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【発明の名称】 コンバインの選別装置
【発明者】 【氏名】中村 隆正
【住所又は居所】岡山市江並428番地 セイレイ工業株式会社内

【氏名】尾立 誠
【住所又は居所】岡山市江並428番地 セイレイ工業株式会社内

【要約】 【課題】揺動選別装置の始端部を構成するフィードパンと唐箕のファンケースとの間に選別部の終端側に向けて選別風を送風する補助送風装置を有するコンバインの選別装置において、選別部内での穀粒などの滞留を防止し、フィードパンからオーバーフローする穀粒なども確実に選別できるようにするとともに、補助送風装置からの選別風についてチャフシーブの各フィン間を吹き上げる方向の風量を増加させて選別性能を向上する。

【解決手段】補助送風装置32とフィードパン38との間に、フィードパン38からオーバーフローする穀粒を唐箕33のファンケース43上に落下させる連通路51を形成した。また、揺動選別装置31のチャフシーブ41と該チャフシーブ41の下方に設けられる流下板39との間に、チャフシーブ41の裏面側に沿う風向板52を設けるとともに、該風向板52と流下板39の始端部との間に開放口53を形成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀される穀粒を揺動選別する揺動選別装置の前方に設けられ、前記揺動選別装置の始端部を構成するフィードパンと該揺動選別装置の下方に設けられる唐箕のファンケースとの間に選別部の終端側に向けて選別風を送風する補助送風装置を有するコンバインの選別装置であって、
前記補助送風装置と前記フィードパンとの間に、該フィードパンからオーバーフローする穀粒を前記ファンケース上に落下させる連通路を形成したことを特徴とするコンバインの選別装置。
【請求項2】
脱穀される穀粒を揺動選別する揺動選別装置の前方に設けられ、前記揺動選別装置の始端部を構成するフィードパンと該揺動選別装置の下方に設けられる唐箕のファンケースとの間に選別部の終端側に向けて選別風を送風する補助送風装置を有するコンバインの選別装置であって、
前記揺動選別装置のチャフシーブと該チャフシーブの下方に設けられる流下板との間に、前記チャフシーブの裏面側に沿う風向板を設けるとともに、該風向板と前記流下板の始端部との間に開放口を形成したことを特徴とするコンバインの選別装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインにおける選別装置に関し、より詳しくは、揺動選別装置の始端部を構成するフィードパンと唐箕のファンケースとの間に選別部の終端側に向けて選別風を送風する補助送風装置を有する選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンバインにおいては、その選別部に、脱穀された穀粒を揺動選別する揺動選別装置と、この揺動選別装置の下方に配置される唐箕とを具備し、この唐箕から揺動選別装置に向けて選別風を送風することにより、揺動選別に加えて穀粒の風選別行う選別装置を構成するものがある。また、揺動選別装置においては、この揺動選別装置の始端部を構成するとともに脱穀された穀粒や藁屑を受けるフィードパンと、このフィードパンより供給される穀稈と藁屑とを粗選別するチャフシーブとがそれぞれ配設されている。そして、このような構成において、揺動選別装置の前方に、フィードパンと唐箕のファンケースとの間に選別部の終端側に向けて選別風を送風する補助送風装置を有するものがある(特許文献1参照)。すなわち、特許文献1に開示されているように、前記補助送風装置を設けることにより、補助送風装置からの風が、フィードパンと唐箕のファンケースとの間に選別部の終端側に向けて送風され、チャフシーブの各フィン間を吹き上げるとともに各フィンの下側を吹き抜けることとなる。これにより、唐箕からの選別風に加えてチャフシーブへの風量が増大し、選別性能の向上が図られている。
【特許文献1】特開平8−64号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前述したような補助送風装置を有する選別装置においては、脱穀される穀粒や藁屑の量が多い場合など、フィードパン上から穀粒や藁屑がオーバーフローした際、唐箕の前側や左右側から流下し、選別部内に穀粒が滞留することがあった。
【0004】
また、補助送風装置からの選別風について、チャフシーブの各フィン間を吹き上げる方向には十分な風が送られないことがあった。すなわち、補助送風装置から送風される選別風については、チャフシーブの下側から上昇させる構成が理想であるが、実際には補助送風装置からの選別風はチャフシーブの下側にて渦を巻き、これが影響を及ぼしチャフシーブの各フィン間を吹き上げる方向に対する十分な風量が得られないことがあった。
【0005】
そこで、本発明は、揺動選別装置の始端部を構成するフィードパンと唐箕のファンケースとの間に選別部の終端側に向けて選別風を送風する補助送風装置を有する構成において、選別部内での穀粒などの滞留を防止することができ、フィードパンからオーバーフローする穀粒などを確実に選別することができるとともに、補助送風装置からの選別風についてチャフシーブの各フィン間を吹き上げる方向の風量を増加させて選別性能を向上することができるコンバインの選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、脱穀される穀粒を揺動選別する揺動選別装置の前方に設けられ、前記揺動選別装置の始端部を構成するフィードパンと該揺動選別装置の下方に設けられる唐箕のファンケースとの間に選別部の終端側に向けて選別風を送風する補助送風装置を有するコンバインの選別装置であって、前記補助送風装置と前記フィードパンとの間に、該フィードパンからオーバーフローする穀粒を前記ファンケース上に落下させる連通路を形成したものである。
【0008】
請求項2においては、脱穀される穀粒を揺動選別する揺動選別装置の前方に設けられ、前記揺動選別装置の始端部を構成するフィードパンと該揺動選別装置の下方に設けられる唐箕のファンケースとの間に選別部の終端側に向けて選別風を送風する補助送風装置を有するコンバインの選別装置であって、前記揺動選別装置のチャフシーブと該チャフシーブの下方に設けられる流下板との間に、前記チャフシーブの裏面側に沿う風向板を設けるとともに、該風向板と前記流下板の始端部との間に開放口を形成したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0010】
請求項1においては、脱穀部にて脱穀される穀粒や藁屑の量が多い場合などに、フィードパンからオーバーフローする穀粒などが唐箕のファンケースの前側や左右側から流下して選別装置内に滞留することを防止することができ、フィードパンからオーバーフローする穀粒などを確実に選別することができる。
【0011】
請求項2においては、風向板を設けることにより、補助送風装置からの選別風が確実にチャフシーブの各フィン間を吹き上げることとなり、選別性能の向上を図ることができる。また、開放口を形成することで、風向板の下手側における負圧(渦)の発生を防止することができるので、補助送風装置からの選別風のうちチャフシーブの各フィン間を吹き上げる方向の風量の低減を防止することができ、選別性能を一層向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るコンバインの一例としての汎用コンバインの全体側面図、図2は同じく平面図、図3は同じく脱穀部および選別部を示す左側面模式図、図4は選別部の前部を示す拡大図、図5は揺動選別装置前部の下面側からの斜視図、図6は本発明に係るコンバインの一例としての自脱型コンバインの全体側面図、図7は同じく脱穀部および選別部を示す左側面模式図である。
【0013】
まず、本発明が適用されるコンバインの一例としての汎用コンバインの全体構成について図1および図2を用いて説明する。本発明に係る汎用コンバインは、クローラ式走行装置1上に機体フレーム13が配置され、この機体フレーム13上の前部にはキャビン17が配設されている。機体フレーム13上の後部右側にはエンジン12が載置され、このエンジン12の前方にグレンタンク14が配置され、このグレンタンク14より穀粒を排出するための排出オーガ15が機体後部から前方にかけて備えられている。
【0014】
また、機体フレーム13の前方には刈取装置8が、同じく機体フレーム13の左側上方には脱穀部を構成する脱穀装置18がそれぞれ配設され、この刈取装置8と脱穀装置18との間には搬送装置9が配設されている。この搬送装置9は、フィーダハウス10内にコンベア11を有しており、このフィーダハウス10によって刈取装置8の後端と脱穀装置18の前部入口とが連通され、刈取装置8で刈り取った穀稈が脱穀装置18へ搬送されるようにしている。
【0015】
フィーダハウス10の前部には、プラットホーム2が設けられており、このプラットホーム2には進行方向と直角に横送りオーガ3が左右方向に配置され、この横送りオーガ3の前下部には刈刃4が横設されている。また、プラットホーム2の左右両側の前端には分草板7・7が設けられ、同じくプラットホーム2後部の左右両側には、リール5を横架した支持アーム6の後部が枢支され、この支持アーム6の左右一側にはリール回転駆動用のベルトやプーリー等からなる動力伝達機構が設けられている。リール5は、支持アーム6とプラットホーム2との間に介装されたアクチュエータとしての油圧シリンダ16によって昇降される。
【0016】
前記脱穀装置18における扱室19内には、機体前後方向を軸とする扱胴20が設けられており、この扱胴20には前後方向にスクリュー21・21・・・が周設され、穀稈の脱穀が行われるようにしている。この扱胴20の下方には、受網(またはコンケーブ)22を介して脱穀される穀粒の選別を行う選別部を構成する選別装置30が配置されている。また、扱室19内における扱胴20の上方には、送塵弁23・23・・・が機体前後方向に並設されている。
【0017】
前記選別装置30には、後述するフィードパン38やチャフシーブ41等を有する揺動選別装置31と、この揺動選別装置31の前方に配置される補助送風装置(プレクーリングファン)32とが備えられている。また、選別装置30には、揺動選別装置31の下方において前側から順に配設される唐箕33、一番コンベア34、セカンドファン35および二番コンベア36等が備えられており、前記受網22から漏下する穀粒の選別が行われる。一方、扱胴20の後部下方にはスプレッダ24が設けられており、扱胴20により扱室19後部へ移送される排稈が細かく切断された後に機体外部へ排出される構成となっている。
【0018】
以上ような構成のコンバインにおいては、分草板7・7によって分草されるとともにリール5の回転によって穀稈が掻き込まれ、刈刃4によって穀稈の株元側が刈り取られる。刈り取られた穀稈は横送りオーガ3の回転によって機体左右中央側へ横送りされ、中央のフィーダハウス10の前端からコンベア11によって後方へ搬送されて脱穀装置18へ供給される。脱穀装置18へ供給される穀稈は、脱穀装置18内の扱胴20によって脱穀され、受網22から漏下する籾などは、選別装置30によって選別される。選別装置30によって選別される籾などのうち、一番物はグレンタンク14内に貯溜され、二番物は脱穀装置18の前部中途位置に投入され再選別にかけられる。また、脱穀後の残りの排稈は、スプレッダ24により細かく切断された後、機体外部へ排出される。
【0019】
次に、選別部を構成する選別装置30の詳細について図3を用いて説明する。選別装置30においては、揺動選別装置31による揺動選別と、補助送風装置32、唐箕33およびセカンドファン35による風選別とが行われ、一番物と二番物と藁屑などとに分別される。
【0020】
揺動選別装置31は、機枠25内に収納されており、扱胴20の下方において、該扱胴20の前端部から後端部まで延出されるようにその前後長さが定められている。そして、揺動選別装置31の前下部には図示せぬ揺動軸が設けられるとともに、後部には揺動駆動機構37が設けられ、この揺動駆動機構37によって揺動選別装置31が機枠25に対して揺動するように構成されている。
【0021】
揺動選別装置31は、その前上部に、扱胴20の前部下方に位置し揺動選別装置31の始端部(前端部)を構成するフィードパン38を有しており、このフィードパン38の後下方には、流下板39が設けられている。フィードパン38および流下板39は、板状の部材が波形に成形された部分を有しており、受網22を通過した処理物(穀粒や藁屑などの混合物)が、前後に配置されるフィードパン38および流下板39上に落下し、揺動選別装置31の揺動により機体後方に搬送される。また、流下板39の後部には、網状のグレンシーブ40が連設されており、このグレンシーブ40と流下板39の上方、かつフィードパン38の後方にはチャフシーブ41が被装されている。チャフシーブ41は、複数のフィン41a・41a・・・から構成されており、投入される処理物の量に応じてフィン41a・41a・・・の開度を調整することが可能となっている。このチャフシーブ41の後方には、ストローラック42が設けられており、さらにこのストローラック42の後方には、後側チャフシーブ45が設けられている。
【0022】
また、揺動選別装置31におけるフィードパン38の下方かつ流下板39の前方には、唐箕33がファンケース43内に収容された状態で配置されており、チャフシーブ41やグレンシーブ40に選別風を送風するように構成されている。また、揺動選別装置31の下方の前後中途位置には、一番コンベア34と二番コンベア36とが左右方向に横設されている。一番コンベア34と二番コンベア36との位置関係は、一番コンベア34が唐箕33に近い側(前側)、二番コンベア36が唐箕33から遠い側(後側)となる。そして、一番コンベア34と二番コンベア36との間には、セカンドファン35が設けられており、このセカンドファン35から送風される選別風により、前記唐箕33による選別風の風力が弱まる選別装置30後部においての、風選別による選別性能の低下を防止している。
【0023】
さらに、前述したように、揺動選別装置31の前方、即ちフィードパン38の前方には補助送風装置32が設けられており、この補助送風装置32により、フィードパン38と唐箕33のファンケース43との間に選別部の終端側(後端側)に向けて選別風が送風される。これにより、チャフシーブ41からグレンシーブ40へ落下する間の処理物の藁屑などが吹き飛ばされ、唐箕33およびセカンドファン35による風選別の選別性能を向上させている。
【0024】
また、一番コンベア34の一端には、その搬送方向が略上下方向となるように設けられる揚穀コンベア44が連結され、この揚穀コンベア44の上端は、図示は省略するが前記グレンタンク14内と連通している。また、二番コンベア36の一端には、選別装置30の前上方に向けて延設され、その先端部に枝梗処理胴48を有する二番還元コンベア46が連結されている。
【0025】
このような構成において、選別装置30内に投入され、フィードパン38上に漏下する穀粒、枝梗付着粒、未熟穀粒および細かい藁屑など(以下、「穀粒など」ともいう。)の混合物は、チャフシーブ41上に漏下する過程で補助送風装置32および唐箕33からの選別風により発生する選別装置30の前方から後方に向かう気流を受け、穀粒などの混合物のうち細かい藁屑の一部が後方へ吹き飛ばされる。一方、チャフシーブ41上に漏下した穀粒などの混合物は、揺動選別装置31の揺動により後方に搬送される。このとき、穀粒などの混合物は、チャフシーブ41の開口部より下方に落下し、大きい藁屑などはチャフシーブ41後方まで搬送され、ストローラック42を経て後側チャフシーブ45へと導かれる。
【0026】
チャフシーブ41の開口部より下方に落下した穀粒などの混合物は、流下板39およびグレンシーブ40上に漏下する。このときにも、前述した補助送風装置32および唐箕33からの選別風により、穀粒などの混合物のうち細かい藁屑の一部は後方へ吹き飛ばされて分離される。
【0027】
グレンシーブ40上に漏下した穀粒などの混合物のうち、穀粒、未熟穀粒および細かい藁屑などはグレンシーブ40を通過して下方に落下する。このとき、重量が大きい穀粒(一番)は、流下板39の下方における選別装置30底面の窪みであり一番コンベア34が収容される一番回収部47に回収され、一番コンベア34から揚穀コンベア44を経てグレンタンク14に搬送される。
【0028】
一方、重量が小さい未熟穀粒や細かい藁屑の一部や穂切り粒や穀粒が混じった未処理粒は、補助送風装置32および唐箕33からの選別風により後方に吹き飛ばされ、前記一番回収部47の後方に設けられる選別装置30底面の窪みであり二番コンベア36が収容される二番回収部49に回収される。この二番回収部49には、前記後側チャフシーブ45から漏下する穀粒なども回収される。そして、二番回収部49に回収される未処理粒は、二番コンベア36から二番還元コンベア46を経て、枝梗処理胴48に搬送され、この枝梗処理胴48により枝梗が除去された後、フィードパン38上(またはチャフシーブ41上)に再投入される。
【0029】
このような構成の選別装置30において、補助送風装置32とフィードパン38との間に、フィードパン38からオーバーフローする穀粒を、唐箕33を収容するファンケース43上に落下させる連通路51を形成している。すなわち、図4に示すように、揺動選別装置31の始端部を構成するフィードパン38の前端と、このフィードパン38の前方に配置される補助送風装置32を構成するケース体32aとの間に隙間を設け、この隙間を連通路51としている。この隙間は、前後方向の揺動によって揺動選別装置31が最前位置にある場合に、この揺動選別装置31の前端(フィードパン38の前端)と補助送風装置32のケース体32aとの間において、フィードパン38からオーバーフローする穀粒などが落下することができるように設けられる。これにより、脱穀装置18にて脱穀される穀粒や藁屑の量が多い場合など、フィードパン38上からオーバーフローする穀粒などが連通路51から落下し、この連通路51の下方に位置する唐箕33のファンケース43上に落下することとなる。そして、ファンケース43上に落下した穀粒などは、補助送風装置32からの選別風により吹き飛ばされ、チャフシーブ41の開口部より下方に落下する穀粒などに混ざり、前述したような揺動選別装置31による揺動選別や、補助送風装置32および唐箕33などによる風選別を受ける。
【0030】
つまり、前記連通路51を構成するためのフィードパン38と補助送風装置32のケース体32aと唐箕33のファンケース43との配置関係としては、フィードパン38と唐箕33のファンケース43との間に選別装置30の終端側に向けて選別風を送風するように配置される補助送風装置32に対して、そのケース体32aとの間に前述した隙間を設けてフィードパン38が配置され、この隙間の下方に唐箕33のファンケース43の上端部(上面)が位置するようにそれぞれ配置される。
【0031】
このように、選別装置30において連通路51を構成することにより、脱穀装置18にて脱穀される穀粒や藁屑の量が多い場合などに、フィードパン38からオーバーフローする穀粒などが唐箕33のファンケース43の前側や左右側から流下して選別装置30内に滞留することを防止することができ、フィードパン38からオーバーフローする穀粒などを確実に選別することができる。
【0032】
ところで、揺動選別装置31の前方に設けられる補助送風装置32からの選別風は、フィードパン38と唐箕33のファンケース43との間に選別部の終端側に向けて送風され、チャフシーブ41の各フィン41a・41a・・・間を吹き上げるとともに各フィン41a・41a・・・の下側を吹き抜けることとなるのであるが、前述したように、従来においては、補助送風装置32からの選別風がチャフシーブ41の下側にて渦を巻くことが原因で、補助送風装置32からの選別風について、チャフシーブ41の各フィン41a・41a・・・間を吹き上げる方向には十分な風が送られないことがあった。
【0033】
そこで、本構成の選別装置30においては、図4および図5に示すように、チャフシーブ41と流下板39との間に、チャフシーブ41の裏面(下面)側に沿う風向板52を設けている。
【0034】
具体的には、風向板52は、その幅(左右方向の長さ)をチャフシーブ41と略同一とする板状部材であり、揺動選別装置31を構成する左右の側板54・54間に架設される。風向板52の前後方向の長さとしては、少なくともその前端部がチャフシーブ41の前端部よりも前側に位置し、後端部がチャフシーブ41の前端部覆うことができる長さを有することが好ましい。こうして風向板52を設けた場合、補助送風装置32からの選別風の流れとしては、図4に示す矢印のようになる。すなわち、補助送風装置32からの選別風は、フィードパン38の下方から揺動選別装置31内に流入し、風向板52の上面に沿って流れ、チャフシーブ41の各フィン41a・41a・・・間を吹き上げるとともに各フィン41a・41a・・・の下側を吹き抜けることとなる。ここで、風向板52が設けられていることにより、チャフシーブ41の各フィン41a・41a・・・間を吹き上げる方向の風量が低減することを防止することができる。
【0035】
なお、風向板52は、その前後方向の中途部にて側板54・54間に支承される回転軸により支持することにより、前後方向の傾斜角度を調整可能に設けることもできる。この場合、補助送風装置32および唐箕33からの選別風の風向を調整することが可能となる。
【0036】
このように、チャフシーブ41と流下板39との間に風向板52を設けることにより、補助送風装置32からの選別風が確実にチャフシーブ41の各フィン41a・41a・・・間を吹き上げることとなり、選別性能の向上を図ることができる。
【0037】
また、このように風向板52を設けることにより、風向板52の上面に沿って流れる補助送風装置32からの選別風が、風向板52の下手側(後側)で負圧を発生させ渦を巻くことが考えられる。このような渦は、補助送風装置32からの選別風のうちチャフシーブ41の各フィン41a・41a・・・間を吹き上げる方向の風量を低減させる原因となる場合もある。そこで、本構成においては、風向板52と流下板39の始端部との間に開放口53を形成している。
【0038】
具体的には、風向板52の下面と、左右の側板54・54それぞれの内面と、流下板39の上面とによって囲まれる空間の前側の開口部が開放口53となる。そして、前記空間は、揺動選別装置31内においてチャフシーブ41と流下板39との間に形成される空間と連通している。つまり、この開放口53からは、唐箕33からの選別風や機体が前進することによる外気(風)が流入することとなり、これらが風向板52の下面に沿って流れてチャフシーブ41と流下板39との間に形成される空間へと導かれ、風向板52の上面に沿って流れる補助送風装置32からの風と合流することとなる。
【0039】
これにより、風向板52の下手側で負圧(渦)が発生することを防止することができるので、補助送風装置32からの選別風のうちチャフシーブ41の各フィン41a・41a・・・間を吹き上げる方向の風量の低減を防止することができ、選別性能を一層向上することができる。
【0040】
以上説明した本発明のコンバインの選別装置は、図1などに示す汎用コンバインに限定されることなく、図6に示すような自脱型コンバインにも適用可能である。以下、本発明が適用されるコンバインの一例として、自脱型コンバインを用いる場合について説明する。
【0041】
まず、自脱型コンバインの全体構成について図6を用いて説明する。本発明に係る自脱型コンバインは、クローラ式走行装置61上に機体フレーム62が載置され、この機体フレーム62前端には引起し・刈取部63が昇降可能に配設されている。この引起し・刈取部63は、前端に分草板64を突出して穀稈を分草し、その後部に引起しケース65を立設して、この引起しケース65より突出したタイン66の回転により穀稈を引き起し、前記分草板64後部に配設した刈刃67にて株元を刈り取るようにしている。
【0042】
刈り取られた穀稈は、上部搬送装置、下部搬送装置、縦搬送装置68にて後部へ搬送され、この縦搬送装置68の上端から株元がフィードチェーン69に受け継がれて、脱穀部を構成する脱穀装置72内に穀稈が搬送される。そして、フィードチェーン69後端には排藁チェーン78が配設されており、この排藁チェーン78後部下方には排藁カッター装置、拡散コンベア等からなる排藁処理部79が設けられ、この排藁処理部79によって排藁を切断して藁片にした後、拡散しながら圃場に均一放出するようにしている。
【0043】
また、前記脱穀装置72側部には、選別後の精粒を貯溜するグレンタンク73が配設され、このグレンタンク73前部には運転室74が配設されている。一方、グレンタンク73後部には排出オーガ75の縦オーガ75aが立設され、この縦オーガ75aを中心にしてグレンタンク73を側方へ回動可能とし、本機内部側に配置した駆動系や油圧系のメンテナンスを容易にしている。
【0044】
そして、グレンタンク73の底部には排出コンベア(図示略)が前後方向に配設され、この排出コンベアから前記排出オーガ75に動力が伝達されて、この排出オーガ75先端よりトラック等へグレンタンク73内の穀粒を排出できるようにしている。さらに、脱穀装置72下方には選別部を構成する選別装置90が配設され、脱穀装置72から流下する処理物処理物から穀粒を選別し、前記グレンタンク73に搬送するようにしている。
【0045】
次に、脱穀装置72について図7を加えて説明する。脱穀装置72においては、略円柱形状の扱胴81が設けられる扱室88が形成されており、この扱室88内において扱胴81が機体の前後方向に軸架されている。この扱胴81の外周面には、扱歯81a・81a・・・が植設されている。一方、前記フィードチェーン69により、穀稈の株元部は拘束され、かつ穀稈の先端部は扱胴81の下方に挿入されつつ機体後方に搬送される。この際、扱胴81の回転により、扱歯81a・81a・・・が籾(処理物)に接触して脱粒が行われるとともに、受網80は扱胴81が格納される扱室88の下半部を覆うように設けられ、被処理物(籾および細断された藁屑の混合物)のみを下方へ落下するようにしている。
【0046】
そして、前記扱胴81後部で、グレンタンク73側(本例では機体右側)の処理室89に、略円柱形状の送塵口処理胴82が設けられる。この送塵口処理胴82は、扱胴81と平行となるように前後方向に横架・軸支される。また、扱胴81を覆って扱室88を形成する扱胴ケースの後部(右)側面は、送塵口処理胴82を覆って処理室89を形成する処理胴ケースの前部(左)側面と送塵口83を介して連通している。扱胴81で処理できなかった枝梗付着粒等の未処理物は、送塵口83より処理室89内に搬送される。処理胴網84は送塵口処理胴82が格納される処理室89の下半部を覆うように設けられ、この処理胴網84に設けられた孔(網目)を通過して被処理物のみ下方に落下するようにしている。
【0047】
また、送塵口処理胴82の後端部の外周面には前後に長い板体より成る羽体86・86・・・が固設されている。これら羽体86・86・・・は、送塵口処理胴82と一体的に回転し、送塵口処理胴82により処理室89後方まで搬送されてきた藁屑は羽体86・86・・・の回転によって跳ね飛ばされ、送塵口処理胴82の下方に排出され、図示せぬガイド板によって機体外部に案内される。
【0048】
前記処理胴網84の下方には、送塵搬送コンベア87が前後方向に軸架されている。送塵搬送コンベア87はスクリュー式のコンベアであり、この送塵搬送コンベア87によって、処理胴網84に設けられた孔(網目)を通過して下方に落下してきた被処理物は、機体前方(送塵口処理胴82の搬送方向とは逆の方向)に向かって搬送されて、送塵搬送コンベア87前端に設けられた排塵口87aより前記選別装置90に再投入される。
【0049】
自脱型コンバインにおける選別装置90は、前述した汎用コンバインにおける選別装置30と同様の構成であるため、同一符号を付してその説明を省略する。なお、本構成の自脱型コンバインにおいては、揺動選別装置31の後端部上方に吸引ファン85が、揺動選別装置31の略全幅に横設されており、この吸引ファン85に補助送風装置32、唐箕33およびセカンドファン35からの選別風の流れに乗ってくる塵などが吸引され、この塵などが機外に排出される構成となっている。
【0050】
すなわち、以上のように構成される自脱型コンバインにおいても、前述した汎用コンバインにおける選別装置30と同様の選別装置90を構成することができ、同様にして本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係るコンバインの一例としての汎用コンバインの全体側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】同じく脱穀部および選別部を示す左側面模式図。
【図4】選別部の前部を示す拡大図。
【図5】揺動選別装置前部の下面側からの斜視図。
【図6】本発明に係るコンバインの一例としての自脱型コンバインの全体側面図。
【図7】同じく脱穀部および選別部を示す左側面模式図。
【符号の説明】
【0052】
30 選別装置
31 揺動選別装置
32 補助送風装置
33 唐箕
38 フィードパン
39 流下板
41 チャフシーブ
43 ファンケース
51 連通路
52 風向板
53 開放口
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地
【出願日】 平成16年10月6日(2004.10.6)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎

【公開番号】 特開2006−101785(P2006−101785A)
【公開日】 平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願番号】 特願2004−294215(P2004−294215)