される態様においては、前記第1風向板を該グレンシーブより下方に配設させることで、前記第1流穀板によって反射され、略垂直下方から上方へ拡散する選別風を、前記グレンシーブ及び前記チャフシーブに効果的に供給することができる。
従って、前記選別部の機体長手方向の短縮化を図りつつ、前記グレンシーブ及び前記チャフシーブにおける選別作用の効率化を図ることができる。
【0014】
又、前記上方風を、最上方を流れる第1上方風と、該第1上方風及び前記下方風の間を流れる第2上方風とに分割する第2風向板であって、前記第1風向板の上方に配設された第2風向板を備えると共に、該第2風向板を、選別風流れ方向上流側の端部が風路ケース内に位置し、且つ、選別風流れ方向下流側の端部が風路ケースの後端部から後方へ突出するように配設すると共に、前記第2上方風を前記第1流穀板へ向かわせるように、側面視において上向き凸状とすれば、略垂直下方から上方へ拡散する選別風の流れをより効果的に形成できる。
【0015】
機体の長手方向に関しチャフシーブとストローラックとの間に、唐箕ファンからの選別風を吸引ファンへ案内する第3風向板を設ければ、前記唐箕ファンから前記吸引ファンへの効果的な選別風の流れを形成できる。
【0016】
前記第3風向板の下端部が、前記唐箕ファンからの選別風の風路を画する流穀板に近接するように、前記チャフシーブの下端部よりも下方に位置させれば、該風向板の有効面積を増大させることができ、より効果的に選別風の流れを形成できる。
【0017】
前記第3風向板が複数設けられる態様においては、最も前方に位置する第3風向板から、流穀板によって案内される選別風を最も多く案内する第3風向板へ行くに従って、上端部が上方に位置するように構成すれば、チャフシーブからストローラックへの不要物の搬送性を維持しつつ、唐箕ファンから吸引ファンへの効果的な選別風の流れを形成できる。
【0018】
又、前記第3風向板が複数設けられる態様において、前方側に位置する第3風向板から後方に位置する第3風向板へ行くに従って、下端部が下方に位置するように構成すれば、該第3風向板の有効面積を増大させることができ、唐箕ファンから吸引ファンへの効果的な選別風の流れを形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明の好ましい実施の形態に係るコンバインについて、添付図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2は、それぞれ、本実施の形態に係るコンバイン1Aの側面図及び平面図である。
【0020】
まず、該コンバインの全体構成について説明する。
図1及び図2に示すように、該コンバイン1Aは、クローラ式走行装置1と、該クローラ式走行装置に連結された機体フレーム2と、前記機体フレーム2の右側前方に配設された運転部14と、前記機体フレーム2の前部に昇降可能に連結された刈取・引き起こし装置3と、該刈取・引き起こし装置3によって刈り取られた穀稈を搬送する搬送装置8a,8b,8cと、該搬送装置8a,8b,8cから穀稈の株元を受け継ぎ、後方へ搬送するフィードチェーン装置9と、該フィードチェーン装置9による搬送途中において前記穀稈を脱穀し、且つ、穀粒を選別する脱穀装置100と、該脱穀装置100によって選別された穀粒を貯留する為のグレンタンク13と、該グレンタンク13内に貯留された穀粒を外部に排出させる為の穀粒排出装置15と、前記フィードチェーン装置9から排藁を受け継ぐ排藁チェーン装置10と、該排藁チェーン装置10によって搬送された排藁を処理する排藁処理装置11とを備えている。
【0021】
前記刈取・引き起こし装置3は、前端部に設けられた分草板4と、該分草板4の後方に立設された引き起こし機構5と、該引き起こし機構5の後方に配設された刈刃7とを備えており、前記分草板4によって分草された穀稈を前記引き起こし機構5に設けられたタイン6によって引き起こし、起立された穀稈の株元を前記刈刃7によって刈り取るように構成されている。
【0022】
前記搬送装置8a,8b,8cは、下部搬送装置8a,上部搬送装置8b及び縦搬送装置8cを含み、該縦搬送装置8cから穀稈の株元を前記フィードチェーン装置9へ受け継ぐように構成されている。
【0023】
前記フィードチェーン装置9は、穀稈の穂先が前記脱穀装置100における扱胴130によって脱穀処理される状態で、該穀稈を後方へ搬送するように構成されている。
なお、前記脱穀装置100については後述する。
【0024】
前記グレンタンク13は、前記脱穀装置100によって選別され且つ下記一番樋310に集約された一番穀粒を貯留するように構成されている。
詳しくは、前記一番樋310に集約された一番穀粒は、下記一番搬送コンベア330及び揚穀コンベア(図示せず)を介して、前記グレンタンク13内に搬入される。
本実施の形態においては、該グレンタンク13は、前記機体フレーム2における右側前方に設けられた運転部14の後方に配設されている。
【0025】
前記穀粒排出装置15は、前記グレンタンク13の底部に設けられた排出コンベア(図示せず)と、該排出コンベアからの穀粒を上方へ搬送する縦排出オーガ17と、基端部が前記縦排出オーガ17の上端部に連通された横排出オーガ18とを備え、該横排出オーガ18の先端部に設けられた排出口19を介して前記グレンタンク13内の穀粒を外部に排出させ得るように構成されている。
なお、本実施の形態においては、前記グレンタンク13は、前記縦排出オーガ17を中心にして側方へ回動可能とされており、これにより、機体内部に配置される駆動機器や油圧機器のメンテナンス性を向上させている。
【0026】
前記排藁処理装置11は、排藁カッターや拡散コンベアを備えることができ、前記脱穀装置100によって脱穀された後の排藁を切断し、又は、切断せずに機外に排出させ得るように構成されている。
【0027】
ここで、前記脱穀装置100について説明する。
図3及び図4に、それぞれ、該脱穀装置100の模式断面図及び模式背面図を示す。
該脱穀装置100は、前記フィードチェーン装置9によって後方へ搬送される穀稈に対して脱穀処理を行う脱穀部110と、該脱穀部110の下方に配設され、該脱穀部110によって脱穀され且つ流下する被脱穀物から穀粒を選別する選別部150とを備えている。
【0028】
図3及び図4に示すように、前記脱穀部110は、脱穀機枠121によって画される扱室120と、該扱室120内において機体前後方向に沿った回転軸回りに回転駆動される扱胴130と、該扱胴130の下方に配設された扱胴受網140とを備えている。
前記扱胴130は外周面に立設された扱歯131を有しており、該扱歯131によって、前記フィードチェーン装置9を介して搬送される穀稈の穂先に対して脱穀処理を行えるようになっている。
前記扱胴受網140は、前記扱胴130によって脱穀された前記被脱穀物のうち,所定外径以下のものだけを下方の前記選別部150に流下させるように構成されている。
さらに、該扱胴受網140は、後端部近傍に送じん口141を有しており、該送じん口141から大径の被脱穀物がチャフシーブ220へ落下するように構成されている。
【0029】
前記選別部150は、駆動機構(図示せず)によって揺動されることで比重選別を行う揺動選別機構150Aと、前記揺動選別機構150Aに対して選別風を送出し且つ該選別風を機外に排出する風選別機構150Bとを有している。
【0030】
前記揺動選別機構150Aは、前記脱穀部110から流下される被脱穀物を受け止めるように該脱穀部110の下方に配設されたフィードパン210と、前記脱穀部110及び前記フィードパン210からの被脱穀物を受け、該被脱穀物から穀粒を選別するチャフシーブ220と、該チャフシーブ220の後方に配設されたストローラック230とを備えている。
なお、前記フィードパン210,前記チャフシーブ220及び前記ストローラック230は、機体長手方向に延びる一対の揺動側板151(図4参照)の間に配設されている。
【0031】
前記フィードパン210は、前記脱穀部110から流下される被脱穀物を前記チャフシーブ220へ搬送するように構成されている。
具体的には、該フィードパン210は、被脱穀物を後方へ搬送する為に、上面が波状に形成された板体とされている。
【0032】
前記チャフシーブ220は、前記脱穀部110及び前記フィードパン210からの被脱穀物を比重選別し得るように構成されている。
具体的には、前記チャフシーブ220は、一対の揺動側板の間において機体幅方向に延びる複数のフィン221であって、間隔を存しつつ機体長手方向に並設された複数のフィン221を有しており、比重選別される穀粒が前記間隔を通って、下方に配置される一番樋310へ落下するようになっている。
なお、前記複数のフィン221は、それぞれの上端部回りに一体的に揺動可能とされており、駆動機構(図示せず)によって傾斜角を変更することで、前記間隔の開口幅が調整可能とされている。
【0033】
前記ストローラック230は、前記チャフシーブ220から送られてくる被脱穀物のうち排藁等の大きな不要物を機体後方へ搬送すると共に、穀粒を含む小さな被脱穀物は下方に配置される二番樋320へ落下させ得るように構成されている。
具体的には、前記ストローラック230は、機体長手方向に延びる複数の板状部材231であって、間隔を存しつつ機体幅方向に並設された複数の板状部材231を有しており、前記間隔を介して穀粒等の小さな被脱穀物が前記二番樋320へ落下するようになっている。
なお、前記複数の板状部材231は、それぞれ、上面が波状に形成されており、これにより、排藁等の大きな不要物の後方への搬送を促進させている。
【0034】
前記一番樋310は、脱穀機枠の両側板122(図4参照)の間に延びる前方側の傾斜板315及び後方側の第1流穀板311によって側面視凹状に形成されており、前記チャフシーブ220から落下した一番穀粒を凹状部に集約させ得るように構成されている。
該一番樋310の凹状部には機体幅方向に沿って前記一番コンベア330が配設されている。
該一番コンベア330の搬送下流端部は前記揚穀コンベア(図示せず)に接続されており、前記一番樋310の凹状部に集約された穀粒は、該一番コンベア330及び揚穀コンベアによって前記グレンタンク13内に搬入されるようになっている。
【0035】
なお、本実施の形態においては、前記揺動選別機構150Aは、前記チャフシーブ220と前記一番樋310との間に配設されたグレンシーブ240を有している。
該グレンシーブ240は第2選別部として作用するものであり、例えば、網状体によって形成される。
【0036】
前記二番樋320は、前記一番樋310の後方に連設されている。
具体的には、該二番樋320は、脱穀機枠の両側板122(図4参照)の間に延びる前方側の傾斜板325及び後方側の第2流穀板321によって側面視凹状に形成されており、前記ストローラック230から落下した二番穀粒を凹状部に集約させ得るように構成されている。
該二番樋320の凹状部には機体幅方向に沿って二番コンベア340が配設されている。
該二番コンベア340の搬送下流端部は二番還元コンベア(図示せず)に接続されており、該二番コンベア340及び二番還元コンベアによって、前記二番樋320の凹状部に集約された二番穀粒が、前記フィードパン210上に戻されるようになっている。
【0037】
前記風選別機構150Bは、前記揺動選別機構150Aに対して選別風を送出するように構成されており、選別風によって該揺動選別機構150Aによる穀粒の選別を促進させ得るようになっている。
具体的には、該風選別機構150Bは、前記揺動選別機構150Aに対して下方から上方へ抜ける選別風を送出する唐箕ファン410を備えている。
【0038】
前記唐箕ファン410は、前記チャフシーブ220の前方且つ下方において、機体幅方向に沿った回転軸回りに回転駆動されるように構成されている。
具体的には、該唐箕ファン410は、脱穀機枠の両側板122(図4参照)と、後方が開口とされた唐箕ファンケース420とによって画される空間内に配設されており、後方且つ上方へ向けて選別風を送出し得るようになっている。
より詳しくは、該唐箕ファンケース420は、前記唐箕ファン420を囲繞する唐箕ファンケース本体421と、前端部が該唐箕ファンケース本体421に流体接続され且つ後端部が斜め後方へ向けて開口された中空の風路ケース422とを有している。
なお、前記脱穀機枠の側板122には、前記唐箕ファン410へ吸気させる吸入口が設けられている。
【0039】
さらに、本実施の形態においては、図3に示すように、前記構成に加えて、前記揺動選別機構150Aより、選別風の流れ方向上流側に配設された第1風向板710であって、選別風を上方風400U及び下方風400Lに分割する第1風向板710を備えている。
【0040】
該第1風向板700は、選別風流れ方向上流側の端部が前記風路ケース422内に位置し、且つ、選別風流れ方向下流側の端部が該風路ケース422の後端部から後方へ突出するように配設されており、さらに、側面視において上向き凸状とされている。
斯かる第1風向板710を備えることにより、前記下方風400Lを効率的に前記第1流穀板311へ向かわせることができ、これにより、前記チャフシーブ220に向けて略垂直下方から上方へ選別風を流すことができる。
【0041】
即ち、前記第1風向板710によって前記第1流穀板311へ向けて案内された前記下方風400Lは、該第1流穀板311によって反射して、前記チャフシーブ220に向けて略垂直下方から上方へ流れる。
従って、前記チャフシーブ220を前方に配置させて、前記選別部150の機体長手方向長さの可及的な短縮化を図りつつ、該チャフシーブ220の全域に効率的に選別風を供給することができる。
【0042】
好ましくは、図3に示すように、前記第1風向板710の上方に、前記上方風400Uを、最上方を流れる第1上方風400U1と、該第1上方風400U1及び前記下方風400Lの間を流れる第2上方風400U2とに分割する第2風向板720を備えることができる。
該第2風向板720は、前記第1風向板710と同様、選別風流れ方向上流側の端部が前記風路ケース422内に位置し、且つ、選別風流れ方向下流側の端部が該風路ケース422の後端部から後方へ突出するように配設されており、さらに、側面視において上向き凸状とされる。
【0043】
斯かる第2風向板720を備えることにより、前記第1風向板710によって生じる渦流を抑制することができ、前記チャフシーブ220に向けて略垂直下方から上方へ流れる選別風流れをより効率的に形成できる。
【0044】
本実施の形態においては、前述の通り、前記チャフシーブ220と前記一番樋310との間に前記グレンシーブ240が設けられている。
該グレンシーブ240は、好ましくは、図3に示すように、上下位置に関し、前記第2風向板720より上方で且つ前記風路ケース422の上壁より下方に配設される。
斯かる構成を備えることにより、前記第1流穀板311によって反射される選別風が、略垂直下方から上方へ向けて前記グレンシーブ240及び前記チャフシーブ220を通過することになる。従って、該グレンシーブ240及びチャフシーブ220における穀粒の選別をより効果的に行うことができる。
【0045】
本実施の形態においては、前記風選別機構150Bは、さらに、前記唐箕ファン410からの選別風を吸引して機外500に排出させる吸引ファン450を備えている。
具体的には、該吸引ファン450は、前記揺動選別機構150Aの上方において、機体幅方向に沿った回転軸回りに回転駆動されるように構成されている。
より詳しくは、該吸引ファン450は、前記揺動選別機構150Aを向く前方開口461と、機外500に連通された後方開口462とを有する吸引ファンカバー460に覆われており、前記選別風を前記前方開口461を介して吸引し、前記後方開口462から排出するようになっている。
なお、該吸引ファン450の両側方は、脱穀機枠の側壁122によって閉塞されている。
【0046】
本実施の形態に係るコンバイン1Aにおいては、図3に示すように、前記吸引ファン450と前記ストローラック230との間に、該吸引ファン450の吸引側及び吐出側を連通する開口510が設けられている。
該開口510を設けることにより、前記唐箕ファン410からの選別風に乱流が発生することを有効に防止又は低減でき、前記揺動選別機構150Aの下方から上方へ抜けて、機外に排出される選別風流れを効果的に形成することができる。
【0047】
ところで、前記開口510を設けると、選別風の効果的な流れを形成し易い反面、揺動選別機構150Aから飛散する穀粒が該開口510を介して機外に排出され、これにより、ロスが生じ易くなる。
この点に鑑み、本実施の形態に係るコンバイン1Aは、図3に示すように、前記開口510の少なくとも一部を遮るように、基端部回りに弾性変形可能な遮閉部材550を備えており、該遮閉部材550によって、飛散する穀粒を該前記二番樋320に流下させて、ロスの低減を図っている。
又、前記遮閉部材550は、弾性変形可能な部材によって形成されている為、前記ストローラック230によって機外へ搬送される排藁等の不要物量が多い場合であっても、該遮閉部材550が撓むことにより、目詰まりも防止される。
斯かる遮閉部材550は、前記作用を奏する限り、種々の材質によって形成され得るが、例えば、ゴムが好適に使用される。
【0048】
好ましくは、前記ストローラック230を、前端部及び後端部の間に凹部232を有する形状に構成し、且つ、前記遮閉部材550の自由端部551が機体の長手方向に関し該凹部230と同一位置又は該凹部232より後方に位置するように、前記遮閉部材550を配設させることができる。
斯かる構成を備えることにより、前記ストローラック230によって後方へ搬送される不要物の目詰まりをより有効に防止できる。
【0049】
さらに、本実施の形態に係るコンバイン1Aにおいては、図3に示すように、機体の長手方向に関し前記チャフシーブ220と前記ストローラック230との間に、前記唐箕ファン410からの選別風を前記吸引ファン450へ案内する第3風向板600が設けられており、これにより、前記唐箕ファン410から前記吸引ファン450へ至る風路の連通性を向上させ、穀粒の選別性能の向上を図っている。
具体的には、該第3風向板600は、機体の幅方向に沿って延びる板状体とされており、下端部が前方に位置し且つ上端部が後方に位置する後方傾斜姿勢とされている。
【0050】
本実施の形態においては、前記第3風向板600が複数設けられている。
該複数の第3風向板600(図示の形態では、第1〜第3風向板601〜603)は、互いの間に間隙が設けられた状態で、機体の長手方向に並設されている。
斯かる構成においては、前記チャフシーブ220における最後端のフィン221Rと最も前方に位置する風向板(図示の形態においては第3風向板601)との間の間隙、及び、隣接する風向板同士の間の間隙が、前記唐箕ファン410から前記吸引ファン450に至る風路を形成している。
【0051】
斯かる第3風向板600を備えることにより、前記唐箕ファン410から前記吸引ファン450へ至る選別風の流れを明確化させて乱流の発生を有効に防止でき、これにより、飛散する穀粒が該開口510を介して機外に排出されることを有効に防止できる。
さらに、本実施の形態においては、図3に示すように、前記遮閉板550の基端部552を、前記ファンケース460の前方開口461の下端部近傍に連結させている。
従って、揺動選別機構150Aからの飛散穀粒を該遮閉板550によって前記二番樋320に有効に落下させることができる。
【0052】
好ましくは、前記第3風向板600の下端部は、前記唐箕ファン410からの選別風の風路を画する第1流穀板311に近接するように、前記チャフシーブ220におけるフィン21の下端部よりも下方に位置される。
このように、第3風向板600の下端部を下方に位置させることにより、前記唐箕ファン410から前記吸引ファン450への風の流れをより効果的に形成できる。
【0053】
又、本実施の形態におけるように、前記第3風向板600が複数設けられる態様においては、より好ましくは、最も前方に位置する第3風向板601から、前記第1流穀板311によって案内される選別風を最も多く案内する第3風向板600M(図示の形態においては、第3風向板602。以下、最大風量風向板という)へ行くに従って、上端部が上方に位置するように構成することができ、これにより、前記唐箕ファン410から前記吸引ファン450への風の流れをより効果的に形成できる。
より好ましくは、前記最大風量風向板600Mより後方に位置する風向板(図示の形態では、第3風向板603)は、前記最大風量風向板600Mを基準にして後方に配置される風向板へ行くに従って、上端部が下方に位置するように構成され、これにより、前記チャフシーブ220から前記ストローラック230への排藁等の不要物の搬送を効率的に行うことができる。
【0054】
又、好ましくは、前記複数の第3風向板600は、前方側に位置する風向板から後方に位置する風向板へ行くに従って、下端部が下方に位置するように構成され、これにより、前記唐箕ファン410から前記吸引ファン450への風の流れをより効果的に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係るコンバインの側面図である。
【図2】図2は、図1に示すコンバインの平面図である。
【図3】図3は、図1及び図2に示すコンバインにおける脱穀装置の模式断面図である。
【図4】図4は、図3に示す脱穀装置の模式背面図である。
【符号の説明】
【0056】
1A コンバイン
110 脱穀部
150 選別部
150A 揺動選別機構
220 チャフシーブ
230 ストローラック
240 グレンシーブ
400U1 第1上方風
400U2 第2上方風
400L 下方風
410 唐箕ファン
420 唐箕ファンケース
421 ファンケース本体
422 風路ケース
450 吸引ファン
460 吸引ファンカバー
500 機外
510 開口
550 遮閉部材
600 第3風向板
710 第1風向板
720 第2風向板
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
【出願日】 平成17年3月18日(2005.3.18)
【代理人】 【識別番号】100109427
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 活人

【識別番号】100114410
【弁理士】
【氏名又は名称】大中 実

【識別番号】100108992
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 信雄

【公開番号】 特開2006−254823(P2006−254823A)
【公開日】 平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願番号】 特願2005−78600(P2005−78600)