| 【発明の名称】 |
脱穀機の圧風唐箕 |
| 【発明者】 |
【氏名】大崎 正美 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】釘宮 啓 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
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| 【要約】 |
【課題】従来の圧風唐箕は、風切板に対して、回転する唐箕羽根が最も接近した位置において、両者の間に角度が形成される構成であったから、吹出口から吹き出された選別風が風切板の下面に達すると渦流が発生して停滞することが多く、効率的な吹き出しができない課題があった。
【解決手段】この発明は、上記課題を解決するために、基部を唐箕軸2に固定して放射方向に延長した羽根支持アーム3に取り付けた唐箕羽根4が、選別風の吹出口にある風切板7に最も接近した位置において、前記唐箕羽根4の羽根面4aと前記風切板7の板面7aとが略揃った平面状になる構成とした脱穀機の圧風唐箕としている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧風唐箕1は、基部を唐箕軸2に固定して放射方向に延長した羽根支持アーム3に、唐箕羽根4を取り付けて構成し、該唐箕羽根4の回転に伴って起風した選別風を選別室5に吹き出す吹出口6の上側に風切板7を設け、該風切板7に前記唐箕羽根4が最も接近した位置において、唐箕羽根4の羽根面4aと風切板7の板面7aとが略揃った平面状になる構成とした脱穀機の圧風唐箕。 【請求項2】 前記唐箕羽根4は、回転方向を基準にして、先端側の外周部位が先行し、基部側の内周部位が後退して回転するように前進角を保持して構成した請求項1記載の脱穀機の圧風唐箕。 【請求項3】 前記羽根支持アーム3は、側面視において、広くした基部を唐箕軸2に固定し、順次細くして先端部を外方へ放射状に延長して構成し、前記唐箕羽根4は、前記羽根支持アーム3の回転方向に前進角を有する側の取付面に固着して構成した請求項2記載の脱穀機の圧風唐箕。 【請求項4】 揺動選別装置8の上方において、一方側に扱胴9を、他方側に処理胴10をそれぞれ揺動選別方向に沿わせて軸架して設け、前記扱胴9の後方位置には横断流ファン11を軸架して設け、前記揺動選別装置8の下方に配置した圧風唐箕1は、唐箕羽根4を左右分割して二つの唐箕ファン12a,12bを構成し、該唐箕ファン12a,12bは、一方の前記扱胴9、及び横断流ファン11側に選別風を吹き出す唐箕ファン12aの唐箕羽根4に前進角を与え、他方の処理胴10側に選別風を吹き出す唐箕ファン12bの唐箕羽根4には後退角を与える構成とした脱穀機の圧風唐箕。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、圧風唐箕の吹出口を形成している上側の風切板に対して、回転駆動されている唐箕羽根が最も接近した位置において、両者が平面状に略揃った関係位置になる構成とした圧風唐箕に関する。 【背景技術】 【0002】 従来から脱穀機の圧風唐箕は、選別室において、選別方向の最も上手側に装置され、その下手側の上側に揺動選別棚、下側に一番移送螺旋、二番移送螺旋の順に軸装して設けられた構成となっている。そして、圧風唐箕は、選別室に吹き込む選別風を効率的に起風して吹き出すことが望まれ、更には、選別風が室内に左右横方向、及び上下方向にむらなく均一な分布状態で吹き抜けることが選別効果を高めるために要求されている。 【0003】 そこで、公開特許公報、すなわち、特開平8−116777号公報(特許文献1参照)に開示されている技術は、選別室内に吹き出す選別風を、上下方向全域にわたり均一にする構成として、吹出風路を上下3段に分割し、更に、該風路の上流を狭くして下流ほど上下間隔を広くして選別風が均一に吹き出しできるようにする技術構成が示されている。 【特許文献1】特開平8−116777号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 上述したように、脱穀機の圧風唐箕は、選別室に吹き込む選別風を効率的に起風して障害なく、円滑に吹き出すことが望まれているが、従来装置は、風切版に対して、回転する唐箕羽根が最も接近した位置において、両者の間に角度が形成されている。したがって、唐箕羽根で起風されて吹出口側に吹き出された選別風は、風切板の下面に達すると渦流が発生して停滞することが多く、効率的な吹き出しができない課題があった。 【0005】 更に、圧風唐箕は、風切版に対して、回転する唐箕羽根が最も接近した位置において、両者の間に角度が形成されていることと、併せて、唐箕羽根に回転方向に対して前進角が与えられていないから、風速が上がらず、適確な選別ができない課題があった。 【課題を解決するための手段】 【0006】 この発明は、上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、圧風唐箕1は、基部を唐箕軸2に固定して放射方向に延長した羽根支持アーム3に、唐箕羽根4を取り付けて構成し、該唐箕羽根4の回転に伴って起風した選別風を選別室5に吹き出す吹出口6の上側に風切板7を設け、該風切板7に前記唐箕羽根4が最も接近した位置において、唐箕羽根4の羽根面4aと風切板7の板面7aとが略揃った平面状になる構成とした脱穀機の圧風唐箕であって、唐箕羽根の回転に伴って起風された選別風が、風切板の下側、吹出口を通過するとき、唐箕羽根の羽根面と風切板の板面とが、両者が最も接近した位置で略平面状に揃うから、吹き出し時の渦流の発生がほとんどなく、選別風が円滑で効率よく選別室側に吹き出される。 【0007】 つぎに、請求項2に記載した発明は、前記唐箕羽根4は、回転方向を基準にして、先端側の外周部位が先行し、基部側の内周部位が後退して回転するように前進角を保持して構成した請求項1記載の脱穀機の圧風唐箕であって、唐箕羽根の回転速度が同一であっても、速い風速の選別風を起風できるから、効果的に選別作用ができる。 【0008】 つぎに、請求項3に記載した発明は、前記羽根支持アーム3は、側面視において、広くした基部を唐箕軸2に固定し、順次細くして先端部を外方へ放射状に延長して構成し、前記唐箕羽根4は、前記羽根支持アーム3の回転方向に前進角を有する側の取付面に固着して構成した請求項2記載の脱穀機の圧風唐箕であって、 羽根支持アームに唐箕羽根を取り付けることで前進角を有する角度に取り付けることができる利点がある。 【0009】 つぎに、請求項4に記載した発明は、揺動選別装置8の上方において、一方側に扱胴9を、他方側に処理胴10をそれぞれ揺動選別方向に沿わせて軸架して設け、前記扱胴9の後方位置には横断流ファン11を軸架して設け、前記揺動選別装置8の下方に配置した圧風唐箕1は、唐箕羽根4を左右に分割して二つの唐箕ファン12a,12bを構成し、該唐箕ファン12a,12bは、一方の前記扱胴9、及び横断流ファン11側に選別風を吹き出す唐箕ファン12aの唐箕羽根4に前進角を与え、他方の処理胴10側に選別風を吹き出す唐箕ファン12bの唐箕羽根4には後退角を与える構成とした脱穀機の圧風唐箕であって、一つの圧風唐箕の内部に二つの唐箕ファンを形成して、風速の速い唐箕ファンを横断流ファン側に選別風を送り、風速の遅い唐箕ファンの選別風を処理胴側に噴出して脱穀機の配置構成に合わせて、適確な選別を行うことができる。 【発明の効果】 【0010】 まず、請求項1に記載した発明は、唐箕羽根の回転に伴って起風された選別風が、風切板の下側、吹出口を通過するとき、唐箕羽根の羽根面と風切板の板面とが、両者が最も接近した位置で略平面状に揃うから、風切板の下側で渦流の発生がなくなり、選別風を円滑に選別室内に吹き出しができる特徴がある。 【0011】 そのため、この発明の場合、圧風唐箕が起風した選別風は、吹き出しの過程で発生する損失を最低に抑えて効率よく吹き出して選別することができる効果がある。 そして、請求項2に記載した発明は、請求項1の有する効果を奏するものでありながら、その上に加えて、圧風唐箕の羽根に前進角を与えて構成したから、回転速度が同一であっても、風速の速い選別風を起風できる特有の効果がある。 【0012】 そして、請求項3に記載した発明は、請求項2の発明と同様な効果を奏するものであるが、製造工程において、唐箕羽根を羽根支持アームに取り付けることによって必然的に前進角を有する取り付け状態になる特徴がある。 【0013】 そして、請求項4に記載した発明は、圧風唐箕の内部に二つの唐箕ファンを形成して、唐箕羽根に前進角を与えて構成した風速の速い唐箕ファン側では、請求項1、及び2と同様の作用,効果が期待できるものでありながら、横断流ファン側に選別風を送って効率的に選別ができる特徴がある。そして、唐箕羽根に後退角を与えて、風速の遅い唐箕ファンは、起風した選別風を処理胴側に噴出して脱穀機の配置構成に合わせて、適確な選別を行うことができる特徴がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 以下、この発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。 まず、実施例に係る圧風唐箕1は、基部を唐箕軸2に固定して放射方向に延長した羽根支持アーム3に、唐箕羽根4を取り付け、該唐箕羽根4の回転に伴って起風した選別風を選別室5に吹き出す構成であって、選別風を吹き出す吹出口6の上側に設けた風切板7に対して、前記唐箕羽根4が最も接近した位置に達すると、唐箕羽根4の羽根面4aと風切板7の板面7aとが揃った平面状になる構成としている。したがって、実施例の圧風唐箕1は、起風した選別風が選別室5に達するまでの途中における損失を極力少なくして、選別風が円滑に吹き出して効率よく選別室内に達するようにするものである。 【0015】 図1、及び図2において、脱穀機15は、上側に扱胴9を長手方向に向けて軸架した扱室16を設け、その下側に揺動選別装置8等を設けた選別室5を配置して構成している。そして、横断流ファン11は、前記扱室16の終端部から排塵選別室17を隔てた後方位置に、横軸18に軸受支持して構成している。そして、横断流ファン11は、図2に示すように、吸塵口19を揺動選別棚8aのチャフシーブ20の上方に臨ませて開口し、排塵口21を機体後部に開口して構成している。 【0016】 そして、二番処理室22は、前記扱室16の背後に平行状に沿わせて形成し、後述する二番移送螺旋31の終端部に連通した二番揚穀装置(図示省略)から二番還元物が後部側に供給されて、前方に移送しながら二番処理作用を行う構成としている。そして、排塵処理室23は、前記二番処理室22の後部から、更に、機体の後方にまで延長して設けた構成としている。そして、処理胴10は、図面に示すように、前記二番処理室22から排塵処理室23に連続する一体の構成とし、二番処理室22の部分を二番処理胴と呼び、排塵処理室23内部に軸架した部分を排塵処理胴と呼んでいる。 【0017】 そして、前記排塵処理室23は、その始端部を前記扱室16の終端側部に開口して連通し、その終端部分を前記横断流ファン11の後部位置の側方まで延長して排塵物を処理しながら排塵選別室17に排出する構成としている。 【0018】 つぎに、下側に配置している選別室5内の各装置について説明する。 まず、揺動選別装置8を構成する揺動選別棚8aは、図1、及び図2に示すように、扱室16、二番処理室22、排塵処理室23、横断流ファン11の下側に、揺動自由に支架して設け、選別方向の上手側から移送棚25、チャフシーブ20、ストローラック26の順に配置して構成している。そして、実施例の場合、移送棚26は、扱室16と二番処理室22の下方に位置させて設け、チャフシーブ20は、始端部分が扱室16の終端部分の下方に位置し、終端部分が横断流ファン11の吸塵口19の下方位置までの間に配置して設けている。そして、ストローラック26は、前記排塵処理室23の排塵口27の下方から側方の横断流ファン11の下方位置に配置して設けた構成としている。そして、揺動選別棚8aは、図面から解るように、奥側(二番処理室22や排塵処理室23のある側)を若干高くして手前側を低く傾斜状態に支架して、偏って落下する傾向にある被選別物を、棚面に均等な層状に均しながら揺動選別ができる構成としている。 【0019】 そして、選別室5は、図1、及び図2に示すように、上記揺動選別棚8aの下方において、選別方向の上手側から圧風唐箕1、一番移送螺旋30、二番移送螺旋31の順にそれぞれ横方向に軸架して設けた構成としている。なお、実施例によっては、選別風をより強力にするために、一番移送螺旋30と二番移送螺旋31との間にセカンドファン38(図11参照)を装備する場合もある。そして、圧風唐箕1は、図面に示すように、側面視(図2参照)において、唐箕軸2に固定した基部を広くして先端側を順次細く形成した羽根支持アーム3を、外方へ放射状に延長して唐箕羽根4を取り付けて構成している。 【0020】 そして、実施例の場合、唐箕羽根4は、前記羽根支持アーム3の回転方向に前進角を有する側の取付面に固着し(図2の場合、回転方向の後側)、回転方向を基準にして、先端側(外周部位)が先行し、基部側(内周部位)が後退して回転するように前進角を保持させた構成としている。そして、圧風唐箕1は、唐箕羽根4が回転に伴って起風した選別風を、選別室5に吹き出す吹出口6を、回転周面に上下二段に分けて開口して設け、その上側に風切板7を設けて構成している。そして、該風切板7は、図2に示すように、前記唐箕羽根4が回転して最も接近した位置に達したとき、前記唐箕羽根4の羽根面4aと上記風切板7の板面7aとが揃って平面状になる構成としている。 【0021】 以上のように構成された圧風唐箕1は、唐箕羽根4が前進角を有する状態で回転するから、図5に示すように、後退角を有する唐箕羽根との風速の測定値を比較すると、グラフに示すような測定結果が得られている。このように、唐箕羽根4は、回転方向に対して前進角を保持して回転すると、同一の回転速度の後退角を有する従来の唐箕羽根と比較すると明らかに風速が上がり、効率のよい結果を得ることができた。 【0022】 つぎに、図3、及び図4に示す実施例について説明する。 まず、圧風唐箕1は、図3に示すように、唐箕羽根4を左右に分割して二つの唐箕ファン12a,12bを構成し、一方の唐箕ファン12aを、前記扱室16、及び横断流ファン11を装備している側の選別室5(図3の右半分)に選別風を吹き出す唐箕羽根4に前進角を与えて構成し、他方の唐箕ファン12bを、処理胴10側に選別風を吹き出す唐箕羽根4には後退角を与えて構成している。 【0023】 このように、一方の唐箕ファン12aは、唐箕羽根4が前進角を有する構成であるから、風速の速い選別風を選別室5の右半分に吹き出すことができて、横断流ファン11に達する手前の排塵選別室17において、選別風が垂直選別(下から上に選別風が吹き上がりながら効果的に選別する。)を行って、三番飛散が極端に減少する特徴がある。そして、他方の唐箕ファン12bは、横断流ファン11のない排塵処理室23の下方を通過するとき、水平選別(水平に選別風が吹いて選別する)が行われて比較的遅い選別風で三番飛散を減少させた選別ができる。 【0024】 なお、図6に示す実施例の圧風唐箕1は、上述した図3の実施例と逆に配置して構成したものであって、唐箕羽根4に前進角を与えた一方側の唐箕ファン12aを左側に装置し、唐箕羽根4に後退角を与えた他方側の唐箕ファン12bを右側に装置した構成としている。 【0025】 このように構成した選別室5は、二番処理室22から移送棚25に排出されて後方のチャフシーブ20に達した多量の二番物の層を適確に風選して三番飛散を減少することができる。 【0026】 ここで、前述した垂直選別の可能な構成について説明する。 実施例の構成は、図7に示すように、横断流ファン11の吸塵口19下側にある分離板32の前端縁から下方のストローラック26の基部取付部に向けて弾性ガイド板33を垂下して設け、更に、その下方で、ストローラック26の基部から揺動選別棚8aに固定した一番棚先34に向けて風ガイド板35を斜めに垂下して構成している。なお、一番流穀板36は、その上部に一番棚先34から垂下して移動するゴム垂れ37が設けてあり、この部分に落下する穀粒を一番移送螺旋30側に流下させる構成をとっている。 【0027】 このように、選別室5は、後部に上側から弾性ガイド板33、風ガイド板35、一番棚先34、ゴム垂れ37が設けられているから、圧風唐箕1の唐箕羽根4から高速で吹き出された選別風がチャフシーブ20を抜けて上方に吹き上がって 垂直選別を可能にしている。したがって、排塵物は、藁屑等の塵埃物と穀粒との分離選別が適確に行われて一番棚先34から一番流穀板36に達して一番移送螺旋30に送り込まれることになる。このようにして、選別風は、前進角を有する唐箕羽根4によって高速で吹き出されたまま、垂直方向に吹き抜けながら風選を行って、排塵選別室17に浮遊する藁屑や塵埃を横断流ファン11の吸塵口19に吸引して排塵口21から機外に排塵することになる。 【0028】 つぎに、図8に示す実施例は、上記構成において、一番棚先34とストローラック26の始端部の間にあるチャフシーブ20Pを略45度の角度に固定して下方から吹き込まれる選別風を上方側に誘導案内する構成としている。この場合、固定チャフシーブ20Pは、下方から吹き抜ける選別風が圧風唐箕1から吹き出された風であっても、二番移送螺旋31の前側に装備されるセカンドファン38から吹き出される風であっても、一様に上側の排塵選別室17に誘導案内できる。 【0029】 このように構成すると、排塵選別室17は、圧風唐箕1から吹く出される選別風と、セカンドファン38から吹き出される風とが、横断流ファン11の吸塵口19の前側で風選作用を行ない、大量の排塵物が適確に選別分離されて塵埃が横断流ファン11に吸引されて機外に排塵される。 【0030】 つぎに、図9に示す実施例は、チャフシーブ20を一番棚先34の上方位置を境にして前部チャフシーブ20aと中間部チャフシーブ20bとの2つのグループに分けて別々に開度調節ができる構成にしている。したがって、前部と中間部との2つのチャフシーブ20a、20bは、グループごとに別々に開度調節ができるから、チャフシーブ20上に供給される被選別物(藁屑)の量に応じて開閉を行うことができ、下方から吹き上げる選別風量を調節して、藁屑の量に合わせた適確な選別が可能になった。 【0031】 つぎに、図10に示す実施例は、揺動選別棚8aに基部を取り付けた弾性素材からなる拡散ガイド40を、下方に延長して二番移送螺旋31の上方位置に臨ませて構成している。したがって、該拡散ガイド40は、揺動選別棚8aと一体的に揺動されながら、二番移送螺旋31の上方空間を攪拌してその部分に停滞している藁屑等の二番物に軽く衝撃を与えて落下させ、詰まりを未然に防止できる効果がある。特に、拡散ガイド40は、小麦の二番還元物のように重量的に軽い場合、二番移送螺旋31まで落下し難い傾向があるが、途中に停滞するこれら二番還元物に対して拡散作用を行い、下方の螺旋に落下させることができる。 【0032】 つぎに、図11に示す実施例は、揺動選別棚8上のチャフシーブ20を、一番棚先34の上方を境にして前部チャフシーブ20aと、中間部チャフシーブ20bと、後部に装着していたストローラック26に代えて後部チャフシーブ20cを取り付けて3分割のチャフシーブ構成とし、それぞれ独立して開度調節ができる構成としている。そして、中間部チャフシーブ20bは、終端のシーブを下方に延長して選別風誘導板41を構成している。この選別風誘導板41は、一番移送螺旋30と二番移送螺旋31との間に設けたセカンドファン38の風を上方の中間部チャフシーブ20bから排塵選別室17に誘導する構成としている。 【0033】 以上のように構成した実施例は、上記選別風誘導版41の角度調節(中間チャフシーブ20bの開閉調節)によりセカンドファン38からの選別風を横断流ファン11の吸塵口19側に誘導して垂直選別を効果的に行うのは勿論であるが、後部チャフシーブ20c側に選別風を誘導するように切替えることができる。この場合、セカンドファン38は、二番移送螺旋31の上方に吹き出した選別風が、選別風誘導板41により後部チャフシーブ20c側に誘導されると、主として排塵処理室23の排塵口27から排塵選別室17に排出された排塵物を効果的に選別する。 【0034】 したがって、藁屑と穀粒とは、確実に風選されて穀粒を含む二番物が下方の二番移送螺旋31側に落下し、機外損失を大幅に減らす効果がある。 つぎに、図12に示す実施例は、既に説明した弾性ガイド板33の基部(上端部)を回動支点Pとして前後に回動調節ができる構成(制御モーターに接続して回動制御ができる構成)としている。そして、チャフシーブ20は、前記実施例(図11参照)で説明した前部チャフシーブ20aと中間部チャフシーブ20bとを一体にして開閉調節ができる構成とし、後部チャフシーブ20cとは別作動する構成としている。そして、実施例の弾性ガイド板33は、上記前部チャフシーブ20aを閉じ側に調節すると、関連して後方に回動し、逆に、開き側に調節すると、関連して前方側に回動する構成としている。そして、後部チャフシーブ20cは、上記した前部チャフシーブ20aとは逆に作動する構成で、前部が閉まれば、開き、前部が開けば、閉まるように関連して作動する構成となっている。 【0035】 このように、三つの装置20a,20c,33は、前部チャフシーブ20aの開閉調節作動と、後部チャフシーブ20cの開閉調節作動と、弾性ガイド板33の前後回動作動とが一定のタイミングの下に連動する構成であるから、排塵物の量に応じて選別風が送られ、垂直選別を適確に行いながら、二番物も回収して機外損失を少なくした特徴がある。 【0036】 このように、排塵選別室17は、前部チャフシーブ20aが閉じ、弾性ガイド板33が後方に回動すると、二番還元物が増大するが、そのとき後部チャフシーブ20cが開くことによって、穀粒等を含む二番還元物が回収されて三番飛散が大幅に減少する特徴もある。 【0037】 なお、これらの作動は、コントローラによる制御信号に基づいて行われる。 つぎに、図13に示す実施例は、コンバイン作業において、コンバインを圃場の端で旋回するとき、三番飛散を最小にとどめ、尚且つ、一番選別を良好な状態に保つ構成にしている。すなわち、チャフシーブ20は、上述のとおり前部チャフシーブ20aと後部チャフシーブ20cとに分けて上側には、弾性ガイド板33を回動調節可能に揺動選別棚8aの近くまで垂下して構成している。 【0038】 そして、2つのチャフシーブ20a,20cと弾性ガイド板33は、オペレータが旋回レバー(実施例の構成では「パワステレバー」と呼んでいる。)を握って旋回操作をすると、センサが検出して制御手段が作動し、前部チャフシーブ20aが閉まり、逆に、後部チャフシーブ20cが開く構成にしており、それに関連して弾性ガイド板33が最後部位置まで回動する構成となっている。 【0039】 したがって、選別作用は、閉まった前部チャフシーブ20aのため、一番移送螺旋30側への排塵物の混入が大幅に制限されて良好な選別状態が保たれ、開いた後部チャフシーブ20cから穀粒を含む二番物が二番移送螺旋31側に流下して、機外損失となる三番飛散を少なくできる特徴がある。 【0040】 つぎに、図14に示す実施例は、既に説明しているように、揺動選別棚8aの終端部のストローラック26を後部チャフシーブ20cに置き換えて選別目合いを開閉調節自在にし、更に、中間部チャフシーブ20bを固定式にした構成としている。そして、上記中間部チャフシーブ20bは、45度以上の角度にして上方へ選別風を誘導して排塵物を効率的に選別する構成としている。 【0041】 この場合、固定した中間部チャフシーブ20bは、図11の実施例で説明したように、最後部のシーブを下方に延長して選別風誘導板41を形成している。 この実施例の一つの特徴は、従来、ストローラック26は目合調節が不可能であったが、図14に示す後部チャフシーブ20cは、開閉調節が可能である点で優れている。したがって、後部チャフシーブ20cは、開閉調節によって下方の二番移送螺旋31側に稈切れなどの混入を防止できる利点がある。 【0042】 そして、中間部チャフシーブ20bは、固定して設け、尚且つ、最終端のチャフシーブを下方に長く延長して選別風誘導板41を構成したから、排塵選別室17に効果的に選別風を誘導できて垂直選別を行うことができる。したがって、排塵物は、穀粒と藁屑とのに分離選別され、穀粒が一番移送螺旋30側に、穀粒を含んだ二番物が二番移送螺旋31側にそれぞれ流下して三番物として藁屑が横断流ファン11に吸塵され、機外に排塵される。 【0043】 更に、図14に示す実施例は、前部チャフシーブ20aのシーブのピッチaより後部チャフシーブ20cのシーブのピッチbを広くした構成にも特徴がある。 このように、後部チャフシーブ20cは、シーブのピッチbが、前部チャフシーブ20aのシーブピッチaより広くしたから、濡れ扱ぎ時に垂直選別の効率が低下したとき、選別目合いを広くして穀粒を下方に流下させて二番物として回収できる優れた特徴がある。 【0044】 つぎに、図15、及び図16に示す実施例について説明する。 この実施例は、株元が挟持チエン45と挟持杆46とからなる挟持搬送装置47で挟持され、穂先側が扱室16に挿入されて扱胴9によって脱穀される通常の脱穀装置において、前記挟持搬送装置47より内側に株元ガイド48を設けた構成にしている。この場合、株元ガイド48は、図16に示すように、扱室中板49と扱室後側板50との間に位置させて設け、排塵処理室23への連通口51に対応させて配置した構成となっている。そして、該株元ガイド48は、株元が挟持搬送装置47で挟持された穀稈の若干穂先側を下側から押し上げ状態に案内して穀稈穂部を扱胴9側に押圧して押し付けるように作用する構成としている。 【0045】 以上の構成によって、株元ガイド48は、穀稈の搬送過程において、穀稈の中間部分から穂先側を扱胴9側に押し付ける方向にガイドし、脱粒効果を高めると共に、四番ささり粒の落下を促進し、これらを連通口51から排塵処理室23へ受け継がせることができる。このようにして、実施例は、排藁と共に機外に持ち出される四番ささり粒を減少し、機外損失を減少することができる。 【0046】 つぎに、図17、及び図18に示す実施例について説明する。 実施例の脱穀機15は、機体の背後(排塵口55側)から見て、左側に横断流ファン11を軸架し、右側には排塵処理室23を機体の後部まで延長して設け、これらの下側には揺動選別棚8aを装備して構成している。そして、本実施例の主要部に相当する弾性素材のガイド板56は、図面に示すように排塵口55に上側から垂れ下げて下端部分を揺動選別棚8aの後方に位置させて設けられている。そして、この弾性素材のガイド板56は、図18の背面図から解るように、排塵口55の外側において、横断流ファン11側にのみ垂れ下げて設け、排塵処理室23側の後方を機外に開放した構成としている。 【0047】 このように、弾性素材のガイド板56は、一方の横断流ファン11側を塞ぐことによって、カッターの稈切れの混入を防ぐことができる効果があり、更に、他方の排塵処理室23側を後方に開放しているから、排塵口の詰まりを未然に防止できる利点がある。 【0048】 つぎに、図19、及び図20に示す実施例について説明する。 まず、排塵ガイド57は、図面に示すように、揺動選別棚8aの後部に設けられ、排塵口55の下方後方に突出して構成している。そして、寄せ板58は、前記排塵ガイド57の上面に機体の右方向に排塵物を誘導して寄せるように傾斜させて設けている。そして、分離板59は、上部を横断流ファン11の排塵口21の下側に設け、吹き出された排塵風が下側にある前記排塵ガイド57に吹きつけるように勾配を急にして取り付けた構成としている。60は排塵風案内板であって、機体の右側に誘導できる傾斜を設けて構成している。 【0049】 そして、実施例の肝心な構成は、横断流ファン11の排塵口21から吹き出された排塵風が、下側の排塵ガイド57に吹き付けられて、これらの排塵物を広く拡散する構成となっていることである。 【0050】 以上述べたように、図19、及び図20に示す実施例は、ストローラック26の揺動作用を受けて排塵され、排塵ガイド57上を流下しながら寄せ板58の作用を受けて中央側に寄せられている排塵物に対して、横断流ファン11の排塵口21から吹き出される排塵風が分離板59上を排塵風案内板60に案内されて吹き付けられる。そのため、排塵ガイド57上の排塵物は、排塵風により拡散されて圃場面に広く排塵される特徴がある。 【図面の簡単な説明】 【0051】 【図1】脱穀機の切断正面図 【図2】脱穀機の切断側面図 【図3】脱穀機の切断正面図 【図4】脱穀体の切断側面図 【図5】圧風唐箕の風速を示すグラフ 【図6】脱穀機の切断正面図 【図7】脱穀機の切断側面図 【図8】脱穀機の切断側面図 【図9】選別室の一部の切断側面図 【図10】脱穀機の切断側面図 【図11】選別室の一部の切断側面図 【図12】選別室の一部の切断側面図 【図13】選別室の一部の切断側面図 【図14】選別室の一部の切断側面図 【図15】扱室の一部の断面図 【図16】扱室の一部の切断側面図 【図17】選別室の一部の切断側面図 【図18】選別室の一部の内部を示す背面図 【図19】脱穀機の切断側面図 【図20】脱穀機の一部の背面図 【符号の説明】 【0052】 1 圧風唐箕 2 唐箕軸 3 羽根支持アーム 4 唐箕羽根 5 選別室 6 吹出口 7 風切板 8 揺動選別装置 9 扱胴 10 処理胴 11 横断流ファン 12a,12b 唐箕ファン。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社 【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
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| 【出願日】 |
平成16年8月31日(2004.8.31) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2006−67835(P2006−67835A) |
| 【公開日】 |
平成18年3月16日(2006.3.16) |
| 【出願番号】 |
特願2004−252534(P2004−252534) |
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